Man of The Match は ? (福島戦レビュウ❸など)

いわゆる、MOMってやつです……、ゲームの主人公、とでも。

順当には、

2列目に入って、前線のスリートップを巧く操り、ピッチを有効に使って魅せた山口 一真が、それを獲るべきかも知れません。

が、へそ曲がりの萬年は、

安永 玲央も、それに匹敵するような、チーム内成長をみせたので、推します。

ペナルティーエリア内で、渡邉に出したパス、とか、渡邉が胸で落としたボールをシュートまで持ちこんだプレイ。

ただ、安永があれほど高い位置にまで駆け上がって攻撃参加ができたのは

彼自身の深まり、はさることながら、

山口が右に流れて、相手ディフェンダーを引き連れていってくれたおかげで、中央に開いたスペースへと走り込めた事情も、ありましたけれどね。

となれば、やっぱり、山口、君が、MOMか。

最後に、次節に向けて指摘をひとつ。

福嶋の攻撃に堪えて勝ち点 1をもぎとった、と前々回書きましたが、

山雅のクロス 26本、それに対し、福島は 32本を投じた。

福嶋にしてみれば、失点もクロス、で、ペナルティキックとなるファールを誘ったのもクロス。

いわば、〈効いたよね、早めのクロス〉といった実相。

ここには、滝に替えて野澤を投入すると、村越が左にまわるので、左サイドが山本と村越のセットになる。

で、高さがイマイチ、という悩みが残る。
ゆえに、ここは、下川の復活、あるいは、宮部の抜擢、を願うわけです。

……ところで。

一昨日、いちばんの衝撃は、福島からの帰路、

車中で、2部リーグの最終順位をたしかめた時に訪れた。

前節まで2位に陣取り、得失点差が40越え!! の攻撃力を誇るエスパルスが、

なんとなんと、最後(土壇場!!)で、4位に沈み、プレイオフにまわる始末に。

僕は、とたんに、

沼津の待機列で言葉を交わしたあのエスパルスサポーター(青年)の、水戸の地における傷心に、勝手に思ひをはせてしまった。

なんだってあり得る勝負の世界ですが、考えさせられたのは、

清水指揮官、秋葉氏のお言葉。

(プレイオフに向かうにあたっては) 弱い心を克服する課題を与えられた、とのこと。

エスパルスほどに、個のクオリティとスタイルが出来上がっていて、十二分に強くあれば

もはや、戦法、戦術をどうこう議論する局面でもなくて、

残るは、精神論のみで鼓舞、なんでしょう、きっと。

山雅も早く、そういった境地まで到達したいけれど、はたして、それは、いつの日?

では。

言う側と,やる側と (福島戦レビュウ❷)

プレビュウでは、引き分けでもダメ、と言っておきながら、
そこそこ観ていられるゲームができていた、と僕が肯定的に診るのは、

その舞台裏に、チームが日頃、自分流のサッカー創造に取り組んでいる注力、努力の存在を感じるからでありまして。

毎度、クドくて誠に申し訳ありませんが、

夏の移籍(復帰)も含め、今季のチーム編成くらいに、

現場におけるサッカーの変容、変換に効いたのは、数年来なかったように思う。

たとえば、先制点。

藤谷 壮が、ゴールラインぎりぎりから蹴り込んだクロスボールを、

走り込んだ滝 裕太が、右足で後方にキックして送ると、

それを、渡邉 千真が滑り込みながらボレーシュートで決め切ったやつ。

3部リーグでは、ちょっとお目にかかれない魅せるゴール、だった。

そもそもが、サイドチェンジして、藤谷にボールを送ったのは山口 一真。

ゴールに結実した連携に絡んだのは、すべて新加入組であったのを、偶然、とは思いたくないわけです。

現状。

イチかバチかは棚上げしといて、流儀を培おうとする姿勢は、買います。
正直な話、来シーズンも視野に入れざるを得ない時季でもあれば、なおさら。

失点したものの、あのPK、ビクトルが右に飛んだ予想は当たっていたし、

― あぁ、ゴールキーパーでどれだけゲームをムダにしたのようっ、と家人は、今になって愚痴るのだけれど、

ようやくと、僕が3回は指摘していた事情、に思いあたったようでして、

……あとは、下川 陽太が復活してもらいたい、というのが僕のホンネ。

では。

つづく土壇場, 勝ち点1 を拾う (2023.11.12福島戦レビュウ❶)

土壇場……。

もともとは、斬首刑のために築かれた盛り土、をいう。

これが、せっぱ詰まりに詰まった場面に転用されるようになったおかげで、

僕らファンサポーターは、冷え込む初冬を迎えてもなお、ぎりぎりと熱い週末をクライマックスとかいいながら、送っていられる。

なかには、既に来季の話でもちきりのチームもあるわけだから、それから思えば、なんという至福か、と思うべし。

さて。

第35節は、同点にされて、1 – 1 のドロー。

悲観的な者は、勝ち点2を失った、などとたわごとを言っているに違いないが、

もともと2位に滑り込む可能性が数パーセントのところで勝負をしているんだから、

ビクトルの再三の好セーブ。

それと、相手の素早いカウンターにかなり手こずりながらも、

攻撃を続けたチームがもぎとった、アウェイにおける、勝ち点 1、と考えます。

ようやく、

これで、順位では、昨季なみの 4位にたどり着けたことでもあり、

自分らの力をさらに謙虚に、厳しく見積もったうえで、

ラスト 3戦に向かって爪を研ぐ、ってもんでしょう。

チームはもちろん、ファンサポーターも。

最後に。

石丸さん(愛媛監督)には、衷心より、おめでとうを申し上げます。

では。

転んだら起きるだけ (福島戦プレビュウ)

福島ユナイテッドとは、7月にアルウィンでやって 1- 2 で敗戦している(のだった!)。

が、恥ずかしいくらい、ゲームに関しては記憶に残っていない。

想い出したくもない、といった潜在意識が強いためかも知れない。

が、それよりも、

リーグ戦が進むにつれて形成されて来た現在のチーム像が、当時とかなり違っていることが、その最大の理由だろう、と思う。

それほどに、夏の移籍加入を経て、我らがチーム容貌とサッカーは、ずいぶんと変容した。

僕からすれば、おおかたは好ましい方向性なんだけれど、
(ただし、ゴールキーパーの起用だけは、消極的で論外)

ひとそれぞれの数だけ、ご意見ご要望があるに違いない。

もっと誰を使えとか、こういうサッカーをやらなきゃあ、勝てん、とか。

ならば。

警告累積と、受傷とで、主軸ふたりを欠きながら、さぁ、福島に乗り込む、となればですよ、

直近とは、ふた味も違った、チーム表情と、新味なサッカーを楽しめるではありませんか。

フライングを怖れずに、率直に言わせてもらうなら、

この際、来季のシュミレーションまでやってしまえるじゃあないかと、ポジティヴに考えたほうがいい。

ただし、チーム山雅としての連続性からすれば、ホームでの敗戦から 120日を要して獲た進化と、深化、

それを魅せつけたいよね、福島の地で。

……ポイントはふたつ。

❶福島は、セットプレイから始まる攻撃を得意にしている感があり、

かつ、両者の地力差からすれば、

攻守の、基軸的な形勢がチャラになる場面、

つまり、ゲームを止めてから始めるそのシーン、

これを活かしたいはずなんだから、フリーキック、スローインなどリスタート時の隙、すなわち、マークの緩みやスペースの開放は、禁物。

❷相手はどうか知らんが、こっちは、引き分けでもダメなわけ。

そういう状況からくる、採らざるを得ない戦法と心的な負担を克服すること。

要は、闘争において、(精神論でなく手法によって)自分らに克つ、がこのゲームの価値。

それを魅せてもらいましょう、福島で。

では。

ようやく,ひとつの気づき (アルウィンにて)

10月半ばの、対長野戦で、

スタジアムに、ふたたび戻りつつあった、或る気配を感じて以来、

ここしばらく、考えていたことがありまして。

それとは、

アルウィンが僕らを惹きつける、その魅力とは、一体どこから来るか?

といったようなこと。

もちろん。

そこに足を向ければ、

我らが山雅が、ピッチに登場して闘うからなんですが、

それでは、味も素っ気もないお話。

で、ようやく、〈当意即妙〉という言葉に辿り着いた。

当意即妙 ☞  すばやくその場に適応した機転を効かすこと、また、そのさま。

いまの時勢だと、レスポンス(英語)、とか使いますね。

おさらいすると、

ゲートをくぐってピッチを望んだ瞬間から、ひらけた僕らの眼前に満ちるもの。

それは、

スタジアムに、歓迎、鼓舞、称賛、ときには不満(BOO)、それらの感情や情緒が、シーンのつどつど、間髪を入れずに、歓声、歌唱しやすいチャントや、手拍子、拍手に乗せて表現される。

約束事として、組織的な応援という形で、観戦に組み込まれてしまうルーチン。

観戦者は、自由に、強制もされることなく、その中で、ゲームに浸っていられるだろう。

ボールパーソン紹介から始まって、それぞれが自分なりに参画する、そんな雰囲気。

……、どのリーグに参戦しようと、いかなる対戦相手であろうと、アルウィンがこういった魅力を保ち続けている限り、保たせられている限り

山雅は、間違った道を歩むことはあるまいな、と思っていたら、

北Q戦の際、

チノ氏から、新聞の、コラム記事の切り抜きをいただいた。

丁寧にたたんだ紙片を拡げると、それは、10月30日信毎13面、

絆、のタイトルで、田中 隼磨氏 (松本山雅エグゼクティブアドバイザー) の寄稿。

冒頭。

10月の対長野戦の観客が、先年より 3,000人以上少なかったことへの危機感が吐露され、
クラブやチームがより、地域の人々と思いや姿勢を共有して共闘することの価値が訴えられていた。

上に書いたようなアルウィンの魅力を良しとする僕でもあるから、

田中氏の主張には、おおいに賛同する。

……そして、ラスト4戦の共闘ぶり(単にゲームの勝ち負け以上のもの) で、チームとファンサポーターは試されるわけです。

では。