最後まで,~らしい試合 (奈良クラブ戦レビュウ❶)

0 – 1 の敗戦。

失点は、

カウンター気味に入ったロングなボールを、その処理に味方で交錯、もたついた隙に、かっさらわれて、キーパー不在のゴールに決められたもの。

中にはセンターバックふたりがいながら、その間に飛び込んだ浅川をフリーにしてしまう。

ポイントは、

深くえぐって中に入れるボールには、かならず入ってくる、という決まり事が奈良にはあった、ということか。(このことは、かなり重要!!、次回以降、後述します)

ゲーム開始の10数秒で。

ボランチの中島 賢星から、縦に長い素晴らしいボールが鋭く入って、それをシュートまで持っていかれたシーン。

すでにこの時に、ゲームの伏線が張られていたことに、山雅側(スタジアムも) が気づいていたのかどうか?

かねてから僕が主張する、縦に差し込むボール(パス)が必須、というやつの見本ですから、速い攻撃をめざすならば、むしろ、山雅がやるべきプレイ。

(☞ アウェイ鹿児島戦で、米原が藤谷に送ったボールも、これに相当します)

ゲームの総括。

相手守備の外縁をまわすボール保持が、やっぱり、得点とならないルーチンゲーム。

(もちろん悪い意味で) 最後まで、期待は裏切られなかった。

こういう律義さは、誰も求めていないのに……。

いちばんの問題は、

順位はともかく、攻撃が湿ったままの、ラスト3ゲーム(無得点)が効いて、

攻撃サッカー、と言う割には、リーグで 7番目の得点数(平凡でしょう!!)に落ち着いてしまったことでありましょうか。

最後に、こういうゲームを観てしまうと、お茶漬けみたいにサラリとすまそうとしたレビュウも、複数回になりそう。(おっくうです)

……と言いながら、

参戦した7,700人の皆様には申し訳ないが、萬年の失意は、まったくの軽症で、無傷に近い。

なぜなら。

今節、物欲まみれの僕に、(お金では購えない)たいそうなギフトがあったからでして。

もう師走なんで、これで、今年の運を使い果たしたとしても、かまやしない。

昨日の朝、今日は一日〈人にやさしく〉過ごそう、と心に決めたものですから、

4番のゲートを、

すぐ前で、ずいぶんと手間取っているご高齢の婦人を、追い越しすこともせずに、心静かに待ったあとで。

通過した順番でいただいたマッチデイプログラムのご褒美!!、ということにしておきます。

では。

ヴェテラン論 (2023季,急いで総括)

リーグ戦が終了すれば、すぐに、

満了、移籍、更改、加入のリリースが続くだろうから、

ファンサポーターは、新情報があるたび、もはやそれだけ、こころは来季。

とにかく。

所属の半分近くがごっそりと入れ替わる毎度のシーズンオフなんで、なんともせわしい。

数年前だったか、コンサドーレがそれと一線を画し、既存プレイヤーの全雇用を打ち出したことがあったり、
ジュビロは、2023季、補強一切禁止のペナルティの中で闘い、見事、2部リーグ第2位。

とすれば、出来る限り現有戦力の保持でいい、と思うが、

山雅の場合、個の流出を防禦できるような立ち位置、戦績でもないから、冬を安穏に過ごすには、過度な期待を持たないのがなにより。

さて。

2023季を総括すれば、究極のところ〈ヴェテラン不在の功罪〉だろう。

ゲーム登録メンバーの肉体的年齢が低下するとともに、

ヴェテランの不在が、好不調のゲームがかわりばんこに現われる現象にかなり大きく影響した。

ここでいうヴェテランとは、単に年齢が高く経験豊富である以上の、いわば、インフォーマル(非公式)なリーダーシップを発揮できる者を指す。

山雅の場合、2021季に田中 隼磨がほとんどピッチから去った頃から、
そういったプレイヤーはずっと不在。

隼磨は、そのプレイでチームに喝を入れ、ゲーム潮流をこっちに持ってこられる存在だった。

さらに、2022季、佐藤 和弘が移籍していったことで、ゲームの流れを寸断できるプレイヤーは消えた。

と言っても、

今の山雅は、ヴェテラン不在を嘆くようなゲーム統治をおこなっていないので、

正確には、〈ヴェテラン不要〉で戦った一年だった。

ゲーム前後、ピッチでチームが円陣を作る、ってのがその象徴的な光景。

現有の比較的高年齢のプレイヤーは、統率者というよりは、〈仕事師〉の容貌が色濃い。

要は、いまの山雅、フィールドマネジメントにおいて、

ヴェテランの持ち味を、アテにしていない。

(ファンサポーターの知りえないところでの実態は知らないが)

僕は、引き続き、不要論の立場でチーム編成をすべき、と思っている。

おそらく。

ゲームの出来不出来の波が大きい、勝ち切れない、引き分けに堪えられない、そういったゲーム運びの修正は、

個の技量とチームスタイルの完成度を高めることによって、というのが首脳陣の思考に違いない。

そうするには、流出を最小限にした上
たとえば、和田 昌士(現いわて)のようなタレントを補填することによって、

背番号#10 を背負うための競争を激化させるここと、

犬飼 智也(現柏) クラスに声をかけて、守備陣の定位置競争を活発化すること、

このふたつは、やらないと。

では。

もうひとつの責任 (姉妹たちよ)。

女性のほうの、お話。

❶今季結成されて、即、北信越女子サッカーリーグに参戦した、〈松本山雅レディース〉

U-15 でやってた彼らが、長じて、やがて松本へ戻った時に、サッカーを続けたいという意思の〈受け皿〉となった。

出来立てだから、けっこう大量失点のゲーム報告も目にしたけれど、

終わってみれば、8チームでのリーグ戦をこなし、6位。

戦績は、2勝4分8敗の、勝ち点 10。

得点 28は、上から 数えて3番目というのが、いいねぇ。(ただし、トップ2との差は大きい)

小林 陽介監督、なかなかやるじゃないか。今度お目にかかったら、深く御礼するのだ。

❷U – 15 レディース(中学生年代)、2023リーグ。

結成されて 5年が経過。

いまや、北信越 U-15レディースリーグにあっては、

アルビレックス新潟レディースU-15と、双璧をなす存在となった。

2023季の最終成績は、

14戦して、12勝0分2敗で、勝ち点 36の、2位。

得点 64、失点 9 はともにリーグトップ。☜ 特に強調!!

(1位は、アルビレックス新潟で、12勝1分1敗の勝ち点37。得点55、失点10)

中学時代を、山雅で鍛えられ、やがてリターンしてレディースで活躍する、そんな流れが確立されれば、良い。(男性だって、まったく同じ)

……となれば。

競技である以上は、より上の世界を望みたくなるのが人情でして。

女子サッカーのトップリーグは、(いちおう)WEリーグ(12チーム参戦)。

たとえば、AC長野パルセイロレディースの場合、

収入(売上) 1億7,300万円、支出 1億1,900万円、

東京V 日テレベレーザだと、

収入(売上) 3億7,400万円、支出 2億4,500万円。(ともに、2022季決算より)

クラブ決算のなか、どこかにマジックがあるやも知れないが、これを見る限りは、

トップチーム(男子)と二股は不安定、とった危惧の議論は、あまり適切でもない。

かように、やがては、トップリーグの世界へ、とは思いますが、

まづは、アカデミー関連収入(いわゆる月謝)を、早くなくすことが先決。

スクールを無料化すれば、家庭の経済的な負担を、すこしでも軽減できる。

山雅の場合、2022季で、

アカデミー関連収入が、2,300万円。
対し、アカデミー運営経費は、1億400万円。

もともとが、この分野は、ヤングジェネレーションの育成と地域への還元だから、黒字化は目的でない。

この際、授業料 0円 (ただし家族の負担はそれ以外に多い) として、

かつ、財布の現状をもっと公開することで、RAZUSO 基金への募りを加速しよう。

では。

攻撃的 3バックを推す(奈良クラブ戦プレビュウ)

その理由……、

❶奈良は 4 – 1 – 2 – 3の布陣を採るから、プレイヤー対峙にチグハグを生じさせることで、サイドを侵したい。

❷両サイドの連携、そこからの切り込みは、山雅好不調のおおきな要因であるから、そこに対し、よりインテンシティ(強度)を増すため。

❸ゲーム中の、4バック☞3バック変換は、プレイヤ交代とセットになっていて、それなりにリフレッシュは注入できているが、

ゲーム状況(リード、ビハインド)を、磐石へと、あるいは、ひっくり返すほどのインパクトに欠ける。

ならば、ボール保持であろうと、ロングボール多用であろうと、〈攻撃的〉という条件で、冒頭から運用すべき。

で、萬年式で、提案すると、

補足 ❶ロングスロウを使うなら、榎本。
(追記、左サイド、下川はほぼ諦めているために)
❷山口は、直近90分プレイ可だが、限界がくれば、そこへ国友。
追記、小松のバックアップは、渡邉 千真。

❸左サイドの切り込みには、今季はほとんどやらない常田のオーバーラップが必要。

❹安永は、2列目でも活きると思うから、滝と互換性あり。
その場合、ボランチには、パウロ。

❹村越は、滝のバックアップで。

(追記、図から落としてしまいましたが、GKはビクトルで)

奈良クラブは、反則数、カード数、ともにリーグトップを走る。

ひとつには、フィジカルを補うため、

あと、自陣で奪取して、攻撃をドリブルで仕掛けるスタイルのため。

ゆえに、ボールコンタクトで競り負けずに、

要らぬファールをもらわないため、持ったボールは、ワンタッチを混ぜて速く手放すことです。

当日、オフでないため、キックオフに間に合うかどうか?

ですが、初めから飛ばしててください。

では。

義は我にあらずとも『The Deer Hunter』

映画ディアハンター (1978年公開、米) については、

過去、当ブログ、何回か取り上げた。

今回、その曲で締めようとしている、サウンドトラック『カヴァティーナ』の美しさ。

将来、スターダムに登りつめた役者たちの、若き日の競演。

出演した作品すべてが、アカデミー賞にノミネートの、 ジョン カザール(42歳没) の遺作。

デ ニーロが着用している、シェラデザイン社のマウンテンパーカに惚れた、……等々。

で、ダメ押しで、以下を追加します。

❶180分を越える上映時間の中、戦闘シーンが、10分程度。

そんな凝ったシナリオでは、鹿狩り(deer hunt)は、2度おこなわれる。

主人公の出征直前と、ヴェトナムから(名誉の) 帰還の直後と。

先の狩りでは、見事に  (ワンショットで) 仕留め、後のほうでは、照準を定めながら、大物を敢えて撃たない(撃てない)。

おそらく、その違いに、無垢な青春が、ヴェトナムを通過したらひどく損傷したことを描きたかったんだろうが、

僕の意見では、

先の狩りでは、主人公に撃たせないでおいて、後の狩りでワンショットで仕留めさせれば、作品の言いたい、戦争の残虐は、もっと描き出せたはずだ。

❷戦争の悲惨……。

フランスがやっていた戦さを引き取る格好で、他国に押し寄せ、銃火を浴びせまくり、雨のように爆弾を投下した側であるアメリカが、

自国の青春の悲惨とか、恥ずかしげもなく、よく言うよ。

良心の呵責からだろう、劇中、南ヴェトナム農民を殺害するのは、北ヴェトナム軍の設定。

米軍だって、同様な行為はゴマンとしていたのだから、

つまりは、描いたもん勝ち、という世界がここに在る。

これって、太平洋戦争を描く日本映画にも言えるんで、お互い様。

あとは、どうやって巧く人生や人間を、観る側に、その立場に応じて〈納得させて〉描けるのか?、だけが残る。

その手際は、けっこう上等です。

身勝手な戦争に従軍することの、虚無が、ハッキリと描かれているシーン。

入隊前の主人公(デ ニーロ)が、壮行会が行なわれている酒場で、

帰還した(と思われる)グリーンベレーの軍人と遭う場面が、それで、

早く戦場へ行きたい、と話しかけてくる無知な青年に向かい、軍人は、ただ、

― つまらん!! (原文は、下品な4文字)、と応えるだけ。

グリーンベレーを演じているのは、ポール ダマト (Paul D’Amato, 1948~ )で、前年公開の『スラップショット』にも出てた。

作品の主題からすれば、この迫真の演技は、もっと評価されていい。

では。