サッカーのある日常に戻ろう。

リーグ戦の再開が、あと6日後に迫った。

ゲームごとに、一週間が刻まれていく日常生活が、ようやく戻ってくる。

その嬉しさを味わうためにも、あえて吐き出すことで、この不快を葬ってしまおう。

対ニュージーランド戦を延長戦の前まで観た限りでは、相手のシステム変更にぜんぜん対応できず。

引き分けに持ち込んだニュージーランドの手腕を褒めるべきなんだろうが、ほとんど無策の、魅せ場に乏しいゲームでした。(U24日本準々決勝)

ところで、サッカー無知を自称するジョー氏によるなでしこ評(対スウェーデン戦)とは、巧いし、けっこうやるじゃん、日本。体格差はどうしようもないが……、というもの。

確かに同点に持ち込み、逆転の芽もあったという点で、そこそこの健闘だった。

ともに予選リーグを突破。
面白くもないゲームをPKでようやく切り抜けたU24と、果敢に格上を追いつめながらも地力差に涙を呑んだなでしこ、と。

両者にそれほどの違いを認めたくない僕なんだが、世間の扱いがずいぶんと違うのには唖然となる。

これは、日常、それぞれのリーグにそそがれる関心とお金の、大きな落差に正比例していると言えるだろう。

で、なでしこについては、元なでしこだった連中がやたらと苦言を呈した。

かつてトップを獲った者の発言は、それなりに尊重されてしかるべきとは思うものの、では、この人たち、この10年、サッカー界からまったく足を洗っていたのか。

サッカーでメシを食ってこなかったのならまだ許せるんだが、いままで影響力を持っていたのならば、なでしこをサポートする仕事の実際はどうだったんだ?

業界のしがらみの中、口出し手出しができない事情もあったのかも知れぬ。

けれど、敗退後、批判的コメントを採りにやってくるメディアに、待ってましたとばかりに応えるのは、なんだか、仁義にもとるしわざに思えて仕方がないんです。

望むことではありませんが、もしもスペイン戦で敗北しても、同様のU24叩きは見聞したくありませんね。

では。

再び、U24日本のこと (フランス戦など)。

そもそも、今回のフランスチームの全容も知らず、したがって、そこを日本が 4 – 0 で下したことが、どれだけのことなのか測りかねています。

たしか、フランスは予選リーグで、メキシコに 1 – 4 で敗れている。
失点しだすと歯止めが効かない何かが、チームに内在したんだろうか。

まじめにゲーム観戦もせず、ハイライトでお茶を濁すのはまことに恐縮。
が、それでも、感じることをいくつか。

❶なんだかんだ言っても、プレイヤーの選択肢を試す時間と智恵を、それなりにかけて来た首脳陣の仕事を評価すべき。
ということは、試されて振るい落とされたタレントがやたらと多い現実も忘れちゃあならぬ。

その過程で、For the Team、というところへとチーム内意思を統一できたことが、果敢に汗を流すチームを創った最大要因ではあるまいか。

俺が俺がの造反分子を許していない感があって、現下、チーム内不和は聞こえてこない。

❷2016年リオ大会におけるオーバーエイジ枠は、ホント仕事をしなかったけれど、今回は対照的にグッジョブ!

前線に豊富なタレントを擁すという事情もあるが、中盤と基底のセンターラインが安定しているので、攻撃にかけるエネルギーを存分に引き出せている。

❸前線では、かつてないスタイルのフォワード像が創られつつある。

上田や前田は、前方に張って得点チャンスをうかがうばかり、といった特化したFWでなくて、攻守どちらでも、あるいは、切り替え時の中継に絡むこともまったく厭わず、当たり前に行なう、そういったFW。

久保の登録ポジションを知らないけれど、彼もやはり、そういう動きのできるタレントだ。

これからのナショナル日本のフォワードの選定基準を作ったのが、今大会の価値。
ということは、ここしばらくは、こういう仕事をしないと、代表FWには呼ばれない。

違う表現をすれば、もはや洋の東西どこのクラブでプレイしているか、ではなくて、所属チームにおいてどれだけ切羽詰まったミッションを負わされ、それに応えているのかが、全ポジションでの選考基準のようだ。

こういう思想が、どうやってA代表の編成に流れ込んでいくのか、かなり期待。

❹ゲーム支配も上々の出来。
2点リードしたら久保を引っ込める、なんてのは、フランスにしたら屈辱以外のなにものでもなかったはずで、こういう心理戦は重要です。

フランスに、後半 さぁ! 行くぞ、と思わせておいて、結局は、メキシコ戦と同様、10人となった相手とやる局面が訪れた。

その際、カウンター攻撃を織り込んで、相手の戦意と意欲をむしりとったのは、メキシコ戦での学びを活かしたものと評価。

❺後半アディショナルタイム、前田のゴールをみて、クオリティの高いラストパスを通せる力量こそが、大然を活かす鍵、とつくづく感じる。

前田 大然を見い出したのは山雅です、などと浮かれる気分にもなれず、なぜ今、大然をアルウィンで観られないのか、と我がチームの足許を考えさせられるのであります。

では。

なでしこに告ぐ(その名誉のため)

1、4、5、6、7、8、9、10……、と並んだ数字。

これは、なにか?

既にご承知の読者諸氏でありましょう。

これ、当オリンピック女子サッカーで、決勝トーナメントに進出した8か国の最新ランキングなんであります。

1位の米国から始まり、オランダ、スウェーデン、イングランド、ブラジル、カナダ、オーストラリア、そしてしんがりは、10位なでしこで終わる、8つ。

ここにいないのは、2位ドイツと、3位フランスのみ。

予選を勝ち上がった顔ぶれ、ほとんどみごとにランキング上位。

で、なにが言いたいのか。

日本にとっては、これらのどことやっても、10回のうち 1、2、良くっても 3回くらいしか勝てない、という現実。

だから、この際、要らぬプレッシャーなど捨てて、勝って儲けもの、というくらいの醒めた気持ちで、のびのびと対戦するのがいちばんよろしい。

特に、昔相当な戦績を誇った先輩の忠言など、聞いたふりして流してしまう、でいいんじゃあないの?

選ばれて戦うのはわたしたち、文句なら選んだ奴に言ってくれ、ってことです。

だいたいが、国内リーグにおける人気の翳りと引き潮に手を打たずして、この期に及んで見苦しい論評はやめてもらいたい。

負けても(悔しかろうが)サバサバ、誰も君たちを責めやしない。

さて、準々決勝の相手は、ランキング 5位のスウェーデン。

予選リーグでは、米国を 3 – 0 で破ったばかりの、ご本家以上に米国スタイルの屈強サッカーをやってる、いわば〈旬〉のチーム。

これはもう、フツーに追い込まれて怒涛の攻撃を喰らうことは目にみえているんだから、ただ縮こまって凌いでいるばかりでは面白くなかろう。

ならば、思い切って攻撃的にやってみたらどうか。(やらしてくれるか、もあるけれど)

俊敏に、速く速く。

捨て身で切り込むものの、ただし、帰りの燃料だけは残しておいて自陣に戻る、そんなことの繰り返しを、ひたすらやるだけ。

2017年、U23 ラマンガ国際大会。

この時、なでしこは、スウェーデンを3 – 1 で沈めているんだから、相手ディフェンスをかいくぐるような、あの時の素早い動きを思い出せ。

そして、今大会ユニクロ製ユニフォームをまとうチームに引導を渡せたら、それも、また一興かと。

では。

【急報】陳謝、そして歓喜。

なんと、背番号#10 は、半年間のブランクを経て、元の持ち主に戻ったのだ。

おかげで、じつに何年かぶりに夫婦の熱い抱擁がなされた、のが我が家。

ギリギリ、というのは一昨日のブログ記事で、山雅への復帰に懐疑的であった筆者がその見立てはづれを、テーブルに頭をこすりつけて謝罪している図。

見果てぬ、と思われた真夏の夜の夢が、実現してしまうとは。

こういうのを、言葉がない、というんだろうか。

完全移籍、とあるからには、大邱FCとなんらかの交渉が在ったということでしょうね。

あぁ、ご家族とセルジ―ニョ本人の、松本愛とアルウィン愛、そしてツルヤ愛に、こころから感謝しよう。

京子さんに先手を打って、山雅公式を見よ、とメールを送信して10秒もしないうちに、青森に居る義理の息子から、
セルジ―ニョ、山雅に復帰するみたいですよ、とメールが入ったのよ、と家人。

つまりは、全国的なサッカーニュースなんですな、これ。

では。

註:この前の記事中、山雅はレンタルから以外は復帰をさせないクラブ、と書いたが、岩上 祐三ら、あるいは元プレイヤーをクラブスタッフや指導者として多数登用していることを付記します。失礼しました。

【真夏の夜の夢?】伝説 #10 の行方。

もう2~3週間も前のこと、家人いわく、

― セルジ―ニョが、山雅復帰を暗示するような投稿をSNSでしてるみたいよ。

なるほど、なるほど。

南韓での生活に馴染めず、大邱FCを退団したことはニュースで知っていた。

日本での活躍は、本人のキャリア中ではきっと成功体験なんだろうから、Jリーグ復帰は、かなり高い確率だとは思う。

松本の街と、それから、ツルヤ。
ご家族、特に、奥さんが大いに気に入っていたことは想像に難くない。

けれど、では、復帰球団が、山雅か?、となるとどうなんだろう。

史上例外的に、山雅で活きた外国人プレイヤーであるから、復帰であれば、それこそ驚喜の的。

元ボランチの指揮官が、ボランチ起用でオーダーしていれば尚のこと面白い。

けれど、山雅というクラブは、レンタルからの復帰以外をおこなったことはなかったはずであるし、今季は大胆なスクラップ&ビルドに着手中であるし。

当て推量だが、日本球界へ再来となれば、トップリーグの、浮沈に危機感の深いクラブか、あるいはJ2にあって、現在昇格レースに絡んでいるクラブ、そんなところが手を出すような気がします。

C大阪、アビスパ、鳥栖、甲府、新潟、とかが思い浮かぶ。

シェイクスピア劇では、円満解決だった〈真夏の夜の夢〉。

こっちの夢の結末は、さて、どうなんでしょう?

では。