攻守一体サッカーの体現者 (続/相模原戦レビュウ)

相模原戦のMVPは、誰か?

EPSON月間のほうには、2得点の横山 歩夢が書き込まれるだろうことは、必定。

それはそれで当然として、萬年式のやつでは、

ボランチをそつなく、というより、かなり攻撃的にこなして魅せた住田 将に。

まづ、いろんなところに顔を出してボールに絡もうとする機動性が豊富。

それによって中盤で攻撃の起点となっている。

横山の一点目は、住田がボール奪取して即横山に出したパスから始まった。

ついでに言っておくと、相模原ディフェンスを追い越して、ドリブルする横山に並んでしまうほどに長い距離を走り込んだのも住田。

村越 凱旋とふたりして、相手守備の注意を分散させることに成功したのだ。

と同時に、相模原の攻撃をスピードダウンさせることに寄与。

高身長だから、足もよく伸びるので、相手からボールを獲る迫力に優れる。

さらにさらに。
ついでに言うと、2点目を決めた横山のところに真っ先に祝福に行ったのも、住田だった。

(言われてはいるんだろうけれど)、自らが責任を引き受けて発動しているようなプレイスタイルは魅力ですわ。

いままでは右サイドに配されていたが、ベストはボランチ、が証明されたんではないか?

それにしても、今季は、プレイヤーたちに素質があるんだろうが、とにかく、ユーティリティなポジション配置が各所で効いている。

つまり、奪ったら前へ速くの、攻守一体型サッカーが、ますます浮かび上がって来ました。

そのシンボリックなやつが、ペナルティエリアの外縁あたりで、後方から走り込んでくるプレイヤーに、打ちやすい、優しい横パスを供給するアイデア。

これ、速く、先手先手で駆け上がっているからこそ可能になるプレイ。

惜しくも圍にせーヴされた、菊井 悠介のミドルシュート。

それをお膳立てするパスを出したのは、そこまで上がって来ていた宮部 大己でしたからね。

相模原戦、攻撃シーンの多くで、白いユニフォームが4人くらいは、ペナルティエリアに侵入していて、これ、ここ3年はなかなか観られなかった光景でありましたよ。

こういったことが、どのゲームでもできるようになること、それがテーマ。

たしかに失点0で締めたゲームは今季まだ無いにせよ、ここまで攻撃的な容貌を持つようになったことを、素直に喜ぼうではありませんか。

では。

3割は差っ引いておく (2022.4.03 相模原戦レビュウ)

まづは、冷たい雨中、現地で闘ったチームと、参戦のファン&サポーターには深く感謝します。
なにとぞ、無事なご帰宅を祈るばかり。

結果は、4 – 1 の勝利。

これを、バースディプレゼントとして貰った家人が、いちばんの果報者か。

常に2点差でないと安心できなくなっているココロからしても、最後まで手を抜かずに前を向いたゲーム運びを、高く評価したい。

どれだけ前へ速くボールを運べるか?が、今節観たいポイントのひとつだったので、その点を全うしたのは、今後への大きな財産だ。

〈なんで差っ引いて考えるのか?〉
さて、ゲームの帰趨を左右した要因は、主に、

❶サッカーの基本テクニック、❷中盤における強度と執拗さ、❸攻撃アイディアの多寡、この3点だった。

これらは、我が方に、若干の! 優位があったのは確かであって、プレイヤーの資質を見抜き、それを惹き出している現場首脳の手腕は評価されていい。

若い才能たちが、軽快、快活、ワクワクしながらプレイしている姿、これが今の山雅なんだ、とファン&サポーターのココロに刻まれた、そういった意義あるゲームだと思う。

若手のホープ(希望)が次々と現れる、この新鮮な嬉しさに浸ろうではないか、今は。

このスタイルのどこが泥臭いのか、僕にはとても信じがたく、浮つくこともなくオシャレなことが、ボール運びや、スペースの奪取においてできるようになっている。
(☞ 註: 泥臭いのは、もともと嫌いなタチです)

そういう意味で、対人に相当の強さを魅せる宮部 大己も、最終ラインのポジションを確保するためには、もっとパスワーク練度を上げないとね。

……、とまぁ、全体に高評価には違いないんだけれど、それにしても、相模原の出来が悪すぎたように感じてしまう。

攻撃や、中盤の形成力も淡泊、良かったのは、右サイドからの突破くらいだった。
中盤に躍動感が出ないので、4バック(実質的には2センターバック) の最終ラインが見事に、低い位置で孤立。

平板な守備と化してしまい、山雅のボールホルダーへの寄せに迫力がないので、空いたスペースを使われて、いいようにシュートに持ち込まれた。

ディフェンスによってパスコースが限定されないから、失点のすべてを、サイドネット方向に打たれたGK圍 謙太朗は、さぞや辛かっただろう。

今回、山雅の枠内シュート率が高かったのは、余裕を持って打たせてくれた相模原守備の緩さ、それに負うところもある。

……てな訳で、こんな好調がこれからも続くなんてことは、ゆめゆめ考えずに、次なる連携の高みを目指せ、ってのが、今回の結論でして。

で、ゲーム観戦のふたつめのポイント。

すなわち、連動性ある攻撃、それと、水も漏らさないような守備態勢、これらに関する率先役として、現在、誰が存在感を魅せつつあるのか?

これについては、読者諸氏のご判断に委ねることとして、今は、敢えて断定はしない。

けれど、そのおかげで、たとえば、久しぶりの浜崎 琢磨が、かなり自由に持ち味を出せているのには、嬉しい驚きを感じました。

〈次節への布石とは?〉
たとえ、屈強なセンターフォワードを欠いたとしても、強力な前線を構成するための布陣と、攻撃のやり方、これが、新味として加わったことに活路を見い出したい。

では。

やるからには,シのゴの言うな。

昨日、職場のクレ君が近づいてきて、やおら言うには、

― スペインやドイツのファン&サポーターはもう、楽なグループに入った、と喜んでいるそうですよ。
彼ら、決勝トーナメント進出を、ほとんど確実視しているらしい。

確かにな。

予選4ゲームやって、ジャパンと、コスタリカorニュージーランドの勝者、この二者から、手堅く2勝と、見込んでいるんだろう。

でも、なにが起こるかやってみないとわからないのも、サッカー。

そのドイツにしたって、2018ロシア大会では、メキシコ、韓国に敗れてグループリーグで姿を消しているのだ。(註: たとえ、2014年大会の優勝国であっても)

そうだな、日本としては、あと6箇月の時間をかけて……、

❶前回大会でメキシコが魅せたような、鋭いカウンター攻撃に磨きをかける。
つまり、それが出来るプレイヤー選考と、メカニカルなまでに、いくつかの手法を確立する。
こちらの攻撃回数はきっと多くないので、必殺的なレヴェルでないとならぬ。

❷より優秀なゴールキーパーを選任する。
おそらくは、シュートを休みなく20本以上は打ち込まれるのだから、キーパーばかりでなく、身体を張れるディフェンスの確保。

参考までに、メキシコがやって魅せた得点シーンがこれ。(38秒あたりから)

まったく惚れ惚れしますが、これくらいのクオリティがなけりゃ崩せません。
☞動画は一旦ブロックされますが、you tubeで見るをクリックしてご覧下され。

あれから4年経ってみたら、当時の開催国露西亜は、今やほとんどすべての国際大会から排除されていて、時代の変化というものこそ予想がつかないけれど、

果たして、入場アンセムには、どんな曲が採用されるんだろう?

あの時は、『Seven Nation Army』(by ホワイトストライプス 2003年発表) が使われたが、このタイトル、なんともご時勢に似合い過ぎていて、具合がいいのか悪いのか。
七つの国の軍隊、とはね……。

今回はそれを、2 CELLOS によるカヴァーで。

2018年、キエフで開催されたUEFAチャンピオンズリーグ決勝、スタジアムでこの曲を演奏したのが、彼らだった。

ピチカートで演奏されているリフレインはユニークで耳に残るから、この曲は、スタンダードナンバーになった。

では。

変貌を力強くあらわに (SC相模原戦プレビュウ)

数箇月前に対戦したけれど、相模原については、どうも印象が薄い。

高低差のない芝生のアウェイ席から観たゲームのようで、なんとも、平板かつ遠目でピンとこない。

その後、チームも変わって、船山、圍、水本といった名前も聞こえてくるが、どうなんだろうか。

高木監督は続投しているから、なんとなくだが、守備重視の、スタイルにこだわったサッカー、といった印象。

結局は、強敵で在ることには間違いない、といったマヌケなプレビュウになってしまい、面目もありません。

対して、山雅。

こちらは観るべきポイントは、ふたつ。

そのひとつ。
2019年からずっと続く大きな問題点は、背番号#10 が上手くチームにはまらないことにある、というのが、僕の持論。

もちろん、セルジ―ニョは秀逸なタレントであったし、その功労には感謝しかないけれど、チームのスタイルと合致していたか?、というと疑問符。

なかでも、昨季の不調は、#10を背負うタレントをかなり擁しながらも、今シーズンになってみたら、あれだけ居た候補者のうち誰も、その背番号を背負っていない。

まぁ、どうこう言っても始まらない現実であるけれど、では、これからは、誰が、実質的な#10の役割を担うか?

チームとして出来る限り早い時期に、チーム戦術の中でそれを明確にすべき。

だから、これまでの3ゲームはそのための試運転ぐらいに考えて、いよいよ、ここからアクセルオン、と思って見守ろう。

ふたつめ。
攻撃的に前を向く、という格好はできつつある、と思っている。

これには、佐藤 和弘を2列目に配したことと、横山 歩夢が好調であることが大きく寄与しているが、どの位置からであっても、ボールを奪ったら素早く前へ、という共通意思は徹底されてきた。

あとは、4バックにした際に、サイドバック陣がもっと高い位置を採ることか。

3バックとの併用、あるいは、守備における5バックの意識が残ってしまう所為なのか、まだまだ、上がり足りないように思われる。

サイドバックの攻撃性の強化、これを注文したいなぁ。

どこからでもクロスを入れる態勢を採れることによって、相手のクロスの洗礼を浴びる回数も減るでしょうから、これは特に、対相模原では肝要な部分だと思います。

セットプレイのデザインとか、スローインからマイボールにもっていく確率とか、細部にわたって配慮が浸透してきている。

そういう点が押さえられてきているを観つにつけ、攻撃へのこだわり、これをもっと期待しようではありませんか!

では。

First of April

今日こそ先手を打って、思い切り楽しいウソをついてやれ、と考えていたんだけれど、

こんなご時勢では、あまり威勢のいいやつは思い浮かばず、

そんなところへもって来て、

― ねぇ、雪よ。夏タイヤにしたんだから気をつけて。

と、声をかけられるもんだから、エイプリルフールも、どこかにすっ飛んで、

白くなった庭と、街灯の下、にぶく反射する道の暗さを、じっと見ている朝。

では。