キジバトは,巣立った?

庭の金木犀(キンモクセイ)の、

僕の手を伸ばすと届く高さに、キジバトが、小枝を集めて巣を作った。

かれこれひと月も経った先週の15日に、

それまでずっと、巣を守っていたキジバトの姿が消えた。

卵を抱いていたはずだが、無事にヒナが巣立ちしたんだろうか?

僕の素人計算では、一週間くらいは早いように思われたので、

営巣を始めた時季をハッキリさせようと、

記憶をたどるため、その頃に訪問した親族に、日付けを確かめたりしたんだけれど。

記憶よりも記録だったか……、と後悔、先に立たず。

空っぽの巣を見あげては、新しい生命が旅立ちしたことを願っている。

では。

4 – 3 – 3と考える (前半戦をそろそろ総括❷)☞ 兼 SC相模原戦レビュウ

註:この記事を仕上げてから数十分後に、相模原の戸田監督解任を知りましたが、内容は変えずそのまま投稿します。他人様の台所事情はわかりませんから。

何度も言うが、

勘違いした方々による、システム万能論が横行しないことを願う。

そうならないためには、4 – 1 – 2 – 3、ではなくて、

〈4 – 3 – 3〉と考えよう。

……4バック(センター2人、サイド2人) が最基底にあって、

その前列に、逆三角形に、ボランチ(中盤)3人が配され、

さらに、最前線には、3人が並ぶ……その程度に。

❶スリートップ3人は、前線から高圧、執拗にディフェンスを行うことで、より高い位置から、攻撃に着手。

❷中盤。
3人が流動的に動き、ここでサイド、前方へとボールを捌いて供給。
そして、前線の後方から、攻撃に参加。
時に望んで、サイドを侵す際の、連携の駒のひとつにもなる。

❸サイドバック2人が敵陣の深くに位置取りする時は、
ボランチのひとりが落ちて、後方で、センターバックとボールをやりとりし、好機を探る。

……❶~❸を上手く機能させられる可能性が高い山雅だからこその、

現状の最適解なのだ。

付け加えると、

安藤 翼という、トップに張っているだけでなく、スペースを前後に走れるタレントがいるおかげで、3ボランチ+1 で、距離感よく中盤を構成できる。

さらに、安藤は、上背がないものの、ロングボールの収めにおいて進化しているから、チームをかなり助ける存在。(by チノ氏指摘)

山雅戦後の、アスルクラロ指揮官中山氏のコメントは、そっけなくて、

― 単純に力負けであって、こっちの力不足。

多くを語ってもしゃあない、という気持ちはあるだろうが、率直でもあって、

やはり山雅が、それだけ力と我慢を緩めずに闘ったことの証明でありましょう。

勝敗よりも、そらへんに、カチンと鉱脈を見い出したような手応えが在ったこと。

それが収穫だった。

とすれば、明日のSC相模原戦の眼目は、

相手より素早くボールを動かす姿勢を保って、

この路線で、ひたすら押しまくる、ってことでしょうか。

前節は、今治に、これでもかのヴィ二シウスで敗れた相模原にしたって、

その分、強度を意識してくるだろうから、簡単なゲームでないことだけは確か。

事情あって、萬年、現地参戦は諦めますが、気持ちだけは、共にかの地へ。

では。

山雅は,転向したのか? (前半戦をそろそろ総括❶)

もしも、この件を、霜田さんに訊けば、おそらく、

ボールを能動的に動かす攻撃的なサッカーをめざすことは絶対不変、と答えるに違いない。

僕も、そう思う。

ただし。

データを時系列的に追うと、高圧をかけて攻めることにはブレはないが、

変質、または、旋回も浮かび上がる。

❶ゲーム当りのパス数に、注目せよ。
対戦相手の流儀、点の入り方(先制/被先制、時間帯)の要素に大きく左右され、

ややもすれば結果論であることを承知で、あえて指摘すると……

ターニングポイントは、大宮戦(第13節)だったと診る

本来がボール保持にこだわらない大宮のパス数は、361本。

対し、山雅は、それよりかなり少ない 286本。

ロングボール(フィード)を織り交ぜ、大宮の中盤を機能させないように、

手数をかけずに侵入する戦法が、おおいに奏功して、2 – 0 の勝利。

これに味をしめたはずなのに、対北Q(予想されたドロー)、今治(たまたま逆転負け)と、足踏みが続くも、

鳥取戦で、(4 – 3 – 3を採用し)〈大宮封じ路線〉へと回帰して、

4 – 0 と持ち直し、

先日の沼津戦では、沼津パス数 680本、対し、山雅 280本。

山雅のボール保持率34%、とやることがより徹底されて、4 – 0。

ちなみに、パス数のリーグ第1位は、沼津、第4位は鳥取。

また、ボール保持率のリーグ第1位は、沼津、第3位が鳥取だから、

2週連続でこれらと対戦できたのは、予習、復習がまとめてできたという意味で、山雅にはラッキーだった?

とすれば、ゲーム思想で失敗したのは、第4節福島戦(0 – 1 の負け)

パス数、ボール保持ともにリーグ第2位の福島に対して、

山雅のパスが 516本、対し福島 341本、山雅のボール保持率 58%。

考えようでは、福島にいいようにハメられた、と言えるかも。

まぁ、ホームで倍々返しすることと、いたしましょう。

……以上、要約すると、

パスのひとつひとつにもっと意思と重要さを込めて、

常に前方向を選択することでゴールに迫る、そんなことが、鮮烈になっている。

では。

近ごろの大収穫 『Your Song』(by Nils Landgren)。

エルトン ジョンが、1970年に発表した。

あぁ、既に、54年前か。

時を経るにつれて、その良さが評価されているような曲。

むかし、中田 英寿がゲーム前に聴いていた、と聞いたことがあるが、

その人柄を感じさせるエピソードだ。

もともとが、ジャズ風味の曲だから、

存命ならば、フィービ スノウ(1950 ~ 2011年)に歌ってもらいたいなぁ、とか思っていたが、

最近、二ルス ラングレン(1956~、トロンボーン奏者、ヴォーカリスト) が、ジャズクヮルテットで、この曲を演っているのを見つけ、

その出来には、少々参ってしまった。

淡々と、なんら奇異を衒わない演奏。

けれど、ムダな音を削り落としたうえで、気の効いた音で攻めてくる、そんな感じ。

久々に、新作の(この曲が収録された)アルバムを購いたくなった。

既に、評価を確立しているラングレンではあるが、これから、目を離せない。

では。

ゲームを支配するために耐える (沼津戦レビュウ 本編)

勝因❶ 地道な仕事を続けたからこそ。

鳥取戦のレビュウで指摘したとおり、 4 – 1 – 2 – 3の陣形は、いままでやってきたことをベースにまとめあげた、現段階の最適解に過ぎない。

ゲーム状況によっては、4 – 4 – 2にしたり、締めくくる際は、5 – 3 – 2に変容する。

サッカーは、万事をシステムでやるわけではない。

が、このシステム運用が、効果をあげていることはたしか。

攻撃面では、やることが整理されてきたこと (by チノ氏)。

パス 2本 (米原☞菊井、菊井☞山口)で決めた3点目なんかは、その象徴的な結実だった。

が、より注目すべきは守備面。

この並びは、縦にラインを揃えやすく、

相手からするとハードルが多重になって攻めにくく、

そこへ加えて、山本 康裕(2列目アウトサイド)が、適時サイドに張り出しては、沼津左サイドからの侵入を挫折させた。

前線からの守備も、3つの横ラインが連動しながら、サボらずに我慢して継続した。

特に魅せ場は、2点を先行してからの、前半の中盤 20分近く。

沼津にボール保持がかなり高まったけれど、(おそらくはゲーム全体で70%近いはず)

中盤をタイトに保って、次々と守備要員が湧き出ては、できるだけ自由にやらせない。

一緒に戦っていて、ヒリヒリしている、あの感じが続く……。

そこを凌いで、流れを向こうに渡さなかったのは、勝敗以上の成果でした。

また、クリアについても、遠くへボールを捨てる、という割り切りと落ち着きが増したことも、守備における仕事の整理、でありましょう。

勝因❷  中山氏の指揮は、どう山雅を利したのか?

a) 先制点は、立て続けてのコーナーキックで調子に乗れたことから生まれた。

山本なり菊井があの位置に立てば、ショートコーナーで変化をつけてくる匂いプンプン。

ところが、ゾーンディフェンスで守る沼津は、誰ひとりデザインを企図しているであろうプレイヤーを牽制しに出て来ることはなかった。

高身長を並べる自信からなんだろうか、10人全員が、ゴールマウス前に林立。

山雅のことスカウティングしたのかいな?

こっちは、その分自由にやれて、リズムをつかめたんです。

b) 前半、その右サイドが機能しないのをみるや、後半頭から、スリートップ右を、#23 ☞ #21へチェンジ。

こういうのは中山さん、素早く果敢だった。

#21に替ると、サイドを奥までえぐられて、あやわ失点の折り返しを投入されたりで、その策は効果を生んだ。

で。

c) 次は、65分の2枚替え。

ここでは、#7 ☞ 齋藤 、#27 ☞ 川又と、セットで投入。

沼津の、定型的な交代カードの執行に思えたけれど、

これは、山雅にとって、脅威であると同時に、守備のターゲットが絞れたから,

助かった要素。

特に、齋藤に、左タッチライン沿いでプレイしてもらえたのは、彼を外側で抑え込めたし、

これが、中央で動かれ日には、もっと危険な局面を多く創られたに違いない。

後半が進むと、山雅の、中盤での圧迫と絞りにも緩みが生じ、アスルクラロのパスワークがより活発になっていたが、

沼津のボールの出し手と受け手が、ハッキリした、という意味で、

山雅にとっては、守備において目標がハッキリした、と言える。

やはり、多失点(ビハインド)は重く、

60分を過ぎると、沼津の4バックの動きも精彩を欠いていたし、ラインは形成されているが、並んでいるだけ、という格好にみえた。

沼津の交代策が、案外、山雅を利することになった点は、

これこそゲームの妙みたいなもので、中山監督の失敗、とまでは言えないだろう。

自分たちの仕事を、徹底してやり切ることで、

相手の修正をも、こっちに有利に誘導していく。

そんな美点で、見応えあるゲームをありがとう、山雅。

では。