カルテットで崩せ (大宮戦プレビュウ)

前節、クサツに勝利した後の監督インタビュウに対し、布さん
―大宮は強敵。けれど山雅やるべきことをやれば、勝機は十分に見出せるはず。

この簡潔かつ的確な表現はおおいに良し。


〈アルディージャを素描〉

❶2018年のデータで、大宮のクラブ収益 39億円、対し山雅は 22億円。
この構図に今もあまり変化はない。
お金の豊かさで2倍近くを誇るのだから、そのタレント陣は相当に強力。
加え、高木監督体制2年目となれば、戦術の浸透度も深まっていて、やることの徹底度も高いだろう。

❷前々々節の対ヴェルディ戦(7/11) を観返した。
ボールを繋いで攻撃を組み立てる相手に対して、5 – 4 – 1になるカッキリとした守備を敷く。
中盤でボールを奪取、あるいは前線へのロングなボールを拾って、攻撃に反転する。
左サイドからの侵入が目立つが、ペナルティエリアに近づくと手数をかけずにクロスが入る。

❸3 – 4 – 2 – 1 。
ワントップはそれほど強烈ではないが、2列目、黒川(水戸から復帰)、近藤(元愛媛) のスピードとシュート力が脅威。

―まるで、いつか見た山雅、みたいな容貌に近い。
チームの総合力で戦っているんです、きっと。

勝つも敗けるも、僅差のスコアで切り抜ける。
こういうチームが、特にJ2では、強い。

〈先手先手のカルテット攻撃を!〉
❶大宮が前から追い込んでくるにせよ、ボールはある程度持てるだろう。
となれば、カウンター攻撃に直結するようなボールの失い方を避けつつ、能動的、かつ、スピーディーに大宮の3列目(ボランチのライン)にボールを入れられるとグッド。

ボールの動かしに少なくとも3人が絡みあい、ここぞのタイミングでフリーな第4の男にボールが渡る。
そう、カルテット攻撃を発動せよ。
山雅四重奏だ!

剛なる大宮の守備網にどうやって風穴を開けるか?、が主題。
ディフェンダーの目を眩ますには、4手先までのボールやり取りを畳みかける、これです。
合目的であるならば、パスの長短、手数、速攻遅攻を問わずで。
左サイドに力点を置くにせよ、ビッグスイッチで右へ展開する手も使える。

❷さらに、GK圍からの低い弾道によるロングフィードや、基底ラインから塚川の縦パス等で、目先を変える。

❸変に守りに入ってラインを下げると、やられます。

同じ甲府に対し、同点にできた山雅と、零封された大宮。
これ、今夜のゲームにおいて光明となる視点、でしょうね。

さて、新たな中3日の3連戦のスタート。
メンツをリフレッシュし、上記❶❷❸を遂行する。―それが、やるべきこと。

セルジ―ニョは、NACK5 に初顔見世か。

双方の背番号#10、セルジ―ニョと黒川の出来次第で明暗が分かれるゲーム、かも知れない。

しかし、2年前と同じメンツは3人(藤田、浦田、田中) になりそうで、時は確実に流れている……。

では。

未明のリアルと夢想 (大宮戦プレビュウの前に)


……日付が木曜日に変わってすぐ、ふと目が醒めてしまった。

眠られずに、水曜日J1のゲーム結果を検索してみる……、

某NHKBSがあれほど若手FWを持ち上げてた横浜FC、0 – 4 でマリノスに大敗。
途中まで 2 – 0 とリードしてたベガルタは、 2 – 3 でフロンターレに逆転負け。
大分は、後半着実に加点されて、結局は、0 – 3 でグランパスに敗戦。

地力差は、終わってみればやはり、の結果を導いたようだ。

単にお金持ちになるばかりでなく、あわよくば勝つ、のサッカーから脱しないと、トップリーグで続けて戦うのはむづかしい。

とても他人事ではありません、山雅。

いま磨いているスタイルを突き詰めた向こうで、町田 也真人を再び誘ってトップリーグ参戦。

これ、まんざらの夢想でもない、という気がふとしてきた。

夏の夜の夢、で終わりませんように。

ついでに、この曲に浸る……。

青い鳥の翼の下に隠れていたい。
朝6時の目覚ましが鳴りませんように。
でも、朝は来て、カミソリは冷んやり頬に痛い……。

では。

思へば遠くに来たもんだ (山雅)

唄の文句じゃあないけれど、そんな感慨に浸っている。

昨日のこと、出勤したヤナさんが、

―トップリーグの某チームが大然にオファーを出していますよ。
どこだか、いいましょうか?

―いや、待って。ちょっと考えてみるね。

しばらくして……、

―そのチームって、在阪のところでしょう?

 

前田 大然が大阪出身であることは知っていたので、そこまでは容易に絞れた。

当初、ガンバかなと思ったが、いや、スピード豊富なピースはそこそこ揃っているよなぁ。

すると、堅守からの反転攻撃というスタイルからセレッソか。

やはり、どうもそのようだ。

昨季のセレッソ、失点の少なさではリーグ断トツで1位。
けれど得点数は下から7番目くらいで、攻撃力の乏しさがいまでも課題なのだろう。
(あと、欧州から出戻った者に触手を伸ばす習性もある)

トップリーグでの常時出場は、注目度や評価をもらえるチャンスも大きいから、J1のステージでやるのもいいだろう。

で、ひるがえって山雅を眺めると、今取り組んでいるサッカーには、大然の居場所があまりないだろう、とも思えてくる(負け惜しみでもなく)。

ボール保持に長けたタレントを有効活用する戦術が、ますます顕在化。

直線的に切り裂くカウンター攻撃ではなくて、流動的/多角的にボールを動かしながらスペースを獲って相手を崩す攻撃が見えてきた。
(ファーストディフェンスも、無闇に突っ込んでもいかない)

逆に言えば、J2では、カウンター攻撃に曝されるチームの筆頭になりつつある山雅。

このスタイルを、トップリーグで披露できるように精進するのが、今季のテーマのひとつなのだ。

いっそのこと、トップリーグに上がり、大然、裏を取ってみなよ、と見栄を切りたいね、山雅。

では。

あのハイライトはなんだ (2020.7.19 群馬戦レビュウ)


ホームで待望の勝利、スコアは 2 – 0。

ゲーム後、ザスパのプレイヤーたちが整列して北側メインスタンドに向かって挨拶。
それに対し、スタジアムほぼ全体から湧きあがった拍手。
―昨夜、胸に来るいちばんのシーンでありました。

前半は、けっこう群馬にペナルティエリアへの効果的な侵入をゆるしましたが、最後のところでなんとか踏ん張って失点を回避。

これは、セルジ―ニョが、おそらくは岩上 祐三を手当てするため左サイド後方に張って位置していたことが要因のひとつとしてあった。
なにしろ宮阪―岩上ラインが脅威でしたからね。

後半、鈴木を左サイドに投入し、高木 彰人に替わる格好で、セルジ―ニョがより前線に上がると、攻守ともにかなり強化できた。

4 – 2 – 3 – 1 のような感じでしょうか。
―この采配には、感服。

さらに、ボランチは塚川&久保田のセットでスタート。
これ、流動的にボールを動かすことにおいて結構効いていた。
塚川、久保田ともに高い位置まで侵入していましたし。



ホームで日曜日よりの使者を聴いたのは、14箇月ぶりくらい。

そんな良い気分の中、あえて申し上げるんですが、山雅公式サイトのゲームハイライト映像は、まったくいただけない。
山雅は得点シーンのみで、群馬の再三にわたる侵入が採りあげてある。
これを見る限り群馬の出来が数段良くみえてしまう。

むしろ山雅のやりたかったことを象徴するシーンを編集すべきであって、その意味では、Jリーグ公式(長さ半分の)ハイライト映像のほうが、数段優れていると思うのは、萬年だけでありましょうか?

では。

 

いよいよリーグ開幕。

昨夜の千葉 vs 東京ヴェルディ。(スコア : 1 – 2 )
ヴェルディ流サッカーの面白さが、いまだ頭から離れない。

プレイヤーが流動的に湧き出し、小気味よいパスを縦横にとおすサッカーのすがすがしさ。

かたや、ジェフ千葉。
釈然としないPK判定(by 三上君) に泣いた部分があるにせよ、ヴェルディにやりたいようにやらせてしまったことは否めず、あれだけのメンツを揃えておいてカウンター狙いに終始していては、つくづくダメでしょう。

(ジェフからはいまだに、不可解な自信? のような香りが湧きたっている)

ユース生え抜きのフレッシュなタレントが臆面もなく躍動し、他方、DF陣は高橋祥平(前ジュビロ)、福村 貴幸(元清水)、若狭 大志(元大分)らが固めている今季のヴェルディ。
ひょっとしたら2020年ダークホースになるかも!

さて、そのヴェルディでプロとしてキャリアを始めたディフェンダーがひとり、本日、リーグ開幕戦を迎える。

敗けたことですべてを失った、と言い残して山雅を去った飯田 真輝。

JFL(日本フットボールリーグ)に所属の、FCマルヤス岡崎の #37 として、今日はピッチに立つんだろうか。(15:00~ 対ヴェルスパ大分)

JFLは、COVID-19禍により、今季日程を、本来の半分に短縮してしまった。
第16節からの後半戦のみをおこない、各チームはそれぞれ、15戦する。

マルヤスには、山雅ゆかりの人材も多く、監督は北村 隆二氏。
プレイヤーとしては森本 大貴、多々良 敦斗、そして飯田。

松本山雅岡崎出張所、なんていうとかなり失礼になるけれど、そんな親しみを持って動向を見守りたい。

最後に……、
敗けたことですべてが失われた、とも萬年は思ってはいない。

では。