時候の憶え、芝が一定に生えそろうのは、6月末。
ヨ―ソロー、とは船乗り用語で、舵取り良好、このままの方向へ進め、を意味する。
この言葉が、〈よろしく候(そうろう)〉を短縮したものとは知らなんだが、
山雅のリーグ戦やりくりは、現状、ヨーソロー。
順調に、ここまで来ていると思う。
もちろん、チームとして目指すクオリティー到達度は、また別の問題です。
勝ち点の積み上げは、14節消化して、28。
ゲーム平均勝ち点 2 を獲れているので、勝ち点管理としては上々の出来。
過去5年の実績から、3部リーグだと、節数かける 2 の勝ち点に到達すれば、2位内にランクインするのが、ほぼ100%の確率。
(ただし、断トツな1位チームがあると、2位の勝ち点基準は、あと数点は下がる)
要は、もっぱら自分の勝ち点勘定を気にすべきであって、いま時点で、順位うんぬん、あるいは奪首奪首、と騒がないのがよろしいかと。
対戦のための研究でなければ、隣のチームの芝目を気にすることもない。
……、と萬年式勝ち点計算説を申し上げたら、職場でお会いする山雅サポーターの方からは、
― いやいや全部勝つつもりでいかなきゃあダメでしょう、とかお叱りを受けるんです。
これだから、女性の一途さは、時として厄介。
けれどね、そういった、もう後が無い、を言いつつリーグから陥落した過去を知っているからこそ、もっと冷静にソロバンをはじいてもいいのでは?、と思うこの頃。
例えば、ホーム必勝、アウェイは最低ドローで勝ったら、それはボーナス。
このペースで、2ゲーム通算が勝ち点4、ですからね。
毎ゲームを全力投入、力量の最大値発現は論を俟たないが、勝敗がままならぬこと常なのも、歴戦の山雅ファン&サポーターなら、よくご存知でありましょうから。
まぁ、しかし、だ。
おとといの対いわき戦。
1名少なくなって必要に迫られて採用した、後半30分間ほどの戦い方。
あれ、いわて攻略法の手がかりを、リーグ全体に提供してしまったように思えてなりません。
もちろん、11人揃った当初の戦法を続け、交代で、住田 将、浜崎 琢磨を投入し、よりサイドから畳みかけて相手を追い詰めるところが観たかったんですが、それは、7/23のお楽しみ。
ラストのところで橋内 優也を投入できるなんてのは、やはり、3部にあっては別格の選手層です。
スタジアムで観戦中、家人が隣から、
― いわてはミスが少ない、良いチーム、とのご評価。
山雅は、それに反し、ミスが多いとおっしゃりたいわけだ。
良いチームであることは否定はしませんけれども、ミスが少ない、というのは違う。
精度の低いクロスにしたって、いわば、ミスでしょう。
いわてのピッチ内練習は相当に実践的。
でも、クロス精度は、目を覆いたくなる出来で、それがゲームにも反映しました。
いわての場合、速くボールへ駆け込む、どこにボールを出す、が戦法として準備、徹底されているので、どのスペースであっても先手を獲れる、ということなんです。
だから、横山 歩夢がシュートを打ちやすいところへボールを持ち出そうとすると、普段よりも速く相手ディフェンダーの足が出てくることが数回。
山雅にすれば、そこをどうやって交わすのか、または、ひっくり返すのかを、あとひと月かかって考えればいいことであって、
他方、いわきは、攻撃アイデアをもっと捻り出すという、けっこう難易度の高い課題を、対山雅戦については負った。
クロスを高く強いヘディングでズドン、あるいは、密集のこぼれ球に反応して打つを狙うだけでは、山雅の守備は崩れなかった。
当然、山雅よりもクオリティーで劣るチームに対しては、今の戦い方をマットウするでしょう。
だから、ひと月後もやはり、上位対決なんて言ってるんでしょうか?
DAZNを観返したら、外山の2点目は、菊井 悠介のシュートを星キョーワンがブロック、そのこぼれ球が、走り込んでいた外山へのプレゼントパスになってしまったことに、今さら気づく。
となれば、いわきの後期山雅戦のテーマは、〈アキラとキョーワンの逆襲〉でよろしいか?
……と、あれま、ヨーソローが、いつのまにやら、7/23のプレビュウの有り様で、誠に申し訳のないことです。
では。