スペクタクルな魅力。 (鹿児島戦レビュウ❷)

 

このドローを、

京子さん、チノ氏、家人、そして僕といった、山雅を観続けている数人が、

グッジョブ(good job)、と讃えるのだから、

そして、一昨夜の、アルウィン全体の雰囲気からも、

勝ち負けだけの、いわゆる、勝ち馬に乗りたい主義者は、実はごく一部であって、

そりゃあ、負けてもちろん嬉しくはないにせよ、

おおかたの山雅ファン&サポーターは、ゲームの見応え(= 内容)を、重要な評価のものさしにしているんだなぁ、と目からウロコの僕なんです。

ですから、僕など、

棚ぼたで勝ってしまったが、面白くもない、ふがいない勝利には、

自然に、不興のBOOが湧き起こる、そういうアルウィンを待ち望んでしまう。

要は、みごたえがあるのか、ないのか?、これです。

萬年式定義だと、

驚嘆すべき、フレッシュで、かつ、チェレンジに富むプレイが随所にあること。

鹿児島戦は、そういうゲームのひとつであったと思います。

スタッツを診る限りでは、鹿児島が、8割くらいは牛耳ったゲームだった。

結局は、サイドに張り出した2トップに、サイドバックからロングボールを入れてそこを起点とし、

中央に入って来る時は、次々とプレイヤーが相手守備の裏から顔を出し、ミゴトにボールを動かしていく。

律儀で、硬派で、定式的な 鹿児島の 4 – 4 – 2サッカーが、特に、最後の決め所がボケてしまったこともあってか、

我がチームがやっていることに比べたら、なぜか退屈、陳腐にみえてしまった。

まぁ、我が子可愛さの、多分に贔屓目、でしょうが。

山雅の魅せたところ?

たとえば。

ピッチ幅をひろく使い、センターバック、ボランチから、ビッグスイッチ(サイドチェンジ)をかまして、特に、樋口 大輝を活かした点。

サイドの狭いところでのボール移動をほぼ封印し、〈早めの〉クロスを投入して勝負した

菊井の入れたボールを樋口が折り返し、中央から想来が決めたヘディングゴールが、その好事例。

それと。

ボールをドリブルで持ち上がって、相手守備網に揺さぶりをかける、あるいは、受けるべき側がパスコースに顔を出すこと。

これらには、準備(練習)での鍛錬を感じました。

ですから。

こういうプレイを多く表現した 安永 玲央の敢闘賞は、ごく至当でありましょう。

特に後半。

惜しくも外した、といえるシュートは、断然、山雅のほうに多かったが、

それは、守勢に立たされる時間が多くなったなかでの、カウンター攻撃を活かしたものだった。

ただし。

あの時間は体力と知力が疲弊しているため、どうしても決定力が低下してしまう、

全員守備、はわかりますが、

あの場合、ツートップを形成していた菊井、想来は、

みづからが、クリアボールの標的となって、ゴールへ運ぶためにも、もっと高い位置取りをすべきではないか。

……というのが、チノ氏のご指摘。

自陣に閉じこもるのは、プレイオフ富山戦で痛い思いをしてもいるわけですから、

チームとして、せっかくのクリアボールを、相手に何難なく拾われてしまうことを根絶したいですよね。

最後に。

その名のとおり、大きく輝いた MIP(もっとも印象に残るプレイヤー)には、

樋口 大輝を、推します。

では。

〈楽しい〉ドロー (2025.6.21鹿児島戦レビュウ❶ 速報値)

先制するも、直後に、セットプレイ(CK)から被弾して、

1 – 1 の引き分け。

やっぱり、セットプレイがゲームの帰趨を決めたか……。

残念ながら。

〈完勝〉はならなかった。

けれど。

リーグ前半戦の締めが、2部からの降格組とやる 3連戦という苛酷な日程の中、

その初戦は、これ、今季のベストに近い、良い出来のゲームだったよなぁ

☞ 追記 たとえ、後半、あれだけコーナーキックを浴び続けて、自陣に釘付けにされても、

あらためて、ここまでチームを創ってきた早川さんに感謝しなければ、と思いながら、

我がチームが、挨拶のため、スタジアムを周るのを眺めていました。

ゲーム終了直後。

家人の携帯に、京子さん(ずっとサポーター) から、メールが入信。

…楽しかった、いままでにないような楽しさ。
ここからだ、と思いたい。

簡潔にして、ズバリ精確なゲーム評ですな。
ほとんど言い尽きていて、
さすがは〈山雅〉を観続けているサポーター、と感心するね、と家人に言うと、

― このゲームの爽快感はね、誰もが受けた印象なのよ、と一蹴されてしまう。
(つまりは、自分も、と)

― ところでさ、京子さんは、アルウィンにいたのかね?

― まさかぁ。彼女、今は、ガンとの闘病生活,って、いつか話したじゃあない。

立て続けに、二蹴されてしまったが、

昨夜の共有された〈希望〉が、京子さんの戦いの力になることを、祈るのみ。

(良きゲームのその中身は、プレビュウ❷ですこし)

では。

状況は,我々に不利である (鹿児島戦プレビュウ❷)

しかも、(データでは) 一方的に、厳しい劣勢。

……鹿児島ユナイテッドFC。

たった1年で、2部リーグから降格。

(なにがあったのか、その理由は承知していませんが)

オフには、プレイヤー23人が退団し、新たに 19名が加入。

相馬氏を監督(兼GM)に迎えて参戦、ここまで、勝ち点27、順位は 第5位。

ほぼほぼ好調にリーグ戦を進めている。(勝ち点は、山雅と 5差)

2年前のチームとは、かなり味わいが違うだろうから、過去の対戦はほとんど参考にならない。

そこで。

今季、戦績上の数値をひろうと、

得点(ゴール)、シュート、クロス、コーナーキック、ペナルティエリア侵入。

これらすべての数において、リーグトップ!!

まったくもって、攻撃的。

で、その流儀は、サイド攻撃あり、カウンター攻撃あり。

とにかく、まんべんなく機をみて相手ゴールに迫る。

でもって、ボール保持にこだわらないから、その侵入は、かなり素早いはず。

しかも。

守備面でも、4 – 4 – 2 一択で、手堅い。

被シュート数が、リーグトップなのです。つまり、撃たせたシュートが、もっとも少ない。

山雅も追求している、前後に切り換えの速いサッカーであることがうかがえる。

……こう描写しただけで、これはもう、

鹿児島とやって、相手より 1点でも多く獲ってゲームを終えられたなら、それでもう〈完勝〉で考えるべきであります。

相当に手強い相手、とわかったうえで対峙する、そこがスタート。

かといって、弱点が皆無でもあるまいから、どちらかといえば、ボール保持はこっちに傾くとして、

なぞったようなパス打開は棄てて、とにかく前へ、

地上からでも空中からでもかまやしない

切り裂くような突進を多用しましょうよ。

あとは、セットプレイが肝になるだろう。

鹿児島サッカーは、リーグで 5番目にファールが多いので。

……となると、

優勢であるのは、ホームの応援を味方につけられることか。

これとて、相手をヒートアップさせてしまう要素でもありましょうが、

ひたすら、我がチームを鼓舞するのみ。

では。

なにが〈完勝〉なのか (鹿児島ユナイテッド戦プレビュウ❶)

前節の琉球戦、スコア(3 – 0)のみから評価する立場からすれば、

サッカーでは、たしかに、〈完勝〉なのかも知れない。

が、もうすこし踏み込むと、そうとも言えないゲームだった、と思う。

優勢は山雅のほうにあった。

たとえば、シュートは、山雅 20本に対し、琉球が、14本。

ただし、攻守にわたり、よりアクティブなプレイは琉球のほうが優っていて、

敵陣30メートルに進入した回数は、琉球50回、山雅37回。

ペナルティエリア侵入は、琉球18回、山雅11回だった。

特に、ヴェルディからのレンタル、#20永井(左2列目アウトサイド)は、攻撃面でめだっていた。(良いタレントです)

その中で、山雅は、3点獲って、無失点でやりきったから、もちろん、大したもんだが、決して、完勝ではなかった。

観戦者からすると、多分に印象が、ゲーム観として刻み込まれるので、

ゲーム最後の15分間で、シュート 7本(ただし無得点)を撃ちまくったのが、より評価を押し上げたかも知れないが。

さて、ここまでが前段で。

今節、ホームに迎え撃つのは、鹿児島ユナイテッド。

上に書いたような目線からすると、

いかなる格好や首尾であっても、山雅が、これに勝利すれば

要は、勝ちさえすれば

それを、間違いなく〈完勝〉と、僕は呼ぶことだろう。

して、その理由は、明日のプレビュウ❷で。

では。

良い三本締めのために 後編 (求めるカイゼンはこれ)

攻撃と守備について、それぞれひとつづつ、求める手当てを記します。

〈攻撃面〉
もっと顔を出せ!!

相手陣内におけるボール保持を高くしたい山雅、と思って観ているけれど、

パスを活かして相手陣内で勝負したいのならば

受け手側が、もっとパスコースに顔を出すことで、活きの良く、速い攻撃を創る必要がある。

しっかりと形成された相手守備網に対し、

現状、受け手の位置取りが消極的、というか運動量が少なく、よって、パスの出しどころを捜しては、逡巡する。

攻撃がノックダウンしてしまって、また、ボールを戻しては、やり直す。

もうひとつ。

持ち手の側からすると、もっとみづから持ち上がってパスコースを開拓せよ!!

横、あるいは後方へのボール移動のすべてが不適切とは思わないけれど、

やはり縦方法へ向かわないと、相手守備に穴は開きにくいし、それは、縦パスの機会をも意味する。

そう言う意味で、山雅、今季の(これからの)ポイントは、ドリブル (by チノ氏)に違いない。

何メートル以上をドリブルと呼ぶかは知りませんが、山雅は、回数的には、リーグ 19位です。

どの位置から始めるかはべつとしても、

ドリブルは、ゲームにおける、積極性のメッセージにもなるわけで、

相手守備の外縁をなぞることに終始するのは感心しない。

最近、センターバックによる持ち上げりが散見されるので、そのチャレンジは大歓迎。

昨季は中村 仁郎、いまは、青空を獲った山雅であるので、なおさら、

ドリブル選択であるはずなんですがね。

もちろん。

あらゆる手段を駆使するのがサッカーなので、

琉球戦のような、ショートカウンター、裏狙いのロングフィードは、機に応じて発動すべきですが、

ボールを握ることでゲームを主導したいのであれば、自分たちでスペースを拓こう。

〈守備面〉 

次節鹿児島戦は、セットプレイが勝敗を分ける、と診ている僕ですが、

このところカイゼンの兆しがみえないのが、コーナーキック時の守備。

ゾーンで守れば、警戒すべきは、
❶ゾーンの外縁から飛び込まれて、ヘッドで撃たれる。
❷ゾーンの前後端に入れられて、ヘッドで後方フリック、あるいは、ヘッドで折り返されて、それを決められる。

つまり、相手のヘディングには要警戒、これに尽きる。

この手当の無さを、長野、福島、清水と続けて見せつけられた。

高身長をマークしていない、競わない。

これでは、ゾーン内に飛んで来たボールをはね返す、ただ、それだけのこと。

なんだ、無策そのものではありませんか?

そこを、相手チームの顔ぶれに応じた対策をお願いします。

でなけりゃ、福島のように、マンツーマン守備にしたら、いかが?

では。