なぜ〈速さ〉なのか? (富山戦プレビュウ❷)

パルセイロの戦法は、緩急をつけた攻撃型、と言えた。

後方でじっくり始め、中盤で相手をかわすと、サイドからボールを入れ、枚数多く(少なくとも3枚)の前線プレイヤーが、ペナルティエリアに突入してくるやり方。

富山は、それと対照的で。

縦方向へとにかく速く、かつ、ピッチを広く使って(サイドの活用) 攻め入ってくる。
そのボール保持率は、リーグ 17位。
ボールを握ることには執着せず、むしろ、カウンター攻撃発動を狙う。

なんだよ、それって、山雅とほとんど同じようなスタイルではないか。
(山雅のボール保持率は、リーグ最下位の18位)

山雅にあって富山にすくないのは、ロングカウンターくらいでは?

となれば、似た者同士対決を制するには、なにはなくとも、相手を上まわる〈速さ〉。

して、ここでいう速さとは、〈速度〉〈俊敏〉をあわせ持つこと。

速度によって、体力プラス走力を押し出した、先手先手の局面を創る。

俊敏によって、頭脳的に、空いたスペースをモノにする。
あるいは、セットプレイを素早くスタートするとか、意図を込めておこなうとか。

アタマを使え。

となると、このところご無沙汰の、クロス、コーナーキックからの、ヘディングゴールも観たいところですが、主要なキッカー、佐藤 和弘を今節欠くので、そこのところの手当ても肝心でしょう。

というわけで、自己スタイルを、ひたすら、かつ上手く、最大化したほうが勝ち点3をつかむゲームとなりそう。

ファン&サポーターとしても、富山県総をこっちのスタイルに染め上げる、それこそ共闘、でありましょう。

では、県総にて。

〈速さ〉際立つゲームを (富山戦プレビュウ❶)

前節長野戦、すべての時間帯において、パルセイロのボール保持率は、 60~70% に達した。

つまり、山雅のほうは、せいぜいボールを40% 前後握っていたに過ぎない。

ま、こういうのが、我等が通常運転。

そういう局面を生じさせておいて、培った体力、走力を活かし、マメにボールホルダーを追っかけ、追い詰めては、ボールを奪う。

これが徹底されていた。

〈体力〉
だから、あれだけ出来が良かった前半は、ボールを持ち続けたためのものではなくて、奪う勤勉と迫力と、押し込む力量が効いていた、ということ。

それが、後ろに引き寄せてボールを回し、それから、やおら攻撃に転ずる長野のやり方と好対照をなしていて、よけいに輝きを増したのではないか。

ゲーム前ピッチ練習に登場した長野のプレイヤーらが、まるで高校生のようにみえたのは、山雅を見慣れている目に、彼我の体幹の鍛え方に格段の差があったことの証拠だろう。

〈走力〉
同点になり、長野が交代カードを切りながら攻撃を厚くしてきた時間帯は、ますます保持率が長野に傾いていったけれど、注目すべきは、山雅のほうは倦まずにボールホルダーにアプローチし続けたことだった。

おそらく、山雅プレイヤーは、相手の 3倍近くは走って(走らされて?)いたはず。

フレッシュなメンツを投入しつつ、前後への躍動レベルを決して落とさないで、機会をうかがう、これが勝機を呼び込んだと思います。

カターレ富山とやるに際しては、このような体力と走力に裏打ちされた〈速さ〉、これが勝敗を分けそう。

その理由などは、プレビュウ❷で。

では。

どうでも いいこと (長野戦レビュウ おまけ)

昨日、職場で、(愛車) ビートル氏が近寄って来ると、

― パルセイロのほうが、レフェリーがブロックしたのどうの、と言っているって、一体どういうこと?

― あぁ、それ、おそらくはこうです。

と、僕は (丁寧に) 紙の上に、パウリ―ニョ、主審、相手ディフェンス、田中パウロ、そしてルカオらを、それぞれ〇でプロットすると、

― 主審がここに立っていたので、長野ディフェンスの進路を妨害することになった。

そのため、ボールを持ったパウリ―ニョにアプローチ(タックル)できず、得点をゆるすことになったのだ、どうしてくれる?、といったこと。

これ、たまたま各人が、瞬間的にそのような立ち位置になったわけで、サッカーでは、起こり得る状況。

そのこと自体が、得点を生んだ決定的な要因でもなくて、

田中パウロの絶妙な縦パス、ルカオのワンタッチシュートの弾道、競り合っても阻止できなかった長野ディフェンダーの力量、ゴールキーパー位置取りなどなど、が介在していた。

でも、そういう抗議や不満の表明をするのは、自由。

ゲーム当事者のほとんどが、時に応じてやることであって、別に咎めることでもありません。

まぁ、そういった抗議の姿勢が露骨になると、

例えば、アルウィンで、パルセイロ監督の名前が紹介されると、強烈にして最大限のブーイングの洗礼を浴びる、ただそれだけの話です。

……、とビートル氏には説明申し上げた。

でも、うだうだと大勢に影響のない話はこれまで。

長野さんにはとにかく、リーグ最終節で藤枝myfcと全力で戦ってもらわなくっちゃなりません。

では。

山雅愛は 惜しみなく奪ふ。

地上波で、試合の後半から観たモモ氏の評は、

― 内容はハラハラドキドキ、でも勝ったからオーライです。

ハラハラするほどに、感情移入してもらえるようになったか!!!

それこそが、山雅の勝利といえましょう。

クレ君からは、ゲーム開始1時間前に着いたら、すでにホーム側B席は満杯、そこでアウェイのほうで観戦しました、昨季のアウェイユニフォーム着用して、と聞く。

さて、ゲーム前日のこと。

― 明日勝ったら、富山に行きます、と家人。

― あらま。勝敗に関係なく富山県総スタには、行かなくちゃあ。
条件付きの愛、ってのは、まづくない?、山雅ファミリーとして、と僕。

そしたら、たまたまそこに居合わせた息子、

― JFLの頃、自分が山雅を応援していたら、父、他人の熱心をずいぶんと冷たい口調で突き放したよね。

たとえ、それぞれが純粋なる山雅愛を持っているにもかかわらず、ある時はかように、家庭の平和を、惜しみなく奪うんですよね。

単独行であっても、せいぜい3時間。

毒を喰らわば皿までも。

富山には、参戦しますよ。

では。

勝機の方程式 と山雅 (長野戦レビュウ❷)

今回は、チト乱暴な内容ですが、お赦しを。

サッカーという、きわめて感情的で、ミスの多い競技にあって、勝機を手繰り寄せる方程式とは、

チーム戦術(スタイル、プレイヤー配置など) × 各個の技量 × 相手スカウティング

と、おおざっぱに考えてみた。

(ここに、スタジアム環境(応援、雰囲気、天候)も入れたいが、話が複雑になるからあえて省略)

はた目でもって、昨日の両チームついて数値化すると、

長野  ☞  7.0  ×   6.5   ×   2.5  =  113,75

松本  ☞  7.5  ×   8.0   ×   4.0  =  240

……、という塩梅で、これ、得点と、ほぼ同率の差となる。

松本のほうに、個の技量で多少の優位はあれど、共に自分のスタイルをまっとうした時間帯は持てた。

最大の勝敗の分かれ目は、相手をどれほど深く研究したのか、であったと思う。

そこの数値にかなり差があったので、掛け算の答えは、山雅に大きく出たのではないか、と。

これを見て、いや、双方が相当数のシュートを放っているから、〈決定力〉の差だよ、といった議論があるかも知れない。

ちょっと待ってもらいたい。

だいたいが、決定力という文言は、絶好のチャンスを潰した時の決まり文句であって、それは、ほとんどが個の技量の有無、程度に帰すこと。

だから、チャンスの多い少ないをあげつらってみたところで、それこそ、なんとかの遠吠えであり、勝敗はビクともしやしない。

スカウティング徹底のひとつ、を挙げると、

GKビクトルからの、ゴールキックを含むロングボールは、ほぼセンターバック真ん中の乾 大知を避けて、長野の左センターバック、あるいは、あまり上背が無い中盤に競らす、といった方策がそれ。

そして、競ったボールのセカンドを拾える好位置(相手アンカーの脇か後方) に横山 歩夢を配した。

長野からすれば、山雅のツーボランチに対し、そのままでは数的優位に立てないのだから、佐藤和弘、あるいは、パウリ―ニョの頭上を越えてしまうようなひとつ飛ばしのボール、または、サイドチェンジを敢行すべきだったのに、そういうチャレンジは案外少なかった。

#7が上手く立ち回って、空いたスペースを使うシーンも観られたから、そこでひと手間、意表を衝かれたら、山雅は苦しかっただろう。

さらに、2点目のシーン。
長野はサイドを割る攻撃にチームの意識がいっていただろうから、素早く縦にボールを入れられて、田中パウロ、ルカオの両方を捕まえるに後手になった。

で、山雅の、変わらない課題は、
ボールを持てる時間帯に、流れから得点できず、かえって相手に保持率が高まった時間に得点する、というジレンマ。

ただし、ボールを動かしているうちには、被ファール、コーナーキックが獲れるから、セットプレイでゴール、と割り切るべきか。

リーグ戦もどんづまりの今は。
(ここらに、富山戦プレビュウをひそかに仕込みます)

では。