怒りの自由研究。

テーブル上の〈公報まつもと〉を見ながら、

― 今月号(8月)で特集しても意味ないじゃん、とずいぶん御立腹のご様子。

巻頭の、今月の自由研究は『観光』を指して、家人が、

― 夏のシーズンは先月からなのに、今月に掲載するのはもう遅いでしょう。

たしかに、わからなくもない。(事実、家人が読んだのは、8月末に近い頃)

ただし、これほど鋭く反応するのは、

どうやら。

この夏、小学三年生に協力した際の、

〈自由研究〉に投入したエンス―ジアズムの余熱が、いまだ残っているために違いない。

同学年の従弟が教えてくれたところでは、

自由研究には、踏むべき起承転結があって、

❶なぜ、研究しようと思ったのか (テーマ選定の理由、動機)

❷じっさいに調べたこと (調査内容)

❸わかったこと (結果)

❹まとめ (感想など)  ……の流れが定番のようだ。

実際、公報の記事もそれを模するような体裁になっている。

ただ、致命的なのは、

多数の市民に披瀝するほどの濃い内容でなく突っ込みも大甘。

市政の担当者の顔写真をそえてあるが、プライヴァシイを曝す、という意味では好ましくない。

課長級の公務員が、紙面に引っ張り出される必要もある?

市職員の仕事でないし、だいたい、(本心)彼らが望むはずもなかろう。

自由研究……。

でも、自由だから僕はやらない、という選択はゆるされていないようであるから、どこが自由か?、と思うし、

せいぜい、家族の協力や指導はどうぞよろしく自由にやってよ、の自由なんでしょう。

日本の学生は、こうやってでも一律に強要しないと、

自分発でなんらかの世界を掘り下げることをしない、と思っているのか、教員は。

でも、放っておいてほしい、僕は。

では。

中村 仁郎は,ココをめざす?

相模原戦時、北ゴール裏での談話。(with チノ氏)

― 中村、来季は完全移籍へ移行。
なんて、あるわけないか、だいたいガンバが手放さないわね。

― レンタルの延長だったらあり、かも。
ところで、彼、プレイスタイルが、久保 建英(くぼ たけふさ)に似てるという評判らしい。

その名が出て来るについては、本人も、ひとつの目標にしているのかも知れません。

ところで、僕が驚いたのは、

彼、フォレストグリーンのユニフォームが、実にしっくり似合っていること。

いままでずっと、それをまとってプレイしてきたかのように……。
(もちろん、山雅ファンとしての贔屓目と溺愛)

山雅サッカーのなか、上手く活き、活かされれば、なにより。

こういうタレントを獲ってくること自体に、

山雅がテクニカルなクオリティを標榜していることが、明々白々なんですが、

たまたま、その久保 建英(現在、レアル ソシエダ所属)の、

直近のゴールシーンを、ここでご紹介。

リーガエスパニョーラ(スペイン1部)の第2節、対エスパニョーラ戦。
0 – 0 の膠着したゲームでの、決勝点です。

ディフェンダーふたりを一気に切り裂くのも大したもんだが、

あの位置からだと、どういう弾道で蹴り込めばゴールできる、ということが心身に刷り込まれているんですな。
ゴールマウスなど視ずに打ってますから。

突破を図ってシュートまでいこうとは、決意の結果であるから、

たしかに、そこには〈精神、気持ち〉は作用しているんでしょう。

俺は、(皆と違って)チンタラやるもんか!!、といった風情のゴールパフォーマンスからも、相当な気合いが感じられる。

ただし。

それ以前のこととして。

自分の技量(=個人技)への自信と信頼がなけりゃあ、すべては始まらない話。

きっと!!、中村も、このゴールは観ているに違いない。

ならば。

ゲームに出たなら、エゴを発揮してでも、こんなをめざしてもらいたい、今の山雅で。

では。

強みでしか勝負できない (富山戦レビュウ❸)

とことん対策的であること(富山)と、対策には専心しないこと(山雅)。

今節は、そういったふたつのサッカーの対戦でもありました。

で、それぞれのやりたいことにおいて、富山側のクオリティのほうが優った。

❶ロングボール作戦に、どう向き合うか?
こっちの前線に高さが期待できない以上、実直にやりあえば、9割方はああなる。

これからの対戦相手が、山雅とやる時に、富山戦をベンチマークにするとしたら、なんらかの答えも必要かも知れない。

僕は、米原を1列下げて、スリーバック的に野々村、米原、常田を並べ、

そこで空中で競って、クリアボールを、どうやって前方へ渡すのか、

あるいは、ピッチに落としてしまうのか、ハッキリしたほうがいいと思う。

それと、応酬策としての、こっちのロングフィード。

大内のフィード多用が、今の前線だと、生産性が低い。

思い切ってサイドへ出すとか、あるいは、もっと奥へ供給するかで、距離を稼ぐほうが、リスタートによって布陣を高く上げるに好都合では?

❷今節のMIPは、常田 克人。
安永らのロングスローは、ゲーム中、数回は常田が後方から駆け込んで、ボールを後ろにそらす方式が、もはや定番化。

33分、安永が右サイドからスロウの準備をしていると、常田は逆サイドにて給水。

あぁ、これ相手を欺くサインだろうね、と思って観ていると、やはりそういうチャレンジだった。

常田からのを浅川がヘディングで狙ったのは、得点の可能性が高い。

さらに、コーナーキックでも、常田から後方へそらすことをやった。

のほほんと、しかし、巧妙に狙う。

〈狡猾〉をウリにすべきですよ、常田は。

❸中村 仁郎でフィニッシュするのか?
今節の不足は、

クロスの投入と質が、中のプレイヤーとジャストミートしなかったこと。

それ自体は、精度を高めるしかないけれど、

あとは、中央突破において、中を固めた守備網に引っかかるシーンが多かった。
ラストパスがずれて、味方に渡らないとか。

これ、ペナルティーエリア外縁から遠くても、シュートを狙うべきでしょう。

でないと、ワンタッチを狙っている浅川の位置取りも活きてこない。

中村 仁郎が、カットインからファーへシュートを撃ったこと。

コーナーキッカーを務め(49分)、菊井へショートで出し、それをヒールで繋いでもらってシュート(バーに嫌われた)までいったこと。

このふたつ、魅せました、お金を払っても観る価値あるプレイ。

チームとしてだんだんと彼を使うように、彼も、自分を打ち出すようになった。

こういう個人技の発動願望は、今の山雅流なんだから、もっと期待します。

❸リスタートを巧妙に。
フリーキック、コーナーキック、ロングスロー(する,しない)。

ゲームが中断されるこういったシーンを、できるだけ巧く使おう。

相手にファールが多いし、また、ヴェテランに頼らない山雅は、こういうことでゲーム優位を引っ張るのが現実的。

得点したチームが、ピッチに散開してスタートの笛を、今かと待っていて、

失点した側は打ち合わせをしていてようやく位置につく。

チームで考えて修正をかけるなら、そんな愚直さでいい。

❹あとは、妄想。
米原に代えて、國分を、ボランチ投入。

独特のリズムとパスセンスは悪くない。

こうなったら、体幹がそれなりで長躯の米原をディフェンダーへ転用し、

村越をボランチで起用もあり、と僕は思うが。

妄想過ぎますかね。(それよりも、時間が待ってくれないか?)

では。

予想も,良し悪し (富山戦レビュウ❷)

3得点すれば勝てる、富山は総合点が高く、手を抜かないスキのないサッカーをする……。

などと、プレビュウに書いたら、

3得点はそのまま富山にいって、〈スキなく勤勉なサッカー〉をみせつけられてしまう……とは。

萬年式予測が、悪いほうへと当たる(トホホ) のは、

ひとつは、この僕がリアリストであるから。

ふたつめとして、

霜田さんは、対策および、対策への対策よりかは、自分式の規矩(基準)を貫いた攻撃的なサッカーを標榜しているから。

多分、根底は、そんなところです。

ゆえに、リーグ戦は勝ち負けが交互に現れて、できたら、勝ち数が、負けを数個上回れば、といった着地と診ます。(PO圏内滑り込み)

今の戦力(チーム人件費)だと、それが妥当な狙いでありましょう。

ですから、そうと決めたからには、それを完遂するのみ。

技量重視の、そこへ、プラス アイデァ(狡猾さと工夫)なので、

必然。

チームとしてのゴールは〈うまくなる〉(個の技術と連係)となる。

現実は、あと13ゲームで、まづは 6位以内に上がれるのか、いわば、時間との戦い。

(☞ 昨シーズンも、そんなことを言ってたような、トホホ)

そういうサッカーに対して、

覚悟とか、やる気とか、そういう責め方、評価のモノサシを当てたところで、なにも、課題が引き出せないのですよ、シンマイさん。

プレスの御方は、お金をもらって記事を売っているのですから、そこのところを、キチンと押さえるべき。

いや、記者は、もっとココロを入れろ、と言いたいのかも知れませんが、

そもそも霜田氏のいう〈意識〉とは、技量向上に資する姿勢のことを言っているのですから、議論はすれちがう。

……以上が、プレビュウ❶(精神論は無意味)の蒸し返し。

さて、富山戦に戻そう。

そのスキのなさと勤勉とは、たとえば……、

❶2得点目、ゴール前のゴチャゴチャから、常田がクリアしようとしたボールを、ムリな姿勢であっても、足を伸ばして味方へつないだ #10の、地味で諦めないプレイ。(おかげで常田は空振り)

❷ダブルボランチ(先発)を組んだ、#15、#16 が、常にお互いの距離を保ち、中盤で、ひたすらボール回収と転送に勤めたこと。

❸ロングボールを入れて、山雅の基底ラインで競る。

☞ 山雅は、長躯の常田が競り勝って、それをはね返すから、そのボールを回収して、サイドへ回して侵入。

☞ 対抗策として、山雅GKはロングフィードを多用するだろうから、高さのない山雅前線には、センターバックが優位となり、やはり、ボール回収の可能性が高い。

ハイボールは高身長が競り勝つ、という変哲もないことを、当たり前に丹念にやり続けること。

……こんな富山とやるについて、

さて、どうだっんだ山雅。

ロングボール対応は、そこそこできていて破綻はなかった(セカンド回収はてこずったにせよ)、と思います。

2失点は、サイドを侵されてのもので、ここは、常日頃、山雅の課題として指摘する部分。

(蛇足ですが、3失点目、あれはもうオマケ。得点するため、野々村をあげていて、実質、常田オンリーの守備でしたから)

山雅の流儀だと、サイドを守備に限定して云々するのは意味なくて、

それ以前として、こっちがどれだけサイドで優位を保てたのか、そうでなかったのかが肝心。

これは、センターバックが、どれだけサイドバックに自由に前進できる時間的余裕を持ってボールを供給できるか。

それと、サイドバックがボールを受けた時に、サポートへ入っていく、1、2列目のプレイヤーの存在、このふたつにかかっている。

今節、サイドのサポート役山本 康裕の不在の意味は掴めませんが、

後半早々、中村 仁郎の投入、藤谷 壮へのスイッチ、これだけでも右サイド修正への手がかりとなった。

次のレビュウ❸では、今後の目当てとなり得る山雅式の中身について、です。

では。

ふたたび精神論を排斥する (2024.8.24富山戦レビュウ❶)

雷鳴と雷雨で、催行が危ぶまれたゲームは、

0 – 3 の敗戦。

カーヴとアップダウンが続く、たたでさえ難儀な峠道。

そこに加えて、負けの負担感と、県境に近づくにつれ、ところどころ猛烈な降雨(ワイパーでかき切れない)をもらいながらも、当日中に、なんとか無事に帰松。

お疲れさまでした。

レビュウは、3回くらいに分けます、ご了承ください。

最初に。

讃えるべきは、カターレのスタジアムDJ氏のセンス。

― 僕は、また、お逢いしましたね……なんて(野暮な)ことは申しません。

なかなか上品ではありませんか、しかも、情報収集も怠りないご様子。

それに比べ、山雅人のほうは。

品格と、情況認識が欠如のようで、どうもいけません。

ゲーム後、メインスタンドで隣に夫婦で座ってらした、初老の男性。

チームが挨拶にまわってきたら、やおら、最前列に降りて行って、

― やる気あるんか!!、と怒鳴り出す。

まぁ、こういうのは、最後は、頑張れや、で手を打ちたい説教なんでしょうけれど、

言われる側からすれば、やる気云々は、よっぽど的外れな罵声に過ぎません。
特に、昨夜のゲームに関しては。

僕など、プレイヤーらが、お腹の中で失笑しているのではないか?、と心配になる。

亀裂は、そういうところに芽生えるものですよ(親子の間でも)。

僕は、意識と精神論を、結果や成果とセットで持ち出されることに、強烈なアレルギー症状が起きてしまう。

広い世代を抱える山雅サポーター一流の多様性は、また、

走らなくていい時に前後に走れ、と求め、

後ろへのボール配球は禁物、厳しいチャレンジをしているのに、ミスだけを責めるような、薄っぺらさを持ちあわせている。

昨日のスタンドで、遅きに失して気づいたことですが、

やるサッカーの中身は、報酬を貰ってやってるチームが案出、行為してくれればいいので、

一週間のはじまりを爽快にしたくもあるから、

自分らは、ただ見えているものから、直観と、どこかで蓄えた〈山雅らしさ〉に照らして、チームに称賛と叱責を送ろう、こういうことなんでしょう。

前方の女性サポーターは、前節に比して、なんという不出来、というゲーム評をもらす。

得失点、勝敗という決定的な結果だけからすれば、そうかも知れない。

が、前節が、ずば抜けて良かったのでもなく、

今節、プレイヤーには、技量の出し惜しみがあったわけでもなくて、

せいぜい、違ったことは、(相手が富山に変わったことを別にして)

菊井 悠介がゲーム冒頭からずっと、最前線の位置を採っていたこと。

フリーキック(とロングスロウ)に、かなりの工夫を割いたこと。

終盤、野々村 鷹人を前線にあげて打開を図ったこと、それくらい。

ゲーム(とチーム)を評するならば、

まづは、安易な精神論を排したらいかがなものか、山雅周辺の方々よ。

では。