ふたたび精神論を排斥する (2024.8.24富山戦レビュウ❶)

雷鳴と雷雨で、催行が危ぶまれたゲームは、

0 – 3 の敗戦。

カーヴとアップダウンが続く、たたでさえ難儀な峠道。

そこに加えて、負けの負担感と、県境に近づくにつれ、ところどころ猛烈な降雨(ワイパーでかき切れない)をもらいながらも、当日中に、なんとか無事に帰松。

お疲れさまでした。

レビュウは、3回くらいに分けます、ご了承ください。

最初に。

讃えるべきは、カターレのスタジアムDJ氏のセンス。

― 僕は、また、お逢いしましたね……なんて(野暮な)ことは申しません。

なかなか上品ではありませんか、しかも、情報収集も怠りないご様子。

それに比べ、山雅人のほうは。

品格と、情況認識が欠如のようで、どうもいけません。

ゲーム後、メインスタンドで隣に夫婦で座ってらした、初老の男性。

チームが挨拶にまわってきたら、やおら、最前列に降りて行って、

― やる気あるんか!!、と怒鳴り出す。

まぁ、こういうのは、最後は、頑張れや、で手を打ちたい説教なんでしょうけれど、

言われる側からすれば、やる気云々は、よっぽど的外れな罵声に過ぎません。
特に、昨夜のゲームに関しては。

僕など、プレイヤーらが、お腹の中で失笑しているのではないか?、と心配になる。

亀裂は、そういうところに芽生えるものですよ(親子の間でも)。

僕は、意識と精神論を、結果や成果とセットで持ち出されることに、強烈なアレルギー症状が起きてしまう。

広い世代を抱える山雅サポーター一流の多様性は、また、

走らなくていい時に前後に走れ、と求め、

後ろへのボール配球は禁物、厳しいチャレンジをしているのに、ミスだけを責めるような、薄っぺらさを持ちあわせている。

昨日のスタンドで、遅きに失して気づいたことですが、

やるサッカーの中身は、報酬を貰ってやってるチームが案出、行為してくれればいいので、

一週間のはじまりを爽快にしたくもあるから、

自分らは、ただ見えているものから、直観と、どこかで蓄えた〈山雅らしさ〉に照らして、チームに称賛と叱責を送ろう、こういうことなんでしょう。

前方の女性サポーターは、前節に比して、なんという不出来、というゲーム評をもらす。

得失点、勝敗という決定的な結果だけからすれば、そうかも知れない。

が、前節が、ずば抜けて良かったのでもなく、

今節、プレイヤーには、技量の出し惜しみがあったわけでもなくて、

せいぜい、違ったことは、(相手が富山に変わったことを別にして)

菊井 悠介がゲーム冒頭からずっと、最前線の位置を採っていたこと。

フリーキック(とロングスロウ)に、かなりの工夫を割いたこと。

終盤、野々村 鷹人を前線にあげて打開を図ったこと、それくらい。

ゲーム(とチーム)を評するならば、

まづは、安易な精神論を排したらいかがなものか、山雅周辺の方々よ。

では。

とにかく得点。(富山戦プレビュウ❷)

カターレ富山。

そのチームで現役を引退したプレイヤー(小田切氏) が、ユース畑で指導歴を積んで十余年。

その後、トップチームの監督を、ここまで 足かけ 3年務めている……。

……僕が、いつかは山雅で観てみたい光景だから、

やはり富山さんは、そういう意味でも先輩格だろう。

このチーム、レンタル選手(有望な若手)を上手く出し入れしながら戦う、といった趣きがいままであったが、

今季は、活きの良い大卒ルーキーの活躍が、特に目立つ。

一芸に秀でた感はあまりない(地味)が、勤勉に前後動する、隙の無いサッカーという印象。

そう、〈勤勉で手を抜かない〉がピッタリくる。

言いかえると、総合点で優位を保つから、僕の世代用語で、国立進学コース系サッカーと呼んでしまえ。

キビキビしたパスワークを、相手を引きつけるように使い、

機をみると前線へロングなボールを投入して、一気にスペースを獲る、そんな感じを受けます。

こんな相手とやるには、高く保つ守備ラインの後方スペースを狙われることは必至でしょうが、 (ホーム戦でもそこやられましたから)

それに怖気づくこと無く、

ムラと隙を慎んで、ひたすら当方得意な方策を繰り出す、これでしょうね。

今季リーグ戦では、山雅は 3得点すれば負けはない。

だから、3点は獲ろうよ。(簡単に言いますが)

で、そろそろ滝 裕太のゴールを見たく、彼のゲーフラ持参しますが、

その滝は、2020季富山で(レンタル)戦ってもいて、気持ちが入るだろうから、期待します。

たとえ、清水で同僚だった河井 陽介が、今節は出場停止によってピッチで対峙することができなくとも。

せいぜい、息抜きながら、Across The Border、とまいりますか。

では。

我らの佳境がやって来た!! (富山戦プレビュウ❶)

リーグ戦はあと 14ゲーム。

おおよそ3分の 1を残すところに辿り着いた。

いよいよ、クライマックスの幕を開けましょう。

で。

(夏季の移籍期間も締まったゆえに) 現有の戦力を活かし、

今季ずっと養ってきた各個の技量、それとチームスタイルを、仕上げを見すえてブレずに高める局面に踏み込んだ。

ここまで来れば、安直なつけ刃に頼ってみたところで、それこそ姑息。

山雅は、とにかく〈攻撃サッカー〉を命題にして、

上手くなって、そして、ゲームを巧く制御すること、ここに集中しなくてはならない。

僕からすると、ロングスロワーとして、安永、滝、村越を場面に応じて使い分ける、なんてのは、

そのなりふりかまわぬ執着に好感が持てるし、

前節、安永からのロングボールを、常田が突っ込んできて、後方にそらしたシーンがあったが、そこには、可能性の追求と工夫があった。

持てる戦力をなんでも使ってやる、という発想こそ買います。

精度がどうのこうのと言われても、シュートをリーグトップの数を撃ちまくっていたら、

いつか枠内シュートも、リーグ1位に積み上げていて、〈量〉をこなさなくては〈質〉に到達しないことを証明しています。

さて。

ここからの 3節は、富山、岐阜、大宮と、いわば、山雅にとっては、Jリーグの先輩クラブとの対戦が続く。

胸を借りる、などと卑屈になることはなく、相手がどう出て来ようと、

自分の流儀と技を出し尽くす、これです。

さすれば、勝負の結果は、おのずから我らに好都合でありましょう。(サムライ調で)

では。

勝因はなんだったのか? (相模原戦レビュウおわり)

結果について、その原因を求めることを安易にやっちゃあいけない、とみづからを戒める僕ではあるが、

今節については、その態度を棚にあげて、勝因を考えてみました。

❶山雅のほうが、各個の技量において優位であったこと。
(実も蓋もない話だが、ここは大事です)

❷ゲーム開始早々に先制した相模原が、以降、前半は、攻撃的な姿勢をトーンダウンしたこと。
失点が少ない守備への自信と、省エネサッカーの狙いがあった?

山雅がもっと早い時間帯に同点に持ち込んでいれば、そういったサッカーは採用しなかった、と思う。

❸後半、(喝が入ったのであろうが)相模原が攻撃的姿勢を強めてきたことに対し、80分に同点されたものの、その攻勢とパス翻弄に、山雅がよく耐えたこと。

❹同点にされてからも、前線の顔ぶれもあって、パワープレイに走ることもなく、それまでと同様なサッカーを貫いたこと。

❺前線3枚の後方に、逆三角形の格好で、安永、菊井、米原(アンカー)を並べる、

いわば、4 – 1 – 2 – 3 のシステムにたどり着いた采配。

……こんなところとなりますが、

すると、あのゲームは、

案外、心理的な部分に左右されたものだったのかも知れません。

10,000人超が入ったアルウィンの熱狂と興奮、これについては、プレイヤーに直接訊いてもいないので、要因としては不明です。

では。

今節のファールについて (相模原戦レビュウ❷)

そもそもが指揮官の気質から、とは言え、

相模原ベンチが、あれだけ強烈なクレームをつけたことも、もっともなこと。

3点目(勝ち越し決勝点)のセレブレーション、たしかに、山雅がやり過ぎました。

わざわざ、ゴールのベンチから遠い側へ、控えプレイヤーとスタッフまでもが飛び出していって、わいわいやったのですから。

おかげで。

1分くらいアディショナルタイムが伸びたのですが、

今季最大の3失点もあわせ、アウェイの洗礼と悲哀だった、ということで、相模原さんには我慢してもらいましょう。

さて。

このゲームの山雅のファールは、全部で 6こ。

山雅のゲーム当り平均は 12ですから、かなり少なかった。

そのいちばんの要因は、相模原の活発なパスワークを捕まえ切れない、つまり、ファールを繰り出すこともできなかったことにあった、と思います。

その背景には、山雅のサイドバックとウィングが高い位置を採るため、センターバックがカヴァーしきれないスペースを狙って、相手がパスコースを選択してくることがある。

ボランチなりを介して、山雅サイドバックの後方スペースを侵す、という感じ。

だから、相手に渡ったボールが、サイドから一気に持ち込まれてシュートをゆるすシーンが、毎試合めだつ。

ここらは、おそらく、左右サイドの上がり下がりのバランスを調整するしかないと僕は診ますが、

下手にやってしまうと、現状の攻撃性がかなり薄れるかも知れない。

まぁ、それだけ相模原が、特に縦パスを駆使して前進することに洗練していた。

基本的には、シュートを相手をできる限り翻弄して打とうとする姿勢を含め、

相模原は、〈巧く交わしていく〉サッカーを追求してますね。

そこに加え、

たとえば、#55田代、#47岩上の、相手の攻撃圧が強まると、大げさに痛んでみせて、レフェリーを丸め込んでゲームを中断してしまう、そういった狡猾さを使う。

それでゲームを手玉に取れれば、上位争いに絡むチームだと思いますけれど、
3部リーグとは、こういったチームも参戦なんで、なんとも、やっかい。

さて、そんな中。

カードを貰って、ついに、出場停止にリーチ(累積3枚)となった、

#46 安永 玲央が、萬年式MIP(もっとも印象に残ったプレイヤ)です。

1点目、左から入れたクロスのための位置取り。(そこへボールを供給した宮部の判断もグッド)

3点目、ボールを回収するとすぐに菊井に渡し、みづからも長い距離をカウンター攻撃要員のひとりとして走った仕事。

これだけでも、その資格はあると思います。

移籍後まる一年(昨季夏季に加入)が経過し、山雅の攻撃性を体現しているボランチとして収まった。

ここで附言しておきますと、

僕が、なぜチームに昇格を望むのか?、といえば、

ステータスやクラブ規模がどうこうよりも、山雅で闘ってくれるプレイヤーには、より高次のリーグとピッチで選手人生を過してもらいたい、それだけ。

では。