レース『ウサギとかめ』(エピソードⅠ)

このところずっと、内容ではほぼ主導権を握るゲームが続く。

たまたま、勝利が獲れない何試合があって悩んだが、直近2連勝によって、ゲーム平均勝ち点2 のペースへと復帰できた。

苦しみながらも、チームとして成熟が高まっていること、それを収穫とすべきでありましょう。

ラスト4ゲーム。

いわきFCがひとつでも勝てば、奪首の望みは断たれるものの、できることはただひとつ。

これは、誰もが皆な知っていることだから、あえて言うまい。

さて、職場のクレ君(バルセロナファンの) が、

― 山雅のユニフォーム、いかほどしますかね?、と尋ねてきた。

― 萬年さんは、背番号#12 ですか?

聞けば、10/30は、アルウィンB自由席のチケットで友人とご観戦らしく、その時、ユニフォームを着用したいようなのだ。

背番号無しのではちょっと……、と迷っていたから、なんなら、僕のを貸してあげようかと提案してみようかな。

せっかく、山雅の収益と奮戦にご協力くださるのだから。

では。

巧妙かつ大胆な三つのこと (FC今治戦レビュウ❷)

今治戦は、9割方はこっちが握る展開だった、と思う。

もちろん、そこには、それ相当のゲームプラン、采配の妙、プレイヤーの躍動が上手くハマった、という根拠があったわけで、いくつか目立ったポイントを指摘しておきます。

❶後半冒頭からの、田中パウロ投入。
これ、菊井 悠介に替えて、と見られがちなんだが、実は、菊井の仕事を継承したのは佐藤 和弘で、ほぼスリートップの一角としてプレイした。

田中パウロは、むしろパウリ―ニョと並ぶ格好で、2列目に入った。

で、相手がボールを保持した場合は、5 – 3 – 2 の陣形が形成され、佐藤、パウリ―ニョ、田中は 3人並んで網を張る。

そして、ボランチ(インサイドハーフ)が低い位置でプレイせずに済んだのは、
センターバック陣の安定的な! 競り上がり、というか、前への推進力がゲームを通して保持されていたため。

これは、決して見逃せない。

おかげで、陣形は常にコンパクトに保たれて、今治が使えるスペースが中盤には生まれず、結果、彼等は、センターバック、またはサイドバック裏狙いの単発的なロングボール戦法を強いられた。

❷サイドバックの自在な位置取りと、センターバックの貢献。
外山 凌と下川 陽太が、適宜、左右ポジションを変えることで攻撃に意表と厚みを加え、更に、サイドから中央方向へ入って来ることで、パスコースは増えて、攻撃に枚数を加えられた。

そのためには、センターバックの常田 克人や篠原 弘次郎が、果敢に追い越してサイドを駆け上がることをやっていて、その意味で篠原投入はかなり効いている。

❸やっぽりワンツーでした。
逆転弾シーンは、安東 晃と田中パウロが、共に縦や斜めに動きながらワンツーで、ボールをペナルティエリアへ入れて、グラウンダーのクロスをお膳立て。

更に、田中の同点シュート。

これは、その直前、横山 歩夢と小松 蓮のワンツー受け渡し未遂を、相手ディフェンスがクリアし損なったものを回収してから、ツータッチしての一閃。

ルカオのゴール時、その向こうには榎本 樹と佐藤が走り込んでいたのであって、ペナルティエリアには 6人が侵入してた。

枚数で迫力が出る攻撃こそが、待望されていたんです。

……、以上3つは、やはり、練習による習熟を思わせる内容であって、

自分たちができることに対する努力を確実にやってることの証拠として、大いに敬意を払います。

では。

光あるところに陰もあり (2022.10.23今治戦レビュウ❶)

またもや、2 – 1 の逆転勝利。(今度はアウェイで)

仕事から帰宅したら、ゲームは、既に、前半40分にさしかかる頃。

DAZNで映し出される山雅のプレイには焦りの色も無かったので、これは、後半いけるかなぁ、といった印象ではありました。

画面で観る限りなので、あまり確定的に言えませんが、今治は、やはり、4 – 3 – 3 で来たんでしょうか。

こっちの3バックに、同数のフォワードで向かってくるやり方を凌ぎ切れなかった被決定機が 2回あって、そのうちのひとつで、先制されました。

あれは、ビクトルのオウンゴールのような格好になってしまい、チト不運でしたけど、今治としては狙い的中で、してやったりだったでしょうね。

ところが、あれだけ攻撃的に前方を目指すところに、同時に、脆さが存在してしまうのもサッカーでありまして、いわゆる、光あればそこに陰がつきまとう、ってやつ。

よほど当方のセンターバックの裏に魅力があったのか?、基底部からのロングボールを多用したのは今治。

ひょんなことからボールが前に出ると、チャンスが生まれる反面、

その陣形が間延びしてるんで、特に、中盤にスペースが生まれ、そこを、コンパクトな態勢を採り続けた山雅に、自由に使われてしまった。

セカンドボールも含め、中盤に転がったボールは、ほとんどこちらがモノにできていたんではないか。

小松らの前線が降りて来てのボールさばきにも余裕がありましたから。

で、グッと陣形を押し上げて、かつサイドへの出し入れを活発に使っての、たとえば、20分前後で魅せた波状攻撃は、山雅としてのひとつの完成形でしょう。

もちろん、随所に現われる個の技量、手腕においては、山雅のほうに分がある、という現実はあるにせよ、です。

急な勾配の観客席は満員御礼で、4,000人弱。

となれば、スタジアムの刷新も必要なんでありましょうが、このゲームの重要性、見応えの期待を感じた人々がこれほど集まる、という今治の可能性は大いに感じました。

それにしても、現地参戦(400名とか) の山雅ファミリーには心から感謝申し上げます。

では。

2 対 2 を制しておいて (FC今治戦プレビュウ❷)

 

では、こっちの攻撃はどうやる?

3 – 4 – 1 – 2 の陣形でスタートするとして。

まづ 、ツートップには、当方最大の強みであるロングカウンターを、たゆまず繰り返すことを期待。

それには、センターバックや、サイドバックからの縦パスを、あうんの呼吸で、出す受けるを、徹底的にやりましょう。

さて、中盤。

そこは、今治の2列目の3人と、こっちの中盤の3角形が、3 対 3で、互いの動きを抑止しつつ、自分の側にスペースを獲ることで、前線を押し上げようとするだろう。

ただ、運用的には、菊井 悠介がトップに躍り出るようにして前からプレッシャーをかけ続けたいはずだから、こちらは、どちらかというと、ツーボランチに近い感じか。

今治は、インサイドハーフ(=ボランチ) が基底ラインに下がり、2列目が2人になるような気がしますけれど、そうすると、中盤は、2 対 2 か。

いっそのこと、岐阜戦の後半でやったように、アンカー(ひとり) に負担はかかりますが、初めから 3 – 3 – 2 – 2 で、より攻撃的にやるのはいかがなもんでしょう。

その場合、2列目には、菊井と、あとひとりは、誰が入るのか?

推したい候補は何人もいるんですがね。

ところで、システムはともかく、ボールを繋ぐ攻撃において、山雅が追求していて比較的に奏功しているのは、ふたりでワンツーパスを駆使してペナルティに侵入するやり方なんです。

起点がロングフィードであっても、あるいは、縦パスを通したなだれ込みが発端になるにせよ、停止しない動きの中で、そのワンツーでシュートコースをいかに創るか?、それが、攻撃における、今節の注目点と考えます。

では。

3 対 3 を凌げ (FC今治戦プレビュウ❶)

FC今治は、全ゲームで、 4バックを、 ふたつのパターンを半々くらいに採用。

サイド攻撃に強みを持ち、攻めに関するスタッツ、ゴール、シュート数、攻撃回数はリーグ屈指であり、どれもが山雅のそれを上まわる。

(スタッツそのものは、山雅の数字は、リーグ内順列では、凡庸です)

前線には活きの良い若手が目立ち、そこに、この夏の補強で、三浦 雄大(元大宮)が加わることで、中盤から2列目あたりからの確固とした起点になっていて、脅威。

山雅が3バックを採るので、おそらくは、、4 – 3 – 3 でかなり攻撃的にやってくるだろう。

要は、こっちのセンターバック3人に、同数のフォワードで対峙したい。

ゆえに、山雅は、活発な今治の3トップに、自由な仕事をさせないためには、

守備に回った時は、3人のセンターバックに、サイドバックを加えた5バックを形成して対処するだろう。

けれど、それが、相手にボールを持たせた流れでの守備なのか、はたまた、こちらが持っていたボールを、奪取反転された被カウンター時の守備なのか?

そこらをはっきり想定して守備の受け渡しをしないと、相手を捕まえきれずにサイドで競り負けてしまう。

ゲームのポイントは、サイドの攻防でしょう。

ざっと診る限り、ディフェンス枚数の違いこそあれ、両者は、けっこう似通ったサッカーを志向しているように思われます。

となれば、このゲームでは、余計な策は施さず、真っ向勝負の〈強く、速く、聡く〉の山雅流を、相手よりも強烈に表現しさえすればいい。

……、と割と楽観的に構えています、何故か。

では。