U24日本 について思う (対メキシコ戦)

25日の夜、目が醒めて水を飲もうと居間に入ったら、日本対メキシコ戦をやっていた。

そうか、今晩だったのか。

ゲームはどうやら70分くらいまで進んでいるようだ。

―さっきね、レッドカードが出てメキシコが10人になっちゃたのよ。(家人)

―ほぉ。おや、2 – 0 でリードしているじゃん。(萬年)

中継に挿まれる先制点(by 久保)シーンをみると、なかなかダイナミックな走り込みと決定力がみごと。

メキシコのデイフェンス陣は、まったく置き去りにされて機能せず。

ランキングが28も20くらい下の国にこれをやられた日には、けっこう衝撃でしょうね。
つねにトップ10内外にある国なんですから、メキシコは。

メキシコの各プレイヤーの、余裕が失せた表情に、それが表れていた。

でも、僕が観始めた時間帯だと、正直どっちが10人のチームなのかわからないようなゲーム様相でした。

日本の中盤は締まっていて硬いんだから、もっと時間の流れをこちらに引き込むような落ち着いた連携、ボール運びを選べばよいのに、急いて前進してボールロスト、その結果、要らんファールを侵して、セットプレイを与えている。

まぁ、あの時点、途中投入されたフォワード(上田、前田)に、相手ディフェンスの裏狙い、あるいは、ロングボールの競り合いを敢行させたかったために、ああいった攻撃を繰り返したのかも知れないが、それにしては、みるべき攻撃シーンはほとんど皆無。

大然、この局面で、守備で目だってどうすんの。

プレイスキックになれば、数的優位など吹っ飛ぶのに、と思って観ていたら、ミスに近い格好で、コーナーキックから失点。

代表チームは所詮、ほとんど個人技量に依存した戦いをするわけなんで、あの時間帯の攻めあぐね、というか、ゲーム支配の放棄は、プレイヤーの特質とゲームメイキングを読み間違えた采配ミスでありましょう。

勝ったからいいや、ではまづいんで、こういうところは改善しとかないと、今後痛い目に遭いますよ。

それにしても、このぱっとしない代表ユニフォームは、チームとプレイヤーから見た目の精悍さと迫力をかなり減じていて、とても好きになれないなぁ。

では。

日本の夏、緊張の夏 (ガンバの一人旅)


そこには、つきあわされる相手もいるんだが、

ガンバ大阪のリーグ戦消化が、この中断期間、ひっそりとおこなわれているのをご存知か。

チームにCPR検査陽性者が出た、または、アジアチャンピオンズリーグとの日程やりくり、といった事情は、もちろん身から出た錆。

とは言え、7/24、7/27、7/30、8/3、8/6、と中2日もこなしながらの夏場連戦は、けっこう堪えるに違いない。

ガンバとしては、現在、順位、勝ち点ともに 17なのは、未消化ゲームがまだ4つあるゆえ、とノンキに暮らしてもいられまい。

まさに夏の正念場、緊張感持て生きるべき時候、なのだ。

せめてもの救いは、4戦のうちふたつが、同様に降格圏をさまよっている仙台、大分とやれることぐらいだろう。

ここらへん、リーグは違えども、ナイフを突きつけられた(by 名波) 状態が続く山雅とたいして変わらない。

8/18には、パナスタに乗り込んで一戦構える当方にしてみれば、それなりに元気なガンバでいてもらわないと困るんです、と、ここでは強気をみせておこう。

ところで、来季J2には4チームが降格して来るから大変、という議論を耳にすることがあるけれど、リーグ戦を22チームでおこなうことに変わりがあるでなし。

そして、落ちてくるところは皆、トップリーグに通用しなかったという意味で、彼我同等だから、そんなに大騒ぎすることでもない。

現在13位の清水以下、湘南、柏、徳島、ガンバ、仙台、大分、横浜FC、下手をすると福岡(11位)の 9つとは、来季交戦するチャンスがあるくらいに考えておく……ということで、リーグ後半戦を見守っていきましょう。

もちろん、こちらが現在のリーグにとどまることを大前提にして。

では。

なでしこを 悪く言うな。

中継をチラッと、あるいはハイライト映像を観ているだけで、言わせてもらうと。

対イングランド戦の失点シーンは、単純にゴールキーパーのミスによるもの。

ヘディングの体勢に入っている相手FWの後方から競って、しかもパンチングを空振りしていれば、ゴールマウスはがら空き。

まぁ、我慢して待っていたとしてもヘディングシュートの弾道からしたら、ゴールインだったかも知れないが。

ゲームの全般的な様相はどうあれ、ランキング10位のなでしこが、8位カナダとドロー、そして 6位イングランドに 0 – 1 というのは、しごく順当な戦績ではないか。

そこそこ健闘、と評価していいと思う。

次戦は、ランキング37位のチリなんだから、これは必勝、というストーリーだろう。

予選リーグの組み合わせの妙もあるけれど、参加12チームのうち、日本よりランキング上位が7チームなんだから、応援するなら、もっとアタマを冷やして見守るべき。

しかも、自国で開催しているからの出場権という、ハンディキャップ(決してアドヴァンテージではない) がこちらにはある。

言わば、おこぼれで出場できている現実を忘れるな。
(これ、男子サッカーだって同じこと、言い訳にしてもらいたくはないけれど)

論評には、10年前くらいのひとつのピークをいまだに懐かしむ態度が濃厚だ。

進化のレヴェルという点で、チームやプレイヤーよりも、取り巻く観戦者のほうがよっぽど遅れている。

まして、勝ちたいという気持ち、とかいう精神論を持ち出されると、何をこの期に及んで、と思ってしまう。

2010年5月、アルウィンでやった対メキシコ戦を現地観戦しましたが、なでしこはたしかに強かった。(4 – 0の勝利)

過去の栄光と成功を、人はなかなか捨てきれない。

じゃぁ、どうしろ、ということなんだが、フィジカルをもっと追求するしかないと診ますね。

同じ規格のピッチでやるのがフェアでないほどの、主に白人種との体格(身長とウェイト)差、これを埋めることは今すぐにはできない。

いわば、無差別級の世界で戦っているくらいに思わないといけないはず。

ならば、スピード(走力)とアジリティ(俊敏性)を徹底して強化するのが現実的。

要は、何か年計画で、そういうプレイヤーを発掘する、日常的なリーグ戦でその部分を強調する、そういう活動を地道に続けることです。

乱暴に言うと、テクニック面は放っておいても、世代が進めば向上していく。

なでしこの将来は、現状のピッチサイズを諸外国チームと同じように使うスタイルではなく、もっと狭い局面の中、一気に加速して相手を置き去りにしてしまうようなスピードサッカーにこそあるのではないか?

では。

午後の殺戮。

……1920年に発表された詩がある。

草の  一本橋
あお空  高い
太鼓  たたいて
てんとうむし  渡れ。     ( by 都築 益世)

益世(1898~1983年)は、KO大学医学部卒のドクターだった詩人。

しかし、〈続きますよ〉とは、ずいぶんと人を食ったペンネームではありませんか。

てんとうむしが、葉の先までつたっていって、ついに行き場所がなくなると舞い立つ習性を観察して、はじめて生まれる視点。

ずいぶんと前に、日本の詩人は〈詠う〉ことをやめてしまったので、最近は、詩というものから力がなくなってしまった。

ところで、ここ10日ほど、ニジュウボシテントウムシを相手に、あまり勝ち目のない戦いを続けているのが、我が家。

ナスやトマトの葉を喰いつくす草食性の害虫として、目の仇となっている。

哀れにも葉脈ばかりが残るまでに、葉っぱをなめ尽くす。

家人などは午後ばかりでなく、朝昼晩と畑に出ると、一回で数十匹はひねりつぶしまくるのが、日課。

―この野郎、この野郎、とあまりお上品でない言葉を発しながら、この仕事に精を出す、殺戮の天使として生きている毎日、というわけ。

で、ナナツボシテントウのほうは、肉食性だからと見逃している、これまた、まことに勝手な、人間本位のお話。

こうなると、詩的な気分など微塵もないことです。

では。

もうひとつの プロテスト。

7月と8月、祝日がどうもカレンダーと違っているぞ、というのは何となく気づいていた。

きっと、変更が印刷期限に間に合わなかったんだろうなくらいに思っていたが、
今日昨日から4連休、そして、8月には3連休になってることを、今頃になって切実に知った次第。

当方の知らない間に、国会議員の方々、祝日の切り貼りにいそしんでいたわけか……。

まぁ、エッセンシャル ワーカーなどと、言葉の上では持ち上げられている僕のような者にとって、連休はほとんど他人事の世界なので、そう騒ぎ立てるほどのことでもない。

仕事量に多少の波が生ずるくらいかな。

エディー コクラン(1938~1960年)の、『Summertime Blues』(1958年発表)は、夏休みにも無縁で働きつづけるテーンエイジャーのグチを歌った曲であるから、これも、立派なプロテストソングと言えなくもない。

サマータイム ブルース

大騒ぎしたいし、叫びたい
たいした稼ぎにもならい ってのに
この夏は働きづめなんだ

恋人とデートの約束をとろうとするたんび
〈ダメだ、若いの、今日は残業だぜ〉ってボスはぬかす
一体どうしろ ってんだよ、まったく

夏の憂鬱には 効く薬なんかなさそうで

〈今度の日曜に車を使いたけりゃ、金を入れてくれないと〉
って 母さんと親父に言われる始末

ボスには病気を口実に 仕事を休んだのさ
そしたら

〈あのな 仕事をしないやつに車は使わせらないな〉と来たもんだ

2週間ほどくれないか
バケーションを楽しむのさ
そして この苦境を
国際連合に持ち込んでやる

地元の議員に電話して訴えたらね
先生 こう言うんだな
〈助けてやりたいけれど、君、まだ選挙権がないんだろう?〉って
あぁ、夏の憂鬱は 直りそうもないよ

エディーは、21歳で交通事故死した。
もし生きていたら、いくつになるまでこの曲を歌っていたんだろうか?

では。