おとなの狭量。

小学一年生が、片仮名を憶えだした。

テスト用紙をみせてもらうと、

答えに書いた セ―タア、のアの字を、教師がばってんで消して、〈ー〉と朱く訂正してある。(長音表記の練習)

長じて世にあれば、セエタアと表記しようが、一向に構やしないのだけれど、

― 先生が、こうやって直してあるのだから、〈ー〉と憶えておこうか、

と教えたが、こういった正確さは、今の彼にはむしろ有害であって、

あくまで、学校内教育の、画一性に同調しなければならない。

ゆえに。

― こういうふうにのばす、アア、イイ、ウウ、エエ、オオは、みんな

〈ー〉と、一本棒で、書くんだよ、としておいた。

拗音(ヤ、ユ、ヨ、ワ)を小さく書くのも、同じように教えた。

なんと狭量で、不自由な世界。

年齢や住むところで、ひとくくりに集めて教えを授けるやり方は、すべてにおいて、

幼い魂に、画一な行動と従順を、容赦なく押しつける。

そして、その手際の良さに、安堵する。

押しつける側が、かならずしもフェアでありえない生身の人間なんだから、なおさらに辛い。

では。

やっぱり中盤か (沼津戦プレビュウ❷)

アスルクラロ沼津のことをいまだに、失礼な僕は、

ジュビロの、静岡中東部におけるサテライトチーム、くらいにしか思っていない。

だって、中山 雅史が監督、川又 堅吾が所属なんだから。

……要らんあおりはおいといて、さて。

沼津は、かなり攻撃的なチームであるが、さりとて、守備もオロソカにはしない。
31ゲーム中、無得点は 8回、無失点が 9回。

(参考までに、山雅をみると、無得点 5回、無失点 11回と、なかなか頑張っているではありませんか。
さらに、得失点の数は、トップの愛媛とほとんど同じですよ)

センターラインのどちらにおいても、ボールを持ちたがる(保持率リーグトップ、アヴェレージで 55%)。

左サイド攻撃が突出してるが、中央エリアも使える。

で、採用システムは、4 – 1 – 2 – 3。

……と、個別プレイヤー評価を抜きにすると、こんな感じ。

〈ゲームのポイント〉

❶山雅からすると、4試合ぶりの、4バックシステムとの対戦。

両者の違いは……、

同じ 3トップを採るけれど、

山雅の2列目は、菊井がひとり、で、その後方にふたりのボランチが配される、いわば正三角形。

沼津は、2列目にふたりのシャドウが位置し、その後ろにひとりのボランチがいる、いわば、逆三角形。

となると、この部分で対峙上、チグハグ(いわゆるギャップ) が生じるから、

沼津のふたりが菊井の自由度を封ずるのか?

あるいは、山雅ボランチらが、沼津ワンアンカーの両側スペースを侵すのか?

そういった競合になりそう。

要は、中盤でのつぶしあい、せめぎあい、ボール奪取、これがキモになる。

できれば、利き足が、右と左のふたりをセットにすると、こっちの反転する時間をより短縮でき、かつ、パスコースに選択肢が増す。

❷沼津の左サイドバックとやりあうのは、藤谷らの、山雅の右サイド。

ここでの攻め合いに勝つのは、もちろん大切だけれど、もっと巨視的にみると、

たとえば、常田から藤谷への、ひとつふたつ飛ばしのビッグスイッチとか、

逆に沼津の右サイドを脅かすことによって沼津の守備を左右に揺さぶる、といった複合的な崩しが、必要でありましょう。

これらは、いままで深めてきたことですから、これをさらに進化させ、良質とも上げる。

総括的には。

4月ホーム戦時の、ボール保持率は、ほぼイーヴンながら、山雅が、若干上回った。

この数字は、逆転が 2回起こるような、せわしないゲームを象徴していた、と思っていますが、

今度は、そうバタバタ、ボール保持ばかりにこだわらず、

長野戦で魅せたような、前線からのプレスとボール奪取を、沈着で、コンパクトな陣形を保ってやり切り、

沼津の体勢を、自ゴール方向へと押し下げてしまう。

これに徹すれば、活路は、かならず開けるはす。

では、駿河の国で。

シャトルバスをお願い (沼津戦プレビュウ❶)

パルセイロ戦終了後。

チノ氏から、アウェイ(沼津)は行きます?、と訊かれ、

ええ、と応えたら、

では、念を入れます!!、と握手を求められた。

なので、僕は、チノ氏とご子息の願いをも請け負って、愛鷹に向かう。

ところが。

ここのスタジアムは愛鷹山上近くにあって、付属の駐車場は、700台分(公称)。

沼津のゲーム平均観客数は、1,700くらいのようだから、

駐車場と、あとは、臨時便を含めた路線バス(from沼津駅)でまかなえるかも知れないが、

いかんせん。

前節の勝利で望みをつないだ山雅ファン&サポーターのことだし、

ホーム敗北(3 – 4) の汚名を晴らしたくもあるだろうし。

で、昨季実績の 3,300人(入場)を、かなり上まわるような、当地からの参戦になるのではないか。

昨年は、ららぽーと沼津からシャトルバスが運行されたから、

僕は当然、アスルクラロ運営は、今回も同様な手当てをするに違いないと信じていて、

二回ほど公式ページをみてみたが、それらしきニュースはいまのところ、なし。

そしたら、山雅の順位は、沼津のふたつ上で記載されているが、いまだ、勝ち点43になっている始末。
(☞ 註: 10/18 13:00現在で)

こういうところに手が回らないようでは、シャトルバスの手配とリリースもギリギリのタイミングかな?、と半分諦め気分なのだ。

最悪、バスがなけりゃあ、付属駐車場に早めに到着するしかありませんかね?

……、とプレビュウにも辿りつけない愚痴に終わってしまう、今回のつまらなさ。

では。

ジョー氏、旅立つ。

一昨々日、ジョー氏はひとり、旅立った。

かなり長い休暇を取って、生まれ故郷の、北九州(小倉)へと。

少々気ままな、自動車での行き帰り、と聞いた。

ご亡母の墓参、という名目らしいけれど、

きっと。

小倉の街角を経巡っては、いまはもう廃れ、消失してしまった光景を懐かしんでいるのではなかろうか。

資さんうどんからは消えたメニュー。

もとは、だだっぴろい駐車場であった場所に立つ、ミクスタの容姿、

仕舞ったお好み屋の跡地、そんなものばかりを……。

空ではつながっているのに、長く思いを馳せながらも、なかなか辿りつけない場所は、誰にでもあるものだ。

では。

無慈悲な沈黙 (2023.10.15 長野戦レビュウおしまい)

たしか、ハーフタイム。

― あのね、今日は、選手紹介時にやる、定例の、〇〇のファンサポーターの皆さん、ようこそアルウィンへ、はなし。

ガチャの(アルウィンTV)、アウェイ席への歓迎挨拶もなかったのよね、と家人。

へぇ~。

このゲームを、格別な舞台とも思っていない僕からしても、

こういう無慈悲な沈黙は、よく深慮された、なかなか上品な演出ではないか。

愚弄のための拍手と同じように、場の雰囲気盛り上げに効くから、どんどんやったらいい。

さて。

レビュウの最後に、プレビュウでも求めた、意味ある交代カードが切られたことを高く評価しておきます。

先発メンバーの出来が良かったこともあって、全体として交代投入が遅くはなったけれど、5枚それぞれに価値あり。

とりわけ、アシストの渡邉と、決勝点の野澤が含まれていたんだから、交代策はズバリ的中!!、でした。

山口 一真のコンディションを勘案しながらカードを切る趣きであったんですが、

こうなると、滝 裕太、鈴木 国友、榎本 樹がピッチに立てなくなる、といった無念も湧いてくる。

さらに、#7ルーカスヒアンは、今季、秘密兵器のまま終わってしまうんか?、といった心配もしなくちゃあ、とは、

3部にあっては、かなり贅沢な悩みですな。

― 宮阪かぁ、やっかいね。

と家人がつぶやいたのは、すでに、終盤の90分。

焼石に水的にでも、宮阪、加藤を、どん尻で投入せざるを得ない長野の台所とは、ずいぶん違うってことか、山雅。

ならば、その厚く有能な戦力層を、残り7戦で、証明するだけ。

では。