懐疑論の根拠 (やがて,2023季の総括へ❶ )

チノ氏は、(指揮官)続投について、自分は懐疑的だ、と言う。

―  たとえば、守備。

山雅のサイドは、高い位置へとあがりますよね。
さらに、ボランチも、駆け上がる。

そうなると、沼津みたいな、アジリティ(俊敏性)を有した攻撃をしてくる相手だと、

こっちのサイドの裏へと、簡単にボールを運ばれてしまう。

そうすると、残ったセンターバック2枚で対応するような格好になって、失点。

片方のサイドが上がったら、もう片方は低い位置を保ってバランスをとるとかしてもいいのに。

こういうことが(修正されすに)放置されていれば、やはり現指導陣には、疑問符がつきます。

山雅の攻撃は、遅いですし。

で、チノ氏から、攻撃面の不足に関して、どう思うか?、と返された。

― 守備態勢が整った相手の外縁を、それも、足元でボールを動かすばかりの傾向が、ここのところ強い。

やはり、縦にするどくボールを入れて、守備網のほころびを誘うなりしないと。

前は、野々村や常田のチェレンジ性のある早い縦パスがもっとあった。

― 常田の、サイドチェンジもね。

― あとは、やはり中央へボールを持ってきて、そこから撃つ、といった工夫を入れないと、厳しい。

それと、速い攻撃なら、後半に見せた、滝、藤谷ら 3人で右サイドを、パス交換で侵入していく方法。

― 今日の小松はフォワードとしては、不出来。
あの程度なら、榎本と、早く交代すべきです。

トップとしては、渡邉のほうが、ボールの納まりもいいね、とチノ氏。

― そう。どんな体勢からでも、シュートまで持っていくしぶとさがありますよ、渡邉には。

……さて、ここからが、萬年、机上での補足。

サイドからクロスの雨を降らしても、なかなかゴールに結びつかないならば、

ペナルティーエリアに入るあたりでは、地上戦で、3人くらいが絡む。

で、すくなくともひとりは(ボールを持たずに)、相手のディフェンダーを誘き出すように動いて、シュートのスペースとコースを生みださないと、いまの閉塞感は破れない、と思う。

一見、ムダ走り、自分を捨て石に使うプレイ、無用の用です。

とにかく自分で打ちたくなる若いチームであればこそ、こういうのは、指導者が提案しなければ。

現状、最後まで詰め切れずしてフィニッシュに行くので、

どうしても、シュートが強引、不正確になるか、コースが甘い(キーパー真正面とか)。

一時期、

菊井☞小松のホットライン、とか浮かれていたけれど、相手も研究して小松の動きを2~3人で制してくれば、そういった単純な構図では、もはや得点は生まれず、

むしろ、菊井☞小松のそれを、デッドライン化(ある意味で囮)に使って、他の連携でゴールに迫ることを考案しなくては。

では。

それって,メンタル? (奈良戦レビュウ❷)

奈良クラブ戦のもうひとつのご褒美は、リーグ終了セレモニイがあったので、
それまでの待ち時間を含め、北ゴール裏でチノ氏と、いつになくゆっくり山雅談義ができたこと。

よって、レビュウには彼の所見を多くいただいたことを、お断りします。

2戦連続のPK失敗を、いまだ、うじうじ言うのは、

結果として、ゲーム自体、得点力において貧しかったためであるかも知れない。

成功してれば、勝ち点が、あと 4つは増えてた、とか。(胸算用です)

ことさら、小松 蓮を責めているわけでもないが、ただ、ハッキリさせておきたいことがあります。

(ちなみに、PK成功率は、統計的に 80%くらいで、これは、先制した場合の勝率より少し低い程度)

PKを獲得した直後。

後方で応援していた少年(小学1~2年くらい)と、

― 小松はこの前、左端に打って止められているから、今日は、真ん真ん中に打つと思うよ。勇気が要るけど、強く撃てばだいたい入る、

と会話していた。

で、結果は、そのとおり。

真ん中を狙ったものの、上方過ぎて、バーを叩いて枠外。

ゴールキーパーもしたたかで、スカウティングから、小松に向かい、左手で左方向を指し、ここへ打てよ、としきりに煽ってた。

その裏をかいて、左、って手もあったかもね。

さて。

重要なのは、これを、メンタルの弱さで片づけてしまってはマヅイということ。

つまり、PK成否を、〈こころの持ち様〉や〈強心臓であるかなしか〉ということだけで議論すべきでない、特に、いま売り出し中の小松においては。

チノ氏によれば、

小松が、PKスポットにボールを置く時の、

軸足(=右足)を準備する動作の中で、その踏み込む方向をみれば、どこを狙っているかを推断できる、と言う。

PKに向かう時の、彼の一連の所作は、あまりに、虚飾もなく素直であることは、たしか。

ゴールキーパーとの心理戦も含め、テクニックの問題と、考えるべきでは?

メンタリティー、度胸……。

それを云々する手前で、

乗り越える領域が、まだまだ多くあると思う、いまの山雅は。

指揮官続投が公式に発表されたからこそ、それらについては次回で。

では。

最後まで,~らしい試合 (奈良クラブ戦レビュウ❶)

0 – 1 の敗戦。

失点は、

カウンター気味に入ったロングなボールを、その処理に味方で交錯、もたついた隙に、かっさらわれて、キーパー不在のゴールに決められたもの。

中にはセンターバックふたりがいながら、その間に飛び込んだ浅川をフリーにしてしまう。

ポイントは、

深くえぐって中に入れるボールには、かならず入ってくる、という決まり事が奈良にはあった、ということか。(このことは、かなり重要!!、次回以降、後述します)

ゲーム開始の10数秒で。

ボランチの中島 賢星から、縦に長い素晴らしいボールが鋭く入って、それをシュートまで持っていかれたシーン。

すでにこの時に、ゲームの伏線が張られていたことに、山雅側(スタジアムも) が気づいていたのかどうか?

かねてから僕が主張する、縦に差し込むボール(パス)が必須、というやつの見本ですから、速い攻撃をめざすならば、むしろ、山雅がやるべきプレイ。

(☞ アウェイ鹿児島戦で、米原が藤谷に送ったボールも、これに相当します)

ゲームの総括。

相手守備の外縁をまわすボール保持が、やっぱり、得点とならないルーチンゲーム。

(もちろん悪い意味で) 最後まで、期待は裏切られなかった。

こういう律義さは、誰も求めていないのに……。

いちばんの問題は、

順位はともかく、攻撃が湿ったままの、ラスト3ゲーム(無得点)が効いて、

攻撃サッカー、と言う割には、リーグで 7番目の得点数(平凡でしょう!!)に落ち着いてしまったことでありましょうか。

最後に、こういうゲームを観てしまうと、お茶漬けみたいにサラリとすまそうとしたレビュウも、複数回になりそう。(おっくうです)

……と言いながら、

参戦した7,700人の皆様には申し訳ないが、萬年の失意は、まったくの軽症で、無傷に近い。

なぜなら。

今節、物欲まみれの僕に、(お金では購えない)たいそうなギフトがあったからでして。

もう師走なんで、これで、今年の運を使い果たしたとしても、かまやしない。

昨日の朝、今日は一日〈人にやさしく〉過ごそう、と心に決めたものですから、

4番のゲートを、

すぐ前で、ずいぶんと手間取っているご高齢の婦人を、追い越しすこともせずに、心静かに待ったあとで。

通過した順番でいただいたマッチデイプログラムのご褒美!!、ということにしておきます。

では。

ヴェテラン論 (2023季,急いで総括)

リーグ戦が終了すれば、すぐに、

満了、移籍、更改、加入のリリースが続くだろうから、

ファンサポーターは、新情報があるたび、もはやそれだけ、こころは来季。

とにかく。

所属の半分近くがごっそりと入れ替わる毎度のシーズンオフなんで、なんともせわしい。

数年前だったか、コンサドーレがそれと一線を画し、既存プレイヤーの全雇用を打ち出したことがあったり、
ジュビロは、2023季、補強一切禁止のペナルティの中で闘い、見事、2部リーグ第2位。

とすれば、出来る限り現有戦力の保持でいい、と思うが、

山雅の場合、個の流出を防禦できるような立ち位置、戦績でもないから、冬を安穏に過ごすには、過度な期待を持たないのがなにより。

さて。

2023季を総括すれば、究極のところ〈ヴェテラン不在の功罪〉だろう。

ゲーム登録メンバーの肉体的年齢が低下するとともに、

ヴェテランの不在が、好不調のゲームがかわりばんこに現われる現象にかなり大きく影響した。

ここでいうヴェテランとは、単に年齢が高く経験豊富である以上の、いわば、インフォーマル(非公式)なリーダーシップを発揮できる者を指す。

山雅の場合、2021季に田中 隼磨がほとんどピッチから去った頃から、
そういったプレイヤーはずっと不在。

隼磨は、そのプレイでチームに喝を入れ、ゲーム潮流をこっちに持ってこられる存在だった。

さらに、2022季、佐藤 和弘が移籍していったことで、ゲームの流れを寸断できるプレイヤーは消えた。

と言っても、

今の山雅は、ヴェテラン不在を嘆くようなゲーム統治をおこなっていないので、

正確には、〈ヴェテラン不要〉で戦った一年だった。

ゲーム前後、ピッチでチームが円陣を作る、ってのがその象徴的な光景。

現有の比較的高年齢のプレイヤーは、統率者というよりは、〈仕事師〉の容貌が色濃い。

要は、いまの山雅、フィールドマネジメントにおいて、

ヴェテランの持ち味を、アテにしていない。

(ファンサポーターの知りえないところでの実態は知らないが)

僕は、引き続き、不要論の立場でチーム編成をすべき、と思っている。

おそらく。

ゲームの出来不出来の波が大きい、勝ち切れない、引き分けに堪えられない、そういったゲーム運びの修正は、

個の技量とチームスタイルの完成度を高めることによって、というのが首脳陣の思考に違いない。

そうするには、流出を最小限にした上
たとえば、和田 昌士(現いわて)のようなタレントを補填することによって、

背番号#10 を背負うための競争を激化させるここと、

犬飼 智也(現柏) クラスに声をかけて、守備陣の定位置競争を活発化すること、

このふたつは、やらないと。

では。

もうひとつの責任 (姉妹たちよ)。

女性のほうの、お話。

❶今季結成されて、即、北信越女子サッカーリーグに参戦した、〈松本山雅レディース〉

U-15 でやってた彼らが、長じて、やがて松本へ戻った時に、サッカーを続けたいという意思の〈受け皿〉となった。

出来立てだから、けっこう大量失点のゲーム報告も目にしたけれど、

終わってみれば、8チームでのリーグ戦をこなし、6位。

戦績は、2勝4分8敗の、勝ち点 10。

得点 28は、上から 数えて3番目というのが、いいねぇ。(ただし、トップ2との差は大きい)

小林 陽介監督、なかなかやるじゃないか。今度お目にかかったら、深く御礼するのだ。

❷U – 15 レディース(中学生年代)、2023リーグ。

結成されて 5年が経過。

いまや、北信越 U-15レディースリーグにあっては、

アルビレックス新潟レディースU-15と、双璧をなす存在となった。

2023季の最終成績は、

14戦して、12勝0分2敗で、勝ち点 36の、2位。

得点 64、失点 9 はともにリーグトップ。☜ 特に強調!!

(1位は、アルビレックス新潟で、12勝1分1敗の勝ち点37。得点55、失点10)

中学時代を、山雅で鍛えられ、やがてリターンしてレディースで活躍する、そんな流れが確立されれば、良い。(男性だって、まったく同じ)

……となれば。

競技である以上は、より上の世界を望みたくなるのが人情でして。

女子サッカーのトップリーグは、(いちおう)WEリーグ(12チーム参戦)。

たとえば、AC長野パルセイロレディースの場合、

収入(売上) 1億7,300万円、支出 1億1,900万円、

東京V 日テレベレーザだと、

収入(売上) 3億7,400万円、支出 2億4,500万円。(ともに、2022季決算より)

クラブ決算のなか、どこかにマジックがあるやも知れないが、これを見る限りは、

トップチーム(男子)と二股は不安定、とった危惧の議論は、あまり適切でもない。

かように、やがては、トップリーグの世界へ、とは思いますが、

まづは、アカデミー関連収入(いわゆる月謝)を、早くなくすことが先決。

スクールを無料化すれば、家庭の経済的な負担を、すこしでも軽減できる。

山雅の場合、2022季で、

アカデミー関連収入が、2,300万円。
対し、アカデミー運営経費は、1億400万円。

もともとが、この分野は、ヤングジェネレーションの育成と地域への還元だから、黒字化は目的でない。

この際、授業料 0円 (ただし家族の負担はそれ以外に多い) として、

かつ、財布の現状をもっと公開することで、RAZUSO 基金への募りを加速しよう。

では。