持ち味で勝利する(2022.10.30 長野戦レビュウ❶)

2 – 1 。

追いつかれるも、終盤に突き放しての勝利。

戻って来たアルウィンの高揚とひきかえに、大芝生を出るまでに、40分近くかかってしまう難儀……。

かつての日常が、そこには在った。

〈ゲーム総評〉
両者、その特長を出して戦ったゲームでした。

その徹底度において、スタジアム盛り上がりを含め、こっちが、幾分か上まわったということ。

山雅は、基底(センターバック) のところでボールを動かして組み立てていく長野のやり方を踏まえたうえで、前線から間断なくプレスをかけ、ボールを奪取したら、反転攻撃をしかける戦法。

もちろん、長野もそれがわかっているから、引きつけておいてから、ロングボールを縦に入れて、山本 大貴にランさせてきた。

ただし、長野、本当の売りは、前線に3枚、2列目にも3枚を並べる、超攻撃的な布陣にありまして。

これを、3列目のアンカーが、ボールを適宜、左右サイドにさばいて、ゴールに人数をかけてなだれ込む、のを身上とする。

ゲーム冒頭はそういうチャレンジはあったが、徐々に、山雅の圧倒プレスに出鼻を挫かれて尻すぼみ。

後半になって、ようやく巻きなおして、本来的な動きに戻る。

それと、宮阪 政樹ならば演出したであろう、ビッグスイッチ(大胆なサイドチェンジ) の不発。

攻撃面での停滞、それと、意表を衝くサイドチェンジ、要は、山雅のディフェンスを左右前後に揺り動かせなかったこと、そんなところが長野の敗因でしょうか。

他方、山雅。

ベストゲームとは言えないけれど、自分の持ち味が際立った一戦でした。

前半に魅せたキビキビしたボール際の攻防。

前線からのボールチェイスに、中盤、センターバック陣がついて行って、ムダにディフェンスラインが下がらなかったこと。

それと、交代カードが、より攻撃的態勢を創り出すために切られている好循環。

それらを、勝因として挙げておきましょう。

では。

『ウサギとかめ』(エピソードⅣ)

クレ君には、結局、2013年季のアウェイユニフォームをお貸しすることにした。

昨日、職場でそれを渡した際、

― これって、レアルマドリ―そのまんま(の色使い)じゃあないですか!!

― 今日、レアルスポーツで、なにかひとつ購入するでつもりです。

どうやらホーム用(緑色)は、自分には地味過ぎるように感じているご様子。

2020シーズンのアウェイを物色したけれど、売り切れているらしい。

気に入ったのが見つかるといいが、ダメだったら、それ着なよ、といっておいた。

いろいろと話していると、彼、ユースの頃は、某クラブチームで全国大会へ行ったことがあったようだ。

― そこでボコボコにされました、宇佐美 (貴史)のいたチームに。

2失点ではあったが、きっと、やってて点数以上の差を感じたんでしょうね。

明日の長野戦では、得点が多ければもちろんいいけれど、30ゲームで積んで来たチーム錬成の、圧倒的なところを堪能したいです。

では。

レース『ウサギとかめ』(エピソードⅢ)

アルウィンの長野戦チケットが完売しない (10/26現在) のをもって、

〈山雅〉がいまだ地域に根付いてはいない、というSNS上の論調に接し、

ご本人は、さもわかったような気になって言っているんだろうが、なんとまぁ、粗くて、かつ、浅薄な頭脳なんだろうと、笑ってしまった。

そもそも、〈地域に根付く山雅〉といった常套文句を使ってしまう発想が、まづ痛い。

これ、よく考えもしないライターが使いたがる、サッカー不毛の地、といった口上と同様な、その根拠を示さない紋切り型思考であって、こういうのを鵜呑みにしてしまうアタマが、

サッカー熱、イコール、チケット完売、といった乱暴な等式に飛びつきたがるんですな。

メディアで食っていれば、記事売上げのためには、使い古しの盛った表現もやるだろうけれど、素人が軽々にやると、かえって、底が知れてしまう。

松本の街に根付いているかどうか?、をここでいちいち議論をするつもりもないし、チケット完売に一喜一憂するわけでもない。

ただ、この際、ただひとつだけ言わせてもらえば、

普段ならせいぜい 2,000人前後の集客を持つ南長野のスタジアムが、

あの5月15日には、13.000人の観客で埋まった事実。

これを、どう診るのか?

まづは、そこを解明してから、地域への定着云々を口にすべきでありませんかね?、頼んますぜ。

では。

観客数はあきらめて (長野戦プレビュウ)

声だし応援の高揚感が、集客目標のノルマ追求心を負かす……。

といえば、それまでなんだが、アウェイゴール裏も、座席ひとつ飛びスペース確保のため、北ホームゴール裏が狭まって窮屈なのが、なんとも。

と、はじめに愚痴を吐いてしまおうという魂胆。

でも、舞台装置についての云々はこれにて打ち止め。

で、あとは、ゲームプランのこと。

〈こっちはカメさんに徹する〉
山雅目線としては、ここまで深めたシステム、戦術、プレイヤー選択をブレることなく、倦まずに表現すれば、それでいい。

〈対長野の視点は〉
❶球際の気概と厳しさを求めて、相手は、3バックを採用する?

4バックでもできるチームですが、乾 大知がセンターバック中央に定着していることもあり、また、当方の強力なツートップに対し、数的優位も保ちたいでしょう。

❷基底ラインからボールを繋いで攻撃を組み立てたいスタイルの、長野。
そこに、宮阪 政樹らのボランチが下がってボールを貰いに来ては、左右サイドに展開していく。
その後、おおざっぱにいうと、サイドをロングボールで侵しておいて、クロスか、カットインで仕上げに入る、そんな感じ。

あとは、ペナルティエリアで混戦を創っておいて、ルーズボール、こぼれ球を狙う。

要は、中盤から前方は、あまり手をかけずにフィニッシュというサッカー。

ですから、ポイントは、陣形を崩さずどこまで追い込んで、どこでボール奪取をするか。

それで、ボールの行方のおおかたが決まる。

とにかく、ボールを入手(奪取) したら、シメたもの。
長野のディフェンスは、後ろに向かって走らされると、案外、緩くて脆い。

ゲーム冒頭の10分、それと、後半は60分くらいまでギアを上げて圧力を倍加する、そんなメリハリで試合を創りたいでしょうね。

もちろん得点経過にもよるでしょうが、

相手をどうする?、というよりも、当方は、それぞれの持ち場で連係して、各個が輝くプレイに徹すること、それで十分。

鹿児島との勝ち点差克服のために2点差で勝利、というのはあくまで、オマケ。

では、アルウィンで。

レース『ウサギとかめ』(エピソードⅡ)

イソップの、ウサギとかめの物語。

たいがいの書物ではこれを、傲慢や油断はいけません、を説いたものと教える。

が、『萬年辞書』には、競争における心がまえに関する寓話、とあるんです。

〈ウサギの敗因は、そのレース目的が近視眼的で、ただただかめに勝利することにあったこと。
対し、かめは、あくまで山頂到達を目標にしてレースをおこなった。
ゆえに、かめの真の勝利は、ウサギとの競走結果(勝敗)ではなく、登頂の達成にあった〉

いまなお、リーグ2位以内達成を照準にして戦っているチームと、実質的には、昇格の芽が潰えたチームとの対戦は、今週の日曜日。

前者(我ら) のモチベーションの根源は、あくまで自明。

他方、後者長野にあっては、このゲームの位置づけが、果たして、イソップウサギと同様なんだろうか?

もちろん、それだって、立派な動機づけには違いない。

では。