最低賃金額では、長野県よりもつねに下位にありながら、入浴料金が、端から 1,000円で始まるといった山梨県の温泉料金体系には、どうしても納得できない。
甲府から 60㎞走ってたどり着いた先でもやはり 、1,000円いただます、ってのは、どうもなぁ。
ま、それに見合う泉質と風情を持つ温泉も多いから、なんとか赦しているのだ。
ただし、僕の知るかぎり、山梨県では、秘湯と呼ばれる有名どころが、ここ数年で何軒か廃業(閉鎖)した。
秘湯とは、経営的に、まさに風前の灯火を感じさせる、あの寂寥感と、世からは遠い静けさの中になければならない。
これこそが、秘湯の条件のふたつめ。
よっぽど不愛想でなけりゃ、接客も、そこそこでけっこう。
で、地方政府(自治体)が肩入れしているところの、日帰り温泉施設。
変に細かいルールがべたばた貼ってあったりする割には、細かいところまで気配りが行き届いていないといった残念なところが多いけれど、
致命的な点は、なんといっても、湯の中、地元民が我が物顔にうるさく放談していることだ。
お互い顔見知りのご近所、はわかるが、湯あみは、やっぱり静かにあじわうのが礼節。
静けさを求めるならば、
夏だと、第一次産業従事者の皆様のお仕事が一段落する、午後3時頃以降は避けたほうが賢明だろう。
浴場で聞かされて心が和む声の張り上げは、仕切りの向こうへ、天井を越えて、これから出るよ、と声をかけあう家族の会話ぐらいなものだ。
では。