爺いとスイカの頃 ?

同僚の、孤高の長距離ランナー、ルノワール氏の、

履き込んで絶妙にくすんだ、スニーカー(白) をロッカールームで見かけたので、それを絶賛したら、

― 虹とスニーカーの頃、ってやつです、とのご返事であった。

わがままは~、と煽ったところで、若き世代に通ずるはずもなく、

せいぜい、ジジイとスイカの頃?、くらいにしか聞こえないだろうね。

ルノ氏によれば、この曲が登場する以前は、ズックといっていたけれど、これを境に、スニーカーという言葉が一般化した。

それって、彼ひとりの都市伝説じゃあないの?、と思うんだけれど。

僕は、と言えば、チューリップあたりには、世代論的に、音楽的なルーツが知れている感があって、あまり身を入れて聴いたためしがない。

これは、サザンオールスターズにも言えて、こっちは、歌自体は別として、やっていることが、もっと陳腐に思えてしまう。

高校時代からの友人、K君の年賀状には、
― 昨年は登山ばかり、次々に出てくるビートルズのリマスターCDを聴きながら絵を描いてます、とあった。

悠々自適な生活なんだろうな、きっと。

いまだその境地に達しない萬年は、ビートルズをこんな風に仕上げているものに心惹かれます、最近は。

なお、フィービー スノーは、2009年に60歳で亡くなった。

では。

臨戦 2022 ❾ (要は ボールの運び方)

〈まづは 得点〉
たとえ、昨季失点が71、の無惨な地点から始めるにせよ、

底が抜けたバケツのようなズサンな守備を是正するにせよ、

今季の最大課題は、得点力の底上げ、これに尽きると思います。

いくら守備が良くたって、点を獲らなきゃあ勝てないわけで、過去の山雅、得点力が低いゆえの堅守構築だった、と思う。

たとえば、2部で優勝した2018シーズン。

総得点は、54 で、これは、リーグで、第10位だから、平凡。

でも、失点は 34 で、断トツのリーグ最少。

要は、そのバランスで、しぶとくトップ獲りが叶った。

それからの 3シーズン、得点力はたいして上向かないまま、他方、失点力!が倍加したのが、昨季の惨状。

比較的速い攻撃、身体的優位性をそのまま活かす戦法が、印象に残る 3部。

だとすれば、対人マークを厳しくやることと、ゴールキーパーの位置取りとセーヴィングの緻密さ、これは要諦でありましょう。

だから、守備は、とことんそこらに注力するとして、あとは、攻撃に傾注。

ボールを、徹底して手中にしながら前進するサッカー、それを狙う。

行って帰っての頻繁なサッカーに、いいように胸をあわせていてはいけません。

絶対優位で勝ち抜くには、ほとんど相手陣内でボール保持するサッカーでないと、複数ゴールは遠く、ゴールに近い位置でのプレイスキックや、コーナーキックの獲得チャンスも少ない。

(註 : 萬年の頭の中は、カウンター攻撃在りき、ではないから)

〈攻撃力強化の……与件は〉
❶オーソドックスな指揮
昨季、就任以来の通算戦績は、23戦して、3勝6分14敗。
敗戦のうち、無得点のゲームが11。

ただし、ラスト6戦は、得点できるようにはなった。

この戦績と実戦観察から、現監督が、とってつけたような戦術には走らず、けっこう王道的、正攻法的な戦略を採る御方、と診ている。

たしかに、その成果はゲームを追うごとに現われはしたが、タイムアウト、というのが先季。

勝ちを獲るため、なりふりかまわぬ奇策は弄さず、という信条。

ならば、いまは、チームをいじめ抜いてもらって、二次キャンプで戦法の詳細な落とし込み、という手腕を期待するのみ。

❷ドリブルを減らせ
ゲーム平均のドリブル数は、リーグ第6位で、けっこう多かった。
これには、ドリブルが得意なタレントが配された事情もあるだろう。

ただし、ピッチの縦(およそ100m)を3等分して、相手ゴール側の30mのエリアへの侵入回数をみると、山雅はゲーム平均、リーグ第18位でかんばしくない。

乱暴な観方をすれば、低い位置からドリブルを始めても、あるいはピッチ中盤でドリブルしたところで、脅威にはならない、ということ。

ドリブルを得意とするならば、その強みは、より高い位置、相手ゴールにより迫った位置から仕掛けてナンボ、と割り切る。

どうでもいい場所での、場所からのドリブルはもう止めて、ペナルティエリアに近い場所で、それを発動しよう。

❸そのためには、陣形を上げよ
あまりにシステムにこだわるのもなんだけれど、
初期布陣を、4 – 2 – 3 – 1とする。(守備時もほぼそうなる)

で、前へ向かう時は、3 – 3 – 3 – 1 くらいにしてしまう。

つまり、センターバック2人と、基底に落ちたボランチ1人で、最終ラインを構成。

サイドバック(守備の両端)の2人は、縦関係で上がっているもうひとりのボランチと並ぶような格好で、高くワイドに。

シャドウ(2列目)には、3人を配するようにして、攻撃参加の枚数を確保。

最後は、センターフォワードが1人、……、という態勢、ではどうか。

これだと、いままで3バックでやってきたことと親和性を保てる。

あえて個人名を挙げれば、佐藤 和弘と榎本 樹はシャドウ要員として攻撃力を活かす。

ボランチも含め、とにかく高い位置から勝負、これを観たいなぁ。

では。

尋常でないもの、それは恋 『Tennessee Whiskey』

恋愛感情が、およそ正常な心理でないことは明白なり、

これ、誰の言葉だったっけ?

昔は 酒場へ出かけていって
酒が 唯一の愛すべきものだった俺
ところが君がどん底から 俺を救い出した
はるか遠くへと 連れ戻してくれたんだ

君は テネシーウイスキーのように 芳醇で
ストロベリーワインのように 滑らかで
ブランディグラスのように 暖めてくれる

ハニー、いつも君の愛に浸っていたい俺なのさ……

歯の浮くような文句が歌詞となり、しかも、それを何回も聴いていられるんだから、やっぱり、恋なんてのは、どこか狂っている感情ですな。

クレイジーラブ、なんて言葉があるくらいですから。

カントリーミュージックの古典 (といっても1981年発表) だった曲。

それを、2015年、アルバム『Traveler』で、クリス ステイプルトン (1978~ )が、スローテンポなロックンロール調 (これをR&Bとも言う)のバラッドに仕立てて、カヴァーしてみせた。

今回は、そのステイプルトン版の、カヴァーを。

あえて言えば、ホンキ―トンクなジャズピアノが、最高!

では。

臨戦2022 ❽〈堅守〉〈速攻〉をセットにするな。

堅守と、速攻と。

失点の少ない堅い守備と、相手が守りの態勢を整える前に切り裂いてしまう速い攻撃。

すべてのサッカーチームが、それをモノにしたいに決まっているスタイルといえましょう。

ただし、このふたつを続けて〈堅守速攻〉と言った場合、どうやら違った使い方になるらしい。

つまり、カウンター攻撃を身上とするサッカースタイルのことのようだ。

要は、万全な守備網を敷いておいて、相手が持つボールを奪うところからカウンター攻撃を発動、そのままゴールへと結びつけるやり方。

で、カウンター攻撃にはふたつあって、
自陣深いところから始めるロングカウンターと、相手陣内に切り込んで高い位置からボール奪取して発動するショートカウンター、の違い。

ちなみに、年を追うごとに、山雅は、ショートカウンターを採る比率が高まっている。

長年親しんだこともあり、また、いざ反転攻撃 ! 、となったらアドレナリン放出でココロ湧き立つから、スタジアム熱狂効果は、実に申し分ないのでありますが、

さて、今季ひとつ下部のリーグで戦うに当たり、このスタイルをそのまま踏襲するのかどうか?

これ、けっこう重要な選択、と思っています。

現在チームが創り込んでいる青写真もあるだろうし、原点回帰といったタテマエもあるんで、堅守速攻に期待が集まるような気がしますが、

萬年としては、ボール支配を高めておいて、能動的に相手陣内を侵攻するようなサッカーを期待したい。

もちろん、ゲームは相手があり、状況に応じた変幻自在さで対処することは大切。

いつでも、Bプランを発動できる機敏さ、といえばいいのか。

でも、ですよ。

このリーグに最短でオサラバしたいのであれば、みづからがゲームの主導権を握るくらいの、強烈なサッカーをすべきでありましょう。

あくまで、ボール支配にこだわり、相手を押し込んでゴールを奪う。

いまのメンツならできる、と思うんです。

リーグ固有の戦い方に慣れるのはいいとして、決してそのサッカーに馴れてしまってはいけません。

ファン&サポーターにしても、3部リーグにはどこか居心地の悪さを感じて、チームと共闘したい。

このリーグを見下すわけでは決してなく、山雅の、クラブとしての総合力からすれば、安住すべき場所ではない、ただ、それだけ。

今年培ったサッカーが、来季2部リーグで更に成熟させる、そこまでを見すえたヴィジョンでやりましょうよ、この際。

では。

最良の目利きに薦めたい『ヤング フランケンシュタイン』

ことキネマに関して、

作品に対する、いちばん冷徹なる批評家とは、たとえば、家人のような鑑賞者に違いない。

時間があるから映画でも観るか……、という接し方が、それ。

観るにあたって、無理をしてまで作家の美点、特長を探そうとはしないから、実に客観的にその出来不出来を評価できる。

まぁ、端的にいうと、途中で眠くなったり、飽きてチャンネルを変えてしまうか否か、それが作品に対する、もっとも正当なる報い。

すこし前になるけれど、

― なに観てんの、と訊くと、

―うーん、『ヤング シャーロック ホームズ』(1985年米) とかいう題名。
たしか、スティーブン スピルバーグ総指揮、となってた。

ふむふむ。
若き日のホームズが、寄宿舎に入寮するらしきシーンが画面に映っていた。

で、翌日。

― あれ、どうだった?

― 途中で寝ちゃったわ。

まぁ、その程度の出来だったんでしょうね。(僕は観たことがない)

そこで、つまらん作品の監督を調べると、へぇ、バリー レヴィンソンなのか。

『レインマン』(1988年)でオスカー(監督賞) を獲ってますね。

1984年には『ナチュラル』、1987年は『グッドモーニング ヴェトナム』を撮っているから、この頃、ノッてたんですな。

これら、3本は、けっこう僕のお気に入りなんです。

扱う時代背景は三つがすべて違っているけれど、80年代だからこそ撮れた作品、と言う感が深い。

で、このお方の映画デビュウは、メル ブルックスが撮った『サイレントムーヴィー』(1976年) の、脚本執筆への参加だったとは、はじめて知りました。

となると、同じ『ヤング~ 』ならば、今度は、家人には是非とも、

メル ブルックス監督の『ヤング フランケンシュタイン』(1974年)を観てもらいたいものです。

まぁ、こういうパロディやら、人を喰ったお遊びを、あまりお気に召さないだろうことは、予想してはおりますけれどね。

では、そのさわりの、アイゴール登場シーンだけでも、すこし。

しかし、昨年の今頃は、クロリスリーチマンの訃報を語っていましたが、ここに顔を出す役者は、インガ役のテリー ガー(1947~ )以外、すべて鬼籍に入ってしまった。

なんだか、切ない。

では。