若さはすべての理由にならないが (讃岐戦の後に)

勝利の街の余韻に浸っていると、オーロラビジョンで監督会見の一部が上映されたりするんですね、今は。

そしたら、スタジアムによる鼓舞への感謝に続いて述べられたのは、後半65分以降の出来についてだった。

『最後のほうはまるで守備練習をしているような有り様だった』と、これがまぁ、えらい酷評ぶり。

― あの調子だと、ロッカールームでは、指揮官からかなりの喝、が入ったんでしょうかね?、と僕。

― でも、交代カードは監督自身が切っているわけだから、プレイヤーに意図や指示をどれだけ落とし込んだのか?、ってことじゃあないかなぁ? 問題は、とチノ氏。

パウリ―ニョを〈ピッチ上の監督〉と呼ぶべきなのは、彼がピッチを後にすると、ゲームが創れなくなる事情が物語るかも。

それじゃあいけないんでしょうけれど、もちろん。

鹿児島戦といい、一昨夜といい、ゲームの締め方については難ありが続く。

ただし、僕からすると、守備に追われる終盤も気にはなったが、讃岐戦のいちばんの不出来は、後半開始15分間で、攻撃アクセルを巧く踏み込めなかったことにある、と思う。

後半冒頭からの〈疾走〉は、今季のゲーム創りのポイントになっていて、ここをいかに自分たちの時間に持ってこられるか?で、結局は、その後の交代も含め、ゲームの帰趨がある程度決まってくる、と診ているのです。

その根本には、指揮官が存分にその意思を貫ぬける、すなわち、采配を振るいやすい今季チーム編成が在る。

それは、つまり、チームの若返り。

以前にもやったけれど、保有メンバーの平均年齢をみると、我が山雅は、3部リーグでもけっこう若い方。
(某所より流用した最新データでは)、25.3 歳。これは、リーグ8番目の若さ。

で、これをさらに、(登録)ポジション別に分解すると、
ゴールキーパー 26.7歳、ディフェンダー 26.9 歳、ミッドフィルダー 25.27歳、フォワード 21.1歳。

特に、フォワードは、リーグでいちばん!!若い。

もっと重要なのは、実際のゲーム登録メンバーでみたら、さらに若年化するはず、ということ。

❶経験値では劣るけれど、伸び代で期待できるプレイヤーをどんどん投入して戦っているのが山雅であること。

❷そこでは、指揮官采配と、ピッチ上のリーダーシップが大いに問われること。

この2点をしっかりとアタマとココロに叩き込んでおく必要がある、これからのアルウィン劇場なんです。

もちろん、手加減して観戦せよ、ということでもないが、見守る中でそういう視点は必要。

最後に、4敗のすべてが、より平均年齢が高いチームとの対戦であったことを指摘しておきます。

では。

薄氷を踏む者たちへ (2022.8.27讃岐戦レビュウ)

1 – 0 の、最少得点で逃げ切っての、勝利。

【耐性をもって、見守れ】
やってるほうが、どれだけ計算づくだったのかはわからんけれど、終盤は特に、守備に追われるゲームとなりました。

これには、65分からの選手交代の妙、そんなものがかなり影響していたと思います。

いづれにしたって、ボール保持に関して、それを、自分でしっかりとコントロールできるほど成熟したチームではない、と考えておきましょう。

とにかく今は、ドキドキ、ハラハラに堪えながら、共闘する時季なんでしょうね。

勝利が、内容をも錯覚させる、とか言いながら。

というのは、移籍したての中山 陸(21歳) を、すぐさまベンチ入りさせるほどに、チームは有能な若い世代を抬頭させたいわけであって、そこには、羽化したばかりの蝶のような危うさ、脆さがどうしたって出てしまうのは、事実。

それでも、1対1の絶好機を外してしまうその若手が、次は、無人化させたゴールマウスに、絶妙なアウトサイドループでゴールを決めるんですから、そういう舵取りなんだと、割り切らねばなりません。

【讃岐の善戦、復習の山雅】
チーム創りのひとつの到達点、とも言える 3 – 3 – 2 – 2 を採用して臨戦した山雅。
(しかも、先発の顔ぶれは、前節とまったく同じ)

対し、讃岐も、まったく同じ布陣。

ゲーム後、北ゴール裏での総括談義で、チノ氏が、

― 相手の中盤のところ、#20、#7 のあのパス回しの巧さ。
あのプレイが出来るチームなのに、どうして?
最下位近くに沈んでいるのが不思議。
フォワードに難ありなのか?
相手は(山雅の左サイド) 外山 凌の側を狙ってましたね。

― 特に前半、讃岐が思うようにボールを握りました。
ファールの笛がほとんど鳴らなかったのは、山雅が寄せ切れない (=ファールも犯せない) ほどにボールが早く回っていた、ということでしょうから。

讃岐にしてみれば、ゲームの出来自体は、今季の最上部類ではなかったか?

ただ、その3トップは高さもあるのに、上手く活用されていない、という印象。

他方、山雅。

言ってみれば、前節北Q戦の復習、といった感あり。

今のところ、(アンカーの)パウリ―ニョ、その前に、逆三角形に菊井 悠介と佐藤 和弘が開き、菊井と佐藤に、攻守にわたって高い自由度を与えるやり方が、ベストなんでしょう。

こうすることで、チノ氏の表現によると、パウリ―ニョが〈ピッチ内の監督〉として、より機能するわけだ。

― あとは、中山 陸から出るパスに、横山 歩夢がどれだけ反応できるようになるか?、でしょうね、とチノ氏。

前節同様、センターバックの駆け上がりは顕著。
守備に切り替わった際、サイドバックよりもむしろ、センターバックがボールホルダー深く迫る、なんてシーンも多々ありました。

ただ、野々村 鷹人と下川 陽太の右サイド。

野々村から下川へのパスが、(相手が寄せると)時間的に余裕に乏しい格好になってしまう。
下川の、利き足の窮屈さがあるのかも知れないけれど、そこで、一旦後方へボールを下げざるを得なくなり、前進が停滞する。

(こちらへ相手をスライドさせておいて、空いた左サイドへと展開する含みなら構わないが)
あそこは、野々村から縦にボールが出る危険を、相手に感じさせたいところ。

だとすれば、中盤、前線プレイヤーがもっと絡んで、縦方向のパスコースを生みだしてもらいたい。

【声援復活の効果あり】
― 声援そのおかげで、プレイヤーの足が、3~4歩分は余計に出ていた、と思います、とチノ氏。

それは、確かに言えた。

今節目立ったのは、攻撃に反転した際の、プレイスピード(とパススピード)がかなり向上していること。

日頃の練成のたまものが、声援によってアルウィンのピッチでさらに倍加するならば、万々歳。

萬年的には、カマタマーレには失礼なんだけれど、このゲームを、次節愛媛戦の〈予習〉に捉えたいところがあった。

愛媛のエレガントな攻撃サッカーには、こっちも、かなりプレイスピードを上げておけないと対峙できない、と思っています。

そして、コイントスに勝っても、無声の時とは違って、後半、自陣ゴール裏へ向かって攻撃するという意図にみられた、細かいベンチワークも見逃してはいけません。

大胆に、丁寧に、これが次なるテーマなんでしょうか?

では。

我が進化に 集中せよ (讃岐戦プレビュウ)

ゲームとは、ひとつひとつが取り返しのつかない、いわば、一期一会。

……であっても、長いリーグ戦には、シーズンかけていかにチームを築き上げるのか、という視点もある。

後半戦に踏み込んで 3 4ゲーム目ともなれば、個とチームの〈進化、深化〉を目に見える形で味わいたい。

山雅への注文は、前節の安定的な攻守を踏まえつつ、最後の仕上げの部分で精度と迫力を増す、ということ。

攻撃面は、これに尽きます。

あのマンチェスターシティだって、ゴールに向かう時は、4人くらいはペナルティエリアに侵入する。
これって、タレント(技量) というよりは、戦術的な規律と、我先に走り込める準備、それに、勤勉の問題ではないでしょうか?

そういった意欲に満ちたプレイヤーが、ピッチに多く在ってもらいたい。

次に、守備面。

野々村がゲーム勘を増し、それなりの自信を蓄えてきたとなれば、センターバックに、高身長を装備できるようになった。

壁に等しい3バック採用によって、いろんな事ができる条件が整うわけだ。

機をみて 4バックへの変更をカマすにせよ、このリーグの場合、サイド攻撃偏重みたいな部分があるから、サイドのスペースを割られないような配置と連係は、システムにかかわらず必要。

そういう意味で、前節魅せてくれた、攻めるセンターバックの動き、これは攻守両面で、今節も期待大なり。

他方、カマタマーレ。

7/3以来、ここ6戦は、1分5敗で過ぎた。

この戦績で、チームに悲壮感が無ければ、ウソ。

だから、相当の入れ込みでアルウィン参戦と診なければならぬ。

前節の、対今治戦は、3 – 3 – 2 – 2 のシステムを採用。

これって、我が山雅と、瓜二つの初期陣形(運用には差あり)。

しかも、データを見る限り、どうもショートカウンター攻撃を志向している。

これも、我等とほぼ同じ基調。

ただし、こっちがあちらに増して持っているカードは、フォワードが長い距離を突っ走る、ロングカウンター。

さてと、布陣について。

変に4バックにしないで、ここは思い切って、プレイヤーがマンツーマン的に対峙する3バックでいいんではないか?

となると、どれだけ強く相手を押し込めるか?、ということに目が行きそう。

ただ、いちばん難しいのは、こっちがどれだけボールを持つのか、または、持たないのか、についてのチーム内意思統一でありましょう。

その内容によっては、前線からの守備位置(行く行かない)、システム稼働の実態(サイドの張り出し具合) が決まる。

相手に持たせれば、それだけ、ロングカウンターも仕掛けやすい事情も考えながら。

ちなみに、前節北Q戦は、90分通算の保持率は、山雅 32 : 北Q 68 。

先制してからは、極端にボール保持を相手に渡したという事情もあるけれど、攻撃のアクセルを一気に踏み込んだ後半開始からの15分間でさえ、支配率は、せいぜい48% だった。

さぁ、讃岐に対しては、どうするのか?

もちろん、今の山雅が、ボールを保持したり放棄したりが、自在にコントロールできるチームの成熟度であるかどうか?、そこには大いに不安は残る。

かつ、相手の出方もあるゆえに、ボール支配を計算づくで戦うこともまた至難、ということは十二分に承知してますけれどね。

舞台全体からの目線だと、堅いゲーム運びを、ファン&サポーターがどれだけ我慢、納得できるのか?

加え、一箇月の渇望を力に変えて、アウェイチームを迎え撃つ熱情。

鼓舞する者の覚悟は、そんなところかな。

では、アルウィンで。

みづから不正直を認める者。

或る時、司書のおひとりと、会話していた。

― 〇〇さん、もしもですよ、今日、僕がこちらにうかがって、この書物の 50%の複写をお願いする。
で、だいぶ経ってから、再び参上すると、今度は、同じ図書の 残り半分のコピーをお願いする。
できれば、違うご担当者に受け付けてもらって。

これについては、貴方の見解はどうです?
ま、おそらくはお答えにならないでしょうけど。

案の定、ノーコメント、なんでありました。

著作権の縛り(詳しくは知らん)で、図書館所蔵物の複写は、50%までが限度なんです。

たとえば、住宅地図だったら、見開きの半分だったっけ?

さらに、アンソロジー形式の書籍の場合は、その中の作品一篇が、ひとつの項目とみなされてるので、その半分までしかコピーが許されない。
なんとまぁ、やり切れないわけ。
コピーを依頼されるほうも、大変だ。

― そんなルールよりも、僕がこの書物の複写を入手して使うことのほうが、ずっと価値がありますよ、どう考えても。
今、日本で、この書物を追っかける者など他にいない稀少なことです。

……の言葉を、グッと飲み込んだ。

もちろん、どんな手を使っても、全部のコピーは入手するつもり。

こういう人間だから、僕は、他人の不正直を責めることなどは一切しない。

でもね。

いままで関知してもフツーのこととして知らんぷりしていながら、世間に関心が湧き起きると、さも正義の味方みたいに、さっそうと某教会と政治リーダーとの蜜月を暴き立てるようなのは、偽善として軽蔑します。

しかも、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、といった下劣な大衆心理に訴えるやり方で個人攻撃と来たもんだ。

告発された政治リーダーが言うべきことは、決まっている。

― 宗教団体の政治活動は認められていますしね。
選挙の票は欲しいので、関係を持ちました。
これが、国法に照らして違法な行為であるならば、今後は再考します。

こんなのが、いちばん正直な姿だと思う。

(軽々な謝罪は、その人間の底が見え透くだけ、そういうのもいるようだが)

事の是非については、その発言を聴いたこっちが、次の投票機会で判断することなんだから、それで十分ではありませんか?

では。

久々のホーム戦を前に。

ほぼ一箇月ぶりの、待望のホームアルウィン……よ。

長距離アウェイの3連戦お疲れさまでした。

結果は、1勝1分1敗で、なんとか締めた格好。

ワールドカップ予選リーグならば、かつかつで決勝トーナメントへいけるかどうかの境界線みたいな戦績だ。

で、トップいわきと 勝ち点4差、2位の鹿児島とは、勝ち点 3差。
(この際、得失点差には、あえて目をつむる)

リーグ戦を 62%消化して、残るは 13ゲーム。

(過去データからの)絶対的な昇格基準である、ゲームあたり勝ち点2のペースはほぼ保持している。
他方、順位はどうしても他人依存の相対原理なんで、こればかりは、なんとも。

なんだ神田の銭形 平次じゃあないけれど、自分たちにできることはひとつ、いわずもがな、ってとこです。

ただ、今後の展望のキーポイントを、ひとつ確認しておきましょう。

目指すサッカースタイルはとにかく、今季の山雅の特徴をひと言で表すならば、それは、

〈堅実〉あるいは〈堅調〉でありましょう。

いわき戦、北Q戦なんかを観たら、更に〈なりふりかまわぬ〉と修飾してもよいくらい。

最少得点による勝利が、攻撃の仕上げの弱さという要因が大きいにせよ、失点ゼロでゲーム終了の笛を聞くことが多いのは、やはり堅実な守備によるところが大。

さらに、堅実性をもっとも良く象徴しているのは、敗戦の履歴。

つまり、堅実な敗戦、換言すれば、なるほどな、という負けがほとんど。

ここまで4敗のなか、不覚!! と呼べるのは、ただホーム八戸戦のみであって、あとの 3敗は、どれも力量不足によるもの。

逆に言うと、取りこぼしをかなり排除しながら、ここまで来ている。

リーグ最大強敵の鹿児島、攻撃力満載の石丸愛媛、これらに負けたのは、良しとはしないが、ある意味、最大限必死にやっても、力が及ばなかったまで。

その意味で、サバサバ。
ダメージも少ない。

だから、なんだって?

そこそこの好位置を確保できているんだから、いままで通り、自分に驕らず、謙虚な挑戦者として戦え、ということを言いたい。

サッカーという競技の特質からして、攻守がかならず入れ替わるし、相手に流れが行く時間帯がどうしても生じる。

たとえタレント的な力量差が当方に優位であったにせよ、一戦一戦がナメてかかれないのは自明の理。

ファン&サポーターとしても、そこらをわかっていないと、いろいろな批判がチームに傷を与えかねないことを承知すべき。

その意味で、今節対カマタマーレ戦は、けっこうな重みがあります。

チームとして、不動、不屈なココロで戦えるか?、が注目点。

声援を手に入れるかわりに、ホームゴール裏の群衆的迫力を犠牲にするゲームとなるわけで、そこの部分も、少しは頭に入れておきましょう。

(讃岐戦プレビュウは、あらためて投稿します)

では。