相手の 倍獲れ (讃岐戦プレビュウ❷)

季節の憶え ☞ 夏椿、花落ちて知る、その開花 (3日ほど前から)

つまりは、相手の2倍は、ゴールを挙げよう。

無失点ならば、もっといいが、事故みたいな失点は避けたい。

とにかく、勝つには、終了の笛が鳴った時、得点で、相手を上まわっていなければ。

ここで、前々節の、対相模原について、勘違いの向きがあるようだから、ハッキリさせておきますが、

双方がオウンゴールで、1点づつをやり合っているので、

実質は、4 – 2 で決着したゲームでありました。

5得点、などと血迷ってはいけません。

で、終盤に立て続けの失点だったから、(感情的に)後味が悪かっただけのこと。

4点を、自分たちのやりたい形で叩き込んだのだから、立派なスコアだと思う。

チームがこれを誇らずして、どうするのか。

やっとホームでやれる、ってのに、

観客の反応を伺いながらゲームをするなんてのは、なんとも悲しい話であって、

飄々と、堂々と、やりたい放題、ゲームに没頭してもらいたい。

今季初のナイトゲーム(@アルウィン)。

しかも、モモ氏が、再びご観戦。

 山雅愛 惜しみなく与ふ 夜よ来い

では、アルウィンで。

探り当てたか? スタイル (讃岐戦プレビュウ❶)

今シーズンの山雅スタイルを、勝手に命名して、僕が、

〈守攻一体、高強度〉サッカーと呼ぶのには、それなりの理由があるからでして、

ポイントは、守攻、と守りを先にひっくり返していること。

あくまで攻撃偏重で、やるんだけれど、

相手がボールを持った、あるいは、持たせた格好からスタート、リスタートすることによって、より高い位置から攻撃に着手することを、狙う。

かつ、最終ラインから主体的にボールを動かしていって、相手の陣形を切り裂きもしたい。

ただ、ここ2ゲームでは、最基底からの組み立てのほうは、封印。

とは言え、ボール支配がせいぜい40%程度で戦っているのは、守攻の順序を、より徹底していることの証拠と診る。

うまいことに、結果(=勝利)は、手にしてきた。

けれど、この部分を、どう差配していくのか?

多分、対戦チームのスタイルを見ながら考える、そんなところでしょうが、リーグ消化3分の1で、見えてきたものがあるのは、いい事。

思うに、

徹底的にボールを持ち続けることでゲームを支配できるだけのサッカーに至れないのは、

3部リーグのチームだと、安定的、継続的なチーム編成が、かなり困難な事情からでしょう。

だから、程度の差こそあれ、カウンター攻撃を標榜する。

それに特化して成功したのが、たとえば、いわきFC。(2部リーグでは相当苦しんでいて、つい2日前、監督交代)

山雅には、そのクラブ基盤やリクルート能力からして、それとは違う道を歩んでもらいたい。

なんだかんだ言って、良質のプレイヤーを集めること(レンタルでなければもっと良い)、まづは、そこでしょうから。

さて。

カマタマーレ讃岐。

僕は、今治とやるよりも、やりにくい相手、と思う。

今治の場合、その攻め手がわかりやすく、手当も明確だった。

それに比して、讃岐はボールの出どころが、イマイチ印象に薄い。

ただし、前節の盛岡戦を観ると、

どこかで、ワントップの森本を、ロングボール、あるいは、グラウンダーパスを使い、裏抜けの格好で走らせて、決定機を創ることを、常に狙っていた。

そうなれば、こっちは、マンツーマンで強度高く対処するのと、フィードをおこなうセンターバック、あるいはボランチを自由にさせないの、2点は外せない。

おおかた、今やっていることを徹底すれば、勝機は見いだせると考えますが、

相手をできるだけ深く(高いところへ)追いつめて、苦し紛れの蹴り出しをさせることで、中盤で奪取。

それでもって、手間ヒマかけずにゴールまで、という一連のシナリオで。

では。

肩に天使が 舞い降りた。

Engel On Our Shoulder……

映画『セイヴィング プライヴェイト ライアン 』(ライアン二等兵を救え、1998年公開、米映画) の終末。

プライヴェイトとは、米軍における、新兵の次くらい、つまりは、最下位の階級名。

ひとりの母から息子4人すべてを戦争で奪ってはならない、といった米国式信念による作戦とはいえ、

優秀な猛者ぞろいの小隊をまるまる、ライアン二等兵ひとりの発見と救出に投入することに対する、兵士間に漂う、わだかまりみたいな空気感が、

巧く伏線として描き込まれているので、それだけ最後に、カタルシスが用意されている、といったシカケ。

スピルバーグ作品ほとんどが持つ、こういうサーヴィスは、いいですよね。

さて、そのラストシーン。

ドイツのティガー戦車を前にして、壊滅寸前に追い込まれた分遣隊の頭上に、

突如、友軍のマスタングP-51 が飛来して、ティガー戦車を撃破すると、

負傷したミラー大尉(トム ハンクス) が、その機影をやっとこさ見上げて絞り出すのが、冒頭の言葉でした。

ネイティブスピーカーに確かめたわけではありませんが、

天使がそばにいてくれる、という定番的な表現なんでありましょうか、あれ。

で、萬年の場合。

去年に比べて、ニジュウボシテントウ虫による、ジャガイモの葉の侵食が極端に少なくて、まことに助かっているんですけれども、

これ、ナナツボシテントウ虫が多く発生して、それら食害虫を捕食してくれているからなんです。

葉の上、梅雨の陽光の中、くっきり鮮やかに輝く深いオレンジと、漆黒の斑点よ。

あぁ、まるで、天使のようだ……。

註 ☞ ニジュウボシは植物食、ナナツボシは動物(昆虫)食。

では。

チームと共に歩む (FC今治戦レビュウ❸)

快勝、みたいな書きようで、メディアも煽るだろうし、

見栄えするスコア(2 – 0)で勝ってしまったので、

変な勘違いが、山雅界隈に生まれやしないか?、が前回投稿の結語でした。

ソネさんから、これと似かよった話を聞いたのが、月曜日。

― どうして、アウェイだと、のびのびとやれるんでしょうかねぇ?
たとえば、ひんぱんな嘆息とか、最終ラインでのボール組立て(バックパス)に不満を表明する、といったホームの雰囲気だと、プレイヤーが委縮してしまうんじゃあないか、って声を聞いたことありますよ。

なるほどね。

チームの変化、変容を容認できない気分が心の奥にあるから、眼前でミスや失点を見せられると、そこばかりを責めてしまう?

ゲームやプレイに関し、個人がどう感じようがかまわないが、スタジアム全体に負の評価が満ち満ちる、ってのはどうもねぇ。

以前、書いたとおり、

負けはしたが、チームとしてかなりの進化を魅せていた鹿児島戦での、南ゴール裏からの盛大なBOO。

あれは、やり場のないフラストレーションを安易に、結託してぶつけただけの大人げない行為であったから、僕は否定する。

ついに、サポーターのほうからワンソウルに亀裂を入れた日、になった。

長野戦でやって味をしめたんだろうが、ふたつのゲームは、質として決定的に違う。

(その長野戦にしても、苦しいチーム事情による切羽詰まったやり繰りがあったはず)

同伴するならば、よくゲームを観ることです。

子が宿題に苦しんでいるのなら、励ましてポジティブに見守る。

そう、ありたい。

複数得点でようやくセーフティ、といった現実はあるにせよ、1 – 0 やタイスコアの時、終盤80分になっても、更に得点を狙いにいくのが、今の山雅。

実際、今治戦89分の、2得点目のシーン。
常田が頭でボールをフィードしようとした瞬間、

小松ばかりではなくて、橋内、篠原、渡邉のすべてが、ゴールに向かって動き出していた。

かなり象徴的なシーンではないでしょうか。

では。

データは動かなかった,けれど(FC今治戦レビュウ❷)

リーグでいちばんシュートを放ち、かつ、いちばんシュートを打たせない今治、とプレビュウには書きました。

今節の公式データによれば、今治のシュート 11本、対し、山雅 4本。

となると、山雅の認定シュートは、

村越によるFK(4分)、榎本のヘディング(72分)、それに、小松の2得点(18,89分)となるが、

実際は、この倍程度は、シュートモーションから打っているはず。

ま、そうやってカウントすれば、今治の場合、20本近く打ってるだろう。

いずれにしたって、シュート数では、相手を上まわれなかったことは、確か。

けれど、それこそが、今節、山雅がやった〈割り切り〉サッカーの当然の帰結だったように思います。

攻守における,割り切りの中身 (レビュウ❶とすこし重複)

❶ゴールキーパーとセンターバックからは、ロングフィード一辺倒、ないしは、多用することで、あわよくば、相手最終ラインでボールを獲る、

でなくとも、自陣遠くから、今治にボールを保持させる状況をつくり、そこからスタート。

❷で、ボールを持った今治最終ラインへ、強く追い込みをかける。
この際、今治に、ボランチを経由するボールを巧く使わせなったのは、ミゴト。

❸上の❶❷を徹底することで、今治得意のカウンター攻撃に曝されるリスクをできる限り、減じた。
よって、山雅は、ボールをカット、または奪取されることを避け、最終ラインの組み立て戦法を封印。

❹今治、右サイドの脅威もプレビュウで触れましたが、
これは、#10 マルクス ヴィ二シウスの突破力(byドリブル)に大きく依存しているので、これを徹底マーク。
人数をかけた、2段、3段の防御壁を設けたのは、危ない場面は、それでも生じるだろう、という割り切りからの逆算でしょう、きっと。

❺今治の堅い守備を衝くのに、ピッチを広く使って、サイドチェンジを多用。

これによって、相手の守備網を粗くできて、結果、小松の1点目、ヘディングシュートがもたらされた。

いかにもすんなりとゴールしてますが、あれ、アシスト含め、凄いです。

こういったサッカーをやり抜く中で、2得点の小松は、別格としておき、

全員の走力が、ゲーム最後まで衰えなかったことが最大の勝因であって、

その中、MVP級のプレイヤーを敢えて絞って挙げれば、村越、パウリ―ニョ、それに常田かな。

荒い今治の接触プレイにもめげず、身体を張って、前後両方に動き回った、その勤勉に対して。

交代出場者として、濃密なプレイで貢献したのは、榎本、米田。

……で、最後。

懸念として指摘したいのは、今節の結果を受けて、こういうサッカーが、
特に、懐古の感情がまさるが故に、現山雅の追求したいサッカーを理解できないファン&サポーターに、

〈山雅らしさ〉として、やたらと称揚されはしないか?、ということなんです。

まさか、チームに勘違いはあるまい、と信じますが、

かつての堅守とは、まったく違ったことをやろうとしているのが、今の山雅ですから。

そこらの深掘りは、レビュウ❸で。

では。