それでも使え (レビュウのその先へ)

先々週に続いて、週中にルヴァンが入る(中3日の)3連戦。

基本、ルヴァン杯は、(ステージが上がるから)鳥栖戦ほどではないにせよ、それに近いターンオーヴァーと診るが、

高知戦の登録、先発メンツは、そこを踏まえてもいた、とは思う。

昨日、職場でソネさんと会ったら、

― (大敗について) サンタナがどうのこうの、ではないでしょう。

僕も、同様に思っていて、チーム全体としての連携と意思疎通が、

相手の高速サッカーにまったく追いつかないままに、

我が陣容に締まりをほどこす工夫を、ピッチ内のメンバーが挿し込めなかったこと、それに尽きる。

ゆえに、誰彼を追及するのは間違っているんだが、

鳥栖戦での〈収穫〉を活かすならば、(配置として)

❶左サイドバックには樋口、右サイドバックには本間、の先発で良かったのではないか。

(山本龍と、小川は控え、さらには、佐相を、右サイドバックで準備する)

❷スリーバックは、左から、杉田、高橋、チアゴ サンタナのまま。

杉田の持ち上がり、高橋のロングフィード、サンタナの縦に通すパス、と持ち味はかなり多彩。

指揮官は、地上戦でいきたかったのかも知れないが、とにかく勢いにのって前進したいチームに対し、

前半、敢えて風下を獲ったのは、かなり疑問?ですけどね。

❸さらに、石山 青空。

岐阜戦 10人になって、彼は、1.5列目で使われ、この日は、2シャドウの一角。

その突っかけの力強さが魅力の石山なんだが、ここは、もう少し欲張って、ボール奪取能力も活かしたいではないか。

だとすれば、ボランチを推す。

この先、チームの要としての成長と充実を考えれば、余計に。

(そして、松本でやり甲斐と自己価値を見いだして完全移籍へ、は虫がよすぎ?)

……と、好き勝手に。

要は、これに懲りて、あまり持ち味を活かせなかったであろう、樋口、サンタナ、石川の使用度を決して下げるな、と主張したいのであります。

Use, Or  Lose  (使え、さもないと失う)、とは自己の才能ばかりでなく、ヒトにも言えること。

❹もしも、3バックを採るのなら、

サイドバックとは、活発に上下動せざるを得ないポジションとなり、

その中、前方向につねに仕掛けない(狙わない)、つまり、ここぞとばかりに勝負をしないようなサイドバック。

それと同時に、

サイドバックに前方向に仕掛けさせないようなチーム意思と連携欠如は、やめてもらいたい。

3ゲーム連続で、得点機会(うち1回は未遂)が、ペナルティキックというのは、

大きな要因のひとつとして、効果的なクロス投入の貧相さに在る、と思いますから。

では。

完膚なきまでの敗戦 (2025.4.5高知戦レビュウ)

0 – 5  の大敗。

スコアとして一方的。

であるばかりか、内容も、評価のまな板に載らないようなゲームでした。

ここまで、彼我の明暗がキッパリしたのも、近年、チョッと記憶にござんせん。

昨季の、アウェイ金沢戦(1 – 6)にしても、今節ほどに、こっぴどく悪くはなかった。

観戦中の家人に、DAZN観戦の息子から着信があって、

― まるで、練習試合やってるようだね。

こういう皮肉の感想に、さすがに抗弁できません。

今回ばかりは、南ゴール裏発のBOOは正当であって、甘受すべし、でしょう。

5失点後、

こうなっちゃったら、このままでは終われないよね、チーム山雅よ。

これが、アルウィンの総意だったんだろうけれど、

結局は、被零封でゲームセットの笛を聞く……か。

〈顔を洗って出直せ〉

他に、かけるべき言葉が見つからない。

そのわけは……。

❶高知の、手早く相手ゴールまでボールを持っていくスピードサッカーに、チームとして、ほとんど対応できていなかった。

#18のアタマと、#11の足許をめがけ、センターラインを越えたらスローインはロングで、とやることに、シンプルかつ徹底する、高知。

パス数の少なさ、速いサッカーは、プレビュウでも指摘しましたが、そこをひっくり返せる技量にまったく不足。

チノ氏(北ゴール裏同志)は、これだと、2失点くらいは覚悟かな?、と観ていたらしいけれど、

その後、30分台に 3つの失点を積む。

相手の勢いに押されるばかり、チームとして、成り行きでやってたことになる。

❷高知の、他と比較してもっとも活発で、精力的なその左サイドの、高い位置(エリア)。

それとドンピシャ対峙したのが、今季初先発の樋口、サンタナで構成する山雅の右サイド。

相手の最強部位と、こっちの連携がまだまだ醸成されていない脆弱な部位がやりあうと、ああもミゴトに、出し抜かれるわけか。

とは言っても、右サイドから侵食された、とはいえ、

つまり、引っ張りだされた右サイド陣が迂闊、とはいえ、

中での対応も、決して褒められたものではないだろう。ついていけてないし。

❸こうも、ゴールの匂いがしないとは。

後半、システムを変更し、

村越、佐相、本間などを投入して、サイドに風穴は空くようになった。

とは言え、

サッカーにおけるメンタルの綾で、

相手は勝利を確信した中、余裕を持ってやっているから、そしてカウンター狙いに絞ってもいるので、

山雅にすこしばかり陣形を振られたところで、致命的に崩れない。

相手の守備網の外縁から、攻撃を起こそうとするのなら、

もっと強烈で、意表を衝く方法を、定常的に確立しないと厳しい。

ルーカスが傷んで、よーいドンが、ますますできなくなったからにはいよいよ。

で。

ややもするとフォーカスすべきは守備面、と見えがちですが、

このチームにとって、

6ゲームを消化した時点で、早くも浮かんできた正念場は、ひたすら攻撃力の不足……。

ゲーム後半の、終始の攻めあぐねであからさまになったのは、そこです。

では。

知らないことは解らない (高知ユナイテッドSC戦プレビュウ)

たとえば。

病いに罹ってみてはじめて、同病の方々の痛み苦しみが理解できる、とか。

知らないことを、さもわかったような言動は慎む。

それくらいの謙遜さと、自分の想像力の限界を知った上でものごとを語れ、という、なんとありがたき教訓に、この記事も従います。

クラブ史上、山雅がはじめて対戦するチーム、高知ユナイテッドSC。

サッカークラブの略、SCを名乗るので、くれぐれも、FC、とお呼びしてはなりません。
(☞ Jクラブで、SCは、ここと、栃木、相模原のみっつ)

Jリーグ参入初年度を戦っていて、プレイヤー34人中、18名が新加入。

指揮官には、あの!! 秋田 豊氏を迎え、

データをチラ見すると、

前後に素早いサッカーを追求しているように診えます。

くりだすパスのゲーム当り本数は、リーグ最下位。

(アウェイで)ツエ―ゲン金沢に勝利していますので、

(当時の金沢の出来はともかく) おとなしいサッカーでもなさそう。

正直。

ゲーム開始の笛が吹かれてみないと、どんなゲーム様相になるのか見当がつきません。

ともかく、チームについて記憶はまったく、触感すらないのですから。

そこを無理に類推したところで、無価値でありましょう。

では。

山雅のほうはどうか?

レギュラー陣のプレイスタイルはまぁまぁアタマに入ってはおりますが、

野々村の出場停止によって、先発を獲りそうな気配のチアゴ サンタナ。

それに、売り出しの予感にもっとも近い、石山 青空、松村 厳。

彼らについては、まだ片鱗を魅せている程度。

お楽しみは、これからこれから。

2025季の山雅スタイルにしても、その全体像は、開示されていない。

ただ、メンツがどうあれ、くれぐれもお願いしたいのは、

強欲に(連携を忘れずに)押し込みつつ、かたや、突っ込んでくる相手には、その布陣をひっくり返すかのように基底ラインを突破する、これです。

では、アルウィンで。

ミゴトな采配、応えた俊才 (FC岐阜戦レビュウ❷)

岐阜戦のジャッジ(審判)に対して、山雅ゴール裏からは怒声が飛びまくった。

けれど。

そのおかげで 開始 5分のPKゴールが生まれたわけであるから、

被ファールを流してもらいたかった絶好機はあったにせよ、忘恩はまづかろう。

昨日。

息子がたまたま我が家に立ち寄った際、すこし話をした。

その要旨は……、

❶退場者が出てからのチームと個は、果たすべき仕事とミッションを良くこなしていた。

❷タレントの投入と配材について、早川監督の采配は評価する。

❸中でも、石山と松村、このふたりは出色の出来!!で、かなり期待がもてる。

❹被同点弾は、

あの瞬間、相手#10に対処できなかったのは、やはり、

普段からゲームに出ていないプレイヤーに試合勘が不十分なため。
全員が、他方向を注視していた。

ゲーム感があれば、厄介な存在は、首を振り振りして都度視野に入れるよ。

☞いわば、失点は、俊才投入の、皮肉な〈陰〉であって、これで学習すれば良い。

……正直、勝たせてやりたかった、というのが息子の談。

ゲーム総評は、僕とほぼ似ていて、

50分過ぎから、山雅としてのゲームが締まり、チームが緊密に機能し出した。

だから、レッドカードでゲームが壊れたというのは浅薄な観方であって、
(つまり、ジャッジへの怨嗟は見当はづれ)

それまでのチームとしてのギクシャクと機能不全が、そこからシャキっと、息を吹き返した,、ってのが実相です。

今後は、外的要因で強いられてやるのでなく、求められるのは、自助による修正力ですかね。

では。

このゲームの本質 (2025.3.29 FC岐阜戦レビュウ❶)

アディショナルタイムでの、同点ゴール被弾により、

1 – 1 のドロー。

ゲーム100分の、ほぼ半分の時間を 1人すくない 10人でやる急場しのぎの戦法。

双方に、乱れ飛んだ黄赤のカード。

― そういったもろもろがあれば、直感と感性が邪魔をしがち。

くれぐれも、

今後、修正するべきゲームの本質をも見失うオソレもあるので、注意せねば。

さて。

ひとつは、勝ち点の胸算用。

5ゲーム消化して、うち、アウェイが 4つ。

ホームで勝利、アウェイでは、少なくとも勝ち点 1 が目安。

なので、奈良戦の勝ち点 0 がいただけないだけ。

勝ち点 6 は 目標の ▲1 に過ぎないから、それほど悪くはない積み上げ。

ふたつめは、ゲームをよく見つめよ。

❶前半と、後半退場者を出すまでの、山雅の低調の原因は、

陣形が、縦に間延びして、連動性に欠けたことに、ほぼ尽きる。

岐阜が冒頭からやってきた裏狙いのロングボール作戦におじけづいたのか、

それとも、強風への対応のつもりだったのか、
(風は、おおよそホームからバックスタンドに吹いていたのに)

とにかく。

最終ラインが下がり過ぎてしまい、そこと中盤(ボランチ)とのスペースが空く。

さらに、前方に追い込みをかける最前線の動きが孤立気味になるから、全体に締まりがなくて、統率されていない。

だから、空いたスペースに、相手のボランチ (#10など)にそこにスッと入られては、左右への配球や縦パスを、容易にゆるしてしまう。

プレイヤー同士の距離が遠い分、セカンドボールも拾われまくり。

この傾向は、相手フリーキック時の、ライン形成の高さにも出てしまっていた。

コーチングボックスからは、盛んにラインを上げよ、との指示が出る始末。

なぜ、こういったライン設定と陣形の間延びが出てしまったのか?

チームはキチンと分析して、修正をかけるべし。

ボールが手に入らないサッカーに堕したので、

結局は、大内からのロングボールだのみと、

低い位置からのカウンター攻撃一辺倒の、貧相なやり方になった。

これは、僕のいう〈強者のサッカー〉では、決してない。

なぜなら、ボールをこっちの意思で動かせていないのだから。

❷ゆえに、むしろ 10人になったことによって、(押しつけられて)やることが明白になったぶん、

山雅としてはゲームが締まった、と言える。

皮肉にも、〈弱者のサッカー〉を余儀なくされたわけ。

5 – 3 – 1、いや、石山 青空はシャドウ的に配して、5 – 2 – 1 – 1 の陣形を敷いた。

ただし。

菊井 悠介ワントップは、やはりフィット、機能がむづかしい。

やたら盲目的にクリアを蹴り出すのは、徒労です。

あそこは、ルーカス バルガスを置いて、

そこを目がけて、ロングフィードとクリアボールを集め、周囲でこぼれを拾っては、時間を経過させるべきだった。

その場合は、4 – 2 – 2 – 1で 、

菊井と石川をシャドウに、ツーボランチは、大橋、村松だったんではないか。

途中投入の彼らは、チアゴ サンタナを含め、なにかと非定常なゲームによく対応していたと思う。

もともとが、20数本シュートを打たれまくり、こっちは せいぜい 5~6 本の惨状なんだから。

同点弾は、フッと空いたスペースからフリーに足を振られたもので、どうこう言っても始まらない。

11人いても、いまだ土壇場の被弾をするチームゆえに、

10人であそこまで持ち堪えたのは、むしろ上出来、と考えます。

では。