プロテストソングそのもの『Blackbird』(1968年)

この曲は、ビートルズのアルバム『The Beatles』(168年発表)に収められた、

2分あまりの小曲。

実は。

この曲が、リトルロックハイスクール事件(1957年) と呼ばれる、

米国の高校における、人種差別と隔離策に触発されて、ポール マッカートニーが創った、という裏話をつい最近になって知った次第。

学校から排除されたアフリカンアメリカンの女性を擁護し、その解放を願う、

純然たる、人種的な差別を問うたメッセージソングなのだ。

けっして激烈ではなく、美しく穏やかな旋律と曲調が、

かえって、事の重要さをこころに届ける、そんな趣き。

ゆえに、美なるメロディを楽しむのはかまわないとしても、

漠然とした〈援歌〉とみなしてはいけない。

これは、同じ作者による『Let It Be』(1970年)が、

亡き母への追想と思慕を綴ったものであって、

宗教心や人々の苦悩への共感を、漠然と歌うものではないと同じ……。

では。

急に思い立って。

と言うより、直感が、今やっておかないと、と湧いて来て、

善光寺にごく近い、なじみの古書店へと出かけた。

僕が職業人として始めた時の先輩の弟さんが、その先輩(物故)の跡を継ぐ格好で、やっているお店なんです。

たしか、午後のみ営業だったはずだから、勤務を終えると、高速を使って。

駐車場に車をおいて2分ほど歩き、

店をのぞいたら電気が点いていて、入り口のドアも開けられたので、

奥に進むと、数年前とほとんどかわらないご様子で、

椅子に深く座る店主の姿が、そこにあった。

― 善光寺に参って来たの?、と問われ、

― いや、僕にはそういう信心もないし、本日は、こちら一択の長野行です。

……から始まって、

あとは、お決まりの取りとめもない話を、

こちらは、店内に積まれた本を見回しては引っ張り出しながら、やりとりする。

 

― 悪役ができる役者で、生きてるのは、石橋 蓮司、柄本 明くらいかな。蟹江 敬三は死んじゃったし。
生きていても、みんな年寄りになっちゃったね。

― 拠り所なくボーっとしているようで、巧い味わいの役者がいませんね。

……と悪役論に流れると、小沢 栄太郎とか佐分利 信に及んで、原田 芳雄にたどり着く。

― 彼、〈さすらい〉、小林 旭の持ち歌ね。
あれを、唄ってるんだけど、なんだか頑張り過ぎていて、ちょっとね。

あとは、だらだらと、ジェームス コバーンとか、ロバート デュパルとか……。

結局。

パブロ カザルスが、バッハの無伴奏チェロ組曲(6曲)を演っているCDと、

〈ポップス三人娘 ゴールデンアルバム〉の2枚を購入して、計1,000円也。

アルバム(LPレコード)のほうは、全12曲。

弘田 三枝子、千賀 かほる、ちあき なおみが4曲つづ歌っている。

これはもう、ジャケットの、ちあき なおみの良さに一目惚れして入手。

で、お店に再来する口実の意味を込めて、

望月 三起也の作品を注文しておく。

店主からは、半端で揃っていないから(オマケ)と、山上 たつひこの〈光る風(上)〉(ちくま文庫)をもらう。

帰途は、国道19号を。

もちろん、無伴奏チェロを大きい音量で聴きながら……。

☞ 若い読者諸氏には、さぞかしチンプンカンプンの名前ばかりで、まことに恐縮な記事でありましたが、

お詫びに、1曲あげておきます。

では。

Aubrey(オーブリー)とは 誰か?

〈Aubrey〉は、デヴィッド ゲイツ(米シンガーソングライター)の手による曲。

彼がリーダーを務めたブレッド(バンド名)のアルバム『Guiter Man』(1972年)に収録されて世に出た。

歌詞の冒頭……

And Aubrey was her name
A not so very ordinary girl or name
But who’s to blame?

それでね、オーブリーが その娘の名前
ありきたりでない変わった娘だった、名前もね
でも、それが どうした? って話さ……   (和訳のつもり)

のっけから惹きこまれますが、成就しなかった恋を語っています

Aubrey は、中世イギリス等では、元来、男性の名(意味は、妖精の王)だった。

が、その後、好まれなくなって(=立ち消える)しまう。

けれど。

20世紀後半、米国で、今度は、女性名として復活する。

実は。

ゲイツは、オードリー ヘプバーン(Audrey Hepburn)主演の

『Breakfast at Tiffany’s』(ティファニーで朝食を、1961年米映画)を観て、この曲を着想したらしい。

つまり、オードリー からの連想で、オーブリー、なわけです。

もちろん。

そんな裏話など引っ張り出さなくとも、楽しめる。

オーブリーとは、ただただ、ゲイツが創り出した女性なんですから。

では。

いつも そこに在る。

僕の知っているところで、または、知らないところで、

世界は さまざまの死でいっぱいだ。

それを、あたかも、自分が看取るの、支えるのと、どれほど傲慢なんだろう、人間は……。

 

勝利だの……敗北だの……これらの言葉には、意味がない。生命は、こうした表象を超越して、すでに早くも新しい表象を準備しつつあった。
(『夜間飛行』1931年刊、サン テグジュペリ著、堀口大學訳)

秀歌だと思う、しかも、これくらいの低さで歌ってもらうと、その良さが断然に引き立つ。

では。

1月2日(木) 午前 5:47~ 5:52 の5分間。

もしも、晴天であれば。

太陽光を受けて白く輝きながら、

北北西から東南東に向かって、

夜明け前の空を、おおよそ北から東へと横切っていく、

ISS(国際宇宙ステーション)が観られます、という情報。

最も接近する時は、

仰角が 60°で、この地からの距離は、 500㎞以内。

天気予報ですと、可能性が高くて、見やすい観測日和です。

……さて。

パッヘルベルのカノンは、かなり有名(過ぎるくらい) な曲なので、

したがって、そのカヴァーは幾千もあるでしょうが、

やはり、

当時の演奏様式(=オリジナル)で聴くところに落ち着いてしまう。

作曲年の詳細は、不明。

でも、作曲者はバロック時代の人で、

1600年代の終わり(1680~1698)に近い時期と推定されるらしい。

3つのヴァイオリンによる追っかけを、チェンバロなどの低音楽器がずっと支える、そんな編曲。

こんな動画をみると、素人の僕にさえ、実によく曲の作りがわかる。

ここでは、チェンバロ、チェロにリュートが加わって、セクステット。

では。