ふつうにできるチャンスの日 (大宮戦プレビュウ)

リーグ12戦負けなし、と独走態勢を固めつつあるかのような、アルディージャ。

そこからは、勝ち点で、その半分にも満たない山雅は、

実質、中1日で、その本拠地を襲う。

(といっても、勝率50%以上をキープしているのは、他に 2チーム(たしか、沼津、今治)だけだから、リーグ全体は、混戦の模様)

取り付く島もなく、青天がスッポ抜けたかのような状況で、しかも、アウェイの地……。

決して、破れかぶれでやる必要もないが、

邪心が働かない分だけ、かえって、平静、かつ、集中してやれるじゃんね。

あえて、古巣、古巣と、騒ぐことでもなし。

僕の診立てでは、

大宮は、保有の戦力自体が、指揮能力(ゲームコントロールの采配)をそれほど要しないまま、勝利を積み重ねている。

直近、結局は、2部リーグを凌げなかった脆弱と個の能力が、

かなりシンプルなサッカー(おそらく) を採用することによって、

3部では、さすがに、そのメッキが剥がれないのか。

もちろん、技量差が確実に介在するだろう(向こうが上)にせよ、

大宮には、山雅に対し、特段の対策で臨むような動機も、理由もないはず。

そこにこそ、攻防と、こっちの勝機の鍵が在るわけで。

(チノ氏によれば)山雅が勝てないゲームでは、

かならず、相手の対策を上まわるような手が打てていない、とか。

ならば、今節は、そこの辛さもなく、

かつ、アルウィンの足かせ、アルウィンが望む諸々のマストも皆無。

つまりは、これ以上の好条件は望めない中での、対戦なんです。

で、願うことは……、

連休最終日の、上り線の混雑がやりくりできて、NACKファイヴに、ゲーム前にたどり着けますように。

ただ、それだけ。

では。

さまよう,サマーになる? (2024.5.3 八戸戦レビュウ)

翠滴る(みどりしたたる)の初夏に、

1 – 2 の敗戦……。

負けた鬱屈をまぎらそうとしていることもあって、つまらんダジャレのタイトルを、どうかお赦しあれ。

―あぁ、負けちゃったね、と、一緒に観戦した小学3年生に話しかけると、

― サッカーって、そういうもんでしょ。

おそらくは、山雅、いまの技量だと、勝ち負けが、ほぼ変わりばんこに表われながら、

リーグ最終で、勝ちが、負けを 2~3個上回る星勘定だろうな、と思っていることを、再認識させられた次第。(そのくらいな戦績を良しとすべき、リーグ内技量)

とは言え、

観ていて、危うい〈さまよい〉の気配が、ふたつ。(これは後述します)

萬年、勤務を終えると、前半途中からのご入場でしたから、

ゲーム様相がいまひとつわからない部分もあるけれど、決定機をそれなりに作っていたようですし、一度は、同点に追いたので、もったいない敗戦でした。

2失点目のシーン。

あれ、相手に流れがいっていて、ここで緊張感をギュッと高めるべき場面なのに、そこで、2枚替えをほどこしたのは、いかがなものか?

あの交代で、マークすべき対象の曖昧さと、一瞬のスキ(弛緩)が生まれたのでは?

集中度を落としてしまう、采配ミス、ともいえるタイミング。

他方、ヴァンラーレの勝因は、

68分に山雅を突き放すと、その後、逃げ切る姿勢をまったくみせず、かえって、攻撃圧を強めたことに在った、と思います。

ああいう仕事は素晴らしく、そこからは、謙遜に学ぶべき。

さまよい その❶
チノ氏の表現によれば、
攻撃(重視)、を標榜する、といいながら、

(ここへ来て) 攻撃そのものが、ぼやけてきている

これは、萬年がプレビュウで指摘した〈懸念〉と、ほぼ重なります。

攻撃における定番、というか、ゴールの方程式がみえてこないもどかしさ。

たしかに、浅川の、ねばっこく状況を打開してしまうゴールは、貴重です。

が、スペースを開けておいて、最適な態勢とシュートコースで撃つ、そんなゴールは、このところない。

混戦の中、事故に近いゴールも、1点は 1点、と言えばそれまで、ですがね。

カウンターに特化しない、とすれば、

ピッチサイドを広く使いながら、サイドチェンジを挿し込むなどやって、相手ディフェンスを振りまわさないと、侵入するスペースは、なかなか開きません。

チノ氏によれば、現在、滝 裕太が好調だから、左サイドで、彼と他のプレイヤーの距離感(サポート)を改善して、そこから突破口を開けるべき、という指摘。

山口 一真との絡みのあたり、でしょうか。

あとは、高さ(身長)で優位を獲れない前線を組まざるを得ないのですから、

ロング、または、ハイボールの競り合いに、もっと工夫が必要でしょう。

そういった競合では、そのセカンドボールは、ほとんど(より高身長の)八戸側に渡り、そこから、一気に縦に侵入を許した。

相手の裏を獲れ、といっても、単純な抛り込みでは、屈強な前線でないと、ボールは収まらない。

もしも。

であるからこその、基底からのパスワークで前進する、というのなら、

中盤での、ボランチによるボールさばき、と攻撃的な姿勢を、もっと強打ち出さないと。

67分、山本 康裕が投入されると、そこから、あきらかにボールが回り始めた。

その攻撃意識の高さ、それと、よりボール保持で動き続ける(=距離を稼ぐ)ことで、スペースをみずから開け、かつ、こっちが獲れるスペースを見い出す、そんなプレイ。

米原 秀亮は、そういう部分を身につければ、もっと高身長を活かせるはず。

さまよい その❷
昨日、終了のスタジアム挨拶時。
南ゴール裏からは、けっこう盛大なBOOが、湧き起こった。

このような出迎え、

敗戦時の〈ならわし〉化が、ほぼ定着した感あり。

あれ、メッセージとしては、負けた不満と、鬱憤晴らしのぶちまけに過ぎないから、

萬年からすると、チームとファン&サポーターの結束にヒビを入れる〈効果〉しか生まないでしょう、おそらく。

プレイヤーは最後の最後まで闘っているにもかかわらず、

誰だって、常勝のチームを観たいのはわかるが、

いまの山雅を、一体どれほどのチーム、と考えているのか?

(ここ3部リーグにおける) 大観客による絶対ホームの優位性。

単に、10,000人前後の観衆が在るだけでは、その〈神話〉は決して成立しないことに気づき始めないとまづい。

アルウィンの熔解、ふと、そんな言葉が浮かびました。

では。

いつの間にやら (八戸戦プレビュウ)

明日はもう、せわしいアルウィン参戦。

ヴァンラーレ八戸とのゲームです。

で、その後、中二日で、アウェイの地で大宮と。

ここを乗り越えれば、

5月はあと 2ゲーム、長野県サッカー選手権決勝(5/12)と、ホーム北Q(5/18)。

ゆえに、ここが、ひとつの正念場、と覚悟するだね。

さて、石崎 信弘氏が指揮を執って2シーズン目の、ヴァンラーレ。

氏の流儀は、中盤で圧力を強め、攻守の切り替え素早いサッカー。

現役時代はディフェンダー、ゆえに、やはり堅守なチームを望むらしい。

サイドバックの上下動が生命線となる 3バックを採るのも、その表れか。

……とくればもう、いきおい、機動性を武器にした、カウンター志向型となる。

けれど、こういうサッカーは、いまや、ほとんどのチームがやりたいことなのではないか。

J3リーグで、この路線に乗らないのは、
福島と、今治、そして、時々の山雅、そんなところ。

(2022季の、いわきFC流サッカーのインパクトも、一因でしょう)

大宮(それと金沢) にしたって、ロングボールを投じて前線で勝負、といった趣き。

まぁ、相手のスタイルについては、それなりにスカウティングして立ち向かうとして、

〈攻撃力〉の看板を降ろせない山雅ならば、前線からのプレッシングも、ボール保持による組立ても、すべてをゴールをめざす手段として、これを遂行せよ。

相手の、厳しい前後動への対応としては、センターバックに俊敏、俊足を増して対応しようとしているから、

つまりは、常田 克人にとっても、個人的な正念場な現在。

(ホンネ ☞ すべての山雅プレイヤーにとっては、今が、生き残りの瀬戸際くらいを、望みます、外から、酷なことを言いますと)

ところで。

ここで、懸念を申し上げれば、

ホーム岐阜戦の出来を頂点として、

〈在りたい山雅のサッカー〉には、かげり(=低調)が見えていることも確かであって、

たまたま勝てちゃっているから、見逃されがちなんですが、

このチグハグをどう消化していくのか?

人間、悩みながら退化することだってあるわけですし、

自分たちで、これと決めた軸にいつも立ち戻る、これしかないか。

練習でできないことを、ゲームで表現できるわけもなく、

表出されるべきプレイとしては、

ほとんどオートマティカリイにみえるレベルのチーム内連動、

加えて、パススピードと、サイドチャンジの増強、と診ています。

では。

ミステイクについて (富山戦レビュウ❷)

カターレ戦で生れたゴール 4つはすべて、

ミスが起点となっていて、強くも無い山雅を観る者にとって、けっこうな教訓になりました。

手を使えないサッカーから、ミスをなくすのは、もともと無理な話ではあるんですが、

ミスを極力回避するにせよ、それに乗ずるにせよ、です。

浅川の 2点目は、相手ゴールキーパーの、ペナルティーエリア外縁での胸トラップミスを見逃さずに、食いついたことによる。

ハーフタイムに、チノ氏が、
― 後半は、浅川にボールを挿せば、可能性あるね。

その言葉を、ゴールキーパー大内が、前線へのロングフィードで、そのまま実践したかのようでした。

山雅の失点 (富山#7のゴール)は、野々村が深い位置で、前方(ボランチ)へ出したパスを、突進した富山プレイヤに奪取されたことによる。

(ノノには、トラップ後の蹴り出し速度に変化をつけるテクニックが必要か、相手の予測を上まわらないとね)

佐相による 3点目
村越のロングスローのクリアが中途半端になってしまったのを、反応素早く、しかも、バウンドレスで撃ち込んだのが、聞きました効きました。

……さて。

いちばん味わい深かったのは、浅川による先制点
これは、富山陣営のスカウティング不足、というミスによる。

前節の讃岐戦をレビュウすれば、自明であったはずだけれど、

コーナーキックの際、#17、#15の両山本がプレイススポットに立ったら、

これはもう、ショートコーナーを意図しているのが明白なんだから、

たとえば、直近のプレイヤの動きを阻止する行動を採る、とかの手当てが必要。

馬渡にまったくのフリーで打たせたら、あれくらいなクロスは入れてきます。

実は、山雅は、62分のコーナーキック時にふたたび、

#17から、#7へとショートパスしていて、これは、(たしか)馬渡が、シュートまで持ち込んだ、と記憶。

この際も、富山側には、それを阻止する動きはなかった。

些細なことに対する、このような富山のアラート発動の鈍さは、今後の山雅にとっては、他人事ではなくて、

……〈積小為大〉はまだまだテーマとして続くのです

つまり、ミスを怖れて弱気なプレイに陥るのではなく、

そこにつけ入るからこそ、ミスがミスになる、のですから、

相手のミスを誘発、あるいは、常にそれを狙うココロと態勢で闘いましょう、これからも。

では。