〈幻〉と戦う愚かさ (FC琉球戦レビュウ❶)

同点とされるも、突き放して、2 – 1 の勝利。

内容、結果ともにグッジョブ、と評価したいゲーム。

準備してきたものを淡々と、しかも、手を抜かずに、チームは闘っていた、と思います。

村越 凱光のロングスロウひとつとってみても、〈実直に〉やってました。

そう、すくなくとも、チームは。

……というのは、いま、山雅界隈で煩わしいのは、

〈昔日の幻影〉に目がくらんで、チームの今をよく観ていない、山雅ウオッチャーであって、

実際は、リアリズムの眼でウオッチしていないからこそ、トンマな言説に走るんでありますが、

例えば、FC琉球について、あたかも、山雅キラーのごとくにジンクスっぽく言うなんてこと。

過去、4戦全敗したことは、事実。

けれど、今季前半戦における両者の出来を観たら、こういう言い方には、決してならないはず。

正確には、

どっちが勝ってもおかしくはないが、自己サッカーの追求という進化面では、山雅にかなり分がある、といった観測にならないとおかしい。

それが、もしもマジメなサッカー評であるならば。

考えても御覧なさい。

数箇月前ならば、このカード、

昇格筆頭候補による決戦、好カード、とはやし立てる向きもありました。

だが、今や、そうは表現されないところに、昨夜のゲームの重い基調があった。

つまり。

琉球には、2年前の凄みはもはやなく、

主に、前線プレイヤーの経験と個人技に依存するような、変に大人びた迫力の無さがめだつ。

数年間の2部リーグ暮らしが、かえって、チームの牙を削ぐ?、まさか。

主審の笛が適切でない部分も多々あったが、ファールまがいのインサイドワークは、時として、琉球みづからのリズムを崩していましたしね。

他方、山雅にすれぼ、まだひ弱さは残るにせよ、ここ4ゲームで仕上げて来た到達形を大切にしながら、サイドおよび中央を活かして前への傾斜力を強める、そんなチャレンジがあった。

結論からすると、

山雅による、自分のゴールからは、より遠いスペースでバトルを挑む、という〈割り切り〉、それが奏功したと診る。

ロングボールの思い切った蹴り出し、それによって相手を奥の方に押し込んでおいて、こっちは前を向いてセカンドボールを狙う、そんなやり方です。

それに付き合う格好で、琉球は、基底からの組み立てを棄てざるを得なくなって、その攻撃からは、リズム感が失せましたから。

では。

33% の生きかた (本日は琉球戦)

リーグ戦、残すは 13ゲームで、

ちょうど3分の1 となった、今。

怪我などによる離脱をやりくりしながらも、

ひとつ。

直近の4ゲームでは、先発メンバーが、まったく固定化して、4 – 2 – 1 – 3の初期布陣で戦ってきた。
(それによる戦績は、この際言い出すとキリも無いから、まぁ、どうでもいい)

ふたつ。

FC大阪戦では、山口 一真が途中投入され、夏の補強メンツがすべて使われるといった律儀さ。

今節も、これをベースにするんだろうけれど、注文したいことがみっつ、ありまして、

その、ひとつ。

ふたりのボランチと、スリートップ下のひとりで形成する、トライアングル。
ここの組み合わせ。

思い切って、菊井 悠介を1列下げて、安永 玲央と並べてしまう。

で、いままで菊井がいたポジション(トップ下)に、山口を据える。

こうすれば、おのずからボランチが高い位置へと競り上がるだろうから、より攻撃的なサッカーができる。

山口、菊井、安永。

彼ら3人は、いづれも、

背番号#10を背負えるほどのタレントであって、

3部リーグで、これほど贅沢な共存をモノにしているチームは、他にない。

ふたつめ。

息子に言わせれば、現在の山雅で、〈ドリブラー〉と呼びうるのは、菊井ぐらい。

彼の場合、ボールを収める一瞬にして、ボールと身体を絶妙な位置に置き、そこからドリブルに入る速度が、秀逸。

どこかでワンタッチのプレイを挿し込んでいく、そこへ更に、ドリブルで切り裂く、

そうやって緩急つけないと、なかなか局面を刷新できないし、そもそもワクワク感が生まれない。

どうでしょう?

ここは、来季を見据えてでも、田中パウロを復帰させる手(準備として)もあると思いますがね。

最後、みっつめ。

陣形のセンターラインの、基底部、つまり、ゴールキーパーの件。

ファーはなす術なく見切り、ニアは破られまくりの村山 智彦を、いつまで引っ張るのだろう。

後方から、あれだけ文句言われ続ければ、ディフェンス陣なら、

そこまで言うなら、ちゃんと止めろよ、くらいに思っているはず。

薄井 覇斗(流経大卒 2年目)をチキンと育てられずに、どうするの、山雅?

では。

優等生は,嫌いじゃあないが (遠い大阪)

てなわけで、前節は。

リアルタイムも、見逃しも、はたまた、公式ハイライトさえも、観る気にならず、遠い昔のことになった。

でも、まぁ、スタッツでゲームの流れくらいは知っとくか、と読んだら、

ゲーム冒頭の15分。

ボール保持が、〈え?!!〉ってくらい、予想を裏切り、極端に大阪側に傾くと、

立て続きの、2失点。

以降は、こっちが、ボールを握り返し、

クロス、シュートは、相手の3倍くらいを叩き込み、

2分弱に1回は、相手陣内深くまで攻めいったものの、ゲームオーヴァー。

 

……、相手による突貫攻撃の時間、土壇場が、ゲーム中どこにあったにせよ、

その強圧に抗しきれず、ゲームを落とす。

侵入されたら、マジメに、けれど、ついて行く守備のままに、ゴールをゆるしてしまう。

こういう展開を、前に、今季の〈勝負弱さ〉と書いた。

やりたいサッカーがあって、そのためには、技量に基づいて、準備したやり方、手法を積み重ねる、それは否定しない。

が、どうも、優等生の域を出ないのですよ。

(シュート本数を高め、かつ、枠内シュート率も高めているような、優等生的な努力、これは、もちろん評価)

ゲーム様相が、相手に利してグッと流れ出したら、

味方さえも欺くような、ナタの一撃を一閃、

要は、フツーならば〈悪手〉に見えるくらいの捨て球をカマすとか、やられ放題のちゃぶ台をひっくりかえすような捨て身、そういう発想がない。

よく言えば、勝負師的な、(相手からしたら) 憎らしさ。

勘違いしてもらっては困るが、こういうのは精神論ではなくて、

あくまで、方法論の話であります。

明日やってくる琉球戦にしても、

ゲームの〈肝〉を、こっちに手繰り寄せなくちゃあならない時間帯はかならず出現するはず。

見どころは、その時の戦いかた。

では。

あるじ,帰還スル。

新型インフルエンザ感染症から、ほぼほぼ軽快。

検査陽性による確定診断から、一週間。

まぁ、人並みだった、ということで。

いましばらく、アタマの中を静かにしておこう。

少し前に亡くなった、ジョージ ウインストン (1949~2023年6月4日) のピアノを聴きながら……。

静かに眠れ、ジョージ。

では。

緩と,急と (FC大阪戦プレビュウ)

はじめに、リアリズム。

〈勝ち点〉とは、原則減らないもの。

だから、他者の積み上げは無視できないにせよ、
残り14ゲームで、10回勝たなければ(≒勝率 7割)、昇格ステージに浮上できないのが現実。
ここまで高い授業料を払わされた感があるので、せいぜい投資を回収するさ。

さて。

前半戦のホームでは、やっと勝てた、FC大阪のサッカーの特長は、おもにふたつ。

❶全得点の 53%は、セットプレイからあげている。

❷ポゼッションにはこだわらず、とにかく縦に速く攻撃を仕上げる。

……、となれば対応とは、

❶ハーフライン近辺であっても、ムダなファールを犯さずに、しかも自陣深く侵入させない(相手のコーナーキックと、ロングスロウを避ける)

❷どうしたって、ボール保持はこっちに傾く。
なので、なんとか相手のプレスをかいくぐり、デイフェンスラインの裏のところで勝負。

☞ ❶と❷を成就しようとするなら、

攻撃面では、ゆっくりやる時と、急にアクセルを踏み込む時の切り換えについて、チーム意思を統一する。

その上で、縦パスを多用すべき。

クロスは、相手守備の視野を動揺させることができるが、サイドへ展開する時間がかかり、ボール弾道距離が長くボールがイーブンになりやすい。

ゆえに、(大阪は4バックだから)ふたりのセンターバックに対し、数的優位の中で、出来る限りゴールマウス正面からシュート!!
山雅は、3トップだろうが、ペナルティエリア幅における、2~3のプレイヤの連携が、必要。

とにかく、リーグ最少失点!! の相手なんだから、

アシストとなるパスの供給k起点を多彩にして、そのデイフェンス陣を揺さぶるしかありません。

あとは、不幸にして相手にボールが渡った瞬間のケア。
守備の受け渡し、オープンなスペースで自由にやらせない、そんなところか。
つまりは、速く態勢をつくってしまう。

では。