あの試合運び,では……(2024.7.6 八戸戦レビュウ)

本日(7/7)、息子家族がやって来て、共にした夕食の席。

あの試合運びをしてたら、勝ちはないわ、が息子のご感想。

彼、ちょうど、

セットプレイの跳ね返りを、再度入れたボールに合わせた

八戸の、文字通り、ワンチャンスヘディングゴール(78分)の直後から観はじめて、そう思ったらしい。

なるほど、と感じるものがあるので、

0 – 1の敗戦を、その言葉をまんま借用して、評しておきます。

八戸は、3バックの布陣を、あえてピッチ左右前後いっぱいに拡げ、

そうすることで、相手にボールの獲りどころを絞らせないようしておいて、

いざ、ボールを手に入れるや、速く一気に、相手ゴールに向かう戦略を採る。

〈前後に速い〉とプレビュウに書きましたが、帰陣も、やはり素早かった。

こういう相手なので、

パスによる侵攻が、もっぱら端正、淡泊だと、その守備網になかなか穴は開きませんでした。

ファーストディフェンスもあまり効果を生まないし、

もし、サイドから侵すのならば、もっと相手守備を、左右に振る手間をかけるとか、

あるいは、

引き出した相手ディフェンスのその背後に、こっちのプレイヤーが入っていき、

そこを起点に、ゴールマウス中央にボールを持っていって、そこから撃つ……、

そういう工夫が、ほとんど印象に残らなかったのは残念です。

マトモに打てたシュートが、ありませんでしたよね。

失点から終了までは、20分近く残されていたので、やりようはあった、と思うのですね。

手こずりはしたが、決して、球際で劣ったわけでもなく、

また、つながらないパスワークが散見されたので、

きっと、ミスを糾弾するような浅薄な議論も湧き出るでしょうが、

それと、失点や敗戦を、原因と結果として、ひもづけするような内容でもありませんでしたから、

そんな箇所をつついてみたところで、生産的でも、ありゃしません。

……つまり、こっちのリズムに変調を起こさせたり、正攻法を発動させないようなやり方を採ってくる相手に対し、

では、どうやって、それを、うわまわる狡猾な(=賢い)手を、開発するのか?

折り返して、残りは、18ゲーム。

対処的なサッカーで押して来るチームはけっこうありますから、

そういった課題に、面と向かわないといけません。

今節は、コーナーキックなどセットプレイに、もっと相手を出し抜くアイデアを注入してもよかったか。

90分フルタイムを、走り切れているので、そっちの体力はいいとしても、

そこにプラスして、

90分間、途切れることの無い〈頭脳的な体力〉が必要なんでしょうか?

では。

剛直に押し込めるか (ヴァンラーレ八戸戦プレビュウ)

ひとつのデータ。

〈無失点試合率〉山雅 ☞ 26% (5ゲーム)  八戸 ☞ 32% (6ゲーム)

〈無得点試合率〉山雅 ☞ 11% (2ゲーム)  八戸 ☞ 47% (9ゲーム)

ここから、

両者、失点率はほぼ同等だが、得点力になると、断然、山雅のほうに傾くのがわかる。
(山雅が得点できなかったのは、対大阪、対福島の 2回のみ、これらとは今月のホーム、夏限定ユニで闘う日程!!)

では、八戸が攻撃していないの?、と思ったら大間違い。

攻撃回数は、リーグトップ。

シュート総数は、山雅(203本)がリーグトップで、

八戸は、リーグ10位(167本)、シュートはそこそこ打っている。

コーナーキック総数をみると、

山雅(114本)は、リーグトップ、八戸は、第7位(92本)。

さらに、

被シュート数では、八戸が、山雅より、ゲーム当り 2本ほど少ない。

要は……、

八戸は、カウンター攻撃を主体にしたサッカー。

反則数が、リーグ 4位であることは、ボール奪取に向かう強い姿勢を表している。

ゆえに、被ファール(怪我)はいやですが、

ボール際で及び腰になると、カウンターを発動されます。

ホーム(敗戦)の対戦では、

ヴァンラーレは、リードしてから、むしろ、攻撃圧や、強度が高まったことが強烈な印象だった。

……となれば、これはもう、アウェイチーム(山雅)が、よほど新奇な策に走らない限りは、

ボール保持が、山雅のほうに傾くのが、自然の成り行きなんだから、

こっちは、終始、ボールを握って相手ゴールへと向かい、攻め続ける。

八戸は、前後に速く襲ってくる。

ならば、それをうわまわる、隙のない剛直さを、青森の地で、披露するしかありますまい。

プラス。

セットプレイにますます磨きをかけて、ゴールをゲット。

このブログでも、4 – 3 – 3 の採用とその運用については、いろいろと議論してはいます。

が、システムは、そのサッカー思想と流儀を具現化するための、単なる〈奉仕者〉に過ぎず、

めざすのはあくまで、豊富な手法による攻撃的サッカーであること。

ここから、目を逸らすと、不毛な議論になります。

では。

好きな山雅で,眼が曇る? (長野戦レビュウ 終了 ❹)

チームスタイルや采配、

それに対しては、BOOをたれたり、毒も吐くが、

究極は、これも、みんな山雅が好きだから……か。

 

こういった免罪符めいた論法は、まぁ、聞いてはおくが、

〈好きな山雅〉のその中身が、現在/現実の山雅とズレていると、いきおい、

かつて観た、あの山雅が、論評の〈分母〉になってしまうから、

なんとも辛いことだなぁ……。

と、普段の 4、5倍は密になった北ゴール裏で湧く野次、わめき声の中で、考えておりました。

ひとつ。
長野戦のボール保持率は、長野に傾き(52%)、

4 – 4 – 2で動かすボールに、次々とプレシャーにいく山雅プレイヤーの姿があった。

これは、相手に、ゴールキックを 20回蹴らせた、

つまり、相手ボールでリスタートをさせる、山雅好みの立ち合いの中で、

我慢して、やらせていたことなんだけれども、

― 好きにやらせるな!、との不満の声が湧く。

相手をはがして前進するために、相手をひきつけたり、寄せたりするためのパスを多用すると、

― 後ろに動かすな、前だろ、前!

……責めたくなる気持ちも、わからないではない。

何故ならば、

シュートまでいかずに挫折するパスサッカーは、弱腰にみえる。

けれども、それらは、

所詮、自分の心情の〈窓〉に制約された意見、気持ちのダイレクトな表明だから、

ピッチ上の意図とはかけ離れた、負の声援となり得ることを、すこしは自覚したほうがいい。

ふたつには、
原因と結果(たとえば失点)の、結びつけ。

これは、人の悟性の基本的欲求なんだが、それをかなり短絡的に、粗雑にやってしまったりする。

たとえば、78分の被弾。

プレイの連続性からすると、あれは山本 康裕の挿し込もうとしたパスがカットされたところが、起点。

ただし、ネットが揺れるまでには、数個のハードルを敷くチャンスがあったわけで、こういうジャッジは、綿密に検証する要がある。

ただ、こういう感情が生じるのは、

多く、詳細などが了解されないスタジアムの、2度見できない、一瞬の時間進行の中でのこと。

吟味もされないまま、粗雑、心象に傾いて湧いてくるのが、ある意味、サッカーの宿命なのかも知れない。

ただし、ここで。

分別をわきまえない周囲からの批判が、

チームの仕事を窒息させるかも知れないし、

あるいは、クラブが、それにすり寄ったり、懐柔しようとしたらロクなことにならない危惧を、

それをもって、後半戦に向けての、現在の課題❹とすることで表明しておきます。

19戦して、7勝6分6敗。

これが、相当に踏ん張っての戦績ならば、

チーム及びファン&サポーターは、技量相応の出来だったと自認して、

その技量を増していくしか、道はありますまい。

付記〉
昨日、ソネさんに、職場で会った際、彼のご説だと、

長野は、ドローで上等の考え方だったんではないか、10月のホームで叩けばいい、と。
でなけりゃ、今季採ったことのない、4 – 4 – 2を試したりするわけがない、と。
……なるほどね、そういう観方もできますわな。

では。

悩ましさの考察 (長野戦レビュウ❸)

(ゲーム後の北ゴール裏、チノ氏との総括に、多くを負う)

❶行きの車中、スタメンを家人に教えてもらって、え?っ、となって、聞き直してしまった。

インサイドハーフ(ボランチ)起用であろう、米原、山本、安永が、3人同時に先発?

菊井を、スリートップ最前線(左)に配する?

まぁ、これは、いわば、暫定な措置だろうし、

実運用では、多く菊井を経由して攻撃を組み立てたいのだから、

勢い彼は、中央に向かうか、あるいは、もう一段降りて仕事をするだろう。

今節は、安永にサイド奥への侵入が割当てられたと推定、

実際、前線に上がってのプレイが目立った。
(無難にこなしチャンスを創出、あとはこぼれ球に飛び込むシュートの精度)

だから、そのこと自体に文句はないが、

どうやったって、左サイドにおける連携と推進力が、そこに安藤 翼を配するよりは不活発になり、

さらに、後半、交代カードを切った際は、

左サイドは、前に山口、後ろ(サイドバック)に佐相の並びに変化し、これはまぁまぁの出来。

ゆえに。

左サイドの最適な配置と、菊井のゲームメーカーとしての運用、このふたつを、一緒に解決したい。(実行面で)

さらに突っ込むと、

ボールキープにおける前選択を増やす、ということと、

菊井をみて、彼にボールを預けたくなるチーム内意思、これが、案外、矛盾してしまう課題。

菊井には、出来るだけ高い位置でチャンスメイクしてもらいたく、

かつ。

大宮戦(菊井不在だった) の成果を無にしないためには、そこの工夫も要す。

❷相模戦から引きずる課題は、右サイドの守備力の不足。
長野戦の失点シーンは、このサイドから、(シュートを)2度撃ちされたもの。

樋口の得点力は魅力。

なんで、ここの手当ては、やはり交代カードを含め、考えるべき。

❸インサイドハーフのうちひとりが、アンカー(今は米原) として、最基底で組み立てるのはいいが、

疲れなどで、全陣形の、縦方向のコンパクトさに緩みが生じると、

中盤の左右に広いスペースが生じるから、そこを使われると、一気にゴール前まで侵入される。

どんな攻撃圧や、頭上をすかしたボールを多用されても、ムダに守備ラインを下げることなく、つねにコンパクトに保つ、アンカー運用をする場合は、特に。

あとひとつ、❹がありますが、

これについては、他の課題と絡めて、レビュウ❹で。

では。

その納得感を,打ち破れ (長野戦レビュウ❷)

前稿の末尾で、腑に落ちるゲーム、と称したのは、

つまり。

今季いままで、

山雅は(長野に対し)、得点はするが、突き放せない(さらなる加点ができない)

他方、長野は(松本に対し)、よくて引き分けが精一杯、といったおのおのの〈現在〉が、

2度の対戦において不変である、と言いたかったわけで、

これは、普段から観ている、(おそらくは)両方のファン&サポーターがよくわかっているなぁと、

土曜日、ゴール時のアルウィンの反応を前に、つくづく感じていた。

……近地対決の近況図については、もうこれで、十分でありましょう。

で。

他人様のことはとにかく、

リーグ後半を見すえ、今の納得されてしまうような閉塞を打ち破るのが、

チームやファン&サポーターの、これから、5か月間の仕事になりましょうか。

けっして悠長な時間でもない。

けれど、立って歩けないような児に向かってただ走れ、目ぇむいて息巻く時にもしたくない、とは思う。(これについては、レビュウ❹で少々)

やがて10月5日、アウェイ南長野。

ここを、その時までの、山雅の深化を測定できる楽しみの場にすることにして、

まづは。

前期ひとつも勝てなかった、4チームとの対戦、そこに、ひたすらフォーカス、フォーカス。

……というわけで、長野戦でうかがい知れた戦術論に関する考察は、レビュウ❸になってしまいます。

では。