画帳の残りは……。

森田 童子が亡くなってから、この 4月で 8年が過ぎた。

安田講堂に立てこもった学生を、機動隊が実力行使によって排除した 1969年、

森田は、17歳だった。書き物を読むと、高校中退、とあるから、この頃か。

高校くらい出ておかないと、履歴書には、中卒と記載しなくてはならないのに、

……なんてのは、世俗にまみれたオヤジの感想に過ぎず、

それが、ご本人の意思のマットウならば、要らぬお節介。

首尾一貫性がなく、なにごとにも飽きやすい僕からすると、

どの歌をとっても、あぁ、森田さんね、と腑に落ちて聴けることが、その存在感だろう。

歌い手としては、30歳ごろに公けから姿を消したらしいが、

森田 童子の、歌を描く〈画帳〉は、それから先が埋められることが、一切なかったのだろうか。

……彼女の歌の在り方からすると、そんなことが、かなり気になる。

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では。

〈白〉でダメを押す。

ユリ(百合)、それと、白色を話題にしてきたのだから、

もう、この歌で締めるしかあるまい、というお話でございます。

1969年10月の発売。

作詞作曲は、フォーククルセダーズの面々。

この年の1月、全共闘の学生らに占拠された安田講堂(東大の)が、大学当局が導入した機動隊によって封鎖解除された。(安田講堂事件)

かっこよく言えば、

60年代の最後は、

当時の青年(大学生)には、体制にはかなわなかった、という虚無感が漂ったらしいけれど、

実は、僕が体験していない時代感覚であって

つまりは、知っているようなふりをして、言ってみるに過ぎない。

知らないことを知っているかのごとく振る舞うのは、やはり不純でいけない。

……グッドソングは時を超えて残る、ただ、それだけのことにしておこう。

では。

カサブランカの誤算。

……と言っても、

はたして?

昨秋、庭のすみに植えた球根の品種が、〈カサブランカ〉 であったのかどうかも、自信がないのであります。

今を盛りの花々を、

グーグルレンズを使って調べてみても、

答えが、その都度(画像によって?)、違っていたりする。

だから、こうなれば、品種はどうでもよいのでありまして、

僕の誤算は、次の一点に尽きる

すなわち。

ユリは美しく開花したものの、すべてが天を仰ぐように上向きで、

僕が期待していたように、うつむきに咲かない。

さて。

新約聖書、マタイによる福音書6章の一節には、

〈野の百合を見よ。ソロモンの栄華の極みの時だにも、その装いこのひとつの花に及ばざりき〉と。

これを下敷きにした、

映画〈Lilies of the Field〉(邦訳 『野のユリ』 1963年 米国) は、

シドニー ポワチェが、オスカー(主演男優)を獲ったコメディー。

その中で歌われるゴスペルが〈Amen〉で、

これを、インプレッションズが、カヴァーした。

……とだらだらと、つづいていくわけでして、

要は。

ユリの花が上下どっちを向いて咲こうが、取るに足らないこだわりに過ぎず、

ソロモンの栄華をはるかに超えた豊かさを、いま、感じさせてもらっているのです。

感謝。

では。

トミー フラナガンの発見。

おそらく、今年上半期の、いちばんの発見。

もちろん、僕の中での。

体系的になど、もちろん、聴くわけでなし、

行き当たりばったりの音楽好きに過ぎない者にとって、

トミー フラナガン トリオのアルバム『オーヴァーシーズ』(Overseas)に、

聴き惚れている。

1957年8月15日、ストックホルムで録音。

1985年にデジタルリマスタリング。

ピアノ☞ トミー フラナガン、

ベース☞ ウィルバー リトル、

ドラムス☞ エルヴィン ジョーンズ。

テクニックと抒情が詰まっていて、しかも、そのどちらにも流されることない、ブルージーで、リラックスした緊張感。

69年前の、洒落たジャズ演奏を楽しんでいます。

その中から一曲、〈Delama〉

では。

San Francisco (1967年) ……。

過日は、南カリフォルニア(ロサンゼルスあたり)を、

曲で採りあげたので、

今度は、北のほう、サンフランシスコ、というわけ。

昔々。

入試に、この都市名を、英語で書かせる設問があったおかげで、

いまでも、この単語を打ち込む度、数十年前の、青春の暗さを思い出す。

……数日前。

居間に入ると、TV画面では、刑事コロンボ。

最近、カミさんは熱心に、ピーター フォークの演技とストーリーを追っかけている。

もしかしたら、韓流ドラマ以上に執心なんじゃあるまいか?

このシリーズの良質な脚本に開眼するとは、素晴らしいことだ。

今回は、ジャック キャシディが、殺人を犯すマジシャン役(セレブの) を演ってる話。

― コロンボはさぁ、サンフランシスコ警察の殺人課。
で、ハリーキャラハンがロス市警。

が、すぐに、間違いに気づいて、

― いやいや、逆か。コロンボが、L.A.警察で、ダーティハリーがシスコだった。

すると、決まって、

― よくも自信たっぷりに、ウソをつけるわね、毎回、とお叱りを受けるハメとなる。

なお、動画で映し出される光景は、サンフランシスコからはかなり遠いニューヨーク州ウッドストックのもの。

遠い過去の、こんな事情を知っているのは、高齢世代のあなたに過ぎない?

では。