割りきって,公約を守る(2023.6.11FC今治戦レビュウ❶)

遠くアウェイの地で、2 – 0 の 勝利。

現地参戦のファン&サポーターの皆様、お疲れさま、ご無事な帰還をお祈りします。

ファン&サポーターは実際、(ゲーム)結果に責任を負うことなく、けれど、熱く共闘するのが責任みたいなもんだから、

チームが、いちいち周囲(ファン&サポーターなど)の意向に振り回されてどうする?、と僕は思っている。

そういう視点から診ると、さいわいにして山雅はずっと、(BOOや批判とかの)雑音に囚われることもなく、自分流儀のサッカーを究める過程で、今回は、

今治相手に、複数得点、無失点でゲームを締めたイレブンを、心底、称賛したい。

ふたつの得点後、それぞれのセレブレーションの姿に、チームとしてやりたいことが活き活きと表出されていましたね。

でき得る限り、自分のゴールから遠い場所へボールを蹴り出す、といった割り切り。

これは、相模原戦でもやっていた、その延長ですが、

今節は、さらに、コレクティブな守備が深まっていたことが目を惹きました。

たとえば、人数をかけて、でき得る限り相手のドリブルやシュートコースを限定する、といった点。

霜田さんの口からは、山雅の伝統である堅守、とかいったことは、正直、聞きたくはない。

(攻守のチャンスが頻繁に交互するサッカーで) 点を取られても、それ以上に獲って勝つ、を常に追求してもらいたいけれど、

今節はとにかく、公約である複数得点と、失点1以下を達成できたんだから、

素直に喜んで、一週間を始めることにいたしましょう、ファン&サポーター諸氏よ。

では。

天使は,すぐそばにいる。

天使とは、ひとに恵みを与えるために降りてくる、天からの使い。

(殺戮の天使、というのもあるが、これだって神の御心をなすために放たれる)

昔々。

イスラエルの民が運んだ聖櫃(アーク) の天蓋に置かれた天使ケルビムは、背に翼を持っていたけれど、

今日、人間界に下される天使のおおくは、スーツ姿であったり、風采の上がらぬ中年男の格好をしているのではあるまいか?

でなければ、僕たちが、天使に出逢った時、ほとんどその存在に気づかないでやり過ごしてしまう、なんてことはないはずだ。

知人の看護師さんが、患者に頭部を酷く殴られた。

もしもの損傷があるといけないと、念のため画像診断を受けると、脳動脈に重い病巣が発見された。

放置すればかなり危険、かつ、開頭手術もかなりむづかしい、とのことだったが、先月、無事に手術はおこなわれ、現在は療養中。

自分を殴った憎い患者が、実は、命を救ってくれた天使であった、というお話でした。

では。

データは嘘をつかないが (FC今治戦プレビュウ❷)

リーグ戦も、今節で、その3分の1を消化。

スタッツに関する数字が、節を追うごと蓄えられてくると、その有意性も増し、説得力を持つ。

今治で、いちばん目立つのは、放ったシュートがリーグ最多、浴びたシュートがリーグ最少であること。

シュートまで持っていく攻撃力と、シュートを打たせない守備力、これがともにリーグトップならば、

現在、山雅のすぐ上の6位、勝ち点1差であるのは、むしろおかしいくらいで、
本来なら、第1位に君臨してていい。

で、カウンター攻撃を身上とするサッカー。

右サイドからの突破、それも多くはドリブルを使ってのようだから、それはそれでわかりやすいスタイルなんだが、

山雅の流儀からすれば、あまり対策的にはならず、前節相模原戦で魅せたような、前線から果敢に追い込んで、コンパクトな陣形を保って攻撃を仕掛けたいところ。

自分の強みで戦うことが、なにより。

最近、常田がよく見せる大胆なサイドチェンジ、こういうのが、活路を拓く武器でしょうね。

相手のカウンター攻撃を怖れるあまり、守備ラインを下げるとロクなことにならないから、大切なのは、

やらせるところはここまで、と割り切ったうえで、ボールが中央に入ったところを確実にケアする、これでいいんじゃあないか?

せっかくアウェイに乗り込むんだから、是非とも、シュートは、相手より多く撃つ、これですよ。

このゲームでは、こっちがより打って、より打たせない、要は、データを変えてしまう、そんな気概で。

では。

やはり,少ないがいい。(今治戦プレビュウ❶)

― 真剣にやるスポーツは、フェアプレイとは無縁のもの。
それは、憎悪、嫉妬、驕り、あらゆるルールの無視、
それと、暴力を目撃できるサディスティックな愉快と結びついていて、違う言葉で言うと、

銃を使わない戦争だ。

サッカーの母国の作家、ジョージ オーエル(1903~1950年) の、辛辣な表現ほどでないにしても、キレイごとではすまされないものを、サッカーは多く含んでいる競技、と思う。

だからこそ、フェアプレイの精神を唱道し、ふたつの色のカードを準備しておかないとならないわけか。

前稿で書いたとおり、山雅は現在、リーグトップに、反則が少ない。

(ただし、イエローカードはそれなりにもらっているから、〈反則ポイント〉では、リーグ14位)

山雅の、ゲーム当り犯すファール数は、10個。

前節SC相模原戦の 11個(うち3つはオフサイドによる)は、平均的な数字だった。
双方にカードも出ていないから、かなりクリーンなゲームでした。

これが、たとえば、長野パルセイロは、ゲームあたり、15個(リーグワースト3位)。

対山雅戦(5/13)では、26個(うち4つは間接FK) のファールだった。

カウンター攻撃を特徴とするサッカースタイルであることを斟酌しても、

長野が、かなりこのゲームに気持ちを込めていた証拠。

僕からすると、こういうのを、ムダに熱い、という。

観ていて、こりゃあファールを犯してでも相手を止めなけりゃ、と思うシーンもあるが、少ないファールでゲームをやるほうが、やはりいい。

笛でいちいちリズムが途切れるようなサッカーは、観ていて興醒めで、

フリーキックのチャンスをもらえるにせよ、やってるほうにしたって、攻撃の流れが、一度中断してしまう。

さて、FC今治。

ゲーム当りファールは、13個で、カードは山雅と同等数。

今治は、カウンター攻撃に特化した、と言ってもいいくらい、カウンター狙いのサッカー。

ゆえに、山雅が中途半端にボールを持ってしまうと、攻撃チャンスを与え、被ファールも増え、さらに、こっちのリズムが損なわれるだろう。

だから、できれば、相手にボールを預けて始めることを続けられればいいんですけどね。

では。

今治に 行きたしと思へども

今治は あまりに遠し

せめては 新しき心持ちして

かりがねに いでてみん。

……どこぞの詩を真似るように、4年ぶりに!!、山雅の練習を観に出かけた。

チーム山雅は、

発展途上の〈藪漕ぎ〉みたいな苦悩も味わいつつ、尾根に突き出たような爽快を求めるように、

一貫して、自分流サッカーを追求してリーグ参戦中

むしろ、このところ、周囲のファン&サポーターが

上位リーグでやっていなければ一切ダメ、という世界観と、過去を捨てきれない懐古心理が絡み合って、定見もなく、いたづらに動揺している始末。

そんな要らぬ雑音には見向きもせずに、ひたすら〈守功一体型、高強度〉サッカーを求めるさ。

実際、練習では、攻撃と守備を(区分せずに)表裏一体として強化していて、サイドからの崩しと、その対策を念入りに深めている。

基本は、あくまで、再現性を有する攻撃を究めることに、重きを置いているように思えた。 (内容は、ボカシてあります)

山雅が、過去にないほどに攻撃的なゲームを重ねているのは、(Jリーグデータによる)反則数の少なさで、リーグ第1位であることからもうかがえる。

そして、この日。

かりがねにおけるいちばんの感想は、

あぁ、活発な錬成をおこなうには、やはりこれだけの、チームとしての所帯を必要とするんだなぁ、でありました。

で、僕は、ファイアースティックのリモコンが検知しないことに、のんびりと焦り出してはいるのです。

では。