臨戦 2022 ❾ (要は ボールの運び方)

〈まづは 得点〉
たとえ、昨季失点が71、の無惨な地点から始めるにせよ、

底が抜けたバケツのようなズサンな守備を是正するにせよ、

今季の最大課題は、得点力の底上げ、これに尽きると思います。

いくら守備が良くたって、点を獲らなきゃあ勝てないわけで、過去の山雅、得点力が低いゆえの堅守構築だった、と思う。

たとえば、2部で優勝した2018シーズン。

総得点は、54 で、これは、リーグで、第10位だから、平凡。

でも、失点は 34 で、断トツのリーグ最少。

要は、そのバランスで、しぶとくトップ獲りが叶った。

それからの 3シーズン、得点力はたいして上向かないまま、他方、失点力!が倍加したのが、昨季の惨状。

比較的速い攻撃、身体的優位性をそのまま活かす戦法が、印象に残る 3部。

だとすれば、対人マークを厳しくやることと、ゴールキーパーの位置取りとセーヴィングの緻密さ、これは要諦でありましょう。

だから、守備は、とことんそこらに注力するとして、あとは、攻撃に傾注。

ボールを、徹底して手中にしながら前進するサッカー、それを狙う。

行って帰っての頻繁なサッカーに、いいように胸をあわせていてはいけません。

絶対優位で勝ち抜くには、ほとんど相手陣内でボール保持するサッカーでないと、複数ゴールは遠く、ゴールに近い位置でのプレイスキックや、コーナーキックの獲得チャンスも少ない。

(註 : 萬年の頭の中は、カウンター攻撃在りき、ではないから)

〈攻撃力強化の……与件は〉
❶オーソドックスな指揮
昨季、就任以来の通算戦績は、23戦して、3勝6分14敗。
敗戦のうち、無得点のゲームが11。

ただし、ラスト6戦は、得点できるようにはなった。

この戦績と実戦観察から、現監督が、とってつけたような戦術には走らず、けっこう王道的、正攻法的な戦略を採る御方、と診ている。

たしかに、その成果はゲームを追うごとに現われはしたが、タイムアウト、というのが先季。

勝ちを獲るため、なりふりかまわぬ奇策は弄さず、という信条。

ならば、いまは、チームをいじめ抜いてもらって、二次キャンプで戦法の詳細な落とし込み、という手腕を期待するのみ。

❷ドリブルを減らせ
ゲーム平均のドリブル数は、リーグ第6位で、けっこう多かった。
これには、ドリブルが得意なタレントが配された事情もあるだろう。

ただし、ピッチの縦(およそ100m)を3等分して、相手ゴール側の30mのエリアへの侵入回数をみると、山雅はゲーム平均、リーグ第18位でかんばしくない。

乱暴な観方をすれば、低い位置からドリブルを始めても、あるいはピッチ中盤でドリブルしたところで、脅威にはならない、ということ。

ドリブルを得意とするならば、その強みは、より高い位置、相手ゴールにより迫った位置から仕掛けてナンボ、と割り切る。

どうでもいい場所での、場所からのドリブルはもう止めて、ペナルティエリアに近い場所で、それを発動しよう。

❸そのためには、陣形を上げよ
あまりにシステムにこだわるのもなんだけれど、
初期布陣を、4 – 2 – 3 – 1とする。(守備時もほぼそうなる)

で、前へ向かう時は、3 – 3 – 3 – 1 くらいにしてしまう。

つまり、センターバック2人と、基底に落ちたボランチ1人で、最終ラインを構成。

サイドバック(守備の両端)の2人は、縦関係で上がっているもうひとりのボランチと並ぶような格好で、高くワイドに。

シャドウ(2列目)には、3人を配するようにして、攻撃参加の枚数を確保。

最後は、センターフォワードが1人、……、という態勢、ではどうか。

これだと、いままで3バックでやってきたことと親和性を保てる。

あえて個人名を挙げれば、佐藤 和弘と榎本 樹はシャドウ要員として攻撃力を活かす。

ボランチも含め、とにかく高い位置から勝負、これを観たいなぁ。

では。

臨戦2022 ❽〈堅守〉〈速攻〉をセットにするな。

堅守と、速攻と。

失点の少ない堅い守備と、相手が守りの態勢を整える前に切り裂いてしまう速い攻撃。

すべてのサッカーチームが、それをモノにしたいに決まっているスタイルといえましょう。

ただし、このふたつを続けて〈堅守速攻〉と言った場合、どうやら違った使い方になるらしい。

つまり、カウンター攻撃を身上とするサッカースタイルのことのようだ。

要は、万全な守備網を敷いておいて、相手が持つボールを奪うところからカウンター攻撃を発動、そのままゴールへと結びつけるやり方。

で、カウンター攻撃にはふたつあって、
自陣深いところから始めるロングカウンターと、相手陣内に切り込んで高い位置からボール奪取して発動するショートカウンター、の違い。

ちなみに、年を追うごとに、山雅は、ショートカウンターを採る比率が高まっている。

長年親しんだこともあり、また、いざ反転攻撃 ! 、となったらアドレナリン放出でココロ湧き立つから、スタジアム熱狂効果は、実に申し分ないのでありますが、

さて、今季ひとつ下部のリーグで戦うに当たり、このスタイルをそのまま踏襲するのかどうか?

これ、けっこう重要な選択、と思っています。

現在チームが創り込んでいる青写真もあるだろうし、原点回帰といったタテマエもあるんで、堅守速攻に期待が集まるような気がしますが、

萬年としては、ボール支配を高めておいて、能動的に相手陣内を侵攻するようなサッカーを期待したい。

もちろん、ゲームは相手があり、状況に応じた変幻自在さで対処することは大切。

いつでも、Bプランを発動できる機敏さ、といえばいいのか。

でも、ですよ。

このリーグに最短でオサラバしたいのであれば、みづからがゲームの主導権を握るくらいの、強烈なサッカーをすべきでありましょう。

あくまで、ボール支配にこだわり、相手を押し込んでゴールを奪う。

いまのメンツならできる、と思うんです。

リーグ固有の戦い方に慣れるのはいいとして、決してそのサッカーに馴れてしまってはいけません。

ファン&サポーターにしても、3部リーグにはどこか居心地の悪さを感じて、チームと共闘したい。

このリーグを見下すわけでは決してなく、山雅の、クラブとしての総合力からすれば、安住すべき場所ではない、ただ、それだけ。

今年培ったサッカーが、来季2部リーグで更に成熟させる、そこまでを見すえたヴィジョンでやりましょうよ、この際。

では。

臨戦 2022 ❼ (帰還の余波…)

― こうなったからには、早速、あのリボンマグネットをつけないと、と家人。

― あぁ、あれね。
でも、画像がなんとも美しくて繊細なんだよね。
それをさ、風雨にさらすのも、なんだか気がすすまないなぁ。
願わくば、ラッピングしたままでどうかな?

― なに、言ってんの !  、と、とてもご承知なさらぬご様子。

― そうね、では、ホームタウンのアルウィン参戦時にご装着、ということで。

と、妥協案を持ち出しているんです。

いまのところ、マグネットリボンは、拙宅の冷凍庫のドアに貼ってあるんですが、レジェンドは、鄭重に扱われないといけません。

そうは思いませんか?

では。

臨戦 2022 ❻ (それぞれの帰還)

これは、旅の終わり、はたまた、旅の始まりか?

まぁ、どちらでもいいや。

かつて、サマーセット モーム (1874~1965) の『人間の絆』(1915年発表) のことで、ひとつの逸話がありまして、

僕の中学の担任(だったと思う)が、話してくれたんだが、

本屋でたまたま、若い女性が店員に、― あの~、〈人間のはん〉、は文庫版で在庫ありますか?、と尋ねている場面に出くわした。

どうも話が通じていないようなので、傍らから、― 失礼ですが、それ、人間のきづな、のことかな?、と口出ししてしまったよ、と。

昔は、それほど馴染みでなかったけれど、ここ10年でもっともポピュラーな単語になった言葉。

さて、モームのあの小説、原題は、『Of Human Bondage』であるから、たとえ断ちたくても、そこからは逃れられないような人間的しがらみ(因縁)、といった辛い趣き、響き。

それを〈きづな〉としたのは、けっこう巧い訳出だけれど、我が身を束縛するもの、という切実さは、邦題からは消えてしまった。

飯田 真輝氏 ! が今回、松本山雅の新役職(CB2) で働くにあたっては、〈Bond〉が持つ、切りたくても切れないような深い関係、松本と山雅には、そんな気持ちを持って進んでいただけたら、と勝手に願う。

昨季の終わりごろだったか、飯田には、守備コーチとして戻ってもらったら?、とは、チノ氏の提案だったっけ?

コメントを読むと、あれが、ついに本当のことになっちゃった。

さらに、同日、アカデミー分野についてのリリースが出た。

岸野 靖之氏が、ダイレクターとして、新加入というか、ご復帰。

栃木シティFCのほうはそれでいいの?、と心配になってしまうんだけれど、とくかくお帰りなさい !

ユースの育成によって、トップチームを下支えしてもらえるとは、なんとも朗報。

というわけで、球春の2月、そのはじまりは、こんな曲を聴きながら。

では。

臨戦 2022 ❺ (#5よ その存在感で)

新しいチームキャプテンは、やはり、ゲームキャプテンも担うんだろうか?

 松本山雅で

 ずっとやれ

 春から走れ

 勝利をめざし

 選(よ)りすぐりの精鋭たちと

 売り出せ

 過熱のサッカーで

 苦難の道を切り拓け

……つまりは、必 昇!

ところで、3箇月向こうのことなのに、しかも、北と南のホーム動員数(昨季)をそのまま当てはめたところで、十二分なキャパシティーのはずなのに。

ゴール裏だけでなく、特例として、メインとバックスタンドをアウェイ側に開放する、これはわかる。

けれど、ドサクサに紛れて、全席通常の 500円増し、とか。
しかも、通常に近い〈優待価格〉(会員限定)を設けるってことは、アウェイ観客ばかりがボラれる、ということですな。

なかなか、強欲ですなぁ。
北信流、ってそういうことを言うんだっけ?

せいぜい、それまでの 8戦を消化して、互いにいい位置につけていることを願うのみ。

では。