強化と育成の シッポ (2022.3.26鹿児島戦レビュウ❷)

6歳児に向かって、バルタン星人のことを教えようとしたら、なんと!彼、もう知っているのには驚いた。

なんということだ。

クラシックを大切にするのはいいが、その分野ではいまだに、先人の遺産を食いつぶしている。

60年かかって、次世代は、それを越えるヒーローを生みだせていない!!!

さて、山雅ファン&サポーターの世代、その年齢構成は、どう変わっているのか、ってのは、たいして愉快な話題でもないから、議論の外に追いやるとして、

これが、チーム山雅のことになると、そうもいかない。

鹿児島戦の、フィールドプレイヤ10人について、年齢(2022年マイナス 生れ年で) を調べたら……、

先発 ☞ 23 ∔ 28 ∔ 32 ∔ 20 ∔ 29 ∔ 25 ∔ 24 ∔ 27 ∔ 33 ∔ 24 = 265
平均年齢は、26.5

5人交代後 ☞ 35 + 25 + 24 + 27 + 33 + 25 + 24 + 23 + 19 + 24 = 259
平均年齢は、25.9     

……、であった。

トップリーグから3部リーグまで突っ走った? 3年弱の年月を使って、ようやく、ここまで、世代の交代をした。

ちなみに、2016年頃の山雅は、在籍平均で、28歳超でした。

ま、正確に言えば、若返り、を余儀なくされたということ。

そいつを活かしつつ、いろいろな工夫を織り込みながら、明日に向かって布石を打つ、今は、そんな指揮采配が浮かびあがって来ている。

ですから、その現実を外して今のチームを観てしまうと、マヅイ。

勝ったら全部良し、負けたらダメ、といった、ALL OR NOTHING の思考では、今シーズンは、とてもとても 2位以内へは滑り込めない、と診ます。

いつかどこかで聴いたことのある、強化と育成、という課題ですが、今になって、やっとそれに追いついた、と言えばいいのか、

そのシッポを捕まえるところまで来た、と言うべきか。

これくらいのメンツを揃えておいてから、現場責任者にチームを託さないで、なにが、強化と育成をお願いする、なもんか。

こう考えれば、3部リーグで戦うことこそが、千載一遇のチャンスになる。

逸材の前評価高いルーキーをたんと獲りながら、彼らを、自分のところで開花させられなかった負の歴史を、今こそ、変える時。

要は、強化と育成を、別物と錯覚してしまうようなクラブ内外の環境が、今は、取っ払われた。

(もちろん、ユース年代の育成が実を結んできた事実も見逃せません)

かと言って、2022年に昇格を逃すと、若手有望株をば、根こそぎ持っていかれる怖ろしさも忘れてはならない。

歴史、ということで付け加えると、山雅が成功をみたシーズンを振り返れば、
そこにはかならず、優秀な、空中戦に強い犠牲的なセンターフォワード、それと、俊敏なシャドウ(2列目)が存在した。

単なる歴史返りには賛成できませぬが、そこの部分、どうやって新世代の中に創り出すか?に着手できる、しなくちゃあならない、そういうシーズン。

回帰ではなく、回起、ということはそういうこと。

まぁ、僕自身は、昔は良かったと追慕し、ただただ回帰を願うだけのファンにはなるまい、と思っています。

では。

山雅よ これがJ3 だ (2022.3.26鹿児島戦レビュウ❶)

昨日は、いろんな事情が重なって、アルウィン参戦はならず。
チノ氏との再会は、次々節にお預け。

ゆえに、DAZN画面に頼り切りの寸評になることを、はじめにお断りします。

〈舞い上がりもせず、落ち込みもせず〉

1 – 2 の敗戦。

底流のゲーム評は、プレビュウで想定した内容に尽きてしまうんですが、

鹿児島ユナイテッドは、やっぱり、強敵でありました。

あのサッカー、その出来はともかく、2部リーグで戦っていても遜色ない。

要は、このまま2部へ持っていっても、なんら違和感のないチームでした。

ですから、もしも J2 ならば、ああいったゲームを強いられるんだ、というリアルが、リーグ開始早々に取り戻せただけでも、良かったのではないでしょうか。

変な錯覚は、それこそ無用。

逆に言えば、鹿児島スタイルは、かならずしも、3部リーグの主流ではない。

なので、これから先、そこをキチンと見据えて準備すればいいのであって、
次の鹿児島との対戦(8/14予定)までに、どれだけチーム力を積み上げられるか?、との宿題をもらったと思えばいい。

〈やることやってる、ことを評価〉
やるべきことであるか、それはわかりませんが、戦術論で話ができつつあるのは、僕にとっては嬉しい流れ。

例えば、前半は、3 – 4 – 2 – 1 で入っておいて、劣勢なゲームを、こちらにたぐり寄せる手法として、後半は、4 – 4 – 2 にシフトするようなこと。

実際、このシフトチェンジが効いて、鹿児島が布陣変更に戸惑った結果、横山 歩夢を捕まえきれなくなった鹿児島ディフェンスのファール(PK)を誘えたわけです。

前半の、守備時は、1 – 4 – 5 になるやり方 。
これもそれほど破綻があったとは思っていませんが、過去2節で奏功したボールホルダーへの寄せが、残念ながら、鹿児島相手だと、チト通用しなかった部分はありました。

特に、サイドで数的優位に立たれてしまう展開のところ。

さて、システムの流動性がこれほどまでに高まれば、それに対応可となる(先発/サブ)プレイヤーの見極め、加えて、プレイヤー自身が、ユーティリティを身につけること、それが、直近の課題でありましょうか?

〈それでも、結果がすべて〉
これは、息子の決まり文句。
彼の、DAZN見逃し配信によるゲーム評は、― とにかくムダなボールロストが多過ぎる!、でありました。

確かに。

いくら鹿児島の寄せが鋭かったにせよ、そこは改善しないと。

相手は、ミスが極めて少ないサッカーでしたが、そこには山雅が、ボランチの#30 木村 拓志に自由にヤラセ過ぎた、って緩さもある。

次節の相模原も、おそらく、球際では負けない意思でくるでしょうから、そこは焦眉の急、と考えて手当てせよ。

そもそも、ルカオ不在だと、前線で収め、そこから前をめざす、という戦術を棄てざるを得なかった。

それに強風も加わって、ロングボール戦法はまったく役立たず。

そこを、どうするのか?

小松 蓮、榎本 樹の活かし方を含め。

4月いっぱいは、風に悩むアルウィンを覚悟するとして。

では。

主人公は決まってる (鹿児島United戦プレビュウ❷)

なぜ、鹿児島ユナイテッドを、リーグ最強豪と考えるのか?

前節の対八戸戦の先発メンバーをみると、

ダブルボランチは、左に中原 秀人、右は 木村 祐志。
2列目中央には、ロメロ フランク、そしてセンターフォワードに、有田 光希。

このメンツで、センターラインを形成するのだから、経験豊富な、悠然としたサッカーが想像できる。

4 – 4 – 2 の、定番的な初期布陣ということからも、それが、うかがえます。

さらに、第1節の 対いわき戦。

ボール保持60%、クロス投入18本の厚い攻撃をもってしても、
やっとこさで、1対1のドローにするのが精一杯だったのは、ある意味、鹿児島の有する鷹揚さが、やたらとすばしこいサッカーに虚を衝かれたのではありませんかねぇ?

とすれば、そこのところに、山雅の勝機が潜んでいる、とも言えましょうか。

ならば、胸を合わせて真正面からボール支配で競り合おうともせず、屈強なセンターフォワードにボールを入れ続け、そこからのセカンドボールを左右に活かす格好で、ひたすら速くゴールに向かいましょう。

つまり、このゲーム、(先発ならば) ルカオに主人公を割当てて、60分までは、彼を活かしたサッカーで突っ走る。

ルカオにしたって、かつて在籍したクラブとの対戦であるからには、特段のモチベーションも入ることでしょうから。

あとは、クロス投入が、下川 陽太や外山 凌の専担事項と見せかけておいて、佐藤 和弘、ルカオ、宮部 大己らがクロスを叩き込む、って攻撃を仕掛ける、とか。

強風下、それを計算に入れたサッカーが重要になるとは思いますが、

なんといっても、勝利に貢献しようとする山雅ファン&サポーターの思い、それが最も試されているような気がします。

では。

ひたすら胸をかりる (鹿児島United戦プレビュウ❶)

萬年式予想によれば、今季3部リーグ最強のライバルは、鹿児島ユナイテッド。

だから、ホーム開幕戦が、そこと当たり、しかも、天候が雨予想、とはなんとも因果な(=不幸な) お話なんであります。

2014年、J加盟をめざし、鹿児島県に在った2つのチームが合体して、船出。

それが2019シーズンには既に、この統合クラブは、2部リーグ初年度を戦っていた。
残念ながら、1年で降格の憂き目をみたのだが、それでも勝ち点は 40(11勝)。

たった7勝しか挙げられず、勝ち点34だったチームが、どうして、先輩風など吹かせられようか。

要は、これだけの急成長株には、みづからの立ち位置を勘違いしないで謙虚な気持ちで立ち向かえ、ということです。

とはいっても、当方も今季それなりの流儀で、過去2戦、キラリと光る戦いを魅せているのも、確か。

特に、前節の、対Ys横浜戦。
ボールを、(僕の期待に反して) 60%も握られ、

かつ、ペナルティエリアには、ほぼ倍の回数を侵入され、

コーナーキックはこちらの3倍で11本、クロスは 16本入れられながらも、

ゲーム総体としては、6割がたを制したという、実に粘り強い姿を披露してみせた。

特に後半、割り切ったサッカーに徹し、それを完遂できるようになったところに、チームとしての成長を読み取る。

僕は、感じる。

好調であるならば、誰にでもレギュラーポジションが与えられる風通しの良さ、や、雰囲気を。

だから、ルーキーたちが物怖じすることなく、自分の強みを発揮する。

ゆえに、今節のテーマは、執着心と清新さで、経験豊かな薩摩隼人の胸をかりる。

これで、決まり。

では、プレビュウ❷に続きます。

『Tupelo Honey』

ヴァン モリソン (1945~ ) が、1971年に発表した曲。

テュペロ ハニーとは、高級な蜂蜜のことらしいが、詳細は知らない。
tupelo、とは、ミズキ属の、落葉高木。

米国では、ブラック ガムとも呼ばれていたようで、ミシシッピ州には、その樹名にちなんだ、tupelo という名の街がある。(日本語では、テューペロと表記される)

同州の北東部に位置していて、ここから国道8号線を北へたどると、メンフィス(テネシー州)に至る。

人口30,000人ちょっとのこの街は、なんといっても、エルヴィス アーロン プレスリー(1935~1977年) の生地として有名だ。(彼の墓地はメンフィスに在る)

市の観光課のホームページも、エルヴィスゆかりの地、一色。

グーグルマップのストリートビュウを使えば、エルヴィスの、白いこじんまりした美しい生家が観られるし、その周辺で、のどかな田舎道をドライヴできますよ。

陶磁器に 茶を淹れよう
僕のために ティーバッグを浸してくれないか
世界中の海の その深い蒼に それを落とすように
君は まるで テュペロハニー のように甘美で
最上級の天使……

曲の発表当時、ヴァンは新婚時代の只中だったから、こんな詩が書けたに違いない、とか言ったら、それこそ、身も蓋もないか。

では。