満月にさようなら。

昨晩の午後8時近く。

友人からショートメールで、

― 今晩、満月はっきりです、と挨拶が届く。

14日は、望月(もちづき、満月のこと)だったのです、今月一度の。

旧暦だと、昨日は、2月15日(きさらぎの15日)に当るので、

西行法師(1118~1190年3月) が、吉野(奈良県南部)の桜を詠んだといわれる、あの歌、

 

 願はくは花の下にて春死なん そのきさらきのもちづきのころ

 

と季節的には、ドンピシャの当夜。

桜花の頃に、満ちた月を眺めながら、この世を去りたい、

と詠ったとおりに、西行が死去したことを、

昔むかしの、日本の文芸人は、感動をもってとらえていた、と聞きます。

では。

すべてプライドは〈悪〉である。

松本平を、中山地区あたりの、東山山麓線(県道63号)から一望する。

夕暮れ時、街の灯が点り始めると、

背景には、アルプスの青い山並みが雄大に、デンと在って、

……そのコントラスト、あれは、まさしく絶景に違いない。

家人や息子には、これが決定的〈ふるさとの〉風景なのだそうで。

ところが、

同じ美しさも、僕にとっては、慣れ親しんではいるけれど、

これぞ〈ふるさと〉、とはならない。

いままでの人生で、十数回住むところを変えて来た身からすると、当地に長く居ても、

故郷と、イチオシできる場所がないのが、いやはや。

だから、或る土地(=街)に関して、格別のプライドを持つことも、おおよそない。

どこの場所でも、好きになれる部分と好きになれないところがある、ただそれだけ。

こういう感じは、そうだなぁ、

〈転校生〉になってみないと、なかなか承知できないのかも知れない。

 

さて、日曜日の対長野戦。

友人で、長野在のカナさん(仮名)が、妹さん親子(母/息子)と、計 3人で、アルウィンで観戦なさる。

姉妹ともに、松本で勤務した経験があることもあるが、

カナさんは、北ゴール裏で、僕たちと一緒に、

つまり、ホーム自由席で、観戦したいのだそうな。

南と北でどうのこうのとか、いい加減にしてもらいたい僕からすれば、こういう感じが好ましい。

煽り文句としての、プライド of 〇〇 は、広いココロでゆるしてあげるけれど、

それに乗っかって青筋立てて騒がしいのには食傷する。

もっとも、

大人の遊びごころで、仲良く喧嘩してみせて盛り上げるのは、歓迎だ。

そして。

それぞれのゴール裏をのぞき、

主催者(=山雅)は、すべての座席を、いまのように混合(服装自由) にしておき、その趣旨を強く押し出すべきではないか。(全ゲームで)

そうすれば、

閑古鳥が鳴いているにもかかわらず、

バックスタンドをアウェイ観客に開放しない某クラブの狭量さが、ミゴトに浮き立つし、

そのクラブが、もしも上位リーグを望むならば、

今のうちからミックス席を設けて観戦者管理に慣れておかねば。

では。

パンツひとつに主義をとおす。

 

― ねぇ、これなんか、どう?

家人が、CO-OPのカタログのページを指し示して、訊いてきた。

みると、チノパンのようだ。
ふん、ふん……。だが、いけない。

ウエストの脇がギャザーのようになっていて伸縮する構造だ。

中高年向けに快適さを訴求した仕立てなんだろうが、

いい齢をした大人が、こういう安逸に堕すのは、ダンディズムの放棄ではなかろうか。

― いや、やめとくわ。
これ。ラインが、僕の体形に合わないように思う。

隣りを連れ添って歩くジジイが、

短パンに黒タイツとか、アデ〇ダス風(アデ〇ダスではない)トラックパンツをお召しになるのを、

あってはならないチョイスと、忌み嫌う家人が、

そやつに、フツーのスラックス(長パン)を履かせたい魂胆を、

僕は、もちろん、承知しているので、

ことさらに、やんわりと、お断りするのであった。

アデ〇ダス流呼称だと、トラックパンツ。☞ジムスラックス?

僕の愛用は、実は、

しま〇らの、婦人用Lサイズで、2本ラインが、サイドに入っているやつ。

女性対象だから、ひざ下が細く、腰回りに余裕があるカットになっていて、

176㎝の僕にも、丈も含めて、まことに違和感なく着まわせる。

僕は、同じものを 3本持っていて、変わりばんこに使うが、生地にへたりも来ず、もう数年来の重宝だ。

価格は、アデ〇ダス1本に対して、8本は購えるから、実に買い得感あり、

別に 3本ラインに執着もないし。

……しかし、まあ。

山雅の 60周年コラボウオッチを辞退するのとはわけが違うから、なんとかせねば。

服飾メーカーのサイトをいくつかあたり、

今はセールス価格になっていて、

家人ご推奨のものとほぼ同額帯の、リネン風なネイビーのスラックスを選ぶと、

― これ、注文していいかな?

案の定、お許しが下りたが、

でも、はじめて試すメーカーなんで、

指定のサイズがしっくりとくるかどうか?

今は、それを気にしながら待つのであります。

では。

楽しみは増す……。

― モネ展は、あくまで、おまけだったんですよ。
ライブ(最近はコンサートをこう言うらしい) のついでの。

アベちゃんが、こういってエクスキューズするものだから、

― それにしたって、パウル クレーは観るべきだよ、と念押ししておく。

― クレーには、たとえば、モネなら水連、ファン ゴッホならひまわり(静物)、といったお決まりな作画上のテーマがない。

その都度、違った思想で描かれた、ひとつひとつの作品が、ただ在るだけ。

それが、素晴らしいのよ。ある意味、マネに近い。

ただし。

クレーは、描写の技量を拒絶する姿勢(=画法)によって、他の画家と決定的に違う。
おそらく、この点が、この画家の、独自な先駆性。

さて。

先日、K君からのショートメールが入って、

……パウルクレー展は、静岡市美術館で 6月7日(土)~8月3日(日)の日程で開催される由。この美術館は、JR静岡駅北口より徒歩3分だそうです。静岡には県立と市立の美術館があるようで二重行政の典型、と言われそうですね……。

市立美術館には、数年前、古代エジプト展を観るために訪れた。

葵タワーと呼ぶ 25階層ビルの、3階フロア―を占めていて、マチナカ美術館をめざしている感じ。

対し、県立のほうは、郊外の高台、県立大学キャンパス至近にあって、

広い敷地に、デンとした構え。

おすすめは、ロダン館と呼ばれる、アネックス(本館の後ろ)。

ここには、地獄の門(現物からの鋳造によるレプリカ=本物)など、ロダン作品を多く収蔵している。

地獄の門は、

日本では、上野の西洋美術館と、ここにしかない (世界では 7つが現存する)

12個までは複製させる、というから、松本市は購入を考えたらどうか?(真剣に)

そうだ、クレー展と一緒に、ロダンも観に回りましょうか、当日?

……と、K君には、メールを返しておいた。

では。

シンカとは,〈真価〉?

あれ、いつの間に、どこへしまったことやら……。

昨日までテーブルの上に、広報まつもとの 2月号が在ったはず。

……といっても、不熱心な僕であるから、探してまで読もうともしない。

でも、たしか、表紙の見出しは、町会のシンカだったような……。

シンカとは、きっと〈真価〉に違いないが、

思わせぶりに気を惹こうとしたのかな?

僕は、町会に入っていないから、月末になると、市の出先場所まで行って、広報を貰ってくるのだが、

この公報誌について感心していることのいちばんは、冊子が薄くなったこと。

ここに尽きる。

さらに、要望すると、

無理して毎月の巻頭特集を考えていることがミエミエであったり、
(つまり、あまり面白くもない企画と内容)

読み捨てられる紙面でもあるし、どうだろうか?、

もはや、月刊をやめて、バイマンスリー(2箇月に一度)の発刊にすべきだと思う。

広報まつもとは奇数月、年金は偶数月に受け取ろう、なんてコピーで。

それから。

町会(=隣組)の情報伝達回路を使って市の広報を流すシステム、

これも、そろそろ吟味されていい。

郵便局、ポスティング業者、または、下水道使用料の検診業務、それらの回路を試すべきですよ、今後は。

もっとも望ましいのは、

地方政府の窓口、主要な店舗、そこに置いておき、必要な者は、行って入手する方式。

情報はみづから動かないと取れない。

そんな決めにしないと、社会が回らなくなります、人的にも、経済的にも。

では。