金沢戦レビュウ❸として予定していた内容に、すこし追加して、
田中 隼磨氏の声明(4/8付け)に関し、僕の感想を記しておきたい。
冒頭、ひとつのエピソード。
金沢ゴースタの、バックスタンド席。
萬年のすぐ後列には、ご高齢の夫婦が着座したもよう(会話を聞いただけ)。
アウェイ参戦だから、それ相当の熱きファンと思われるが、
雑談の中、ご亭主のほうが、
― 山雅のフロントはなってないと聞く、と言い及ぶ。
聞き役の奥様が、それに何か返して、結局は、チーム低迷の話が続いた(と記憶)。
茶飲み話的に、こういった会話がなされるのは、
松本山雅が、着実に地域を取り込んできた、という勝利以外のなにものでもないが、
いい歳をして、こういう根拠に欠けたもの言いの、他愛の無さに感心し、
と同時に、こういうのが風評なんだろうな、と思った。(☞ 以上、レビュウ❸)
さて。
田中氏の声明について……、
❶読んで、僕なりにホッとしたのは、氏が松本山雅と袂を分かつに至ったのは、もっぱら氏の意思であって、山雅側からの辞任圧力や勧奨ではなかったらしいこと。
❷声明は、辞職の経緯をハッキリ説明するのが目的、とあるが、退職事由を訊きたいと、氏本人に迫るファン&サポーターが少なからず在るんだなぁ、との感慨。
就任から短期だし、いささか早計では?、と思ったが、そこまでして他人の事情を知りたいのか。
❸〈厳重注意〉という字句が、ちょうど山雅界隈で飛び交っているのに触発された、直情径行な行動と言えば、それまでだが、
声明が単なる釈明と言いつつ、訴える相手を〈変える〉効果も期待していて、絶妙のタイミングを計っての発信、と受け取れもする。
❹文章を一読すると、けっこう不分明な点があるけれど、
ここでは、暴言を吐いた人物(コーチ)を、山雅として最初は処分する気もなかったが、後になって厳重注意を行った、と推定したうえで、
田中氏によれば、クラブ(幹部)による後日の説明は、あきらかに〈二枚舌〉(虚偽)であるし、自分がそれを指摘しても訂正しなかったのは、不誠実。
厳重注意にしても、その実効性が疑わしく、(ユース選手の過去事例を引いて) 処分が、不公正である(一貫性がない)。
つまり、組織内に、規律が無いに等しい。
結果、そういう組織は、とても自分の信念とは折り合わないので、身を引いた、というのが要旨か。
❺組織内にいて直接見聞したわけでないこと、松本山雅の、行動規範、社規(就業規則)を知らず、意思決定の手続きやプロセスの実態を知らず、
エグゼクティブディレクターの権限も、知らない。
ゆえに、田中氏からしたら、そういう事実認識なんだろうなぁ、という感想。
こういった事案は、僕のいままでの社会/職業人生活では、それほどめづらしくもなくて、
これくらいなことで、組織的な腐敗、風土(悪しきもの)と、色めき立つことかいな、と思う。
信条はわかるが、自分の進退とひきかえにするほどのことか?、と。
さらに、僕のホンネ。
特に、経営的、事業運営的な事案の決定にあたって重要なのは、
正しい、間違っている (正義 or 不正)ということではなくて、
その決定が、組織内で機能して、成果をもたらすのかどうか?、だと思っている。
幼児に、ウソをついちゃあいけないよ、と教えることは大切だが、
それですべてを推し通したら、むしろ、より苛酷で、不毛な世界もあり得ます。
❻いちばんの危惧。
ウソつきで、公明正大さを欠く組織(と幹部) であるから、
クラブ(会社) は腐敗 ☞ チーム成績は低迷 ☞ 降格も当然 ☞ ファン&サポーターには見放され ☞ 元凶の経営層とフィールドマネジメント(監督など) はその職に値せず……と続いていって、
挙句の果ては、 1 – 6 の敗戦も、全てが組織がなっちゃいないから。
それならば、いっそ会社も一新するか、精算してしまえ。
でたらめな論理が、しかも、(無責任な) 社外から、湧き起こること。(すでに発信されてるのかいな?)
さらにそこに、〈他人の火事は面白い〉心理の、通りすがりの野次馬が、相乗りしてくる。
無理解のうちに行なう批判や批評、口撃の一切は、その対象を貶め、弱める。
……で、切なる結論。
次なるホームゲームで、上に示したような論法の、訳もわからん内容の横断幕が掲げられないことを願う、と共に、
今こそ、騒音を尻目に、チーム山雅には、サッカーに一意専心してもらいたい。
ただ、それだけを望みます。
では。