前半18分の失点シーン。
発端は、常田 克人が、センターラインを越えてボールを持ち上がった際に転倒し、相手にそれを掻っさらわれたこと。
そこから、今治の前線、中川 風希にパスが通ると、事態は一気にアラートな局面に。
すると、常田はみづからのミスを挽回しようと、中川を追走していく。
だが、ここは宮部 大己がディフェンスに入っていたから、味方ふたりがムダに交錯することになって、ボールがリフレクションしたこともあり、かえって中川に、自由とスペースを与える格好になってしまう。
最終ラインには、住田が入っていたが、中川の打ったシュートコースも絶妙だったため、住田が出した足と、ビクトルの差しだす右手もむなしく、ゴール!
なんとかしようとする責任感は、わかる。
だが、ここは常田、素早く最終ラインに落ちて、前を向くことで、シュートコースなりスペースを消すか、あるいは、徹底的にボールを持った中川に喰いつき削るか、どっちかのはず。
まぁ、ディフェンスのミスはけっこう失点に直結するから、どうしても目立ってしまうのが、辛いところ。
57分だった。
前 貴之が身体を倒しながら打った、大胆なビッグスイッチ(左へのサイドチェンジ) の先には、まったくフリーな下川 陽太がいた。
そこから斜めに持ち込んだ下川は、おそらくはシュートを意図したと思うけれど、彼が蹴ったボールは、バー上方を大きく越えていった。
もしも常田が責められるならば、この攻撃シーンの下川も追及されてしかるべきだろう。
もちろん、僕は、両者を責めるつもりもあまりなくて、
仕事を責任を持って貫こうとする意思は、かなり強固になりつつあるけれど、これからは、中途半端にならない冷静さと、先読みをもっと望む。
チャレンジすることは、リスクも引き受けることでもあるはず。
ヘタにみづからを逃げの姿勢に追い込んだところで、ロクなことにはならない。
失点をおそれず、とにかく得点するために前へ、これです。
この今治戦で言うと、たとえば……、
前の 機敏。
菊井の 狡智。
宮部の 耐性。
住田の 剛直。
下川と外山と山本 龍平の 果敢。
そして、常田の 沈着。
― こういった各個の強みとプレイスタイルを殺すことなく、チームとして統一された意思を込めてボールを運び、フィニッシュまでやり切れ、と願うのみ。

たまたま愛媛新聞 (今治側) の記事を読んだら、
後半は優位にすすめたものの敗戦、とあった。
相手にシュートチャンスを与えず、コーナーキックを多く獲って自分流にできた、という意味なんだろう。
ただし、ボールを握っているから、それで優位に立てている、といった浅薄な理解は慎みたいものだ、少なくとも、山雅の側に立つ者であるならば。
では。