満月にさようなら。

昨晩の午後8時近く。

友人からショートメールで、

― 今晩、満月はっきりです、と挨拶が届く。

14日は、望月(もちづき、満月のこと)だったのです、今月一度の。

旧暦だと、昨日は、2月15日(きさらぎの15日)に当るので、

西行法師(1118~1190年3月) が、吉野(奈良県南部)の桜を詠んだといわれる、あの歌、

 

 願はくは花の下にて春死なん そのきさらきのもちづきのころ

 

と季節的には、ドンピシャの当夜。

桜花の頃に、満ちた月を眺めながら、この世を去りたい、

と詠ったとおりに、西行が死去したことを、

昔むかしの、日本の文芸人は、感動をもってとらえていた、と聞きます。

では。

量は質に転化する(だろう) (長野戦プレビュウ)

特に、現地観戦していると、

ちょっとしたワンシーンの細部に、今季、山雅としてやりたいことが表現される。

けれども。

(陣容からしてみても) チームの全容が、すべて開示されないこともあり、

局地的には、

左サイドの奧スペースが (そこに#10菊井を配していることがあって)活発なのが目立つくらいで、

これでズッといくのか、いかないのか。

要は、いまだ、我がことを識る感がない、それが正直な思い。

対し、長野。

山雅同様に、監督が新しくなって、けれど、おそらくは山雅以上にやり方は変わっているだろう。

早川さんが チームとつきあって3年目であることを考えれば。

メンツがほとんどわからず(わかろうともせず)、

スタイルを確かめる気にほとんどならずにいるので、

敵を識る、とは口が裂けても言えませぬ

が、ただ、ひとつ。

Jリーグ公式データ上、〈被シュート数〉(第4節までの累計)をみると、

長野は、52 で断然のリーグトップ。 (山雅は 3ゲーム消化で 29 )

これ、攻撃の活発な対戦相手が続いたことが大きいかも知れんが、

相手に、シュートチャンスを多く与えるサッカーであることには違いない。

ならば、数多くシュートまで持っていければ、活路は開ける、ってことかいな。

すなわち、回数(=量)が、勝機(=質)を呼ぶ(信仰みたいなもんです)

そこが、長野攻略の鍵、と言えるかも知れない、

かように、プレビュウの結論が、

正直に徹するとはいえ、まことにお寒い内容で、申し訳ありません。

ゲーム当日は、朝からの雪が、午後になって雨に変わる……予報。

オゾイ天気ですが、

ま、防寒だけは忘れずに、アルウィンでお会いしましょう、

チームと、北ゴール裏同士に。

では。

すべてプライドは〈悪〉である。

松本平を、中山地区あたりの、東山山麓線(県道63号)から一望する。

夕暮れ時、街の灯が点り始めると、

背景には、アルプスの青い山並みが雄大に、デンと在って、

……そのコントラスト、あれは、まさしく絶景に違いない。

家人や息子には、これが決定的〈ふるさとの〉風景なのだそうで。

ところが、

同じ美しさも、僕にとっては、慣れ親しんではいるけれど、

これぞ〈ふるさと〉、とはならない。

いままでの人生で、十数回住むところを変えて来た身からすると、当地に長く居ても、

故郷と、イチオシできる場所がないのが、いやはや。

だから、或る土地(=街)に関して、格別のプライドを持つことも、おおよそない。

どこの場所でも、好きになれる部分と好きになれないところがある、ただそれだけ。

こういう感じは、そうだなぁ、

〈転校生〉になってみないと、なかなか承知できないのかも知れない。

 

さて、日曜日の対長野戦。

友人で、長野在のカナさん(仮名)が、妹さん親子(母/息子)と、計 3人で、アルウィンで観戦なさる。

姉妹ともに、松本で勤務した経験があることもあるが、

カナさんは、北ゴール裏で、僕たちと一緒に、

つまり、ホーム自由席で、観戦したいのだそうな。

南と北でどうのこうのとか、いい加減にしてもらいたい僕からすれば、こういう感じが好ましい。

煽り文句としての、プライド of 〇〇 は、広いココロでゆるしてあげるけれど、

それに乗っかって青筋立てて騒がしいのには食傷する。

もっとも、

大人の遊びごころで、仲良く喧嘩してみせて盛り上げるのは、歓迎だ。

そして。

それぞれのゴール裏をのぞき、

主催者(=山雅)は、すべての座席を、いまのように混合(服装自由) にしておき、その趣旨を強く押し出すべきではないか。(全ゲームで)

そうすれば、

閑古鳥が鳴いているにもかかわらず、

バックスタンドをアウェイ観客に開放しない某クラブの狭量さが、ミゴトに浮き立つし、

そのクラブが、もしも上位リーグを望むならば、

今のうちからミックス席を設けて観戦者管理に慣れておかねば。

では。

試しは続く。 (宮崎戦レビュウ❷)

あと、ひとつ

宮崎戦での不足は、(ジャッジ基準やその適性議論はともかく)

みづからの攻撃の芽を摘むような、要らぬ場面でのファールが目立ったこと。

山雅が犯した反則は、12個くらい。

これは、2024季のゲーム平均11個と比すと、それほど突出してはいないが、

とにかく、フリーキックを相手に与えることで、ゲームの流れを、向こうに渡した格好になった。特に、後半は酷い。

お互いさまであるけれど、後方から強くアプローチすれば、相手はファールを貰おうと意識するわけで、その点、もっと賢く立ち回ろうよ。

❶こっちがチャージしていて、空いた後方へと3番目に侵入してくる相手をフリーにすること。

❷相手よりボールに出遅れることを、ファールで止めてしまうこと。

このふたつは、守るシーンで、今後、克服しないと。

以前にも指摘しましたが、

昨季の主力の大方が残ったから安堵、というのは、親和性のみのお話であって、

安住を惜しまずに、新しい効果的チャレンジがなければ、いままでと同様、

成績的には、勝ったり負けたりの〈シーソーサッカー〉が繰り返されるだろう。

……という視点で、僕は、当分は、観続けることになるが、

消化した3ゲームでは、ゲーム毎、試行は続いているから、その点は評価したい。

結果(戦績)からさかのぼって、チャレンジをどうこう云々する時期でもあるまい。

その文脈では……

杉田 隼のセンターバック起用は、けっこう手応えがあったのではないか。

やっかいな相手センターフォワードとのやり取りも冷静にこなし、
(被ファールの仕方もソツがない)

かつ、基底からのボール持ち出し、前方へのフィードにセンスを感じた。

これで、高橋 祥平をベンチに温存しているのだから、贅沢な話。

なお、3バックに変換した際、宮部を左に持ってこられるのは重宝だから、

今季は、かなり流動的に、4 ☞ 3、3 ☞ 4、を機をみてやりそう。

(ただし、この変更は、ボランチを含めた、プレイヤー同士の距離を、適正に確保することをテーマにしないと、無意味)

ルーカス バルガス
終盤10分間の投入。
首脳陣の意図を感じて、それをプレイに表現しようとする姿勢が観てとれた。

ただ、ロングボールの競合を、落下地点でやりあう経験は、母国では乏しかったように見え、

彼の良さを活かすには、ロングボールの質とともに、

空いたスペースへ走り込みながら収めてもらう、といった工夫が必要に思う。

石山 青空、松村 厳は、ほんの顔見せ。

そして、本間 ジャスティンもベンチ入り。

楽しみは、ますます続きます。

では。

足りないものを整理する(2025.3.9宮崎戦レビュウ❶)

結果は、0 – 0 のドロー

ラスト20分の、クロス被弾しまくりを観て、負けなかったことが救い、とするのか?

それとも。

ドリブルからのシュート未遂や、ゴールマウス外しをいくつかみせられて、攻撃の未完を責めるのか?

コップに水が半分も残っている、いや、コップには半分しかない、同じ現象なのに、どうとらえるの?、みたく、

観る者の視点が、求めるものの高低、過去の経験による縛り、原因と結果の推定、

そんなものでそれぞれ違うから、サッカー批評は、心象に多くゆさぶられる

だから、正解など端から期待するな、ってことか。

DAZNで一緒に観戦していた息子に、

前半は、8割方、山雅がゲームを支配していたと思う、と話したら、

猛烈な反駁を受けてしまったが、

おそらくは、息子の期待値が、萬年よりかは遙かに優っているせいだろう。

右に #20、左に #10の突貫タレントを配し、ワントップにボールの納まりの良いタッパあるフォワードを置いて、

山雅の攻撃をひっくり返す格好で、ゴールをめざす宮崎のスタイル。

確かにそれは脅威なんだけれど、やはり、前半は山雅がほぼ制していたと診たい。

ならば、後半は?

後半の、我がチームのあり様を〈失速〉と評するのは、まったく違う。

攻撃の〈勢い〉は、ゲームをとおしてそれほど変わっておらず、

相手の攻撃時間が長いのを〈失速〉と表現するのには賛同しない。

特に、70分以降。

ディフェンシブなタレントを投入し、みづからが守備網を拡げ、ゴール前も固めたのだから。

だから、無失点に抑えたのは、ひとつの成果と評価されるべきで、

入ってくるボールに先手で対応していたのは、ほとんど山雅のほうであった。

そこには、高身長のプレイヤーを活かせない宮崎の不足もあったにせよ。

……で、次節以降のカイゼンのヒントとして、(実現可能な)不足についていくつか。

❶待ち構える態勢は、4 – 2 – 4。
アンツバを欠き、左から、菊井、國分、浅川、村越と並ぶ。
(ただし、#10には、かなりの自由を与える)

菊井を左端に配すのには、そこからの崩しとクロス投入を期待してのことと考えるが、

これが曲者で、おかげで、山本 龍平の立ち位置を希薄にした、つまり、役割りをあいまいにした。

対峙する 宮崎#20の丹念な寄せの前に、それを突破するチャレンジが皆無だったこととあわせ、菊井をオーバーラップして突進する動きに乏しい。

さらに、13分頃、村越が左サイド前方に斜めに走り込んだ際、そこへボールを出さず、後方に下げてしまうには、大いに不満。

サイドで優位性を獲れなかったことで、宮崎のクロス投入を助長した、と言って良い。

で、國分は、本来ボールを左右に捌くボランチタイプであると思うので、最前線に配置するなら、前田、田中でしょう。

となれば、菊井は、2列目の中央トップで、基底に安永、山本 康浩と、正三角形を形成するのがよく、

前線は、山口、浅川、村越 (左右はどっちでも良い)で、が僕のご推奨。

では。