ゲームを創り,ゲームを壊す (八戸戦レビュウ 速報値)

スタジアムの掲揚フラッグは、南に向かってゆるやかにはためき、

比較的過ごしやすい夜のゲームは、

0 – 0 のドロー

まづは。

いま、最大の試金石だろう、と望んだ、昨夜のゲーム自体の出来と、

ゲーム結果(勝敗)を踏まえた、残りのリーグ戦における我がチームの位相。

このふたつは、頭の中で、仕分けしておきましょう。

後者。

リーグ前半の終了時で、

もはや、具体的ゴールは、プレイオフ圏内(6位以内)への〈すべり込み〉で決まりですから、

残りゲームが減るほど、ますます、勝ち切れるほどのサッカーに高める仕事と、リーグ終了との(☜追加) 時間との争い、と情況は厳しくはなったが、

7~14位が団子状でもあるから、望みを捨てずに、これからもおつきあい、ってことで。

で、前者。

期待されたゲームは、

僕の予想を超える、グッドなゲームプランが展開し、

特に後半は、こっちのワンサイドゲーム。

八戸の放ったシュート、 1本はあったかい?、くらいの印象。

山雅が、あれほどボールを握れたのは、

ヴァンラーレ運動量が落ちたのと、彼らが、最終ラインできっちり守備を固めるやり方に変換したのと、その両方によるだろう。

これを裏返して言えば、

平均年齢で下回った山雅の、ボール支配のハツラツさが上回っていたのと、

当方の攻撃の、詰めの局面における人数のかけ方には、いまだ課題を残したまま、ということ。

敢闘賞の宮部 大己は、おおかたの異論なきところ。

彼を含め、今節も、ディフェンダーには、かなり安定感が在った。

他方。

攻撃的な局面では、

#10 菊井 悠介は、

後半アディショナルタイムで、前田 陸王がその頭に合わせ、あわや1点のシーンのように、

最終飛び道具で魅せるものがありはしたけれど、

昨夜は、ボールがしっくりと足につかず、攻撃を仕上げる部分での粗雑さが、ずいぶんと目立つ出来だった。

攻撃を創りもするが、他方、攻撃の流れをつぶしてしまうような役回り……。

極論ですが、チーム内の納得感を醸成するためにも、

そこは、菊井を引っ込めるくらいの裁断を示すべきでは?、早川さん。

ゲームプランをやり遂げるには、

林 誠道は残して、前線は 2枚とし、

ワンボランチ(川上)にしておいて、

佐相 壱明を投入し、前田とふたりで、八戸守備網をかき回す、でよかったように思う。

結果論ですかね、これって。

では。

ゲームの流れを引きずり込め (八戸戦プレビュウ❷)

要は。

ここ数試合やってきた諸チームとは、

毛色の違うサッカーをやるのだ、八戸さんは。

むこうにボールを持たせようにも、すかさず、ロングボールを蹴られる。

仮に、ボールがこちらの手に落ちても、猛然とボールホルダーに寄せて来ることに注力するだろう。

攻撃中は、もちろんボールを持っているのだが、

相手ゴールに迫るための、ボール入手と保持のしかたが、いくぶんか、或いは、ずいぶんと手数をかけずに早く、ということ。

ならば。

従来の傾向値と、直近観られるやり方からすると、山雅のやるべきことは……、

❶ゲーム大局の進行では、前後半開始のそれぞれ 15分間を、フルスロットルで相手陣内へと、人とボールを進める。

そうやりたいのが、我らが山雅のはず。

結果として、先行逃げ切りか、たとえ同点にされても加点して逃げ切る、これで上等。

1~15分、45~60分、ここらで、どれだけゲームをこっちに傾けられるか?

その報いとしてのガス欠は、交代とシステムをいじってリフレッシュする。

アウェイ戦(6/10)では、

本来、こっちが得点したい前半の前半あたりまでに セットプレイがらみで、2失点。

こうなると、時間を、相手の思うように使われて、後半はシュート無く、万事窮すだった(と記憶)。

優位に押し込み続けたその結果、ボール保持が高まる、それこそが、理想。

❷ロングボールを多用されることの厄介は、

それに対応しようと、こっちの最終ラインは下がってしまい、

前線からプレスをかけようとしているフォワード、2列目との距離が空くことで、中盤にできるスペースを、ボランチで埋めきれなくなること。

これには、最前線(トップとシャドウ) には、相手のボールキックをできる限り窮屈にすることと、

ボランチには、競合のセカンドボールを、ひたすら回収してもらい、

サイドバックは対峙する相手を、とにかく追い返し、抑え込め。

連携性において、我慢に我慢。

センターバック後方に発生するスペースを、ある程度割り切って前傾しないと、コンパクトな陣形を保持できなくなる。

そうなると、

互いの距離が遠くなるので、パスがどうしても、逃げの性格ばかりになって、攻撃的なやつが、活き良く、縦に通らない。

(酷いファールで削られることは、避けたいけれども)

ゆえに。

先発を誰が獲るか? にもよるけれども、

山雅の守功のキーパーソンは、#25 川上 航立ではあるまいか。

彼が、おおくの局面で目立ち、そのボールタッチが増加することが、山雅が優位に立つ指標、と診ますね。

もちろん!!

八戸のお株を奪うような、相手ディフェンダーのミスを誘うロングフィードとか、

カウンター攻撃も発動できたなら、それに越したことは、ありません。

では。

連勝火付け役のケジメをつけよう(八戸戦プレビュウ❶)

さて、と。

今節の対戦相手は、ヴァンラーレ八戸。

山雅戦で2 – 0 で勝利して(6/10)以来ずっと、負けがなくて、

その間を、9勝2分け。

ひたすら連勝街道をやってきたから、

きっと、

チームとして今は、〈負ける気がしない〉気分満載で、アルウィンへと、ご来蹴に違いない。

となれば、連勝に点火する役回りを演じてしまった、我ら山雅としては、

たとえ、勝つ気がしなかろうと、

そこは、ひょっとしたら勝てるかも、とみづからを励まし気持ちを高め、

どうしたって、八戸さんを叩くことで、ひとつのケジメを、(業界的にも)つけておかなければならない、のだ。

もちろん、気持ちなんかで勝てるわけはないから、

まづは、相手の特徴を知っておく。

❶24節まで、すべて先発しているメンツが、なんと8人(ゴールキーパー含め)。

カッキリ、ガッツリと先発固定であれば、やるべきサッカーの意思疎通は、それこそ、あうんの呼吸に違いない。

❷ここ11ゲーム、直近のFC大阪戦(ドロー)が、50.1% であった以外、

すべて50%未満のボール保持。(23節終了時の保持率は、44%で、リーグで2番目に低い)

☞ヒント、八戸とやるには、敢えて彼らにボールを持たせ続けるか、
あるいは、こっちが、ずばぬけてボールを持ち続けるか、そのどちらか。

❸システムは、3 – 5 – 2 。
5のところは、1 – 4 と、アンカー(ボランチひとり)と、サイドバック2人とシャドウ2人に、分解すると思っていい。

ただし、かなり柔軟には変容する。

ポイントは、ツートップってことです。

❸ゴールキーパー、または、センターバックがボールを入手すると、即、ツートップに向け、ロングボールを蹴り込み、

そこで受けると、サイドに駆け上がるプレイヤーと連携して、サイドからボールをペナルティエリアへ入れてくる、そんな感じ。

常にやってるメンツのゆえ、そこを速くやるので、相手にとってみれば、捕まえにくい。

すると、そのクリアボールが、いきおいゴールラインを割り、

コーナーキック本数は、山雅と同レヴェルでリーグでは少ないほうだが、コーナーキックからの得点には強みあり。

❹相手陣内では、(相手の)ボールホルダーに対し、かなり厳しく寄せてくる。
要は、余裕あるプレイをやらせない。

ファールが、リーグ5番目に多いのは、ボールを持たせた相手を削る作業が多くなるからだろう。

❺ゴールキーパーの彼は、利き足が左。
キックしたボールは、自然と右方向へ飛ぶので、

チーム全体として、右サイドを使うことが多い。

❻リーグ戦出場メンバーの平均年齢は、27.47歳。

対し、山雅は、25.31歳 (これは、リーグ5番目の若さ)。

さーて、そんな八戸とは、どうやろうか?

それは、プレビュウ❷で。

では。

パルセイロに学ぶ。

3部リーグの、第24節の結果は、

ひととおり目を通してあったんだが、

― パルセイロが、6失点したんですって、

と家人が言うものだから、会話を潤沢にすることで家庭内平和を図るためもあって、

6 – 0 の、その対鹿児島ユナイテッド戦の、ショートハイライトを観てみた (夫婦して)。

うーん。

うち何点かは、ボール扱いのもたつきから献上している。

が、日常茶飯であるミスをカバーしきれずにやられる、というのが辛い。

すこし前の山雅がそうであったように、

守備網を崩されないままの抗うことなしの失点、ってやつ。

そもそも相馬さん(鹿児島監督) のサッカーは、相手のイヤなことを徹底して衝く。

たとえば、相手陣形の後方へと、ロングボールを入れて背走させるとかで、

揺さぶって疲弊させる、連携を乱すなど。

だから、

両者の地力差(鹿児島>長野)を考えたら

長野さんのような素直で、マジメなサッカーの場合は、

それこそ、かなり意識して、相手の思惑を上まわる狡猾さでもって

鹿児島4 – 4 – 2 の、ピッチに均等に配された布陣を、

ひたすら片方に寄せておいてから、〈疎〉になったスペースを使う作業をしなければならないはず。

そういうことができなかったんでしょうね、ゲーム全般を観ていないけれど。

山雅が、鹿児島とやった際(1 – 1のドロー)、

後半は、ずいぶんと押し込まれたので、今度やるのはアウェイでもあるから、

そこらへんは、キチンと勘定に入れてやらなければ。

で、家人がたたみかけるには、(長野界隈では?)

― やる気があるのか!!、と叩かれてるみたい。

それが、具体的に、誰の、どういう場での発言かは承知しないが、

サッカーは、いまや大衆の生の中で語られるから、

悟性(考える力)に乏しい薄っぺらな議論が横行するのはどうしようもないが、

そういうのが、だいたい愚劣な精神論に尽きるのは、なんとも。

夏の盛りの、しかも、真昼間の炎天に、

熱中症の、治外法権みたくに、

全国規模の野球(ベースボールとは違ったもの)大会が、高校教育の一環(=タテマエ) として行なわれ、

それを、多くの人々が、当たり前のこととしてTVで観ているような、この国では当たり前のことか……。

では。

ディフェンダーが称賛される理由 (鳥取戦レビュウ❷)

このゲームでは、

ディフェンス陣(センターバック)が、上等、上質の働きぶりを示した。

それは、

無失点で終わらせた、といった陳腐な理由ではなくて、

攻撃参加の意思と実践にあふれたプレイに終始したからに他ならない。

別の表現をすれば、攻撃的な守備、とも言えようか。

ゲーム開始早々に、宮部、野々村からクロスが投入されたのが、その象徴。

……くりかえしにはなるけれど、

野々村は、村越、菊井への縦パスを幾度かチャレンジし、

宮部は、樋口と絡んで左サイドへ侵入、

高橋は、ロングボールの標的を、前線に常に探し求めていた。

ディフェンダーの駆け上がりによって、相手のプレイヤーが彼に対応するために、相手守備網に、〈疎〉が生じるから、

杉田を含め、今後も、期待大の戦術には違いない。

おそらくは、琉球戦の修正が強く意識されていたゆえに、

ゲーム冒頭から、かなり堅調で、隙をみせないサッカーができていて、

(前後半とも) ゲームの入りとしては、今季ベストに近かった。

そこに、上に指摘した、ディフェンダーの攻撃性が乗っかったから、

たとえば、前進した時は、10人全員が、相手コートに入り込む、高橋がセンターサークルの頂点に位置する、といった光景が現出。

いつも言ってる、〈守功一体型〉サッカー。

先手先手でいけば、結果として、ボール保持が 60%を超えるということ。

こうなると、

鳥取が、山雅の最基底ラインの裏抜けを狙うのは至当だったが、

まぁ、それも、ともかく凌げたわけだし。

(鳥取のシュートが2回、オフサイド疑惑によるものだったことは指摘しておく)

ホイッスルが鳴ってからの全力投入のツケは、やはり、

60分以降の疲弊にあらわれるわけで、

ここからのリフレッシュの適否が、ゲームを左右するけれど、

今節は、まぁまぁ機能していた、と思う。

前田 陸王は、カンフル剤になっていた。

できれば、そこに布陣変更をかませれば、相手のマークに迷いを生じさせられたように思うが、チト望みすぎか。

ゆえに、次節以降の課題は、ふたつ。

ひとつ。

飛ばしてプレイすることからの疲れ、特に、〈頭脳面〉の快復へのテコ入れの方法。

ふたつめは、投入されたクロスに、どうやって中でミートするのか?

これに尽きるでしょう。

では。