嘘つきは、ヒトゴロシに至るか?

嘘をつくことが、すぐに殺人に至るはずもなかろうが、
不正直なことで人生を固めていくうちには、他人を殺めるような大事を惹き起こしてしまう、かも知れない、というお話。

ま、風が吹けば桶屋が儲かる、と同じようにかなり恣意的な論法ですけどね。

たとえば、亭主が怪我をしたという通報で、救急隊が駆け付ける。

男性が倒れ込んだところにたまたま包丁があって、それが腰部に突き刺さってしまいました、と通報した妻は申告した。

でも、現場的にかなり不自然であるから、警察と情報共有しておこう、と救急隊。

で、結局、この奥さん、殺人未遂の容疑で御用となった、との新聞報道。

かつて容疑者と一緒に働いていた御方は、

やっちまったね、きっと酒が入ってたんだわ~、と感慨深げ。

とにかく見え透いた嘘を告げては、会社を休む常習犯だった。

朝、通勤途上で車を田んぼに落としてしまったとか、これからO市まで借金しにいかなくちゃあ、とか、微に入り細に入った嘘のオンパレードだったらしい。

有給休暇が発生したその月に、それを全部使い切ってしまうような人格が信用されるはずもないだろう。

お縄になるに及んでも、やはり嘘で押し通したか、と思えば、これはこれで主義に殉ずる生き方とも言えましょう。

ところが、敢えてうそつきの汚名を着て、でことは済まない様子。

捜査担当官をも迷わす嘘の多重奏になってしまったのか、本人に対し精神鑑定をおこなうこととなった、と漏れ伝わってきたのである。

となれば、嘘は身を滅ぼす、と言いかえるべきなのか……。

では。

山雅らしさ、その幻視と正視。

勝ち試合の後で、ほぼ毎度繰り返されるのが、山雅らしさ、を讃える論評。

ようやく、らしさが戻ったね、とか、やはり山雅はこうでないと、とか。

でも、たまねぎの皮をく剥くように、その〈らしさ〉を追求してしてみても、果たしてそんなものが在るのかいな?、と思う。

これがファジアーノやロアッソならば、髪の毛を染めていない、ピアスをしていない、とかになるんだろうが、

推察するに、Jリーグ参入したての数年、他との技量差をなんとか埋めてリーグに伍していくために発動された、身体を張ったプレイなんかを指しているのか?

危機の瞬間には身体を投げ出す、最後まで投げない、強度の高いプレイ。

これらは一流のプレイヤーやチームに共通した姿勢であって、なにも我がチームの専用精神でもあるまい。

バルセロナやマンチャスターCだって、フツーにやっていますよ。

J参入10年近くになり、そこそこなクラブに育った今こそ、~らしさの内容を、捉え直すべき時季かも知れない。

では、萬年の考える山雅らしさ、とは何か?

それは、元日本代表のスターDFを誘うとか、元五輪監督や、高校サッカーレジェンド監督を招聘するような、突拍子の無さにほぼ尽きてしまう。

今後も、唐突なことをやらかしてくれることを内心で期待しているのです。

チームのプレイスタイルが、個々の高いテクニックを基礎に据えた戦法となることは、もはや必至な流れでしょう。

先日、家人が娘息子たちに、ビッグニュースがある、といって発信したら、
まさか、イニエスタが来るの?、と返信した子があったらしいけれど、そういうノリこそが、山雅なんだ。

ところで、この記事が冗談と思われては心外なので、~らしさ、について、最後にすこしマジメな話をしておく。

それは、J2では屈指のクラブ力、けれどトップリーグ未満の財政規模、といった中途半端な立ち位置を、しっかりと胸に刻む、ということ。

山雅とのつき合い方や、週末の過ごし方をより楽しむには、かなり重要なことと思いますがね。

具体的には、
そのプレイスタイルはともかくも、レアンドロ ぺレイラやイズマを活かせないチーム戦略が、もっと議論されてもいいだろうし、
大野 佑哉に続く、生え抜きのレギュラー定着が渇望される。

榎本 樹や山本 龍平らを、決してあきらめてはダメ、ということ。

では。

霧のカシオペア。

EF64形(電気機関車)に牽引されて、寝台特急カシオペアが通過していく。
そんな幻想的な光景に出逢えた、霧の明け方。

その数日前に、お人を介して、旧知の姉妹からお便りをいただいた。

松本に生まれ育ち、すでに30数年前にはこの地を離れ、今は在京の方々だけれど、このたび、いよいよ松本に残してあった土地と建物を処分します、と書いてあった。

戦争で未亡人となった母親が、57年前に手に入れたもの、とのこと。

城山の登り口にあって、夜景の美しい場所にそれは在る。

萬年家族は、しばらくの間ここをお借りしていた恩義があるのだ。

処分の前に整理したのであろう、母上の形見として書物が一冊添えられてあった。

母の墓所は松本に残してあるので、墓参のため帰松することもあるでしょう、とあったけれど、きっと、人生のうちでお会いすることは、最早あるまいなぁ、と何故かひとり決めしている萬年ではある。

あのカシオペアの、人知れず静かに走り去る姿を想いながら……。

では。

プロをなめたら あきまへん (ガンバって 大阪)

居間に居た家人に、
―ガンバ大阪のアデミウソンね、山雅戦でやたら得点した、彼。
と、切り出したら、すかさず、

―えっ、山雅で獲ったの?

山雅ファンの一途さには、ほんとうに涙が出てくる。

でも、2015年アルウィンまでやって来ては、山雅 J2落ちろ! を連呼するようなファンを飼っているクラブからは、高木 彰人を借りれば、それで十分。

朝の8時半過ぎ、近畿道で走行車線を走っていたら、追い越し車線の車がぶつかって来ると、そのまま走り去っちゃいました、と(おそらく)被害者からの通報。

ナンバーを頼りに調べたら、どうもガンバ大阪の選手らしいね。

今日はクラブハウスに居るようだから、そちらに急行します。
この際、高速隊の担当者はもちろん、駐車してあった当事車輌の損傷を事前に確認しておく。

練習が終わるまで待ってくれた、とはなんとも温情的だなぁと思うが、ふつうは、呼気検査まではしません。

事故に至る経緯を聴き取っている過程で、
深夜の飲酒についての告知があったのか、あるいは、事案発生や当人の様子にピンと来た担当官の判断があったかのどちらかで、おそらくは前者。

とにかく事故処理の場数を踏んでるプロフェッショナルをなめてはいけないのです。

相手方からも調書は取りつけてあって、その最後で、どうですか、厳罰を希望します?、と訊ねている。

一歩間違えたら命を落とすところでした、これって。
えっ、酒があったの?!
当然厳しく罰してください。
となれば、送致後の処分にも影響してくる塩梅。

僕たちが勤務する、いわゆるフツーの会社では、こういう非行をおこなった者を(将来性や地位はともかく) 組織に置いておくだろうか? 否か?

この質問への答えの集積が、そのまま社会通念になる、と思われるが、

(理念上)存在価値無しと、チェアマンは、お怒りをメディアにぶちまけたらしく、既に大阪城の外堀は埋まったか。

さて、ガンバさん。

泣いて馬謖を斬れるかどうか?

では。

狩った、克った、勝った (2020.10.25 北九州戦レビュウ)

ミクスタのバックスタンドの向こう、湾を隔てたちょうどあのあたりに、ジョー氏の生家があるんだ。

コイントスに勝ったセルジ―ニョは、逆光を嫌ってエンドを変えたね、と思いながら、DAZNの、あまり調子よくない画面を眺めておりました。

さて、ゲーム。
前半の終り際に、塚川が叩き込んだゴールを守りきって、1 – 0 の勝利。

〈ひたすら狩りまくることが奏功〉
予想どおり、前節の先発メンバーをひとり入れ替え、(塚川先発で)より攻撃的な特性を強めて、ゲームに臨んだ山雅。

前節大宮に勝ち切れなかった宿題を、次節まで一週間が空く日程(余裕)を考えて、どうしても同じメンバーで書き上げてしまうんだ。
―やっぱりこうでなくちゃあ、いけませんよ。
今節の柴田山雅であれば。

小林ギラバンツの特長は、ボール離れを速くして、小気味よくゴールに迫る潔癖さであって、そこには相対的に弱い各個の力を、連携でカヴァーしようという計算が潜む。

対し、山雅は、2列目(中盤)に、狩人(佐藤、前、塚川)を配す。
しかも、このうちのひとりが前線に飛び出していって、北九州の基底(最終ライン)にボールがある時点で、圧力をかけ続ける策に打って出た。
相手のセンターバック2人に対し、3トップ気味にして数的優位をつくり出しながら。

前半、北九州のディフェンスラインは喰いついてくる山雅最前線の強烈な追いかけまわしにいっぱいいっぱいとなって、有機的なパスを供給できない。

この策が上手く機能し、ギラバンツの守から攻への切り替えを高い位置でことごとく遅らせ、なおかつ、中盤でのボール奪取に成功する。

塚川の得点も、たしか、前が相手からボールを奪ったところが起点だった。

〈後半のガス欠も想定内〉
とにかく、はじめから攻撃的に飛ばす、が至上命題だったはず。

ゆえに、足が止まり始めた70分過ぎになって、5 – 4 – 1 の陣形を組んでガチガチに守る局面へと舵を切ったのも、やむなしだろう。

正直に自身の現在地を認めて、いちばんほしい〈勝ち〉を獲りに行くことが大事だったのだから。

それぞれのポジションにあって、連携において各プレイヤーが自分のチャレンジに打ち克った、そこが収穫。
それによって、個の技量が、すなおに表現されるようになりますしね。

繰り返しますが、こういう作戦が巧くいくのには、やはり最終ラインの強化と安定があればこその話。
(自陣空中戦勝率100%を、特筆します)
そこを忘れちゃあいけません。


〈ベンチマークの深化〉

前と佐藤を補強、活用することで見出し得た、このスタイル。
次節からは、ここに何を上手く加えていって、畳みかける得点力をまとうのか?、これがテーマでありましょう。

では。