成功例か? 哲学か? (いわて戦プレビュウ)

Jリーグに参戦するチーム(現在60)すべてと対戦した、史上初のチームは、松本山雅であった。

……という歴史的な!!日が、まさに今日。

ですが、そこはあくまでサラリ、と指摘しておいて、

さて、グルージャ。

無念にも、上位リーグから一年で陥落し、それなりの手を入れて今季戦っているのでしょうが、2部での苦闘を経れば、チームの成長もあったはず、と思いつつ、

前節、ホーム富山戦(1 – 2 の敗戦)を、前半25分くらいまで観返した。

強く印象に残ったのは、リーグ屈指の、高い技量を持ったプレイヤーを有する、ということ。

キャプテン田代 真一(センターバック)の、状況を読む落ち着き、
李 栄直(ボランチ)の、汗を惜しまない運動量、
新保 海鈴(左サイドバック)の、突進力、
和田 昌士(シャドウ)の、スピードとテクニック。

チョッと観ただけでも、これだけのタレントに目がいく。

そのサッカーを、ざっくり言えば、

質の高いプレイヤーを揃えたうえで、
自陣ではあまりチンタラやらずに、素早く相手陣内に進入すると、パスワークやサイドチェンジを駆使して、手早くシュートまで持ち込むスタイル。

で、これに対し、カターレ(勝者)は、盛岡サッカーをかなり不完全燃焼にさせた。

その方法とは、

富山陣内にあってひたすら、グルージャにボールを持たせない、繋がせない策を徹底した。

つまり、自陣でボールを獲ると、前線のフォワードと連動するタイミングで、ズバンと、縦にロングボールを入れる。
これは主に、今瀬 淳也(センターバック) が受け持っていた。

こうなると、頭上を越えて、やりたい攻撃をひっくり返される格好になるから、盛岡は、自分たちのリズムをなかなかつくれない。

それでも、徐々に、左サイドに展開して、新保を走らせると、クロス投入によってチャンスを創り出してはいた。

ゴールすべてが後半に生まれたので、僕のは、スコア0 -0 時の 感想ですが、

山雅がグルージャとやるヒントは、ありがたいことに、カターレが教えてくれたのではないか。

つまり。

山雅陣内では、グルージャに、自由にボールを動かさせない、これに尽きます。

これは、なにも守備面に限る話ではなくて、

現山雅流サッカーからすると、かなり高い位置から攻撃のスイッチを入れ続けることが、大前提でありましょう。

そして……、

❶グルージャの前進を、できれば、中盤より前で断ち切る。
クロスまで持っていかれると、クリアしても、コーナーキックの被弾が待っていて、盛岡はセットプレイからの得点が多いから、リスクが深まる。

❷山雅の最終ラインからボールを動かす場合、パスワークでいくか、あるいは、富山がやったように、ロングフィードを多用するのか?
対今治式、あるいは、対讃岐式、どちらを採るか?

この2点につき、チーム意思統一を徹底すること。

僕としては、自陣からボールを握り続け、真っ向から、盛岡を上まわる強度とスピードを保つことで、山雅の哲学を追求してもらいたいのですが。

では。

あこがれの。 (いわて戦プレ・プレビュウ)

あぁ、あこがれの地、岩手よ。

なんですね、僕にとっては。

できれば現地参戦、とは思いましたが、

そっちのほうは、アウェイツアー参加の京子さんにお任せするとして、

今回の対戦を前に、こころを彼の地へと向けたら、たまらずに、

盛岡出身の作家、石川 啄木 (1886~1912年) の歌集『一握の砂』(1910年 刊行) を、駆け足で再読してしまいました。

短歌形式の中で、際どい抒情をおこなおうとなったら、百年前は、こういうのがモダンだったんでしょうか。

よりそひて
深夜の雪の中に立つ
女の右手(めて)のあたたかさかな

ここに、どの程度の虚構(ウソ)が紛れ込んでいるかはともかく、ぎりぎりで上品さを保つ表現が、憎い。

こういう美点は、同年生まれだった、萩原 朔太郎(1886~1942年) の詩には、残念ながらありません。

で、かの宮沢 賢治(1896~1933年)も、やはり、岩手(花巻市)のご出身。

なんとも贅沢な、郷土の文学者たち、ではありませんか。

僕が、青森市の親族を訪ねるのはだいたいが、夏の8月。

帰途は、東北道をひたすら南下するんですが、季節がらか、右手に仰ぐ岩手山は、いつも、頂上が雲の中。

通過する度に、ここらのインターで降りて、イートハーブの風土を味わってみたいものだと思いつつ、いまだ果たせず。

でも、考えてみれば、

今回参戦したところで、自宅 to スタジアムの往復のみで終わり、

盛岡冷麺さえ、楽しめなかったんでしょうがね。

では。

ナイス ゲーム!! をもっと (讃岐戦レビュウ❷)

今日、職場で。

ヤナさんが、

ナイスゲーム!!、と挨拶がわりに。

たしかにね、率直にチームを讃え、勝ちを喜べばいいんだ、と思いつつ、

帰り際、今度は ソネさんに、(アルウィン参戦) お疲れ様でした、と声をかけたら、彼曰く、

― これで、(ゴールを決めた) 滝 裕太は左で使う、で、決まりですね。

― それも、右インサイドハーフの村越 凱光とセットで、となるかなぁ?、と僕。

村越が中央でボールを受け、それを利き足(左)で、左奥のスペースへ配球、滝を前へ走らせるといった、定型的なパスワーク。

それが、ゲーム中、たしか 3度あって、そのひとつが、先制点に実ったのだった。

さらに、59分の追加点 (by 小松)。

その直前、ボール支配の時間が続き、

住田 将、下川 陽太が、相次いで左サイドからクロスを打っている。

そういう流れから今度は、小松 蓮が、讃岐最終ライン裏へと抜け出すタイミングを狙った、菊井 悠介のクロスから生まれたゴールだった。

1点目は速攻で、2点目は、じっくりと攻めた。

攻撃の引き出しが蓄積されてきたことが証明された、ゴールふたつで、なにより。

……、とこれで終わってもいいんだけれど、ひとつだけ。

今後、勝ちをより確かにするため、

相手が、ツートップ気味になって食いついてきたら、どうするか?、ってこと。

あのゲームの60分以降、讃岐が、その策を採用。

山雅センターバックふたりに対し、相手フォワードふたり、という構図において、数的な優位を保とうとしたため、なんだろうか?、

両サイドバックが、高い位置を採れなくなってしまう。

つまり、サイドからの攻撃が、急に影をひそめた。

ツートップ化と同時に、讃岐は、3バックに変更していて、

相手#10(右センターバック)が、息を吹き返したように、山雅の左サイドにたびたび侵入するようになった。

守りに追われて、攻撃に手がつかず、よって、讃岐にいいようにリズムを渡してしまう、といった印象。

それでも、なんとか凌ぎ切れた、けれど、

センターバックふたりが、同数(あるいは3人) の相手フォワードのファーストディフェンスに曝された場合。

その状況をひっくりかえして、当方に、攻撃の主導権を手繰り寄せる方程式、

(すべてを、蹴り出しで対応するのでなければ)
これは必ず、解いておかなければなりません、山雅。

たとえ、防御率が2点(ゲームあたり失点 1.4 )であろうとも、3点を獲って、ゲームをモノにするために。

では。

元に戻して,守る公約 (2023.6.17 讃岐戦レビュウ❶)

直近、封印していた、最終ラインから繋ぎ、組み立てるやり方に戻したうえで、

ホーム帰還のゲームを、2 – 0 で勝利。

スコアはともかく、内容的には、完封、とまでは言い切れない、かも知れない。

けれど、相手の2倍はシュートを撃って、得点も倍みたいに積んで、しかも、無失点。

自分自身に及第点を与えられない課題や、営業的に秘しておきたいことも、多分あるだろう。

が、松本山雅よ、みづからを誇れ。

そして、ゲームの出来については、やってる身として、必要以上に、ファン&サポーターに対し、おもねったような言動も要らない。

MVPの橋内 優也が、インタビュウで発信した、

ひとりがひとりを誘って、アルウィンの閑席を埋めてくださいよ、という煽りは、

僕には、ずいぶんと堪えました。

橋内、よく言った。

弱くなれば減って当たり前、とか言って、観客減を、自分を棚上げして語っているような連中には、どう響いたんだろうかね。

(強ければ足を向ける、っていうは、どうも胡散臭くてなりません)

さて。

ようやく、14節を消化する過程で、それなりにチームのやりたいことが、まるでポラロイド社写真の画像が浮き上がってくるように固まってきた、と考えたいところですが、

ゲームそのものに関する議論は、プレビュウ❷で、すこし。

では。

相手の 倍獲れ (讃岐戦プレビュウ❷)

季節の憶え ☞ 夏椿、花落ちて知る、その開花 (3日ほど前から)

つまりは、相手の2倍は、ゴールを挙げよう。

無失点ならば、もっといいが、事故みたいな失点は避けたい。

とにかく、勝つには、終了の笛が鳴った時、得点で、相手を上まわっていなければ。

ここで、前々節の、対相模原について、勘違いの向きがあるようだから、ハッキリさせておきますが、

双方がオウンゴールで、1点づつをやり合っているので、

実質は、4 – 2 で決着したゲームでありました。

5得点、などと血迷ってはいけません。

で、終盤に立て続けの失点だったから、(感情的に)後味が悪かっただけのこと。

4点を、自分たちのやりたい形で叩き込んだのだから、立派なスコアだと思う。

チームがこれを誇らずして、どうするのか。

やっとホームでやれる、ってのに、

観客の反応を伺いながらゲームをするなんてのは、なんとも悲しい話であって、

飄々と、堂々と、やりたい放題、ゲームに没頭してもらいたい。

今季初のナイトゲーム(@アルウィン)。

しかも、モモ氏が、再びご観戦。

 山雅愛 惜しみなく与ふ 夜よ来い

では、アルウィンで。