米原 秀亮と共にやって来るもの (ザスパ戦プレビュウ)

それは、

ザスパ指揮官みづからが、そう自認する かなり攻撃的サッカー

今季就任時のインタビュウで、彼は、

3点とられても、4点獲って勝つサッカーをめざす、と公言しているのだ。

現況。

ザスパが、その熟成に向けて、どんなレヴェルにあるかは承知していない。

が、僕は、2部からの降格組との三連戦にあって、もっとも対戦するにむづかしいチーム、と診ていて、

栃木SCと比しても、チームの持ち味がハッキリしていることによって、5割強は手強い、のではないか?

山雅が後手にまわって、なぞるようなサッカーをしてしまうと、

(リーグ最多数の) パスによって翻弄される、そんな悲観的な覚悟です。

❶米原 秀亮の立ち現れ方。
今季、18ゲームを消化し、

先発 9回、途中投入が、3回、12ゲームに出場。
ま、すくなくとも登録メンツのひとりとしては、(おそらく)アルウィンにご帰還か。

群馬は、3バックのチームとやる時は、3バックを、4バックとやる時は、4バックシステムを採ることが多い。

ギャップを嫌い、ポジション的に真っ向対峙の状況でサッカーをやりたい。

思うに、個の能力に自信があるのと、サイドの侵入を阻止したい、そのふたつが狙いでは?

ならば、米原は、藤村らとのダブルボランチの一角を担って登場する可能性が大。

すると、いちばんの警戒点は、視野の広さを活かした、そのサイドチャンジに違いない。

❷攻撃的なサッカーの中身。
フォワード登録が、8名 (山雅は 5名)であることからしても、その姿勢がハッキリしているけれど、

その攻撃は主に、リーグで 4番目に多いクロスを起点とする。

つまりは。

米原の気の効いたサイドチャンジは、サイドからのクロスのお膳立てとなるから、かなり危険、というストーリイが成立するのです。

ところが。

クロスを強みとする反面、クロスからの失点パターンがいちばん多いのも、ザスパの特徴。

だから、山雅が狙うとしたら、最終ラインのサイド奥のスペース、となる。

目には目で、クロスを多く浴びせる、ってことで。

❸ザスパにおける、ある兆し。
18ゲーム累計で、ボール保持率が、平均で 60%。(リーグトップ)

これは、ゲームや、その時間帯によっては、70%超 ボールを握るのが当たり前、ということ。

ただし。

前節の金沢戦(0 – 1 の敗戦)では、18試合目にしてはじめて、ボール保持が、5割を切って、49%。

ここには、ボール支配がリーグ第3位の金沢とやったという事情もあろうが、

リーグ折り返しにあたり、

ボール保持一辺倒から、ロングボールを使う速い攻撃も織り込みたい意思の発動、と考えるのは、うがち過ぎだろうかね?

スタート、リスタートを、相手にボールを持たせたところから始めたい山雅とすれば、

ボールを持ちたいザスパは、フラストレーションが溜まりにくい相手なんだろうが、

それでも、焦点は、サイドの獲りあいとなるだろうから、山雅指揮陣が、

サイドバックのメンツの配置、アウトサイドハーフとの連携に、くれぐれも意を払うことを希望。

それと。

コーナーキック(または高い位置からのセットプレイ)、それには、最大アラートを発信せよ!!

群馬は、直接フリークキックの本数でも、リーグトップなのだから。

では。

今さらながら、聴く アレサ。

8月が来ると、アレサ フランクリン(1942~2018) が亡くなって、まる 7年が経つ。

このご時世、とりたてて長寿ともいえない、享年 76歳。

ポール サイモンよりも、たった 1年、早く生まれたに過ぎないのが、なんだか不思議。

存命のうちに、

たとえば、映画『ブルースブラザーズ』(1980年米)の中で、その歌唱する姿を観られただけでも儲けもの、と思っている。

あの中で、主演のジョン ベル―シ(1949~1982)らが身につけていたのは、レイバンの、ウェイファーラー(サングラス) だったのね。

ヘップバーンのような美形も、ベル―シのような野獣でも、それなりに画にしてしまうのが、レイバンの偉大さ。
そういえば、楽器店のオーナー役は、レイ チャールズが演ってました。(余談)

多くの黒人歌手と同じく、幼少の頃に聖歌隊員だったならば、

すんなりと、ゴスペルを身にまとうだろうから、

帰依の軽重はともかく、教会音楽の土壌があることが、当時の〈ソウルシンガー〉の誕生条件だとしたら、

我が国の歌い手に、それを要求するのは酷、ってことか。

今回の動画。

キース リチャーズを、ほんの若造にしか見えなくしてしまう、アレサの存在感に、まったく呆れる。

(☞もちろん、何歳になっても、少年っぽく演るのが、キースの良きところ)

では。

因果のとりこ。

6月になると、我が庭で。

立葵(タチアオイ)が、日陰で開花する。

これはいつも通りだった。

それとほぼ同じ時季(6月20日頃) に、豆萩(マメハギ) が咲き出した。

草かんむりに〈秋〉と書くのだから、こっちは、チト早かないか?

6月末には、今度は、桔梗(キキョウ)が、紫の花をつけた。

他方。

夏椿(ナツツバキ)は、いつもより、十日ほど開花が遅かったので、

いまが、落花の真っ最中。

あることが先に起こり、その後に、その結果として、次のことが起こるのが、自然の法則であり、ならわし。

それを観馴れている僕らの感性は、

どうしても、ものごとの継起(現象)のなかに、因果の糸を見い出したくてたまらないらしい。

度重なる偶然の積み重ねがそこには在る、に過ぎないのに、

結果には、かならず、なんらかの原因がなければならない、という強迫観念で、そこに因果関係をさぐろう、と必死になる。

それを乱暴なアタマでやると、

勝てないのは、走れないから、といった〈もっともらしい〉、けれど、荒唐無稽な議論が臆面もなく出現する。

もっとひどくなると、

負けという結果で、心象が曇ってしまい、そのゲームが全否定される、とか。

先制することは素晴らしいのに、その功績も、見逃されてしまう。

しかし、菊井 悠介は。

ああやって、力みを棄てて、たとえば、インサイドで蹴り込むほうが、よほど精確なシュートを撃てるではありませんか。

あれは、良かった。

思うに。

他の局面でも、なにからなにまで自分でやろうとせずに、もっと、他者に任せる視点と姿勢を採ったら、

チームとして成長があるのでは?

では。

Move On !! (栃木SC戦レビュウ❸おしまい)

山雅サッカーについて、それが山雅に固有な不足点、として流布している批評は、たとえば〈走れない〉とか、

チト考えれば、発言者の、(過去に縛られた)アプリオリな決めつけで語られていて、データに乏しいから、

ご本人の認識力と印象では、〈そのように見える〉くらいな話がほとんど。

この僕も、プロプレイヤーでない者のひとり(素人)なのだから、気をつけないと。

さて。

栃木SC戦で、感じたのは、

❶センターバック陣のプレイをみていて、

ディフェンダーに求められる仕事が、けっこう多岐にわたり、そして重くなったなぁ、ということ。

僕など、二ノ宮君には、ふざけて、

― 野々は、#4を狙ってるようだけど、彼を差し置いて、あれを狙おうよ、とジョークで話したことがある。

すくなくとも。

基底におけるボールの転送、前方へのフィードでは、まだカイゼンの余地ありとはいえ、栃木戦のセットが、いまはベスト、に思われた。

27分あたり。

杉田 隼が、敢然とボールを持って駆け上がり、なおかつ、前でボールに絡みたいプレイをおこなう。

杉田の動きに、栃木プレイヤが引っ張られて、スペースが生まれ、

そこを使えるチャンスが生まれた。

前に、ドリブルは山雅にとってポイント、と書いた。

宮部、二ノ宮からも、そういった切り裂きに加担する姿勢はみえて、これをもっと、チームとして手法に繰り込むべき。

それから。

低い位置(自陣)のフリーキックを、センターバックがおこなうのも、なかなか新鮮。そうすれば、前に人数をかけられる。

❷中盤では、縦への鋭いボールを何度も入れた、大橋 尚志が良かった。

彼のいちばんは、気の効いた位置取りにあるが、

あのような直截的なパスを多用して、

アシストの、そのまた、ひとつ前の決定機と起点をもっと望みたい。

安永 玲央に期待するのは、気をみた、ビッグスイッチ(サイドチェンジ)だろうね。

❸残るは、最前線と 2列目。

いまだに僕は、4 – 4 – 2 よりも、4 – 3 – 3 にこわだる。

3センターバックを採るチームとやるには、3トップにしないと、数的に負けてしまうし、
3枚並ぶほうが、チェイシングで、相手のパスコースをもっと消せる。

どうしても、2トップならば。

ボールを収めるタスクからすると、ルーカス バルガスと、あと誰かとのセット、ではありませんかね?

田中 想来には、相手センターバックと(空中で)競合するための、
身体の入れ方の習熟を。

栃木のセンターバックは、田中に身体を密着し預けることで、田中の動きを巧く抑制していて、そこをクリアしていかないことには。
ロングフィードのターゲットになるならば。

馬渡 和彰が、怪我から復帰して、2ゲーム目。

どっちのサイドでもかまわないけれど、

彼と、滝 裕太は、同サイドでセットで仕事をすべき

馬渡の良さは、サイドから中へ向かって入っていく力。

それが、俊敏な滝と連動することで、サイドを崩せるはず。

途中投入で使うならば、山本 龍平、樋口 大輝の配置を、どう絡めて交代カードを切るのか?

 

……以上、たどり着いた足許を、より強固にして闘うためのいくつかの提案でした。

とにかくも、前に進むしかありませんが、

あと一週間したら開く、移籍ウインドウ。

補うならば、岡田 優希クラスでしょうし、

浅川 隼人に続いて奈良から獲ってしまう、のはいかが?、本気です。

では。

こういうゲームがつらいのは, (栃木SC戦レビュウ❷)

そこそこ出来もよくて、見応えあることをやっていた。

にもかかわらず、

終わってみれば、3失点なのかよ……そういった、重いガッカリが湧くから。

山雅、ゲーム冒頭から、活きの良いプレイが続いて、好調な滑り出し。

2点差(74分あたり)となって、それを笠に着た相手が、多少ラフであっても、思い切り良く撃ち込める状況になると、

さすがに、こっちの勢いも削がれてしまったが、それでも、最後まで精力の出し惜しみもなかった。

ボールをつなぐことができないわけでもない栃木が、

ボール保持を棄てて、裏狙いのロングボールと、サイドへの展開を多用してきたのは、まるで、プチFC大阪を思わせましたが、

ひょっとしたら、これがリーグに流通しつつある〈山雅対策〉であるのか、ないのか。

これこそ、栃木SCが、舞い戻った3部リーグで見出したサッカーだ、とするならば、今後の出来栄えを観てみたいし、

そういうサッカーを凌駕して、これから勝ちを積まねばならぬ山雅からすると、

次回対戦には、ぜひ、リベンジを期待したいですな。

そのためにも。

相手を剥がして攻撃にかかる面白さ、ワクワク感は、山雅のほうに多分にあったものの、

それが、どんな手であれ、ここぞで決めるしたたかさは、栃木から学ばないといけない。

1失点目。#10のドリブル個人技で、ペナルティエリアへ侵入されてしまえば、ファールがご法度になって、フィニッシュまで持っていかれた。

2失点目。ゾーンディフェンスの前方に入られて後方へボールを流され、それを押し込まれる。(これも、相手#10)

これは、やられる可能性として、常にアラート発信すべき事案。
結果として、いまだ手当てされない。
飛び込む相手をフリーにしない手は、たとえば、3人はマンツーマンで守る、といった栃木SC方式を参考にしてもよいのでは?

3失点目。宮部と浅川の交代によって、こっちは、4 – 4 – 2 へとしたはず。
5バックから4バックへの転換は、最終ラインの守備範囲を広くすることを意味していて、

なおかつ、そのすこし前に投入された相手フォワード#80には、セットプレイ時に、ピッチ上で、右サイドに位置するように指示が出ている。

つまり、#80はサイドに流れて、ボールを(クロスで)入れる可能性がみえみえだった。

ならば、それを受けに入ってくるプレイヤーをフリーにさせない配慮はできたはず。ほぼフリーな、ヘディング被弾でした。

いまだ必要かつ十分とはいえないが、自分流サッカーを追求するのならば、

まづは、いやな事から、

つまり、失点の機序を直視して、対策に走るべきでありましょう。

ここらへん、守備に関しては、プレイヤーの自由裁量で〈気づけ〉では、不徹底であって、

こういう場面での、マストの仕事として、つまりチーム規律として規定すべきです。

(☜ これは、挽回しようとする仕事すべてに、共通な話)

では。