最近の〇〇は~っ、といって、批判を始めることを、できる限り止めにしたい。
最近だって、よく探せば、いい仕事は、たくさん在るのだから、年寄りの回顧趣味はいかん、とみづからを戒める。
結局は、時間が過ぎて、時代の虚飾や喧騒が剥がれ落ちないと、仕事の良し悪しは見えてこない、と考えることにしているが、
自分が、いつも時間の後からついていく、ってのもなぁ。
そんなことをつぶやいている中、
柳ジョージのソローバラッドに浸りたい、と思いながら、なぜか、エタ ジェイムズ (1938~2012年) に行きついてしまう、といった仕儀でありまして。
要は、ソウルフルな歌唱にうっとりしたいわけです。
『I’d Rather Go Blind』(1968年発表) は、もともと友人の作で、エタがそれを聞き取ってカヴァーすることで世に出た、というのが経緯のようだ。
この恋は終わり、ってピンと来たんだ
あなたが 彼女と話し込んでいるのを見た時
ココロの奥で〈泣きなよ、お前〉っていう声が聞こえたんだ
そう、あなたが 彼女と歩き回っているのを見た時さ
いっそのこと 盲目になりたいくらいなんだ、わたし…
破局の、ほとんど確実な予感の唄、というキャチコピーはいかが?
泣きなよ、お前は、英語の歌詞では、Cry Girl。
girl は、boy の反対語、とだけ思っていると、この歌をティーンエイジャーの失恋、ととらえてしまうけれど、それは間違い。
girl は、幼子からご高齢までの女性について使うコトバであるから、歌い手の年齢次第で、大人の恋心を表現できるんです。
では。