〈詩〉ではない 何か。

吾亦紅、と書いて、〈われもこう〉と読ます。

秋の日に、桑ズミにも似たその花が、風に揺れている……。

自分もこうなりたい、というネーミングは洒落ているが、

果たして、そのお方、どうなりたかったのか知らん?

 

宮沢 賢治 (1896 ~ 1933 ) の死後、遺品の中、見つかった手帳に記されたメモのひとつに、

雨ニモマケズ、風ニモマケズ、で始まる、30行が在った。

この冒頭だけで、読む者を惹きつける賢治は、やはり言葉の達人。

けれど、案外、多くの人は、30行の終りまでを読んだことがないのでは?

であるなら、どこかで立ち止まって読むのも、ムダにはなりません。

僕は、その一節の、

イツモ シズカ二 ワラッテヰル、が気に入っている。

ただし。

これは、決して〈詩〉ではない。

理由は、作者が、詩として発表するつもりのなかったこと、これに尽きます。

賢治の詩に触れればすぐにわかるけれど、これを詩と認めないのが、賢治。

せいぜい、自分はこう生きたい、と書き流してみた、そんな記事です。

けれど、たとえ、

実際の賢治が、こういうふうに生きたかったとしても、

作者の生活態度と、その詩作品の価値とは、なんら関係のないのが、文芸のいいところ。

読む側が〈詩〉と思えば、それでいいだろう、って?

言葉による、気の効いた、斬新な発想や感覚の羅列。

いやいや、詩とは、それ以上のもの。

つまり、この世界を観る〈こころざし〉といったもの(補足しました)が、詠み込まれていなければなりません。

では。

21世紀少年による現実。 (宮崎戦レビュウ❷)

宮崎戦の先発メンバー。

36歳の村山(ゴールキーパー)をのぞいた、フィールドプレイヤー10人の平均年齢は、23.4 歳だった

調べたわけではないが、3部リーグにあっても、最少年齢の部類に入るだろう。

さらに、そこには、ホームグロウンプレイヤーが、4人含まれる。

この4人はすべて、レンタル移籍、いわば、出稽古の修行を経ていて、レギュラーを張るまでに、それなりの数年を過してきた。

現状山雅のサッカー、特に、その強弱についてどう思おうが、

認めようが、認めまいが、

これが、僕らが一緒に戦うチームの現実。

大学、高校を出て2~3年の経験を積んだプレイヤーが、ともかくも、中心的な役割を担う、そういう世界。

ここには、一本筋の通った、計画的なチーム編成のヴィジョンがうかがわれる。

やってるほうは、21世紀生れ、観ているほうは、多く20世紀の少年少女……。

そういった事情をベースに、

宮崎戦では、おそらくは狙うところの、ひとつの典型を魅せてくれたチーム。

❶徹底して、より前方からのファーストディフェンスを敢行することで、
相手から自由なボール扱いを奪い、こちらの攻撃起点を高く保つ。
(単に、カウンター攻撃に活路を求めるスタイルとは違う)

❷ボールを握ったら、常に〈前方向〉へとそれを動かし、かつ、相手の守備陣形が整う時間をあたえずに、攻撃をおこなう。
たとえば、菊井は常に小松 蓮にボールを入れようとし、野々村は、野澤に縦パスを通そうと機をうかがう。
いったんボールを後ろへ下げて、前を向いたプレイヤーに預け、そこから前にボールを挿し込む、なんてことも多用。
〈速く〉を意識していたから、あの夜のクロスは多く、斜め後方から中央へ蹴り込まれた。

宮崎にしてみれば、山雅のファーストディフェンスを、中盤でかいくぐりたかったんだが、そうするには、いささかボランチの動きが不活発でそこが使えず、サイドへサイドへ展開するしかなく、山雅にとっては、守備するに容易だった。

#16 石津がいちばん厄介な存在で、中央に入ってきては、危険な縦パスを通すなどして決定機を演出。

ゆえに、60分、宮崎は石津をピッチから下げ、フォワードをそっくり3枚替えする手法を採ったけれど、これは山雅を利することとなった悪手だったと思う。

中央に自在に入って来て仕事ができる者の不在は、痛い。

若いが故かも知れないが、山雅プレイヤーはけっこう走れているから、フレッシュな相手にやられっぱなし、ってことは、少なくなっている。

3連勝がかかる、次節岐阜戦でも、❶❷は間違いなく継続、深化でありましょう。

では。

欲張ったからこその (2023.9.17宮崎戦レビュウ❶)


Happy Birthday !!

村越によるゴールを、結果として、モノにする格好で、

遠方のアウェイ、1 – 0 の勝利。

先制後。

当たり前のこととして、2点目を獲るべく攻め続けたからこそ、手に入れられた勝ち、と言えましょうか。

このことは、本当に大切な姿勢。

ガチガチな守りに打って出たのは、ようやく、90分あたりからでしたし、

それまでは、宮崎ディフェンスの疲れを衝く形で、多くファールをもらうこともできて、

セットプレイに時間を費やせる幸運に助けられた。

まぁ、相手を疲弊させたのは、もちろん、山雅の殊勲なんですが。

さて。

レギュラーの両翼(サイドバック下川、藤谷)を欠く布陣。

これ、長野とやった4箇月前にも起きた、ある意味、緊急事態。

ところがここに、チームとしての成長、深化がはっきりあって、

ファーストディフェンスを怠らない前線と、
果敢に攻撃を狙う守備陣と、
それを連結して、ボールをさばく中盤(ボランチ)の
3つが巧く連動することで、

宮崎にはフリーでシュート体勢に持ち込まさせず、こっちは、常に前を向いてプレイした。

たしか、#10下澤のミドルシュート (村山の好セーブ) 1本くらいでした、自由に打たせたのは。

宮部の起用も、宮崎のやっかいな左サイド(山崎ら) を外に追い出すのに大いに効いた。

ミスもあったけれど、それをみづから取り返そうとするプレイが続きましたから、

僕からすると、昨夜こそ、〈完勝〉の部類に入れるべきゲーム

MVPとしては、攻守に奮迅した、小松 蓮を、断トツに推します。

では。

居残れ.この夏のごとく (宮崎戦プレビュウ❷)

プレビュウ❶では、

緩慢なプレイ、スキ、ミスは禁物と、書いた。

たとえば。

速くやりたいがための、ワンタッチプレイの跳ね返りによって、
ボールがなぜか相手に渡ってしまう、こういうのもミスですよ。

テニスでいう、アンフォースト、ってやつ。

試合の大局は、こっちが握ったにせよ、

ひたすら、

前方には、相手ゴール近辺へと、手早くボールと人が到達する、

後方へは、前に向かうのと同等の速度で戻る、……を徹底しよう。

自分のゴールからは〈遠く〉、相手ゴールへと〈速く〉

で、みっつめのテーマは、〈中へ〉

サイド攻撃は、相手の守備網を横に粗くし、かつ、ディフェンダーの視界にゆさぶりをかけられるから、重宝だけれど、

結局は、ゴール正面へとボールを運ぶ、という意味では、急がば回れ式なやり方。

サイド攻撃は、萬年これを、否定しない。

けれど、山雅の攻撃には、サイド一辺倒でない、プラスの要素を期待してもいい時季だと思う。
クロスを20~30本入れ続けるばかりでもなぁ。

つまり、ペナルティエリア幅の延長スペースを使って、ペナルティエリアに侵入する。

たとえば、緩なパスワークから、急な縦パスをかまして、突入。

または。

カットインして入って、前を向いたプレイヤーが湧いて来て、シュート。

中央は、相手ディフェンダーでキッチリ固められるかも知れないが、ここから撃てば、枠内シュートの確率は高いのだから、狙いたいね。

サイドに振った、かと思えば、ディフェンダーの佇立する、ゴールキーパーの死角から打つ。

要は。

シュートの前のボール、すなわちアシストの起点が沢山あることが大切だろうし、タレントがここまで揃ってくれば、やらない手はない。

ともかく。

対戦してみないとわからないのが、3部リーグ特有の未熟さではありましょうけれど、

常に、できるかできないかの限界点にチャレンジしてないと、退化が忍び寄るのが仕事。

ねちっこくもいまだ居残る、今夏のように、諦めずにリーグ戦を戦うのさ。

では。

知らないものは,わからない? (宮崎戦プレビュウ❶)

明日はいよいよ、アウェイ宮崎戦、なんである。

残りゲーム数が少なくなるにつれ、ますます、力を込めなければならない。

が、どうにも、あまり奮い立たなくて困っとります、がホンネ。

テゲバなんとか、とかいった、きょう日、時代錯誤に過ぎるチーム名は、まぁ、いいとしても、

どんなサッカーをしたっけ ?

アルウィンでも観ているはずなんだが、ほとんど記憶にもなく、かといって、いまさら詳しく識るのもおっくうで。

これじゃあ、プレビュウを掲げる資格がないよね、と思いながら、無理してなんとかこねくれば……、

❶今季、3得点をあげたゲームは、みっつ。
対鹿児島でふたつ、琉球戦でひとつ。
大人びていて、比較的ゆっくり、じっくり派のチームを、上得意としているのか?

❷他方、鳥取と、讃岐には、4戦して4敗。
鋭く速い攻撃をウリにするチームには、どうも苦戦のようだ。

❸最近 4ゲームで、無得点。

☞ となればきっと、少ないチャンスをモノにするつもりでやってくるだろうし、

松田さんのサッカーは、ある意味、オーソドックスで、マジメ。

それと、案外、偏重した駒の使い方をする印象あり。(=個性を、律儀に重視する)

ならば、たとえこっちが、ゲームの大勢を制せたとしても、みづからのスキには要注意、

で、相手のミスをこそ衝かないといけない。

となると、互いの攻守の綻び、これの狙いあいになりそう。

では。