両翼をもがれて (長野戦レビュウ ❹) 

さて、今回は、すこし踏み込んだゲームレビュウ。

アウェイからの帰途、
車上ルーチンワークは、助手席の家人に、ゲーム後監督インタビュウを読んでもらうこと。

そして、今節。

読み終えた家人は、
― ちっとも、この敗残を痛感してない!!、と吐き捨てたんだけれど、

僕のは、すこし違っていて、
どうやら率直、痛烈に言いたいところをかなり我慢している、そんな感じがした。

やりたいことはアタマでは理解しているけれど……、あたりは、登録プレイヤーの技量に対する見切りを、できる限りトーンダウンした言い方だ。

これを読む者は、

― 残念ながら、これが、現況精一杯の技量なんだけれど、それでも、なんとかこの路線で行きたい、そう解釈すべきだろう。

不調や怪我の情報をできるだけ避けている様子もあって、
特に、サイドバックに置きたいプレイヤーの不在に苦慮していることは、明らか。

僕は、天皇杯予選のサイドバック配置については、てっきりリーグ戦への煙幕とばかり思っていたが、全然違った。

プレビュウで書いたとおり、対長野戦のキモは、サイドの攻防であったはず。

で、橋内 優也を右に置かざるを得ないとすれば、このサイドから敵陣奥深くの侵入は、榎本 樹による単騎突入が目に見えているし、

右 山本 龍平では、屈強な長野5バック守備とタメにやらすのは、あまりにも酷

特に、山本の場合、左方向にフタをされると、連携をかまさないと、単独で左へと切り崩すのが、なかなかむづかしい。

もちろん橋内、山本ふたりは力を出し惜しみすることもなく奮戦していたが、
両サイドは、どうだろうか、欲目でも、2 対 8 くらいの、圧倒的な劣勢であって、それがほぼゲーム趨勢の比率となり、

このエリアの閉塞が、山雅の敗因の かなりを占めた、と思う。

そして、両の翼をもがれた状況を、他の局面でひっくり返すだけの、工夫と智恵がなかった。

後半、榎本を下げたことで、状況はますます絶望的になるも、

橋内に替えて宮部 大己を投入したことで、左サイドにいくらか風を吹き込めるようになったので、あそこは、先発宮部でしたね、やはり。

要は……、読者お察しのとおり、下川 陽太と藤谷 壮の復帰(復調?)がないかぎり、よほどのテコ入れをしないと、この厳しさは続くと診ます。

では。

平常運転さえ できなけりゃ (長野戦レビュウ ❷)

ゲーム終了の直後。

篠ノ井駅行のシャトルバス乗り場に向かって歩いていると、

(自宅でおそらくはDAZN観戦の) 息子から、電話が、相方のスマフォに入った。

かなりお怒りの様子だったから、切り際には、おいおい、家族に当たり散らすなよな、とご忠告申し上げのだが、

その要旨……、

❶何をやろうとしているのか、不明なサッカー。

❷縦パスが入った時の絶望的な判断の遅さに象徴的な、その都度考えてのプレイ。

❸2失点目に至る(サイドでの)マークの受け渡しなど、とてもプロとは思えないほどズサン。霜田さん、守備面全然見ていないんじゃあないか?

……、おおかたその通りなんだろうな、と思います。

長野は、普段から突き詰めているだろうサッカーを、忠実に遂行しただけ。

つまりは、主にサイドを起点としたカウンター攻撃、宮阪によるセットプレイの妙味、反則ポイントリーグ最多レベルの、激しい当たり(犯した反則20以上)など。

前節、いわてグルージャ戦、内容では、7割方優位を獲られても、4 – 1 で勝ち抜くサッカーであることが納得できる。

対し、我が山雅のほうが、自分流儀を遂行するにおいて、ミゴトにお粗末だった。

こうなると、前節対FC大阪戦の勝利も、偶然と菊井悠介の個人技だけによるものだったことが、証明された。

だから、これで、実質4連敗。

要は、沼津戦以降の、自己スタイル表出における急降下曲線、ここにフォーカスしないと、なんにも始まらないではないか。

では。

さぁ,もって来いの2週間の始まりだ (長野戦レビュウ ❶)

次節の、ホーム鹿児島戦(5/28) まで、

(チームにとって十分か? は、別として)

ファン&サポーターには、少々時間があり過ぎるので、

しかも、感情的な思い入れがあるばっかりに、

尾ひれ背びれがついた、共同幻想の松本山雅、についての評論が飛び交う、そんなことが、しばらくは、続くんでしょう。

ただし、共同、といったところで、それは、各個の心象に多分に左右された信念、信条みたいなやつですから、厄介なこと甚だしい。

せいぜいそれらを整理、腑分けしときましょうか、この2週間。

萬年的には、ひとつの投稿を、手短か、簡潔にすべくをモットーにして。

2 – 1 の敗戦。

結論から言うと、監督2年目で、継続的なスタイル深化が機能している長野と、

ここ4年間、毎季あたりひとりの指揮官でやりくりしてきた山雅との、

サッカースタイル浸透度の差が際立ったゲーム、でありました。

ダービーですか?

そういうのは、それを売りにして、かつ煽った方々に、お任せします。

では。

秘策は仕込まれた (長野戦プレビュウ ❷)

長野はどうやら、リーグ戦から大幅なターンオーバーをしたらしい(@天皇杯県予選)。

ただし、カウンター基調の、ペナルティエリア侵入迫力の偏愛、それと、セットプレイ(by 宮阪)といった特長は、チームとして不動に違いない。

どちらかといえば少ないチャンス、それを決め切るサッカー。

では、山雅は、どうか?

霜田さんは、ゲームにおけるプレイヤー登録に際し、連続性をかなり大切にしているようにみえる。

でも、控えめであっても、あのゲームなりに変則は、仕掛けてあった。

ひとつは、サイドのところ。

天皇杯県予選のレビュウを書いた後で、霜田さんのインタビュウを読んだら、橋内は、(4バックシステムの) サイドバックとして起用した、とある。

僕から観たら、あれは機能的には、断然3バックであったから、
今節への煙幕として、右サイドをある意味、囮として使ったのだと判断した。

長野は、そこを狙って、森川が再三衝いてきていたけれど、

ここで、今回は、どちらがイニシアチブを執れるのか?

このあたりが、本職のサイドバックを起用することで、山雅に優位に展開すれば、霜田さん、相当な策士といえる。

だから、ポイントは、山雅の右サイド、つまりは、長野の左、そこのせめぎ合い。

ふたつめは、ボランチ。

安東、米原のセットだったが、今回はより強度を強くしたセットでゲーム冒頭から来るのかどうか?が、ちょっとした見もの。

更に。
変則的といえば、(県予選) 榎本は交代で出て来て、そしてまた交代しているんだけれど、個人的には、右サイドやる時がいちばん活きているので、そこで先発でいいんじゃあないか?

……発声可能となったスタジアムの熱気は、これを、存分に楽しみたいが、

チームはむしろ、そんな高揚におかまいなく、

究めるべきスタイルを、沈着、果敢に遂行すれば、おのずから道は拓けるし、課題も正直に絞り込める、と思います。

10ゲームを消化して、スタイルがそこそこ出来てくること、それが、大切。

では。

少々奢れ (長野戦プレビュウ ❶)

南長野スタジアムの、ホーム自由席。

そこは、アウェイカラーやグッズを身につけての占有はご勘弁、とのルールなんであって、

アウェイチームと一体化した応援、声援をダメとしていないから、今年も、そこでいいや、と思っていた。

が、娘が気を利かしてくれて、メインスタンドのアウェイ席を獲ってくれたので、少々奢って、今回は、そこで観戦です。
(発売開始10分で、アウェイ側は、完売だったらしい)

指定とあれば、もはや待ち時間に汲々することもなく、長野駅前に駐車して、(駅そばでもいただき) そこから、篠ノ井駅へ移動、その先は、シャトルバスを使おう。

座席とアクセスをまづは心配しなければならぬ、とはなんとも鬱陶しいが、
それを確保してはじめて、ゲーム内容に気が及ぶ。

〈守功一体、 高強度サッカーをやり切れ〉

対沼津戦は、相手のポゼッションをそこそこ抑えたものの、攻撃の起点に巧くフタをされ、最終ラインのビルドアップを窮屈にされた結果、持ち味の〈強圧〉に欠けた。

ここらから、対戦相手がよく研究してきていて、難しい戦いを強いられている。

だから、このゲームが格別にどうこう、というよりも、今季チャレンジしているサッカーを取り戻すことこそ、大切。

今節は特に、強度にフォーカスしないと、なかなか難しい展開になりそう。

何故か?

長野パルセイロは、カウンター攻撃を基調としたスタイルなので、

その攻撃スイッチを、(アバウトな)セカンドボールの奪取や、相手のパスカットをすることで入れる。

天皇杯県予選では、(ジャッジの妥当性はともかく)、長野にイエローカードが4枚ほど出たはず。

つまりは、ボールやボールホルダーへの寄せが鋭く、激しい。

となれば、山雅流の、高強度サッカーを究めるためには、長野は、絶好の対戦相手なのだ。

前線からの追い込みはもちろん、強固な中盤を形成して前へ前へと向かおう。

では。