10/7記事で、ベガルタ仙台を引き合いに出した義理があるから、ひとりの選手と契約を解除した、とのニュースを聞いて、すこし書いておく。
事案の詳細は省くとして、感じたことの羅列のみを。
❶ベガルタ仙台の主要な株式保有の主は、宮城県 24.9%、仙台市 23.5%。
地方政府が、50%弱の株式を持っているのは、モンテディオ山形と良く似た構造で、行政の肝煎りでもって、地元の経済界がバックアップするムードなんだろう。
ホームスタジアムの冠スポンサーは、ユアテック社で、同社は、東北電力傘下。
前身の東北電力サッカー部を、仙台界隈の官と民の総出で支援してきた球団だ。
さらに現社長は、宮城テレビ(在仙台メディアの大御所)の常務であった御方。
こういうクラブの生い立ちがあって、2年前に内部昇格した経営者をトップにいただく……。
まさかトップが名誉職なんてことはないだろうけれど、雰囲気として〈生粋の商人〉が切り盛りするって匂いはあまりない。
背景に、倒産などほとんど視野にない企業体質があったのかどうか。
❷鈍感、といってしまえばそれまでなんだが、契約しているプレイヤーがどうもえらいことやっちまったようだ、となった時、会社としてどのくらい真剣に〈現場〉に出ていったのか?
それ相当な職位の者が、この件で、各方面にどれだけ切り込んで情報を取り、それを、トップが判断を下せる形で報告を上げたのかということ。
当事者のすべて、司法警察の担当部署、その他有益な情報を持っている者、こういうところとどれだけ真剣に突っ込んだやりとりをして事実の把握に務めたのか?
夫婦でもない男女の痴話喧嘩、しかも、弁護士が入って既に示談が成立した、と言う。
おぉ、そうかそうか、程度の理解で済ましたのなら、その後のジャッジ(裁定)は、まったく適正を欠くでしょうね。
私事ではあるが、かつて配下の者が警察のお世話になって留置場にしばらく居た時、出かけていって面談、それなりの情報を取り、労務的な処理にたずさわった経験があるので切実に思う。
人を組織から放逐するのは、単に追い出せばよい、ってものではなく、迎え入れる時の数十倍のエネルギーをかけてその者と向かい合う必要がありますぜ、ベガルタさん。
❸報告をかきあつめ、悩んで決定をおこなったであろう経営陣の、頭の中身の程度。これについてはよくわからん。
❹こういうことが起きると、子供に夢をあたえるべきチームやプレイヤーが~、という議論が聞こえてくるけれど、子供をダシにして責めるのは的外れだろう。
若い魂は鋭敏であるから、父母や教師の暴言なんかでもって既にクールに、苦く辛い現実を理解しているものです。
では。