長良の仇を小倉で撃った日 (2025.4.26北Q戦レビュウ❶)

後半のアディショナルタイムに、追加点をモノにして、

2 – 1 の勝利。

終了間際であって、そこまでどこか鬱屈するような様相だったから、

心象として劇的、としたいのはわからなくはないが、そこに至る20数分間は、終始押し込んでいたので、

必然、とは言わぬが、それなりのお膳立てが在ったことを忘れてはいけない。

狙っていたとはいえ、転がり込んだ絶好機を決めるのは、

やはり、村越が、相当に沈着冷静であった、ということでしょう。

ゴールに素直にパスをする、この感触で、ゴールを積んで下さい。

先制するも、10人で耐えに耐えて、システムも4バックに変え。
しかし、土壇場で失点した、あの岐阜戦の落とし前を、みづからでつけて魅せた好ゲームでした。

ゲーム開始15分間は、中途半端なクリアが引っかかるわ、ボールが足につかないわで、北Qの攻撃に波状的に曝された。

それと、失点の時間帯(60分)あたりも、流れを相手に渡す。

しかし。

残りの時間では、ほぼゲームを主導できていて、危ういシーンはあまり無し。

ギラヴァンツさんがどうこうは、言いたくないが、

直近ゲームからは、先発5人を入れ変えし、そのなかには、喜山、町田、永井といった懐かしいメンツもあったとなれば、

増本監督には、相当の決意があったのか?、あるいは、氏がロマンチックな心情に訴える御仁なのか?、

ま、この対戦を、今後のリーグ戦の、なんらかの〈踏み石〉にはしたかったんでしょう。

しかし、その両サイドバックのところで、ファールを与えるなどして攻撃のリズムを停滞させてしまうことが目だち、チームにフラストレーションが溜まったのでは?

ここらは、山雅サイドバックが、老獪さ(技術も) で上まわっていたように思います。

勝因は……、

❶先制点を獲ったこと。
チームとしてもっと進化するには、前半の残り10分の時間帯、つまり、嵩にかかった攻めの時に、ゴールを生めるようになることが望まれる。

❷陣形が、(上記の芳しくない時間帯をのぞけば)間延びせずに整っていたこと。
時々、北Qが繰り出した、ロングな縦パスがあったけれど、

そこから相手プレイヤーとボールを、サイドライン方向に追い込めたことで、致命的にはならず済んだ。

ギラヴァンツからすると、あの鋭い縦パスによって距離を稼ぐことはできたが、〈キラーパス〉とはならなかったわけです。

ただし、今後。

相手が福島でなくとも、山雅攻略のひとつの手法となる懸念もあります。

戦線からの山雅の圧が空回りすることで、こっちの中盤が緩んだりすれば。

失点シーンですか?

ふんわりとゴールラインから中央へ入れられたボール。

大内の利き腕(右)からすれば、あの体勢だと、はじいたボールがあそこにこぼれるかなぁ、とは思うけれど、

いちばん外から入ってくるアウトサイドプレイヤーを、まったく放置してしまうのであれば、5バックが意味をなさず、

それなら、はじめから4バックで、よかろうが?

では。

Opening Goal がマストです(北Q戦プレビュウ ダメ押し)

いまさら、釈迦に説法でしょうが、

サッカーにおいて先制することの価値は、かなり重くて、

それを契機に、ゲーム進行とコントロール、プレイヤーの心理などなどが大きく左右される。

ましてや、山雅の得点力の現況だと、

先制しなけりゃあ勝てないし、

かつ。

2点以上獲らないと、勝利の確率が、ガクンと低下する。

これ皆、これまでの実績。

ゆえに、

先制点(Opening Goal) は、命綱

複数得点で、やっと安全圏

先制されたら、もう瀕死

……これらが、山雅の公理になっている。

もちろん。

なにが起きても、最後の笛がなるまでは、観とどけますよ。

では。

攻撃の出来で,ゲームは決する (北Q戦プレビュウ)

ギラヴァンツ北九州は、

我が山雅と同じで、3部リーグの4年目を戦っている。(2021シーズンは、2部リーグ21位で降格)

増本監督は、2年目の指揮。

ゆえに、継続性は、あちらに分があるか。

新加入が13人ほど、うち、上位リーグからの期限付き移籍が、8名とくれば、

今季こその昇格に焦点を絞り、実績者を招集した、そんな感じ。

実際。

現在 リーグ第5位につけているので、目標を、まづは射程圏内にとらえた立ちあがり、と言えそうだ。

さて、その戦い方として、

4バックシステムを堅持するが、その中盤より前は、ゲームに応じて手を入れる。

被攻撃面の〈質〉=守る力は、山雅とだいたい同じようなレヴェルと診る。

が、攻撃面では、こっちよりも数段の迫力があるはず。

まぁ、今の我がチームと比せば、上位のチームは、どこも攻撃面で良く見えてしまう。きっと、ヒガミでしょうね。

特に。

右サイドの突破が持ち味だから、そこと対峙するであろうこっちの左サイドの対応が、勝敗を左右するかも知れない。

僕的には、小川を左にまわして、本間、あるいは、樋口を右に配す姿を観てみたいのですが、
あれ、ジャスティンは、U22に召集されていて、無理かいな?

コーナーキックを含むセットプレイからの得点が、総得点の 40%を超える山雅であるならば、

基軸は、ひたすら、相手陣内奥のほうに侵入する仕掛け、これでありましょう。

たとえクロスをブロックされても、コーナーキックが獲られるわけだし。

前線から、切れ目のない、前後に素早い陣容を保つ、これが今季の山雅の〈売り〉と思っていますが、

そのためには、

前と後ろを繋ぐ中盤(インサイドハーフ = ボランチ)を厚くすることが必要で

それには、

3人のボランチを配するのが良いと、いまだに未練がましい僕であります。

大橋が(アンカーとして)、センターバックと 3人で基底を成し、

その前で、山本と安永の攻撃性を活かすためには、

どうしても、4バックシステムを推奨したいが、採用される気配もない中、

(☞ 3バックになると、どうしても後ろに重くなって、反転攻撃に移る際、全体の押し上げが遅く、迫力に欠けると思いません?)

せいぜい、チームには、どんな格好でもいいから、

1本でも多くシュートまでたどり着く、その回数にこだわって闘え、と願うのみ。

さあ。

誰が、その存在感で魅せてくれるのか?、DAZNからの参戦です。

では。

未消化ゲームなど保険にならない (栃木シティ戦の向こう)

たまたま目にした、県内某メディア(新米)の見出しが、

栃木C戦を、〈惜敗〉としているのには、唖然とした。

人は見たいことだけを見る、とよく言うが、

この記事を書いた者が、ゲームを自分の眼で始終観ていたとさえ思えず、

せいぜいが。

0 – 5 なら大敗で、0 – 1なら惜敗(最少得点差)だ、の紋切り型用語を選んだに過ぎないな。

こういうデタラメな記事を、かなり多くの地元民が読まされ、

かつ、この程度のものを書き散らして購読料をもらうのだから、罪作りな話ではないか。

再度、言うけれど。

高知戦はこっぴどくやられはしたが、後半持ち直した、という成果が得られた点で、顔を洗い直せ、で済まされる、いわば、良薬。

他方、栃木C戦は、

ゲーム基調を、結局、こちらへと傾けられず、力量差が素直に現れた〈完敗〉

あの失点シーンは、それまで何回も入れられていた縦パスを、またもや許したことが起点。

要は、中盤の緩みと連携の無さを、最後まで是正できなかったのが根本ですから、

無策(と攻撃の貧相)による負け。☞ これは、重症ではありませんか?

だから、ゲーム後のインタビュウで、

(もし、早川氏がホンネを語っているとして)

失点した後、攻撃面で手は尽くしたが追いつけなかった、との発言は、かなりヤバい。

これ以外、有効なる手法が、現状、我らが手の内にない、との吐露なのだから。

プレイヤーからも、そこらの事情はうかがえて、

サイドバックふたりの発言を読むと、クロスの入れ手、受け手の間に、定式的な決まり事が確立されていない印象だ。

こういうのは、入れ手と受け手の組み合わせが、いくつか在って、

次に、それぞれにおいて、3~5種の、これだと決められる!!、と信頼できるパターンが存在する、と推定したくなるんですけどね。

(註;このゲームに関しては、Jリーグ公式の選手インタビュウのほうが、その認識のまっとうさがわかる点で格段に優れてはいる、大内と大橋の正直さよ)

サイドバック小川から、素晴らしい弾道で、速いクロスが投入されたとして、

田中 想来の中で、あらかじめ、そういう質のクロスが、どんな高さで、どのあたりに飛んで来る、といった〈イメージ〉が、確立しているんだろうか。

飛び込むものの、かすりもしなかったけど……。

僕からすれば、コーナーキックの、いくつかの手法は、観ていて了解される。

たとえば。

野々村、二ノ宮に合わせる場合、佐相あたりが囮になって、キッカー方向へ走り、空いたスペースを創り出しておいて、そこに野々村なりが入ってきて、撃つ、そんなやり方。

素人にもわかるほど、落とし込んでいるからこそ、

総得点の 40%をセットプレイから獲っている、という実績になっているんですよ、きっと。

攻撃の方程式が、チームで申し合わせされ、納得された手法として用意されることを願うばかり……。

ソネさんも、栃木C戦は〈完敗〉で、あと何点か獲られてもおかしくなかった、との評。

― じゃあ、君の提案では、どういう手があるね?、と訊くと、

― 安藤、バルガスの長期不在がどうしようもないのなら、チアゴ サンタナをフォワードにコンバートするのも手ですよ、と真顔でおっしゃる。

彼によれば、

現在の2ゲーム未消化など、なんのアドヴァンテージでもない。

なぜなら、かりに勝ち点 6を加えても、6位に手が届かないから。

たしかに。

これほどの攻撃の低調だと、

この先の、北九州、金沢、大阪と続く3連戦の流れは、

山雅にとって、その浮沈にかかわるしんどい渡河戦、みたいなもの。

恐ろしいくらいの。

したがって、

リーグ戦の 4分の1を終えた感触では、

(チームには、時間との争いで、やるべき準備に精出してもらうにせよ)

6月末のリーグ戦折り返し点で、なんとか、勝ち数と負け数が拮抗していれば、上等 と考えます。

では。

一歩でもいいから前へ (栃木シティ戦レビュウ❸)

……さてと。

我がチームが進化している部分もあるわけでして、

もともとが、指揮官がディフェンダー出身であることと関係が有るのか、無いのか、

守備面の規律性と (ディフェンダーの)攻撃性が高まったことが、ひとつ

栃木シティ戦では、3分間で、3回、相手の雑さがあれども、ともかくオフサイドを獲れていた。

センターバックが、サイドバックを追い越す駆け上がりは続けるとして、

あとは。

中盤との連動で、お互いが、パスコースに顔を出してあげる、そういう勇気と、コマメさが増せば良い。

でないと、ボールホルダーのところで、攻撃速度が、かならず鈍化する。

ふたつめ。

パスによって、相手のラインをはがす連携

この面は、足もとから足元への、各駅停車の、ボール転移が目立った過去2年に比すと、かなり良化されている。

特に、3人目が空いたスペースに素早く入り込むことで、ボールを運べるシーンが多い。

ここでは、大橋を、チームとして巧く活かしている、とも言えるだろう。

アンカー的な仕事も、無難にこなしているし。

アルウィンの雰囲気は、

いまだに、バックパス否定論者が絶えない

さりとて、

組み立て直しや、相手を揺さぶりたいがためにやる、後方へのパスまで否定されると困ります。

栃木シティ戦における不足は、

山雅のプレイヤーが、互いに良好な距離感(= ソリッドな陣形) の中で、なかなか前へ向かえなかったこと。

(前半の後半は、それができていたが)今後も、この基軸を追求するならば、

相手の陣容の網の目の、粗密になどお構いなく遂行できるようになること

……さて。

以上を保持しておいて、

その先を、

より大胆に(手数をかけるかけない、とは違います)、オートマティカリイにする

ペナルティエリアに侵入できれば、いちばん。

けれど、ペナルティサークル近くからなら、ゴールマウスの幅(中央へと)ボールを持ってきて、そこからシュートでもいいではありませんか。

前記事でも指摘したとおり、

現状、枠内打ち込み比率はそこそこであっても、シュート本数(絶対値)が伸びておらず、

ひょっとして、

最後の最後、絶好の位置に持ってくるまでは撃たない、撃たせない、という戦略からなんでしょうかね。

❷大内からのロングフィードを多用するなら、それをムダにしない方法の開発。

そもそも、現在稼働できるフォワード陣の特性とマッチングするのか?があろうけれど、

ならば、すべてを頭で競る考えに固執せずに、かつ、

そのセカンドボール回収比率を高めることとセットになった手法(人、スペース)を見い出したい。

では。