
上の質問の答えは、イエス、でもあるし、ノーでもある。
〈智恵に財産が伴うのは良い〉(伝道の書)、のならば、ノー。
〈富を好む者は富を得て満足しない〉(同上)、であるなら、イエス。
……ところで。
― 町田ゼルビアの監督がねぇ、と助手席の家人が、ふいと切り出した。
― ……?
― 〈ケンセキ〉ってどういうこと? 報道では、〈けん責〉とあってね、わかりづらい。
― ケンの漢字は、遣唐使の、〈遣〉のつくりに、ヘンはなんだったっけか?
とにかく。
規律違反等について、その本人から〈始末書〉を取りつけて、これから先を戒める懲罰です。
処分としては最も軽い部類。(再犯の際は、始末書を盾にして罰する含み)
重くなれば、勝ち点剝奪、ってのもある。
聞けば。
ゼルビアの監督が、チーム関係者にたびたび暴言を吐いて、当初は、クラブも本人も否定していたのだが、
その後、事実が認定されて、Jリーグがこの度、〈譴責〉の裁可を下したという。
そのくせ、ハラスメントとは認めていない。
要は、本人やクラブが、はじめは強情に白状しなかったのを不遜とみなして、
もっとも軽い懲罰で、一件を終わりにしたい、というところだろう。
幹部や指導者によるハラスメントならば、もっとシドイのがあったじゃあないか、というホンネがみえみえなんだが、
この程度で手を打ちたいリーグの気持ちがわからないでもない。
そんなもんです、世の中は。
人材が不足する職場ほど、
仕事のできない者が、保身のために、怠慢を隠すそうと平気でウソを言う。
ゼルビアの場合は、まあまあの仕事ができる者の〈ウソ〉であるだけに、すこしはアタマを使ってる(= 巧妙)かも。
勝てば官軍、とかの本心でね。
2019年から、サイバーエージェント社が保有権を持つようになり、
やがて、同社のトップが、クラブ社長を兼任、
2023季の、同クラブの売上高は、57億円まで上積みされた。
これは、J1クラブでは、10位にランクインする金額。
乱暴にいってしまえば、
町田ゼルビアは、その戦績(順位) においても、
10位内に入ってきてアタリマエの存在なのです。
所属リーグは、上手にやれば、金で買える証拠のひとつであって、そのこと自体は、善でも悪でもないが、
急成長の者には、羨望と同時にかならず嫉妬もそそがれる、という人間の弱さ。
それが、町田の周辺にはまとわりついてしまう、そんなひとコマだろう。
では。