名利……。

日頃、喫茶店めぐりをしているらしい(頻度は知らない) 同僚があって、

そこのマスターが……とか、そこで遭った常連の客が実は……、とかいろいろと教えてくれる。

そこで。

― でも、さあ。

あなたの話は、誰々は、どんな地位が在ったり、有名人に繋がっている、または、どれだけの資産を成した、そんなことだよね。

まぁ、そういう〈健全な〉上昇志向を否定はしないけど。

……健全、という言葉には、もちろん、多少の皮肉を込めているのですが、

要は。

名利(名声や名誉、利得)を求め、良しとする人生は、どうもなぁ?、と思っていて、

さりとて。

そういうところに走る向きが大半な世の中だからこそ、

そうでない生き方に感動をおぼえたり、いたく心情を揺さぶられるのかも知れない。

これは僕の偏見だが、

積極的に喫茶店に出向いてたむろするなんてのは、

(他に下心がない限りは)ロクな時間の使い方でない、と蔑んでいるからに過ぎない。

註;喫茶yamaga の場合は、すこし事情が違う。

『幕末太陽傳』は、1957年(昭和32年) 公開の映画。

この作品が、その年のキネマ旬報ベストテンでは、第4位(ベストスリー圏外)なんだから、

当時の邦画界には、当代トップクラスのクリエイターが集まっていて、かつ世間の鑑賞を獲ていた、ということか。

ちなみに、同年、外国映画部門の第1位は、フェリーニの『道』だった。

さて。

太陽傳のいちシーン。

遊女(左 幸子、南田 洋子)の乱闘を、

室内から、中庭へ降りて、そして次には、二階屋から見下ろして……と

一気に執拗に追いかけるカメラワーク。

これだけでも、演出の見事さと、応ずる役者の演技にやられてしまうけれど、

その後に。

男ふたり、湯船に浸かる静寂のシーンをそっと挿むところが、実にいいね。

では。

課題は続くよ,どこまでも (長野戦プレビュウ)

リーグで唯一の未消化ゲームだった、讃岐vs福島。

これが、この2日に催行されて、讃岐(ホーム)が、4 – 1 で勝利。

福島どうした、あの勢いは?、上手くメンツが揃わないのだろうか。

山雅にしてみれば、福島と勝ち点もひろがらず安堵なんだが、

来季も霜田さんとなれば、森 晃太(福島#10)を獲りにいくだろうから、少々注目はしている。

さて、長野戦。

ここまでやって来ると、課題は知れていて、

❶中途半端にボールを持つな。
特に、カウンター攻撃を強みと自負する相手(長野がそれ)には、

持つのか、持たせるのかの意思統一を、シーンに応じてハッキリさせて、

クロスカウンター(カウンターで前傾になった相手の裏を獲る)を発動せよ。

3バックの相手には、そのサイドを引っ張り出しておいてから、中で仕留めよ。
できれば、こっちは、3トップの態勢で、むこうのセンターバックの連動とラインを切りたい。

長野はきっと、サイド攻撃に活路を見い出したいだろうから、

山雅は前節の反省の上に、修正をかけて、

向こうのサイドをタッチライン沿いに追い出しておき、

かつ、こっちは、サイドから切り込みたい。

その場合。

サイドバックが中へ入って、2列目の左右アウトサイドハーフが、外からクロス投入、ってのが、相手守備を混乱させると思いますが。

❸リスタートには、アイデアと集中を込めよ。
もらったファールによるフリーキック、コーナーキック、スローイン。

動きの中断は、こっちに流れを引き寄せるチャンスにできる。

ゆえに、この時間は、ゲームの肝。

コーナーキックとロングスローの場合。

常田 克人に合わせるやり方は、かなり研究されていて、奈良はその常田をマークするに必死だった。

ならば、今後は、常田を囮に使うくらいの策も用意する。

じゃあ、本命は誰が?、をお楽しみにしよう。

……以上は、

その次の金沢戦にも通じることであるからには、長野戦で、良い答案を描きたいではありませんか。

政治や階級闘争の裏付けはなんらなく、

ただただ仲良く喧嘩するに過ぎないような

もっとも身近なアウェイ。(特に、北信がルーツの僕からすれば)

せいぜい、それを楽しみます。

では。

キンモクセイの効用。

今、キンモクセイの花が盛んだ。

玄関から中庭に回っていくと、甘い香りが心地よく漂う。

― あぁ、実に、いいねぇ。

夫婦の意見が、こんなにも一致することはあまりないから、救われた気分になる。

キンモクセイの花は、夫婦和合の秘訣なり   by 萬年

さて。

今回の曲は、

『ペーパーチェイス』(1973年、米映画)から、そのサウンドトラックを。

音楽を、ジョン ウイリアムズが担当していたとは、いままで知りませんでした。(迂闊)

映画は、将来の立身出世をめざして、ハーバードのロースクール(大学院大学)で学ぶ学生たちのお話。
その俗物性が、わりあい巧く描かれていて面白い。

ただ、主人公が、教授の娘と恋仲になる次第は、かなり不自然(強引)で、気になりますが。

では。

良くも悪くも,佐相と凱光 (奈良戦レビュウ❸)

動いたか

浅川 隼人を欠いたゲーム、

山雅は、4 – 4 – 2 を採用し、ツートップは、安藤 翼と菊井 悠介。

対し、奈良は、下川 陽太と中島 賢星のキープレイヤーふたり不在の、3 – 4 – 2 – 1。

(#31岡田 優希は、いつもより目立なかったが、ゴールに結びついたクロスを投入する、最低限の仕事はした)

……これが前提。

〈崩されないままの失点〉☜ 強く指摘!!
こっちの守備陣形なりが破綻して、つまりは、相手に崩されてしまって失点。

ではなくて、

崩されてもいないままに失点する、という悪癖を責めたいわけです。

崩されるには、その前で、相手の攻撃に喰いついているはずが、

その仕事自体がおろそかになっている、と思います。

このゲームだと、奈良はスリーバックとサイドバックが、ピッチをワイドに使って円弧を描き、サイドを侵してくる。

となれば、山雅は、主に、2列目のウインガーとサイドバックのところで、それに対処しなくてはならない。

山雅のサイドバックは、やはり、向こうのサイドバックを抑止しようとするから、そこにボールが入る手前(のプレイヤー)は、ウインガーがチェックに行く必要がある。

この日は、その役目は、佐相と村越のいづれかが果たすべきだった。(このふたりはサイドを変えながらプレイしたので)

ところが、そこをケアしないために、やすやすとボールを左サイド奥に入れられて、ここに突入してきて、フリーでクロスを撃ったのは、奈良シャドウの、岡田。

これ、

村越と樋口(サイドバック)との、マークの振り分けの意思疎通がなかった、とプレイヤーまかせの総括をしてはダメであって、

この部分は、今後 3バックとの対戦するゲームのために、チームの守り方として落とし込んで下さいよ、霜田監督。

すくなくとも、相手が、ゴール手前20mまでボールを運んできたら、必ず、誰かが阻止に向かう、そういった勤勉と執拗さです、必要なのは。

あと、とりあえずクリア、といった軽い中途半端な跳ね返し、これもいけません。無責任過ぎる。

(佐相、村越を個人攻撃しているわけでなく、彼らの好調さに期待するからこその苦言です)

こういう守備をみせられると、4 – 3 – 3 にして、ボランチによる守備圧を強化することを望みます。

❷相手の逆手を獲れない正直 ☜ 正直をほめていない!!
ゲームを通じ、奈良は、こっちにボールを持たせる戦略を遂行したと診ます。

そうしておいて、ボールを引っ掛けて奪ったら、サイドへ回すか、または、機をみてセンターフォワードを裏抜けで走らせるか、そのどっちか。

だとすれば、山雅はむしろ、その手には乗らずに、

敢えて向こうに持たせておいて、相手が前傾姿勢のスイッチを入れた瞬間に、スリーバック裏のスペースを狙うべきだった。

ゲームの入り、または後半開始は、そんな流れが観られたのですが……。

奈良の引き具合だと、後ろから組み立ててやれ、という判断が動いたのか?

もちろん、ボールを握ることが〈悪手〉ではないが、

相手の虚、いやなところを衝く、想定外で攻め立てる。

勝ちにこだわるというなら、そこまでするべきではないか。

馬渡 和彰、山口 一真が投入されると、特に右サイドに風穴が開き、かつ、前線が躍動しだした後半は、

ほぼ、ハーフコートゲームの様相。

高さの無い前線だから、20本も積み上げたクロスは、すべてグラウンダーでよかったと思うんですけれどね。

あれだけ攻め続けてゴールができなけれゃあ、何を言われても抗弁できず、

よくやった、とは、残り8ゲームのためにも、禁句

では。

〈勝ちにこだわる〉ことの実際 (奈良戦レビュウ❷)

(季節の憶え ☞ 今朝、キンモクセイの開花の兆し)

チームに対しては、勝ちにこだわって必死にやれ

だから、そんな山雅が大好き、とか言っておきながら、

僕らが、そうなっていないことを、いくつか指摘しておきます。

当日は、いつになく饒舌な息子と、隣同士で観戦。

― パウリ―ニョのミドルシュート、あれは上手かった……。

― うん。(シュート時の)ボールのとらえ方は、横山 歩夢がピカいちだったね。

……シュートを、ゴールマウスはるか上空へと放つ山雅をみながら、

こんな談義をしていて、その息子のつぶやきを多くもらいながらであることを、お断りしておきます。

たとえば……、

❶ゲームの早い時間帯、ボールを持ち込んだ安永 玲央が、相手ペナルティエリアで倒れたシーン。

ジャッジは、ゴールキックか、キーパーによるキャッチだったか? と思いますが、

なにやら、ペナルティキックを疑う観客の喚声が南ゴール裏を中心に起こった。

あれなんかは、

大型ビジョンに、すかさずリプレイを繰り返し流すことで、クラブとして、勝ちにこだわる姿勢を表明すべきではないか。

リーグからのお達しでできないのか、または、DAZNがやらせないのかは知りませんが、そういった壁を突破することが大切。

ここは、ホームなんですから。

ジャッジの不可侵が確立されているからこそ、際どいシーンは即座にスタジアムと共有する、それが求められましょう。

❷相手チームが放った、ヒヤリとさせられるシュート。

これに対し、そのまま〈危なかった~!!〉の肝を冷やされた嘆声が湧き立つアルウィン。

まぁ、正直、っていってしまえば、それまでですが、

そういう場面こそ、〈完全無視〉の沈黙で、相手の調子づきの芽を摘んでしまおう。

❸味方による、チャレンジしたパスがつながらないようなミスに、落胆の声が挙がる。

プレイヤーやチームの士気を落とすような雰囲気こそ、アルウィンには要らない。

ここは、ホームなんですから。

失敗しないに越したことはないが、失敗の積み重ねの向こうに開花が待っている、そんな戦いがサッカー、だと思いますがね。

つまり。

上記❷と❸は、

ファン&サポーターの側に、まだまだ勝ちにこだわり切れない余地とうかつさが存す、というお話しでした。

で。

チーム自身の、勝ちにこだわれない内容とは、レビュウ❸で。

では。