もうずっと昔、
― 最高のファンサーヴィスは、勝つことだよ。
……と、看破してみせたのは、落合 博満。
今こそ、そのことを実感なさっているのではありませんか?、山雅ファン&サポーター諸氏よ。
❶良い部分を、もっと見よう
3部リーグの他チームに対して、我ら山雅は、フィジカルとテクニックのところでは幾分かは優る。
とは言え、無双、と言えるような圧倒的なチーム力は無いのだから、第2節対Ys横浜戦は、今の、ベストに近いゲームだったように、僕は思っている。
ゲーム入りの数分と、前半30分台は明らかに、Ys横浜がゲームを握っていた。
が、上に書いたような事情からすれば、主導権がシーソーのように互いを行ったり来たりするのが、サッカーというもの。
たしかに、ボールを縦に通しておいて、即、横に入ってくるプレイヤーにボールを渡すYs横浜の攻撃には、かなり手こずった。
が、追走ばかりの守備シーンはなかったし、1対1で執拗にボールを絡めとろうとする執着心は、ゲームを通して衰えなかった。
正面から行って捕まえきれずに、横のスペースへとずいぶん交わされましたけれど、僕はむしろ、自分流の戦法に奉じた Ys横浜イレブンをホメたいですね。
ビクトルの再三のファインセーヴに助けられたとは言え、その前でコースを窮屈にしていたり、ブロックを惜しむこともなし。
あと、失点シーンは、そのビクトルがボールを後逸してしまったため、後方でディファンスの態勢が崩れてしまったところを、ヘディングで被せられたもの。
たしかにミスなんだが、無為の失点でもないのだから、改善を期す、ぐらいでいいんじゃあないか?
欲を言えばキリがなく、新たなサッカースタイルの構築を続けるチームをポジティブに見守るのが肝要だと考えます。
とにかく、今節で、特筆すべきことは、
監督コーチの指示があったにせよ、(おそらく前半の反省とパス多用の相手のやり方から) 4 – 4 – 2 の陣形を、縦横にできるだけリジッドに保持しておいて、相手のボランチに空いたスペースを使わせないような守備に、後半は徹底したこと。
横山 歩夢が不用意に相手のセンターバックを深く追いかけようとすると、すかさずパウリ―ニョからポジションを修正(連動性のこと)するように指示が飛んでいましたから。
守備から攻撃への反転を、自動化させるような構え、というべきでしょうか。
❷守備と攻撃の一体化にこそ注目を
2得点とも、素晴らしいクロスからの得点でありましたが、もともとの起点は、相手ボールを奪取したところから。
特に、2点目(by 小松 蓮)は、ボールを奪った菊井 悠介が、かなり低い位置から小松に通した鋭いパスから始まった、流れるような連動だった。
彼、ボランチでやっていけるんじゃあないか?、と思わせるプレイでしたが、奪って即前へ、というのが、合言葉なんでしょう。
2戦連続先発を獲った米原 秀亮もそこのところは意識していて、随所に攻撃を考えたプレイでしたし、コーナーキック時の守備では高身長を活かしている。
このゲーム、影のMVP推しです。
❸緻密さを織り込んだセットプレイ
後半、ゴールへ向かって、右45°付近からフリーキックが2本あり、両方、佐藤 和弘がキッカーだった。
初回のやつは、ファーに構えた常田 克人めがけて入れて、中へ折り返す策。
で、2回目はですね、蹴る前にわざわざ常田を呼んで、なにかを耳打ちする。
あぁ、なにかのフェイクなんだろう、と思っていたら、案の定。
相手の守備ラインとゴールキーパーの中間に鋭いボールが、蹴り込まれた。
全員がゴールに雪崩れ込む格好のやり方。
あるいは、コーナーキックでは、佐藤から外山 凌へと短く出しておいて、外山が、中央へ走り込んで来る米原に送り、ぺナ外縁から打たす、とか。
要は、細部の仕込みにまで工夫がされてきている、そういうチームの状態を評価したいのであります。
では。