序盤の 大一番 (鳥取戦プレビュウ❷)

正確には、今節と次節北Q戦が、序盤戦の、最も高いハードルふたつ、と僕は診る。

まづは、鳥取。

今季、3部リーグ20チームのうち、新監督でスタートしたのが、12チーム。
(Jリーグは、選手と同じように、監督の流動性もかなり高い)

その中、ガイナーレは、キム ジョンソン氏が、指揮を執って3年目で、

信条とする攻撃的サッカーがチームに浸透、深化しているだろうから、それだけでも、他にアドヴァンテージを持ってシーズン入りしている。

現在、勝ち点が、山雅とは、わづか1つ差で、第4位。

得点は、ここまで 計10で、リーグ1位(グルージャと同点)。
ゲームを追って、3、3、2、2 とすべて複数得点、

攻撃回数、ペナルティエリア進入回数、いづれもリーグ1位となれば、いかに攻撃サッカーをやっているかが、一目瞭然。

パスを積んで、敵陣深く、サイド中心で入ってくる、という攻め方。

他方、失点は、リーグで下から2番目の、8点。

おおざっぱに言うと、失点をおそれず、それ以上に得点して勝ってしまえ、という姿勢だろう。

では、失点がこれまで2の山雅とは、攻撃の鳥取 vs 堅い守り、という図式なのか?

いやいや、それでは、新・山雅にとって、やり甲斐と、自己表現に乏し過ぎる。

あくまで、〈守攻一体型・高強度〉サッカーを貫くことによって、

相手の攻撃体勢をそのままひっくり返してしまうくらいの、攻撃的なサッカーをやらないと、面白くもない。

言葉は悪いが、ある意味、開幕戦のやり直しくらいの、闘志でいきましょう。

中盤では、鳥取の要である、普光院に仕事をさせず、左右サイドは、こっちが制圧して、先手でクロスを投入する、そんなイメージで。

ゆえに、注目は、藤谷 壮(右)、下川 陽太(左)のボールの持ち出し。
彼らが何回それをやって魅せるか?、それを楽しみに。

では、アルウィンで。

成長のあかしを (鳥取戦プレビュウ ❶)

日曜日、いまのところ、天気予報はまあまあ。

実験的に往路シャトルバスも導入されるようで、僕にとってのホーム開幕戦に、より期待がかかります。

さて、レビュウで、宮崎戦を完璧なゲーム、と評したことを、少々補足すると、

やろうとしている(であろう)内容が、完璧なレヴェルに達している、ということではもちろんなくて、

スタイル構築のプロセスが、個とチームに素直に落とし込まれていて、それに向かってチャレンジしているのが、あからさまにうかがえる、という意味です。

滝、藤谷といった画期的なタレントが加わったものの、昨季とほとんど同じメンツで、これだけの変容を、観る者に訴えているのは、

各個が、それぞれ真摯に新しい山雅の追求に取り組んでいる証拠。

たとえば、センターバックふたりに、ボランチが絡み、相手の守備網にズレを生じさせておいて、空いたスペースで、ワンタッチパスで前進していく、とか、

前線では、サイドを侵しながらも、そこに、ひと手間かけてサイドチェンジや、横パスを挿し込むことで、効果的にペナルティエリアでシュート機を見い出そう、とか。

これらは、いままでになかなかなかったやり方であって、チーム内意思の統一がこのまま深まれば、さらなる強化につながっていくと思います。

チーム一体の部分で、僕が特に強調したいのは、いままでの4ゲーム総じて、後半に入って、内容が改善されていること。

これこそ、やるべきこと(スタンダード) が明確で、そこに対して、ゲーム内修正が効いていることを物語る。

いまの道行が、たしかに成長への変化、と見守るなか、

では、鳥取戦。

ガイナーレ鳥取という、かなり尖がった特性のチームとやりあうので、独特の愉しみが在って、

それは、プレビュウ❷にて。

では。

『僕たちの失敗』と。

自分が生まれた、その前に作られた曲を見つけてきて、気に入ると、僕に教えてくれるジョー氏。

今回は、森田 童子 (1952 ~ 2018)の、『僕たちの失敗』(1976年)。

こういう優しい、メロディアスな曲に惹かれるのが、やはりジョー氏らしい。

先日、助手席に6歳の男児を連れて、開墾地の山道をドライブしていたら、

突然、その児が、一軒の庭を指さして、

― なに、あれ、ミニクーパー?、と叫ぶから、

あれはね、N360といって、ホンダの車、と答える
(彼はミニクーパーが、最近のお気に入り)

車体は、オリジナルの黄土色(キャメルカラー)、フェンダーには、(おそらく)いすゞベレットの砲弾型ミラー、ナンバープレートもついている。

歌も、車も、まるで突然、 1970年早々の、あの!!時代にタイムスリップしたかのような一瞬。

では。

雨に濡れなくても。

昨日、職場に行くと、複数の方々から、

雨に濡れてご苦労様でした、とか、風邪ひいたんじゃあないの?、とかの挨拶。

皆様、半分は、この山雅ファンの熱心を、からかっておっしゃるんですが、

― いやぁ、実はね、所用でアルウィンには居なかったんです、と言い訳しておりました。

クレ君などは、

― 負けちゃいましたね、いや、負けに等しいドローですね、とか煽ってくる。

自分自身を、山雅ファン&サポーターとみなしていないけれど、実は、こういう方々の関心こそが、

この街には松本山雅が在る、と言い切れることの最大の根拠であって、

アルウィンの観客数に一喜一憂し、やれ少ないだの、衰退だの、と批評するのは、きわめて表面的な観方に過ぎない。

サン テクジュぺリが言うとおりで、

本当に大切なものは、目にはみえない。

お子さん連れの家族や高齢者など、現地を断念してTV観戦にまわっただろう、そういう事情を考えれば、3月の冷たい雨の中、7,000人に迫る人々がスタジアムに足を向けるとは、大したもんだと、僕は思っています。

では。

ほぼ完璧じゃん (2023.3.26 宮崎戦レビュウ)

先制するも追いつかれて、1 – 1 のドロー。

(負けに等しいほどのことでもない、と思います)

開幕戦は、現地、DAZNリアルタイム参戦のどちらもかなわず、用を済まし、アルウィンにまわり、一人観戦の家人を拾ってから帰宅すると、

さっそく、見逃し配信で前半を観て、出て来た言葉をそのまま、タイトルにしました。

後半に入ると、内容はもっと良くなっていて、山雅がやりたいサッカーの意図と、前にボールを運ぶクオリティが、過去3試合よりも、ずいぶんと高まっていることを確認できた。

地上波で観戦の、地元サッカーファンにも、新しく、面白いサッカーの山雅をお披露目できた、好ゲーム。

ジャッジが山雅に有利だったのも、こっちの連係にとって幾分かは儲けものだったか。

クロスの精度、特に、下川からのものは、格段に向上。

家人は、国友が(ゴールを)決められないのを責めるが、どれも難易度が高い。

更に、小松等が打ち込んだシュートは、不幸にもゴールキーパー正面が多過ぎた。

だんだんと課題が絞られて、ゴール直前の練度が焦点になってきているのは、むしろ喜ぶべきことと思いますよ。

あれだけ身を挺して守る宮崎のようなディフェンスに対処するには、菊井の先制点に象徴されるように、相手の守備網をひろげることで、粗くしないとなかなか突破できない。

これ、アウェイ戦でのヒント。

失点ですか。

あれは、グラウンダーのクロスに、絵に描いたように、相手フォワードを自由にして飛び込ませ過ぎた。

相手にとっては唯一無二のチャンスをモノにさせてしまったのは痛恨ですが、

今季のように守備が安定すると、〈打たれ強くなれない〉といった皮肉な現象の落し穴みたいなもんだから、修正するしかない。

……、と総括すれば、It’s Getting  Better、という評価。

正直、次戦鳥取のほうが、もっと手強い相手であろうから、山雅クオリティは、むしろそこで試されそう、と覚悟せよ。

では。