強くなっている, 7月 (福島U戦レビュウ おしまい)

〈強い〉とは、 イコール、勝つことに尽きる、といったような単眼、単一思考のお方には、

(きっと、時間の無駄しかならないから) この記事は、お奨めしません(はじめにお断り)。

(ファン&サポーターにおいて、現在のチームへのしかるべき期待値と、リーグ戦線における評定とが、ごちゃまぜで議論されている齟齬、これはもはや、どうしようもありませんが)

さて。

7月の 4戦は、僕からすると、なんと至難の連続だろうか、と予想した。

対戦相手の4つとは、リーグ前半で、2分と 2敗。

ゲーム内容も、(福島戦をのぞいては)芳しくなかったからだ。

けれど。

4つの再戦を、1 勝 2分 1敗で、乗り切れたのは、まぁまぁの結果であるし、

そこには、山雅としても、良い意味での〈変節〉が仕込まれていて、見応えはあった。

たとえば。

❶対FC大阪戦。

基調は、大阪のゲーム流儀に乗っかる格好で、前半戦は、アクチュアルプレーイングタイムが、31分16秒(少な!!) であったのを、

今回は、44分43秒へと、こっちの注文相撲をかまして、引き延ばして魅せたこと。

❷対福島U戦。

背後に、おそらくは、先発メンバーの苦慮を抱えつつ、

ゲームを通じてボール保持の 60%をゆるしながらも、最初のラッシュで先制、

しかも、ラスト20分は、ゴールこそならなかったものの、攻撃圧を格段に高めて魅せたこと。

これらは、徐々にでも、強くなるための課題は、局限化できている証拠。

萬年式表現では、

そのためには、上手くなる(個の技量アップと連係クオリティ)と、巧く(巧妙に)やる、の二方面を進化、深化させることに尽きるのですが、

おおよそ、そういった仕事の突き詰めは、十分ではないが、うかがえる。

20日間の中断を取りおけば、高井 和馬の復帰によって、前線に厚みが増すのは違いないし、

加えて、

(橋内 優也のフォワード起用、という暴論も提起しつつ)

欲を言えば、縦方向へと活路を拓くことができる中盤(ボランチ)の強化、そこには期待しています。

もちろん、成長のあかし、米原 秀亮の 100ゲームメモリアムグッズは、購入の予定ですよ。

では。

もっとチャレンジしようよ (福島U戦レビュウ❷)

(註☞この記事は、チノ氏との、ゲーム総括の中身に、多くを負います)

ゲーム前のピッチ内練習の時。

福島ユナイテッドのそれを観ていて、思わず、

― こんなんで、いいのかね?、と言葉に出てしまった。

ほとんどシュートを、ゴールマウスに飛ばすことに終始。

それも、申し合わせで出されたボールを打ち込んでいるに過ぎず、

活きたクロスが投入されて、フォーワードがそれに合わす、といった実戦的なことが行なわれない。

― 他人のチームのことなど、事情も知らずに、どうでもいいじゃぁない、と家人には、たしなめらる。

が、後になって考えれば、あの程度の事前運動で十分でした、福島の場合。

というのは。

山雅がなかなかボール奪取にてこずり、または、徒労に終わるシーンで。

福島のボールポゼッションの特徴は、

かなり錬成されたセンターバックのところで、山雅の前線を左右前後に〈いなす〉ことができて、

かつ、食いついたこっちのフォワードの背後に、ボランチが上手く入って、ボールを動かしたこと。

つまり、一見、自陣の低い位置でボールを持つことで、

相手を前傾させておいて、そこをはがしたら、瞬時、特に、左サイドのドリブラー(#10森)にボールが渡り、

そこから、シュートまで持ち込んでしまうサッカー。

低い位置で〈緩〉を積んでから、そこから、サイドで〈急〉な切り裂きをはかり、ショートで完結する、これです。

失点は、(福島の)右サイドからアーリーに入れたクロスを合わせられたものですが、やはり、緩急を上手くアクセントに使われたことは、同様。

チームで闘う競技なので、属人的な部分を強調するのはチトはばかれますが、

でも、当日、中盤で〈狩れる〉プレイヤーの枚数が不足したことは、やはり痛かった。(安永の離脱)

4 – 3 – 3 がオイシイのは、前線から追い込む3枚と、その後方に、狩人と言うべきボランチが 3枚が、重層で構えること。

菊井 悠介が、後方に落ちてボランチに回る仕事と、ゲームメイカーの任は、両立しにくく、

また。

米原、山本のダブルボランチでやろうとすると、狩る役は、米原ひとりになりがちで、そこを突破されると、危険なシーンとなる。

で、こっちの攻撃。

ボールを持って巧く侵攻するには、

相手守備の外縁を、ただボールが周っているばかりだと、定常的なコースを読まれやすく、

現状、サイドへと追いやられて、頓挫、というのが多い。

観戦者の消化不良をきたすわけ。

上手く相手をかいくぐっていく場面がないわけでもないから、今を全否定はしませんが、

やはり、さっき福島について語ったように、

どこかに〈緩急〉と、相手の予想を超えるワンプレイ、をかまさなければ。

それは、大胆なサイドチャンジでしょうし、

さらには、センターバックから、前線への鋭い縦パス、そういう武器の発動。

たとえば。

野々村には、常に、安藤へのパスコースを機敏に見分ける、そういう成長を切望します。

実は、山雅がやらせなかったということもあって、この夜、福島は、見惚れてしまう縦パスを使えていなかった。

だからこそ、そのお株を奪うような、素晴らしいのをお見舞いしたかったですよね。

では。

(不足はあるが)巧くなった (2024.7.27福島U戦レビュウ❶)

ゲーム開始早々に先制するも、前半で追いつかれ、

そのまま、1 – 1 のドローで、ジ エンド。

暑さの中、互いに手を緩めずに走り競り、かなり疲弊したとは思いますが、

観ているこっちも、ゲームの行方に神経を張り詰める分、疲れるゲームとなりました。

勝利できなかったのだから、

〈ナイス!〉を声にするのは、遠慮するものの、

掛け値なしで全力を傾注したプレイヤーたちを、称賛したく存じます。

……毎度ながら、挨拶にやって来た同士に対し、BOOを見舞うといった、あの対応(南ゴール裏の)は、ないわ。

特に昨晩のようなゲームにおいて。

現実のチーム山雅ではなく、まるで〈幻の窓〉から、チームとゲームを見ているのか?

しかも。

やすやすと、多勢の心理に流されるような精神的な荒廃によって、

我がチームを弱体化している、やっかいな集団です(何度も言いますが)

〈特筆すべき巧妙さ〉
こういうのを、私萬年は、待っていた!

ゲーム開始の、キックオフは、山雅のほう。

ここで、いままで観たことのないことを、やってのける。

ボールを受けた山本 康浩は、センターサークル内で、そのままターンすると、相手の守備ラインの裏、山雅からすると左サイド奥へと、ハイなボールを蹴り込んだ。

ここから、一気に攻撃の潮目がこっちに来ると、立て続けに、コーナーキックが 数本続き、

結局は、その流れから、菊井が中央へと入れたグラウンダーパスに反応した安藤 翼のゴールが実った (4分)。

たとえば、大相撲でいえば、制限時間になってからお決まりのごとく立つ、といった陳腐と緩慢を排除し、

一回目の立ち合いで敢然立つ、抜け目の無さと、ひたすら相手の意表を衝く巧妙。

語呂合わせではないが、こういう思想が、これからの山雅の〈光明〉になる、きっと。

ま、それから(前半が進むと)、じょじょにフラストレーションが溜まるゲームと化していくわけですが、

あの 1点がなかったら、と思うと、あのプレイは、相当に効いたはず。

で、その山本は、イエローカードを呈示されて、累積4枚となり、次節は、出場停止。
― 今日、職場で、ソネさんから聞いた。

なんでも、あれほど酷いプレイ(福島の) をなんでファールに採らないのか?、と主審に詰め寄り、それが執拗な抗議、と見なされたらしい。

北ゴール裏からは、誰かが、なだめに入ったようにも見えたが、

良し悪しは別にして、ああいうカードを防げないのが、

今の山雅のあり様であることは、たしか。

でも、キーパーソンと予見したふたり、安藤と山本が、それぞれ存在感を魅せたので、ちょっとは溜飲をさげている。

では。

上手く、そして 巧く (福島U戦プレビュウ❷)

前回の対戦(第3節)では、山雅は、4 – 2 – 3 – 1を採用。

安藤 翼をワントップ、山口 一真を2列目中央に置き、浅川、菊井はベンチスタートだった。そこから、

福島が、シーズン当初から、ほとんど不変なスタイルを貫き通しているのとは、

かなり対照的な道をたどって、つまり、よっぽど試行しながら、

いまや、(福島と)同一の、4 – 1 – 2 – 3 (≒ 4 – 3 – 3)システム、にたどりついた山雅。
(註、と言っても、システムは万能にあらず)

ところで、 0 – 1 で敗れた、あのゲーム。

13分に、中央を割られた縦パスを、#10森に、ドリブルでシュートまで許して先制されると、

同点、逆転を期して、しゃにむに突貫を繰り返した、その結果、

スタッツは……、

ボール保持は、こっちが 58%、パス数は、福島の 1.5 倍を繰り出し、

シュートに至っては、山雅 13(枠内 6)本、対し、福島は、8(枠内 1)本。

どっちが、ボール保持とパスサッカーのチームなのか?、わからないようなゲームでした。

それから、4箇月が経過しての再戦。

萬年的な観点からすれば、

福島は、自流のクオリティを増す、要は、もっと上手くやるつもりで乗り込んでくるだろう。

対し、山雅は、これから上位を追撃するためにも、上手くやる(個の技量を上げる)だけでは物足りず、

アタマを使って、巧く(巧妙に)立ち回って、ゲームをモノにしなきゃあならん。

❶福島のお株を奪うかのような、縦に鋭いパスを、たとえば、米原や野々村から、菊井、安原、安藤に多用するのか。
そして、ペナルティエリアの(ゴールマウス)中央への侵入をめざすのか。

❷相手の攻撃的な前傾を、そのままひっくり返すように、ロングでハイなボール、ビッグスイッチを、相手陣内奧に叩き込んで、空いたスペースを使うのか。

どっちを選ぶのかは、結局のところ、FC大阪戦のように、

相手の意表を衝き、はぐらかすサッカーをいかに表現するか?、に在るはず。

いずれにせよ、自分の陣形は間延びさせず、相手のそれを縦方向に寸断することが必要で。

となると。

中盤で多く奪取をおこなうであろう山本 康浩が、

かつてのチームメイト(磐田) 宮崎 智彦をいかに抑えるのか、そこがひとつのポイントと診ます。

では。

明快にして不動なり (福島U戦プレビュウ❶)

明快とは?

ボール保持(自陣でも相手陣内でも) をモットーとして、

パスとドリブルを多用(ともにリーグトップ)、

中央突破を狙う、攻撃的なサッカー

180㎝超のセンターバックを配する、4 – 1 – 2 – 3 システムで、

ボールを握って攻撃することが、そのまま上等な守備である、という信条。

不動とは?

ずっと、4 – 3 – 3 ともいえる布陣。

前回対戦(第3節)時とは、

最前線の中央(FW)が変わったのみ、それ以外の 10人はほぼ固定で闘っている。

観ていて、まっことわかりやすいサッカーを推し通している福島ユナイテッドなんであります。

あっ、気がつけば、順位的には、山雅のすぐ上にいらっしゃる。

10勝もしているのに、負けも 10回で、引き分けはたったの 2度なんで、それなりの地位。

要は、勝ち負けが交互にあらわれる出入りの多さ。

勝負にこだわるよりは、むしろ、サッカースタイルに殉ずる、そこまで思想的に昇華できている (こだわりへの執着です)。
主義をまっとうすれば、勝ちを呼べる、という考え。

これはこれで、敬服に値いするわけであって、

前々節の、対ys横浜戦をチラ見したのですが、

数か月前と同じサッカーを貫いていて、良くも悪くも〈進化〉とは無縁、

自分流サッカーの世界で、いかに上手くなるのか?、がテーマなんでしょう。

 

……福島サッカーを、かなり粗暴にスケッチしましたが、

さて、こことどうやるのか?

それは、プレビュウ❷で。

では。