コペルニクス的ほどでなくたって (鳥取戦レビュウ❷)

ここ2ゲームで浮き上がってきた、

戦術的な傾向値や、注文(= 課題)。

❶対鳥取戦、山雅がもらったファール(15個)のうち、

その40%は、安永 玲央がこうむったんではあるまいか?

敢闘賞は、〈痛み〉の代償的な勲章? とは、シャレにもならないが、

ボランチとして、ボールを持ち出す機会が多い事情もある。

とは言え、気の毒なことで、

ここらは、チームとして、ボール受け手の、位置取りと準備の迅速によってカイゼンでしょう。

❷思うに。

長野戦での 1失点目にヒントをもらったのか、または、そのやり返しであるのか?

横一線で網を設ける相手センターバックの頭上を越える(山なり)ボールと、そこへの走り込みの多用。

フォワード田中のプレイスタイルとも適合しているから、これからの重要な武器。

長野戦では、惜しくも枠外シュートだったけれど、

菊井 ☞ 山本 康裕のラインでも試みられた。

山なりボールを見せておけば、今度は、グラウンダーパスが活きる。

❸村越の離脱(佐相も!!) もあり、滝 裕太にチャンスが巡ってきていて

ゲーム後、

チノ氏の開口一番は、― 滝にはゴールを獲らせたいよね、だった。

あの動きを、❷のやり方、

または、相手ディフェンダーを背負ってでも、一旦、ペナルティエリア中央へボールを入れ、そこから、入ってくる滝あたりが貰って、シュートではどうでしょう?

❹ゲーム最終盤は、大橋が傷んで退場したこともあり、

松村と、石山 青空の、ダブルボランチで対処。

こういうことができるタレントを擁する強みは大歓迎。

これを、非常回避的にやるんではなく、早い時間帯で望むのですがね。

菊井 悠介の出来がなかなか良くて、いい意味でめだたず、あるいは、執拗な守備で魅せた。

彼からのボール配球が、

相手守備に囲まれて阻止されることよりも素早かったこと、それが要因、と思うけれど、

チーム全体としての、相手守備が捕捉しにくい攻撃テンポと、貰い手の早い準備。

これは、大きな勝因につながると診ます、今後。

❻高身長の活かし方
守備時のヘディングは当たり前として、

セットプレイにおける、ディフェンダーによるヘディング、このクオリティのこと。

特に、二ノ宮は、飯田師匠にお願いしてでも早急にその精度を上げること。

これは、彼が生き残るための必修科目ではないだろうか。

では。

プランどおりにやれる力(20255.18 鳥取戦レビュウ❶)

後半50分の、田中 想来によるゴールが決勝点になって、

1 – 0 の勝利。

一見すると地味だけれど、

こういう勝ち方もできることは、リーグ戦ではかなり貴重な〈強み〉に違いない。

コイントスで、風下(強風の)ではじめることになって、おそらくは。

前半は無失点(のイーブン)で行こう、というのが、指揮陣のプランであったと思います。

鳥取が、ゲーム冒頭こそ長いボールを入れて来たものの、

その後は、ひたすらパス選択だったことにも助けられ、そのとおりに進行。

相手センターバックからは、危険なボールが前線にはほとんど供給されないことを知るや、そこには下手に喰いつかずに、

センターバックからボランチへボールが出るところを、ボール奪取と反転攻撃のポイントに据えた。

35分頃から、

センターバック松村と杉田を、左右入れ替えて、さらに、

そこにアウトサイドハーフの位置取り変換を絡める、といった面白いチャレンジを咬ませるなんて、なかなか。

相手に、混乱を与えるような嫌味をやるのは、サッカーにおける妙諦でしょうから。

ハーフタイム談義で。

チノ氏とは、滝をもっと使おうや、後半開始の15分の攻めが鍵になるでしょうね、などと話したのですが、

やはり、というか、これは山雅流でもあって、

開始後、攻撃圧を強めると、相手に余裕を与えない、速いテンポと波状的な押し込みで、ゴール!!

最後は、

角度のないところからの想来のシュートで決め切ったんですが、

その前で、菊井、そして滝と、二手間かけた撃ち込みをしていたダメ押しは、ミゴトでした。

その後も、上手く時間を進め、最後は、バルガスを投入するほどのいやらしさ。

コーナーフラグでの時間稼ぎにつき合う鳥取プレイヤーには、うんざりの義務感が露わでした。

あれが鳥取の、ゴールに迫るスタイル、とはいえ、

結局、ガイナーレのシュートを、前後半で1本づつの、計2本(公式による)に封じた。

でも、こうやってゲームを締め切る〈巧さ〉が、

技量の〈上手さ〉(テクニック)と共存してこそ、

最高のファンサーヴィスであるところの、勝利へとつながっていくのでは?

長野戦(5/14夜)で確かめられた手法とか、

あれが勝利であれば、その夜のMVPを獲ったであろう安永 玲央の、一節遅れての敢闘賞、そこらへんは、プレビュウ❷でみるとして、

5月の 5連戦を、3勝1分1敗で乗り切れたのは、上々の出来と考えます。

これも、4ゲームをアルウィンでやれた賜物、としておきましょう。

では。

松本って。

― なんとまぁ、風の強いところなのか。

家人が、病院で。

たまたまお隣のベッドで治療を受けていた御方が、こう言っていた、という。

その人は、当地へ、十数年前に越してきたらしい。

普段、あまり意識していなかった僕だが、

春の頃、

山形村から波田にかけての扇状地で、盛んに立ち上る褐色の土煙を思えば、

たしかに、そうなのかも……。

ベッツイ&クリスのデュオが、こんな曲をカヴァーしてたとは知らなかった。

『真夜中のカウボーイ』(1969公開、米映画) の、

オープニングクレジットを、あぁ、こんな色調の画面だったか……と、眺めている日。

では。

コペルニクス的転回だってあるぞ (鳥取戦プレビュウ)

5月連戦、その締めのゲームを前に、

プレビュウをおこなうにあたっての戒めとして、

ひとつ。
第4節(5/14)の長野戦、

個の質とサッカーの突き詰めにおいては、山雅 : 長野 = 8 : 2 くらいな違いが明らかになったのだから、

あれだけ相手を圧倒できはしたが、

そこからは、両者間の格差分を差っ引いて、基準器の目盛りを戻さないといけない。

要は、これほどに優位に運べるゲームは、他にほぼ無い、ってこと。

ふたつ。
チームの作り込みの基軸と現在地が、今季は、かなりわかりやすいのだから、

いまだに、3部 = 3流のサッカーといった、いわば〈リーグ天動説〉にハマった視点では、

ますます山雅の真価が、捕捉できなくなった。

……この2点は、肝に銘じておこう。

ただし。

5/14夜のアルウィン全体の反響をみると、

山雅のNOWを、実直、支援的に観られる層が大勢を占めているようであったから、

過去に縛られた思考停止脳を、あまり気にせずとも良いかも知れない。

 

さて。

今節の来蹴者、ガイナーレ鳥取。

ボールを握ることを本来的として、活発な前線が、俊敏にペナルティエリアを侵してくる、そんなサッカーか。

前節相模原戦(0 – 1の負け)では、スタッツを見る限り、相模原のそれを上回っている。

つまりは、1ミリの油断もゆるされない相手。

そこで、萬年式な願望を、下図に、定着してみた。

〈その要旨〉
❶運用はともかく、初期システムは、ガイナーレと真っ向やりあうつもりで、

3 – 3 – 2 – 2 (3 – 1 – 4 – 2)とする。
アンカー的ワンボランチと、ツートップが、その骨子だ。

特に、鳥取の前線アタッカーの抑え込みは必須なので、3バックで数的優位を保持。

❷メンツ的には、前節、攻撃の基盤をつくって魅せた安永、滝はマストで配置。
石山を、シャドウに置くことで、高い位置で、相手守備に穴を開けたい。

❸菊井へのマークが、ますます厳しくなっていることから、
ここで、コペルニクス的転回(新しい発想)に走って、

菊井をツートップの一角に転用、裏抜け要員としても良いかなぁ、との考え。

もっと踏み込んで、菊井を外してでも、青空を試してみる価値はある。

石山は、その全方向的な躍動力からすれば、フィニッシャーばかりでなく、水を運ぶ役割が期待できるはず。

❹ピッチを広く、均等に使うため、4バックを採りたければ、松村を上げてボランチにまわし、宮部を、左サイドバックに配置する仕込みをしておこう。

……くどいほど繰り返しますが、

より強靭なサッカーのため、あの長野戦は忘れること。

それが、出発点でありましょう。

では。

立ち直れる理由(わけ) (2025.5.14長野戦レビュウ,これから)

ゲームにおいて、

前半の10分から 15分くらいの間、ちょうど失点した前後、

流れが、パルセイロへと傾いた時間帯があった。

テンポ良いボールが、パルセイロプレイヤーを行き来して、山雅が食いつくものの、なかなかボールを奪取できずに、自陣ペナルティエリアまで運ばれる。

ゲームは、両者 3 – 4 – 2 – 1の布陣によるミラーゲームだったが、

そこには、大きな運用上の違いがあって、

長野のほうは、陣容の網目をあえて粗密にしてでも、自分たちの距離感でボールを繋ぎたいやり方。

いわば、陣形の保持そのものにこだわらずに、プレイヤーが散開、連動する。

これに、山雅がつきあう格好になってしまい、熱心にアプローチすればするほど交わされ、こっちの距離が引き伸ばされて、

かつ。

長野のボランチ、またはセンターバックから、活発なツーシャドウ(2列目)へと良いボールが供給されて、長野ベースとなった……。

この嫌な時間帯を、克服したのは、やはり

ここまで養ってきた流儀=強みの活用であった、と思う。

要は.

縦に、ロングなボールや、グラウンダーを挿し込んで、そこに人数をかけて、速く強く進むこと。

これを、サイドチェンジをかましながら、ボールを動かすことで、ペースを自分たちの手に手繰り寄せることに成功。

【加筆、強調されていいのは、松村、杉田がサイドバックのように駆け上がりを見せて、相手ディフェンダーを惑わせたこと】

それが、前半の 30分頃から。

その流れが、ゲーム後半にも続き、逆転の基いとなったのですが、

今後の。

残り26ゲームのリーグ戦においても、その山雅式は、最後の砦、復帰点みたいなものになる、おそらく。

長野との比較で、特にあらわになったのは、山雅の、執拗で、かける人数をいとわないプレスバック。

これなんかは特に、2025季の武器として、このゲームで印象づけられました。

苦境になった時の、立ち帰るべき〈原位置〉が在ること、これは大きい。

ここに、

新しい視点での、選手登用による新鮮な戦力が上積みされていることは、観ていて楽しいのですが、

そうでなるならば、(チト苦言ですが)

先発メンツの出来がかなり良かったとはいえ、

前のゲームで結果を出した浅川 隼人の投入が遅すぎたのではありませんかねぇ?、早川さん。

では。