気づけば,なんと (FC琉球戦レビュウおしまい)

こんな話を聞いたことがある。

……日本が太平洋戦争をやってた頃、世の中では英語を、敵性語として禁止していた。
或る大学生が、学徒出陣の中、軍隊(海軍)へ入隊して、
初の訓示を受けた際、

教官が、冒頭に、

「帝国海軍は、タフネスとスマートネスを本分とする!!」と(英語で)言い放ったのにはびっくりした……。

今の山雅がめざしているのは、まさにこの、スマートネスとタフネス

技量を上げて、強度の高いサッカーをやる、ということに違いない。

僕は、そこに、〈抜け目のない〉を加えてもらいたい、と願うけれど、この姿勢は、セットプレイ(含むCK)によく見られるので、満足だ。
☞結果、セットプレイからの得点が多い。

スマートネスとタフネスの両立。

その指標のひとつが、Jリーグが定める〈フェアプレイ賞〉と考えている。

主に呈示されたカードの多少によって算出され、ゲーム当り 1ポイント以下、

つまり、今季だと、38点以下のチームが受賞できる。

要は。

いかに非紳士的なファールが少ないサッカーをやったのか?

言いかえると、どのくらいスマートに戦ったのか?

ボール奪取や、1対1の攻防(=デュエル)といったタフな局面で、ファールを犯すことなくやってのけるのは、技量の向上のあかしだろう。

もともとファールのすくなさでは、リーグでベスト3くらいだった山雅、

ここへきて、気がつけば、反則ポイントにおいて、ついに!!

第2位に上昇しているではありませんか (11/17更新)。

37ゲーム消化して、ポイントは、30。

(註;最後に、キックオフ時刻遅延分数が加算されますが)

過去2年は受賞できず、

3部リーグに参戦して、ようやくここまで来たか、という感慨に浸っています。

では。

なんとか,ここまで(琉球戦レビュウ❷)

チノ氏(北ゴール裏同志)が、しみじみと、

― これだけ、3バックでやれているのは、4バックで積み上げた経験があるから、と考えたいね。

巷間、3バックの採用は守備の安定、と評されるかも知れないが、

3バックになって、いちばんの賜物は、攻撃の起点と果敢さが増したことだと思う。

たとえば、センターバックの左右どちらかが、前方へボールを持ち出す、サイドバックが、よりバランスを保って上下する、

そして、機をみて前線へロングフィードを敢行する、そんなこと。

こういう手馴れ感がベースにあって、

特に、ボールを持ちたい相手に対しては、

陣形を、縦にかなりコンパクトに保っておいて、

相手のボランチ(アンカー)を前向きで仕事をさせないように寄せ、そこからのボール配球を窮屈にする。

かりに縦に通されたら、次なるボールホルダーを攻めて自由にさせない。

琉球戦でも、5 – 2 – 3、5 – 4 – 1、5 – 3 – 2 と変幻に連動しながら、

パスワークと、時折見せる裏狙いのロングボールには対応できていた。

以前から望んでいた、〈守功一体型〉サッカーが、ひとまづは、ひとつの到達点を確保した。

で、なんとか。

勝ち数を負け数に対して数個上まわることができ(プラス5個)、

残り1節を残して、プレイオフ圏内の順位を確保できた……と。

リーグ戦をやってる中、僕が、リアルなシナリオだろうと診たことが実現しつつあるんですが、

これはこれで、やはり、

恍惚と不安のふたつ、我にあり、ですかね。

では。

【心象速報】敢闘賞は彼に…… (2024.11.16琉球戦レビュウ❶)

レギュラーシーズンのホーム最終戦は、

2 – 1 の勝利。

MVPは、1ゴール1アシストの、安藤 翼 に違いない。

で、敢闘賞は

右サイドで、相手の左サイド攻撃(藤春ら)を抑え込んで果敢に走り回った、

佐相 壱明、これも納得できる。

でも、萬年式だと、

さらに。

ディフェンス陣の安定のお蔭もあったけれど、

飛び出し、位置取りの判断、キャッチングの確実性などを魅せた、

GK大内 一生を推したいと思います。

先制点の安藤のゴールを、正確なフィードでアシストしたのも、大内でした。

さらに、さらに。

機転が利いたチャントの選択によって、共闘するアルウィンを演出した

コールリーダー氏には、敢闘賞の誉れは十二分にあった、と思います。

繰り出すチャントが、すべてアルウィンの高揚と、あと3ゲームに向くファンサポーターの気分に、ピタリと合致していて、素晴らしかった!!

で、プレビュウで望んだ、

チームが〈巧く〉戦った内容に関しては、プレビュウ❷で少々。

では。

アルウィンの寛容の中で (FC琉球戦プレビュウ)

3連勝だの、PO圏死守だの、

周りがやたらとざわめき、湧き立とうとも、

そしてこの時季、プレイヤー個々には、感慨もいろいろあろうとも、

チームはひたすら、シーズン通して深めてきたサッカーを着々と行えば、それでいい。

90分プラスα、自分流を信頼することにおいて、ブレないサッカーを披歴せよ 。

このメンツが競演できる、レギュラーシーズン最後のホームゲームでもあるんですから。

技量差のすくないリーグで戦うからこそ、

山雅に必要なのは、

上手くやることに加え、〈巧く〉(=巧妙、狡猾)にゲームを揺さぶること。
(☜前から言ってますが)

起点となる、ボールを持つ、持たせるのさじ加減も、こっちが主人公となって立ちまわれ。

能動的、ってのはそういうことだと考えます。

琉球は、ボールを持ちたいサッカーをしたいだろうから、

相手に立ち合いの変化がなければ、比較的組しやすいはずで、勝機はそこらへん。

 

……ところで、ひそかに。

どれくらいの入場数になるかには、ちとご注目。

天候や、個々人公私の都合はさておいて、

勝っているようだからやって来る者をも受け入れる寛容なアルウィンだけれど

勝ち馬に乗りたい、都合の良い時だけここにいたい、といった変数要因も見ておきたい。

では、初冬のアルウィンで。

連勝止まる (ただしバルサ)。

リーガエスパニョーラ(スペイン1部)の今季にあって、

バルセロナFCは、開幕から7連勝。

その後1敗した後、また 4連勝中だったのが、

第13節、対レアルソシエダ戦(アウェイ)では、0 – 1 で敗戦。

けれども、ここまでたったの 2敗、トップの座をひた走る。

職場のクレ君曰く、

― 止まらない連勝はありませんからねぇ……。(口惜しそうに)

僕の印象では、バルサのサッカーもずいぶん変容して、

まるで、プレミアリーグ(イングランド1部)のように、フィジカルでぐんぐんと前へ進攻するようになった。

さて、バルサに土をつけたレアルソシエダの中心プレイヤーのひとりが、

久保 健英(23歳)

もはや、国籍や人種の形容詞が要らぬサッカープレイヤーの仲間入り、でしょう。

このゲームでも、ずいぶん魅せるから、ここにハイライト動画をご紹介。(やがて削除されそう)

僕が、プレイ同様に感心したのは、ゲーム後インタビュウの応え(スペイン語)。

その中で……、

(大切なのは)この街の人々が明日、ゲームの勝利について話すこと、みたいなことを言っていて、

サッカーチームが街に存在する至福を知っているプレイヤー、こういうのいいですなぁ。

今からすこし前。

2019年4月28日、山雅は(トップリーグで)、FC東京と闘って、0 – 2 で敗戦。

このゲームでは、

アシストと、被ファールによるPK獲得にと躍動した久保には、やられ放題だった。

ま、かように我が山雅が、久保君の成長に一役買っていることは、確か。

では。