足許の話は,続く……。

先日、拙宅にやって来た小学二年生が、新しいスニーカーを履いている。

全体が白で、かかとの部分がグリーンのシンプルさ。

― これ履いて、アルウィンへ行くんだ、と嬉しいことを言ってくれるではないか。

僕も負けじと、そろそろ新調したい足許のこと、を考える。

アディダスは、山雅界隈ではありきたりだし、

ナイキの、 ダンクLOW レトロSE、などはいかが?

白基調で、ヴィンテージグリーンを、縁取り的に差し色に配し、シューレースも深い緑を採用、なんてのは、上品だなぁ。

もしも〈ミドリ〉がくどければ、靴紐を、たとえば、紺色に変える、とか。

でも、価格が、100ドル超……。

これじゃぁ、相方の支持取り付けがむづかしいかも知らん。

なら、他種を探しましょうかね。

ところで。

大宮遠征の頃から、愛車に流れているのが、

ライ クーダ―のアルバム『チキンスキン ミュージック』(1976年発表)。

さきの二年生が、この中の、

〈Smack Dab in the Middle〉をかなり気に入って、スキップして曲を探しては聴いている。

どこがいいの?、と訊くと、

繰り返しの最後、歌詞の、

Well,let me rock and roll to satisfy my soul 

この末尾、単語〈SOUL〉を引っ張るようなコーラスが、素敵なんだそうな。

確かに、豪華なバックコーラス。

で、このアルバム全体のテーマ、

古いスタンダードな楽曲を、ライとその仲間たち独自のエッセンスを注入して、

アッと言わせるほどに、(別ものの)新曲に仕立てて魅せる感が、満載。

というわけで、1977年のライヴ演奏(BBCTV)で、それを楽しんでしまおう。

メンバー紹介をやってるから、コンサートのラストナンバーでしょうか。

ちなみに、SOULは、どこかの球団では、SOU1、ですけどね。

では。

『バッファロー ’66』からの、おまけ。

この作品には、スタン ゲッツ(テナーサックス奏者、1927~1991年)の楽曲が使われている。

そう言えば、当ブログの〈過去画〉の紹介では、

ゲッツが、チェット ベイカー(トランペット奏者、1929~1988年)と、

1983年、ストックホルムのコンサートで競演した、

〈Dear Old Stockholm〉を採りあげてあるんだった。

この曲は、僕の、大大お気に入り。

なので、

ブログでは、いままでに

マイルス デイビス(トランペット奏者、1926~1991年)と、

ユタ ヒップ(ピアニスト、1925~2003年)の演奏を、それぞれ、ご紹介した(記憶があります)。

で。

懲りずに、今回は、トミー フラガナン(ピアニスト、1930~2001年)のやつをご紹介に及んでしまう。

しかしまあ。

こうやって、親しいジャズミュージシャンを、ズラリと書き下してくると、

皆さん、昭和一桁(初頭)の生まれ。

でもって、今世紀に入るか、その手前で、他界されている……。

今さらながら、

僕は、そのあたりの方々の演奏をよく聴いてるわけだ。

では。

『Still Crazy After All These Years』(1975年)

ポール サイモン(1941~) による作詞作曲。

同名のアルバム冒頭に収まっていて、のちに、シングルカットされた。

アルバムには、他に、

〈50 Ways to Leave Your Lover〉といった秀曲もある。

いづれも、題名を聞いただけで、ムムっ、とさせられる、良きセンス。

Still Crazy ……を、直訳すると、

〈ずっとやってきたけれど、いまだにクレイジー〉となるが、

☞ すこし意訳を込めてしまって、

何年経っても、僕はあいかわらず』は、どうでしょう?

……昨夜、通りで 昔の恋人とばったり。
僕をみて、彼女、ずいぶん嬉しそう

で、僕は 微笑んでみせた。
ふたりビールを飲みながら、あの頃のことを話し込んだり。

何年経っても、あぁ、僕はあいかわらず……。

人とのつき合いに憧れるような奴でもなく

むかしからの自分流でやっていきたい男。

かといって、アタマの中に流れるラヴソングを焦がれるほど単純じゃあない。

朝の 4時。

手を叩いて起き出すと、欠伸をしてみる

人生を追いやってしまいたい、などと思いながら。

かまうもんか、そうだろう?

すべては過ぎ去るんだから……。

窓辺にすわって、僕はいま、クルマの流れをみている

素晴らしい日を みづから台無しにするんじゃあないか?、と心配にはなるが

仲間から あれこれと糾弾されるようなことは、ごめんだな。

そう、何年経っても、僕は僕で、あい変わらず……。

元の女とよりを戻すほどの情熱も感じない、昔を偲びはするが、

未来に怖気づいて立ち止まってしまうわけでもない。

……ちょっと見は中途半端で、けれど、やすやすとは自分を譲らない人生。

それこそが自然、と思いたくなる。

アルバムのセッションに参加したメンツを見ると、これが、けっこう豪華。

かつ、ジャズ畑の連中も、チラホラだから、そういう味付けをしたかったわけですな、ポール。

ゆえに、この曲が、いまや、ジャズミュージシャンが好んでカヴァーするのは不思議でもなし。

しかし、萬年的には、

カレン カーペンター(1950~1983年) がカヴァーしていたことで、
曲の価値が深まりもして、それが、発表されたのは、没後の 1996年だった。

ブラッド メルド―(1970年生、ピアニスト)によるカヴァーも捨てがたいですが、

今回は、ニルス ラングレン(1956年生、スェーデンのトロンボーン奏者)によるカヴァー。(歌唱も彼です)

ふたりともが、若い当時、ほぼリアルタイムで影響を受けたであろうクラシックを演っている、と言えますが、

いつまでも、自分に対して〈現役〉で居たいと、つくづく思う。

では。

友だち。

『箴言』(旧約聖書)は、古代イスラエルのソロモン王(紀元前1011?~931年?)が綴った、というのが一般的な定説

学者でもない僕らには、〈~と言われている〉だけで十分だと思うが、

我が子(つまりは、王権の後継者ら)を、教え諭す表現を採っている。

その中の言葉。

〈世には友らしい見せかけの友がある〉(18章22節)

〈富は多くの新しい友をつくる、しかし貧しい人はその友に捨てられる〉(19章4節)

……こういうのはわかる。数千年前もそうだったのね。

でも、違う箇所には、

〈友はいづれの時も愛する、兄弟はなやみの時のために生まれる〉(17章17節)

(真の友かは、逆境の時にわかる)

ともあるから、父の教えには、手落ちがない。

『You’ve Got a Friend』は、キャロル キング(1942~ )の作詞作曲。

1971年に発表された。

友人であるジェームス テイラー(1948~ )もカヴァーしていて、むしろこっちのほうがポピュラーかも知れない。

かつて学校で習った初歩的な中学英語でも、なんとか理解できるくらいに平明な歌詞。

キリスト教徒でなくとも、同じ価値観で味わえるので、まことに嬉しいではありませんか。

今回は、歌詞付きの動画で、ジェームスの演奏と歌唱。

☞この動画には字幕が設定されていて、画面下の字幕on/off切り換えアイコン(四角形)をタップすると字幕(英語)が表示されます。

では。