〈代えの利かない〉をなくせ。

2023季、第35節アウェイ福島戦(11/12)の、ゲーム開始前。

スタジアム入場口の近くで、ひとつの横断幕が作られていた。

檄文は(記憶では)、

(怪我で出場できない)菊井 悠介の思いも胸に……云々。

あの日、ピッチに立ったプレイヤーが、こういうものを見せられて、一体どう思ったのか?、ひとつ聞いてみたいもんだが、

観る側に、こういう感情的な決めつけがあるのは、

当時、ゲームメイクにおいて、菊井が圧倒的な存在であったことの証左。

結果として、リーグ戦ラスト4ゲームは勝ち無し、積んだ勝ち点、たったの 2。

菊井不在を、残りの戦士の奮戦によってはカヴァーできずに、最終盤の大失速を演じた、とされても反論はできない。

チームの顔、というのは、客商売であるからには、必要とは思う。

ただし、〈彼〉がいなければ……、次の打つ手が、かなり貧相になるのはマヅイ。

たとえば、2019年。

トップリーグからの陥落は、セルジ―ニョの稼働不足が、かなり大きな要因だったことを思い返せば、

満を持して、背番号#10が、復活した今季こそ。

多くの俊才を、いかに使い分け、組み合わせて配し、

代えの利かないプレイヤーを生みださないこと、これが最大の戦略的課題に違いない。

では。

地元……。

地元であることをありがたがったり、ことさら称揚したりする風潮は、まったく好きになれない。

たとえば。

その精神でやっているおかげで、松本市美術館の所蔵品(常設展) の低クオリティといったら、目を覆うばかりなんである。

これを、ミレー蒐集に努力した山梨県とくらべれば、一目瞭然だ。

さて。

先日の、(男性)都道府県対抗駅伝で、長野県が、何連覇かでトップを獲り、喜ばしいニュースだ。

女性のほうも、けっこう上位だったらしく、素晴らしい。

で、男性のほうは、佐久〇〇高校在籍、あるいは、OBの長距離ランナーで一貫したチームだった、ということだから、

〈信学会〉という、いち教育産業の、数十年に及ぶ企業努力が報われているわけで、それこそが、讃えられるべきこと。

ある意味、サッカー界における〈青森山田〉と双璧をなすぐらいの快挙ではあるまいか。

これには、県別対抗駅伝の登録上のカラクリがあって、

大学生までは、出生地、出身中学と高校、

社会人だと、所属クラブや企業の所在地、あるいは、本籍地、居住地、勤務地から、自由に、希望する県を選んで出場できる制度が、それ。

つまり、地元感、郷土を演出するために、むしろ、登録要件を甘くしているという事実が、まことに面白い。

甲子園で闘うプレイヤーには、そんな意識がなくっても、

観ている方が勝手に、地元を思い入れするという現象にあやかりたいんでしょうね。

では。

観られる? 観られない?

或る山雅サポーターの方から、

― シーズンパスで、ルヴァンカップ第1回戦 (3/13 @アルウイン、対レノファ山口) に入れるんでしょうかねぇ?

と訊ねられ、あぁ、きっと、そういう希望はあるだろうなぁ、と思った。

たしか、トップリーグ在の時は、リーグ戦にプラスしてルヴァン杯も入場できた。

でも、公式ページ上でみるかぎり、

シーズンパスは、リーグ戦ホーム19試合が対象のようだから、

― おそらくは、無理でしょう、と返しておいた。

日程的には、ホーム開幕戦(第3節)の、次週の、水曜日ナイトゲーム。

まっとうな天候であることを願うのみ、だけれど、

ひとつ。
2部リーグの下位チームとの、戦力差の確かめ。

ふたつ。
もしも、前 貴之がアルウィンに帰還したのなら、どんなふうに迎えられ、他方、高井 和馬は?

楽しみは、それくらいかな。

では。

ナショナルチームが 教えてくれる。

この前の、対イラク戦の記事で、実は、

― 欲を言えば、無骨、屈強なセンターフォワードが常在するならば、このチームは、もっと面白い。

と記そうとしてやめたんです。

で、ハイライト動画のみで観た、対シンガポール戦では、

上田 綺世が、3得点の活躍。

彼、猛アピール。

頼れるフォワード第一人者の地位を、固めつつありますかね。

ペナルティーエリア内の狭いスペースを使って侵入するには、上田並みのプレイスピードが備えわっていなければ、ということなんでしょうか。

チームとして、攻撃面で息を吹き返したという印象ですが、

実は、その前段の、〈攻撃的〉守備の安定と深まりが、効いているように思う。

つねに、チームとして攻撃態勢への〈秒速〉反転を考えて守備をする、そんな感じ。

攻撃サッカーというのなら、前線からの強圧に加えて、

中盤より下のプレイヤーが虎視眈々と、前線の動向をうかがっていて、すかさずボールを入れる、そんなのが望まれる。

ナショナルチームは、おそらくは、点を多く獲るという哲学で動いているから、

ゴールキーパーも、前へのボール供給の巧さ、という観点から先発を決めているのでしょうか。

悪くはないが、観ていて、どうもバタバタして、粗雑。

その結果、ゴールマウスが空いてしまったり。

イラク戦はそんなプレイがあって被弾しましたから、

先制点をこうむると、かなりしんどいゲームを強いられる。

そこらは、山雅の事情にも通じるところであって、

先季、キーパーの不調によって落としたゲームが、少なくとも 3つはあったと、僕は診ていて、
(でなければ、2位に入れた、もちろん、獲らぬタヌキのなんとか)

キーパーの選択こそ、今季の肝心要、と考えます。

……と書きながら、白井 裕人のレーザービーム(フィード) が想い出されたりで、

あぁ、今年は、あれを再びみせられるのか?、とけっこう感慨深いわけ。

では。

今季の我らの,むずかしさ。

他人事より、自分の足許を見つめよう、の回。

山雅、どんなシステムと、プレイヤー配置でいくのかなぁ?、と今なら、勝手に悩める。

開幕してみれば、そんな予想は、実ゲームによって、吹き飛ぶんでしょうが、

それでも、と思い、システムと、配置の候補を並べて楽しむ今日。

ざっくりと……、

❶昨季をほとんど踏襲するとして、
4 – 2 – 1 – 3

前線に優秀なタレントが豊富なので、3トップで、トップ下は、#10 菊井。

❷より前線(2列目まで)を厚くして、攻撃的にするなら、
4 – 1 – 4 – 1

ワントップには、ストライカーの浅川、または、高井。
2列目には、欲張って 4枚をならべてしまう。

ワンアンカーは、悩むところだが、#15 山本が、ファーストチョイス。

❸高橋の加入を活かし、馬渡の上下動を頼りたいのならば、
3 – 4 – 1 – 2、スリーバック。

両サイドバックが活性化すれば、これ、案外、すわりがいい。
2トップのからみ、それも、観てみたいし。

……とやってはみたものの、あれれ、#22 佐相は、どこへ入れたらいいやら?

ディフェンダー登録なんで、サイドバック要員?

左ならば、#7、#17(山本)、との競争かな。

それだけ、贅沢、といえば贅沢なメンツ。

最後。

ゴールキーパーの選択、実は、ここがけっこうな悩みどころでありまして。

個人的には、#21、#1 かな?、と思量。

3月は、7ゲームあるんで、けっこうタレントを試せる好機かも。

では。