それでも, 行けよ 最後まで (リーグ後半戦の始まり)

早川監督は、グンマ戦を、〈惨敗〉と総括しているんですか……。

僕からすると、あきらかにクオリティに差があったのだから、〈完敗〉とすべき。

が、現場責任者としては、よほど期する仕掛けがあったにもかかわらず、

それが発動されずに終わり、ゆえに、屈辱的な気分が残ったのかも知れない。

やってるサッカーの格の違いを認めて、サバサバ。

あの鹿児島戦で感じさせてくれた、ピッチを自在に使うダイナミックさを取り戻すことに専念すべきですよ。

で。

3失点が、2ゲーム連続したのを、〈守備崩壊〉というけれど、それは違う。

崩壊とは、既に存在したものが壊れること。

そもそも、決め事とスキをゆるさない守備があらかじめ備わっていた、とは思えない

つまり、あらがったにもかかわらず失点したのではなくて、

酷な言い方だと、傍観者として守ってました、に近い感じを受けますがね。

でないと、26失点、リーグワースト第5位の実績は叩き出せやしない。

崩壊、などと格好つけるから、なすべき事の本質がみえなくなるのです、記者の方々さん。

ひとつふたつ、変にゲームが壊れたかも知れんが、

負け試合は、ほとんどが、納得感あるものだったから、この位置(順位)は、順当と診ていい。

……てなわけで、そうは言っても、最後まで行こう、というお話。

もちろん、次のリアルをきちんとわきまえておきながら。

❶トップ 2(大阪、栃木C) との勝ち点差は、17。
上が勝ったり負けたり、でも、こっちは勝ちを重ねて、という身勝手な前提でも

勝ち点1 を縮めるのには、1ゲームを要する、という。

すると、残り19ゲームで、17点を追いつくころには、リーグ戦は終わっている勘定。
ゆえに、2位以内は、絶望。

❷3位(ヴァンラーレ) との勝ち点差は、14。
これにしたって、キャッチアップするにせよ、ラスト数試合近辺まで時間を要す。
すると、プレイオフを好条件でやれる 3位も、ほぼ絶望。

❸6位(奈良) との勝ち点差は、7。
ここらだと、気力的にも、なんとか照準に入ってくる。

結論。

☞ 現実的なゴールは、プレイオフ出場の、6位圏内に入ること、これで決まり。

大宮一強の昨季とは違って、上位同志のつぶし合いがあるだろうから、望みを持てる。

けれど、他方。

どんぐりの何かで、生き残りレースは苛酷さを増していて、降格組3つのエンジンが快調になれば、

その中で、

3連勝を何回か、あるいは、5連勝以上を達成することが、上に突き抜ける必須条件でしょう。

プレイヤーから、活力、新鮮さが消えて、諦観が感じられたら終了であって、

山雅は、この萬年式胸算用を、

どうやってどこで裏切ってくれるのか?、が後半戦の、僕の興味の在り処。

ソネサさんは、一体、補強あるんですかね?、が興味。

ま、岡田 優希クラス以上でないとね、とにかく、フォワード。

次は、その奈良戦か。

山雅の夏、緊張の夏……ですな。

では。

守功一体の再燃こそ (グンマ戦レビュウ❸おしまい)

モモ氏のご友人が、0 – 5 になってもおかしくないわ、と憤慨したという件。

要は、

ゲーム開始から、山雅が、あれだけサイドをえぐられまくっていれば、

しかも、こっちは、なかなか相手サイド奥を侵せないでいれば、

見る眼を有すファン&サポーターならば、こりゃあ、いつ失点することやら、と直観したはず。

そのサッカーのクオリティからすれば、グンマが、いまの順位にいること自体がおかしいのだから

〈完敗〉ではあるが、両者の到達点の落差が、素直に現れただけの話。

つけいるスキが相手になかったわけでもないが、山雅に、力の出し惜しみがあったとは思わない。

だから、ゲーム後、BOOを見舞った南ゴール裏の真意が、

チームとサッカーの到達度が、この程度であることへの鬱憤と非難ならばわからないでもないが、

僕には、栃木SC戦後と同様で、負けの鬱憤晴らしにしか思えず、

残り19ゲーム、負けたらすべてこの方式が採用されるのか、訊いてみたい。

しかし、まあ。

レッドカードが出た、そのセットプレイで、被弾するとは、

プレイオフ富山戦に、ほぼ同じ〈山雅劇場〉発動、というべきで、

こんなのは、やろうと思ってもできないことだから、そこの修正など、そもそも現実的なことかいな?

先制されると勝てない法則が続くかぎり、ゲームは、あの2失点目で、ほぼ決まり。

ですが、その発端が、

センターバックによる、なんでもないボール処理の、不可解な譲り合いとなれば、かなりな三文芝居でした。

このゲームにおける不満は、

中盤を制せられていたとはいえ、センターバックの持ち出し、駆け上がりが見られなかった点。(野々のシュートは良かった)

サイドバックが前を向けない状況での、センターバックからパスの転送は、

ボランチが即支援に動かないと、結局は、また戻してのやり直し。

ここを、野々村あたり、技量的に突破しないとならないし、

そもそもセンターバック並びの人選、再定義を要す。

あとは、中盤から前のつくり。

チノ氏は、

ゲーム後半、(大橋を下げざるを得なかったので) 単騎奮迅のおもむきさえあった、

安永 玲央のアンカー定着はどうか、という提案……。

僕の意見は、3トップ態勢をはっきりさせることと連動させて

3ボランチでよろしいか?、となる。

そうなれば、4 – 3 – 3 の採用。

トップにボールが収まらない、収められない現状からすれば、

ゼロトップの意識で、前線3人で追いかけまわし、

その後を連動して、ボランチが追従するのが、いちばん、か。(コンパクトな陣形で)

大内、ロングフィードの質を、かなり工夫してるのがうかがわれたが、

それも含め、最優先の事項は、カテゴリー(シーン)別の、攻撃の再現性アップ

しかし。

決め事などは、いくらでも作れましょうが、

途中投入された、馬渡、小川、高橋が魅せた、

数的に劣勢であっても、相手ゴール近くまでボールを持っていくための発案、工夫、プレイは、

プレイヤーみづからが、たとえ、その瞬間は、チームの約束事に違背してでも、主体的な思考と行動によって表現する内容なので、

もっと、賢く、いやらしく抜け目なく、と言うしかない。

でもね、そもそも。

ボールを下げてしまうチームメイトの逃避性への不満を口にするプレイヤーの発言を前にすると、

約束事への忠誠の欠如のほうが、気になりますなぁ。

ところで。

彼らヴェテラン域を登録していたのは、劣勢時への備えでもあるまいから、

今、活用戦力(の選り出し)において、軌道修正に着手しているのか?

では。

回帰すべき場所は どこか? (グンマ戦レビュウ❷)

繰り返しになりますが、

後半ずっと、相手よりひとり少ないメンツでやったことが、勝敗を分けたのではなくて。

ゲームづくりの根本のところで、すでに、ほぼ勝負がついた。

下図は、ザスパ陣容の、模式図。

予想どおり、山雅の3バックに対抗して、ミラーゲームでやるために、 (初期は) 3 – 4 – 2 – 1 を採ってきたザスパ。

ところが、実際は、

センターバックの中央が上がって、アンカーとなり、基底は、2枚になる。

すると、ツーシャドウを含め、5人のボランチで構成する、三層式な中盤のできあがり

ここがしっかり組まれるので、

山雅の最前線が、相手センターバックをいくらチェイスしたところで、中盤が相手の数的優位で、簡単にかわされ、ボールが入手できない。

3失点目は、それでやられた。

しかも、ゴールゲッターは、図でGを付した左サイドバックだったとは、攻撃的サッカーの象徴。

で、両サイドバックは、まるでウイングみたいに、高く、幅ひろいところに居て、中盤からボールが来ると、最速で、ゴールライン方向へ運んでクロスまで完結。(被コーナーキック 13本の山を築く)

ここでの瞬時的なダッシュが効いて、山雅サイドバックは防戦に追われ、

本来ならば。

山雅は、その中盤から、

図中の、緑斜線のスペース(高く上がった、相手サイドバック裏の広大なスペース) へと飛び込んでいきたいが、その仕事が、なかなか叶わず

〈走る〉プレイは、緩急さをかませて、こう使わないと、意味をなしません

……山雅の持ち味は、コンパクトでリジットな陣形を保ちながら、

相手を押し込んでいくところ。

しかし、

ザスパの、攻撃的な、逆三角形の布陣の前に、自分を失って、

陣形に有機性がなくなり、間延びする。

そのため、味方同士でボールを動かせる距離感が、ほとんど消失してしまう。

これじゃあ、ゴールマウスが見えるところまで、ボールを運べやしない。

ゆえに、リセットすべきは、まづは、堅い陣容と、それを活かした、守功結束の立て直しでありましょう。

では。

ミゴトな完敗。(グンマ戦レビュウ❶)

1 – 3 の敗戦。

モモ氏(職場の同僚) が今季初のご来場。

山雅にお金を落としてくださった、まことに貴重なゲームとなり、まづは御礼。

で、そのモモ氏の中学時代の友人が南ゴール裏の定住者。

ということで、彼は、

ハーフタイム時に、そのお方を訪ねて、南ゴール裏へとおもむく。

そのおかげで、移動中に、3失点目を見逃したモモ氏ではあったけれど、

友人は、ずいぶんと御立腹で、その怒りの要旨……、

もう、前半で見切って帰るわ。
相手がサイドから来るってわかっているのに、なんの手当もほどこさず。
こんなじゃあ、0 – 5 になるだろう、云々。

さすが、ゲームの本質をほとんど見抜いているではないか。

❶ザスパは、そのサッカーを忠実におこなってきているにもかかわらず、その対策が、まったく追いついていない。

素人の筆者が、グンマ戦は、栃木SCより 5割増しの困難さ、と言ってたのに。

❷相手との個の技量差を埋めるためには、こっちが数倍〈アタマ〉を使うしかないが、そこも不足。

つまり、ファン&サポーターがよく口にする、走れ、必死にやる、は使いものにはならず、

どこでどうやって走る?、の突き詰めが、グンマとは、雲泥の差。

米原のプレイスタイルが、グンマにフィットしない要素が、うかがえたりする。

❸たまたま、ミスからレッドをもらったものの、あれは、ゲームの本質を決定する言い訳にはならない。☜ここを見誤ると、山雅を評価できない。

❹枠内シュートが、想来のPKによる 1本だけ。トホホです。

……テストで 80点獲れるはずが、30点であれば、それを、裏切りと評し、そこにBOOを放っても良いだろう。

けれど。

精一杯やっても、 30~40点がいいとこ、となれば、

2部リーグ降格組との 3連戦、1分2敗の戦績(勝ち点1のみ) も含め、

グンマさんに教えてもらった、順当、かつ、説得力に満ちた、完璧な敗戦

では。

米原 秀亮と共にやって来るもの (ザスパ戦プレビュウ)

それは、

ザスパ指揮官みづからが、そう自認する かなり攻撃的サッカー

今季就任時のインタビュウで、彼は、

3点とられても、4点獲って勝つサッカーをめざす、と公言しているのだ。

現況。

ザスパが、その熟成に向けて、どんなレヴェルにあるかは承知していない。

が、僕は、2部からの降格組との三連戦にあって、もっとも対戦するにむづかしいチーム、と診ていて、

栃木SCと比しても、チームの持ち味がハッキリしていることによって、5割強は手強い、のではないか?

山雅が後手にまわって、なぞるようなサッカーをしてしまうと、

(リーグ最多数の) パスによって翻弄される、そんな悲観的な覚悟です。

❶米原 秀亮の立ち現れ方。
今季、18ゲームを消化し、

先発 9回、途中投入が、3回、12ゲームに出場。
ま、すくなくとも登録メンツのひとりとしては、(おそらく)アルウィンにご帰還か。

群馬は、3バックのチームとやる時は、3バックを、4バックとやる時は、4バックシステムを採ることが多い。

ギャップを嫌い、ポジション的に真っ向対峙の状況でサッカーをやりたい。

思うに、個の能力に自信があるのと、サイドの侵入を阻止したい、そのふたつが狙いでは?

ならば、米原は、藤村らとのダブルボランチの一角を担って登場する可能性が大。

すると、いちばんの警戒点は、視野の広さを活かした、そのサイドチャンジに違いない。

❷攻撃的なサッカーの中身。
フォワード登録が、8名 (山雅は 5名)であることからしても、その姿勢がハッキリしているけれど、

その攻撃は主に、リーグで 4番目に多いクロスを起点とする。

つまりは。

米原の気の効いたサイドチャンジは、サイドからのクロスのお膳立てとなるから、かなり危険、というストーリイが成立するのです。

ところが。

クロスを強みとする反面、クロスからの失点パターンがいちばん多いのも、ザスパの特徴。

だから、山雅が狙うとしたら、最終ラインのサイド奥のスペース、となる。

目には目で、クロスを多く浴びせる、ってことで。

❸ザスパにおける、ある兆し。
18ゲーム累計で、ボール保持率が、平均で 60%。(リーグトップ)

これは、ゲームや、その時間帯によっては、70%超 ボールを握るのが当たり前、ということ。

ただし。

前節の金沢戦(0 – 1 の敗戦)では、18試合目にしてはじめて、ボール保持が、5割を切って、49%。

ここには、ボール支配がリーグ第3位の金沢とやったという事情もあろうが、

リーグ折り返しにあたり、

ボール保持一辺倒から、ロングボールを使う速い攻撃も織り込みたい意思の発動、と考えるのは、うがち過ぎだろうかね?

スタート、リスタートを、相手にボールを持たせたところから始めたい山雅とすれば、

ボールを持ちたいザスパは、フラストレーションが溜まりにくい相手なんだろうが、

それでも、焦点は、サイドの獲りあいとなるだろうから、山雅指揮陣が、

サイドバックのメンツの配置、アウトサイドハーフとの連携に、くれぐれも意を払うことを希望。

それと。

コーナーキック(または高い位置からのセットプレイ)、それには、最大アラートを発信せよ!!

群馬は、直接フリークキックの本数でも、リーグトップなのだから。

では。