久々のホーム戦を前に。

ほぼ一箇月ぶりの、待望のホームアルウィン……よ。

長距離アウェイの3連戦お疲れさまでした。

結果は、1勝1分1敗で、なんとか締めた格好。

ワールドカップ予選リーグならば、かつかつで決勝トーナメントへいけるかどうかの境界線みたいな戦績だ。

で、トップいわきと 勝ち点4差、2位の鹿児島とは、勝ち点 3差。
(この際、得失点差には、あえて目をつむる)

リーグ戦を 62%消化して、残るは 13ゲーム。

(過去データからの)絶対的な昇格基準である、ゲームあたり勝ち点2のペースはほぼ保持している。
他方、順位はどうしても他人依存の相対原理なんで、こればかりは、なんとも。

なんだ神田の銭形 平次じゃあないけれど、自分たちにできることはひとつ、いわずもがな、ってとこです。

ただ、今後の展望のキーポイントを、ひとつ確認しておきましょう。

目指すサッカースタイルはとにかく、今季の山雅の特徴をひと言で表すならば、それは、

〈堅実〉あるいは〈堅調〉でありましょう。

いわき戦、北Q戦なんかを観たら、更に〈なりふりかまわぬ〉と修飾してもよいくらい。

最少得点による勝利が、攻撃の仕上げの弱さという要因が大きいにせよ、失点ゼロでゲーム終了の笛を聞くことが多いのは、やはり堅実な守備によるところが大。

さらに、堅実性をもっとも良く象徴しているのは、敗戦の履歴。

つまり、堅実な敗戦、換言すれば、なるほどな、という負けがほとんど。

ここまで4敗のなか、不覚!! と呼べるのは、ただホーム八戸戦のみであって、あとの 3敗は、どれも力量不足によるもの。

逆に言うと、取りこぼしをかなり排除しながら、ここまで来ている。

リーグ最大強敵の鹿児島、攻撃力満載の石丸愛媛、これらに負けたのは、良しとはしないが、ある意味、最大限必死にやっても、力が及ばなかったまで。

その意味で、サバサバ。
ダメージも少ない。

だから、なんだって?

そこそこの好位置を確保できているんだから、いままで通り、自分に驕らず、謙虚な挑戦者として戦え、ということを言いたい。

サッカーという競技の特質からして、攻守がかならず入れ替わるし、相手に流れが行く時間帯がどうしても生じる。

たとえタレント的な力量差が当方に優位であったにせよ、一戦一戦がナメてかかれないのは自明の理。

ファン&サポーターとしても、そこらをわかっていないと、いろいろな批判がチームに傷を与えかねないことを承知すべき。

その意味で、今節対カマタマーレ戦は、けっこうな重みがあります。

チームとして、不動、不屈なココロで戦えるか?、が注目点。

声援を手に入れるかわりに、ホームゴール裏の群衆的迫力を犠牲にするゲームとなるわけで、そこの部分も、少しは頭に入れておきましょう。

(讃岐戦プレビュウは、あらためて投稿します)

では。

スポンサーをとるか? 監督をとるか?

時々は、海外サッカー事情に関するニュースを、漁っている。

そしたら、サッカー指導者の、ヴァヒド ハリルホッチ氏 (1952~ )について、興味深い記事を目にした。

ハリル氏は、(異なる) 4か国で代表監督を務め、すべてのチームをワールドカップ予選を突破して本大会に進出させながらも、うち3か国で、大会前に解任されるといった、まことにユニークな経歴。

日本では、2018年ロシア大会の2箇月前にその職を解かれ、今回は、モロッコで同様の憂き目に遭った。

優秀で辣腕、なれど、上層の意思と真っ向から対立して棄てられる、そんな人格のシンボリックな物語。

で、直近のインタビュウで、こんなことを語っている。

― 日本ではスポンサーのせいで問題が生じたんだ。(日本ではモロッコと違い)国家がサッカー協会や代表チームに資金を出すわけではないから。
あるプレイヤーたちを私は代表チームに呼ばなかった。
怪我をしていたり、しかるべきコンディションではないと判断したからだ。
すると、事態が緊張してしまった。

当時、サッカー協会会長(田嶋 幸三)は、その解任理由を〈成績不振など〉、あるいはもっと突っ込んで〈信頼関係の悪化〉と発言していた。

ハリル氏の言っていることが真実だとすれば、
特定のプレイヤをスポンサードしていた企業から、協会に対し、当該選手の選出についてかなり強いプレッシャーがかかった、と診るべきだろう。

選手(と資金)をとるのか?、それとも、代表監督をとるのか?、といった脅しですな。

監督就任に際して、誰々のバックには企業(資金源)が控えているから、そこのところよろしくね、と念を押したはずなのに、メンバーから外すなんて、という意味での〈信頼関係の破綻〉だった、ということか。

資金調達という責務からすれば、その紐づるは、これを大切にしなければならないのは、五輪を始めとして、組織が大きくなれば求められる論理であることは解かる。

スポンサー(および、その仕掛け人である大手広告代理店) からソッポを向かれたら、サッカー協会も経済的に干上がるでしょうからね。

― こうなったら、(時間もないんだから)技術委員長のアンタがやるしかないだろう?、西野よ。

わかりやすいストーリーです。

だから、現監督には、ファンの要望よりはむしろ、そこらへんを大過なくやりくりしてもらうことで、いいんでしょうかね、代表ファンの皆様としては?

ナショナルチームには興味ほとんど皆無な萬年ではありますが、どのレベルでも、お金は大事、ということだけは再認識しています。

では。

悩めるギラヴァンツ と 5バック主義 (北Q戦レビュウ)

(註:1,900字と長いです、家人はきっと途中で放棄だろうなぁ……)

昨日、職場で会うなり、
― シュート20本打って、あれはないわぁ、と同僚のヤナさんは、コボしまくる。

観戦後の感想として、決めきれない仕上げの部分が、強い残像として刻まれたことは確か。

ただ、僕からすると、では、なぜ 20本(をおそらくは超える)のシュートを打つことができたのか?、しかも、相手にわずかなシュートに終わらせて、という点が重要だ。

今後につながる、ひとつの成果、または到達点として。

要は、シュート数は、氷山が海上に現われた部分であって、それを叩き出すことができた背景、これが大切に思われます。

それは、主に何だったんだろうか?

❶悩めるギラヴァンツの、不可解な先発メンバー。
いままでレギュラーだったプレイヤーが、4人ほど先発から外れ、ベンチ要員でゲームに入ったことに、僕は、多少驚いた。

それは、ミッドフィルダーの前川、六平、フォワードでは中山、ディフェンダーの藤原。

思うに、指揮官は、直近2ゲームを、なんらかの停滞ととらえた。
対策として、先発を刷新することによって、チームに強力な推進力を付与しようとしたのではないか?

ただし、これは、ひとつの賭けだった。

たとえ、北Qの攻撃の生命線である活発なサイド(佐藤 亮、乾 貴哉)を、従来どおり先発させたところで、それと絡む最前線、および、中盤(ボランチ)との安定的な連係が不足すれば、当然、攻撃力は乏しくなる。

つまり、左右サイドの孤立が、山雅にかなりの優位性を与えることとなった。

❷貫き通した 5バックへの忠誠。
鹿児島戦の反省によるものかどうか、今節は、3バックをゲームを通して堅持した山雅。

面白かったのは、相手にボール支配が傾いたこともあって、ほとんど 5 – 3 – 2の陣形で戦ったこと。
左右サイドバック(外山、下川)が、敢えて高い位置を採らずに、最終ラインを形成。

これ、要するに、北Qのサイドプレイヤーの侵入を、ゴール前30m付近で、ボランチらと連係してマンツーマンでがっつりと阻止する策だった。

で、このやり方が、北Q側の迫力不足(上記❶) に援けれらたこともあり、かなり奏功。

外へ追い出し、横に逃げさせ、時間を使わせることで、抛り込まれたクロスにも対応できていた。
危険だったのは、#7佐藤のシュート1本くらい。

もちろん、ボール回しのこなれは相手の身上だから、これを追いかけまわすのにかなりの我慢と苦労を要したけれど、手を抜かずに敢行。

ここらへんの覚悟が全プレイヤーに共有されていたのが、今節に込めた決意の表れと、僕は診る。

で、そのサイドのスペース。

そこを、今度は山雅が、ルカオ、横山のフォワードがカウンター攻撃に使うことによって、面白いようにチャンスを創出した。

後半75分、パウリ―ニョと稲福の交代によって、逆三角形の3ボランチは、ダブルボランチ(稲福、佐藤)へと修正されて、5 – 2 – 3 となる。

更に、85分、菊井に替えて宮部(左サイドバックとして)を投入すると、外山を前線に出すことまでして、やはり、5 – 2 – 3 を続けるほどの徹底度でした。

こうみてくると、〈3バックへの回帰〉が勝因の根底に在った。

更に、特記しておきたいのが、次の 2点。

❶佐藤 和弘の復活。
(住田の出場停止が奇貨のようになって) 2列目のボランチみたいな格好で佐藤 が躍動した。
ゴール前へ入ってくる迫力と、可能性を感じるシュートにおいて、佐藤が突出していたのではないか。

プレイスキッカーとしても、ひとつひとつのボールが絶妙でした。

菊井と同様に、かなり広範なスペースで攻守に顔を出すことによって、チームに貢献。(だから、菊井を自由に動かせ、って言っています)

❷センターバック選定における 好采配。
左から、常田、大野、野々村と並んだメンツに込めた意味、これがMVP的な仕掛けとなった。

58分、佐藤のフリーキックを、野々村が頭で折り返し、それをセンターに飛び込んだ常田がヘディングシュートを決める、ってのは、その見事な成就。

北Qが前からガンガン来ないこともあって、センターバックによるボール配球も安定。

ただ、いちばん特筆したいのは、攻撃時、再三にわたり高い位置に走り込む常田がそこに居た、ということ。

それと、前半アディショナルタイム、野々村が、ゴール前まで駆け上がってキーパーと競ることでチャンスを生みだした、あのプレイ。

フォワードが獲れないのなら、ディフェンダーで獲ってやる、といった気概を感じましたし、〈攻める守備〉が露わになるつつあるのは、今後の糧になるはず。

というわけで、萬年目線によるMVPは、やはり、常田 克人、がレビュウの結論であります。

では。

【速報ベース】勝ちは 勝ち (2022.8.21北Q戦レビュウ)

1 – 0 の 勝利。

無失点、そして最少得点で終えたゲーム。

ハイライト動画を観ると、これがまぁ、素晴らしい。

山雅の一方的なゲームであって、再三ゴールに迫りシュートを放つ、我が戦士たち。

このゲームをどう観るかは、けっこう議論があるんだろうけれど、判定による勝ち負けのないサッカーの世界で、間違いなく言えることは、勝ちは勝ち

今は、まづ、このことと、盛大な花火への感謝を述べておいて。

総括は、本論で。

では。

小倉の海に (叙情的 北Q戦プレビュウ)

ミクニスタジアムの対岸あたりで、ジョー氏は生まれた。

だから、彼は生粋の、小倉の男。

『無法松の一生』の主人公、冨島 松五郎 (人力車夫) もまた、小倉っ子。

喧嘩早いが、純情で、侠気に富んだ、憎めない男、という設定だ。

ジョー氏が喧嘩に長けているかは知れないが、純情、という面では松五郎とよく似ている、と思う。
車 寅次郎を愛してやまない、なんてのはその証拠。

さて、本題。

小倉のプロサッカーチーム、ギラヴァンツなんだが、〈無法〉とは、かなり対極的なサッカーをやっているのである。

例えば、反則ポイントではつねに上位にあって、警告(カード)も少ない。
つまり、インテンシティを売りにしたサッカーでない。

コーナーキックの時は、きっちりとゾーンディフェンスを形成する。

自陣ゴール40m付近、角度45°のフリーキックを与えると、ペナルティエリア外縁に、きれいに横一戦の守備ラインをこさえて待ち構える。

とにかく、マジメなんですよね。

なにをやってくるかわかんないのは、#8六平 光成 (元エスパルス)くらいなもんじゃあないか?
だから、そこから供給される気の効いたパスには、要注意だろう。

ところで、家人に送ってきたメールによれば、京子さんは今節、現地参戦らしい。

山雅サポーターの大先輩として、僕は大いにリスペクトしているんだけれど、その批判的な視点だけは、どうしても好きになれない。

京子さんなりの純情、と言ってもいいが。

メディアに全幅の信頼など置けない萬年的思考からすると、京子さんによるチーム論評の根拠が、どこぞの地方紙による論説をトレースしたものなので、やれやれだ。

だいたいが、鹿児島戦で、不運にもPKを与えた大野 佑哉を、キャプテンマークに値しない、などと言っているようでは、お話しにもならない。

いったい、山雅のどこを観ているんだろうか?

大野無くして、現状、山雅の守備はあり得ない、と思うんですがね。

家人曰く、大野はプロとして(山雅に入団して) もっとも成長したプレイヤー。

……と、最後は、やや感情的になってでも大野の肩を持って、今回は終わりです。

では。