魂の 赴く先の。

一昨日、職場に居た時のこと。

突然に、すこし前に亡くなった同僚の容貌が、ハッキリと想い出された。

あぁ、あの彼女だったのか……、と。

若くして逝去したその女性、訃報を聞いた時、はて、どういうお方だったっけ?、と一向に人物が像として結んで来ない。

数箇月間の入院治療の甲斐なく、逝かれたようだ。

部署も違い、会話をすることもなく、すれ違いに会釈するぐらいであったか、と思う。

目の前からいなくなって何箇月も隔たってしまえば、致し方もあるまい。
とは思ったが、それでも、なんだか胸の中のトゲのように残り、釈然としないでいた。

その日、ひとりの同僚が或るブラウスを着ていたんだが、そのチェック柄が、萬年の脳裡に、故人の面影を喚起したに違いない。

そういえばその人も、格子柄のブラウスを着ていた、そうだった、あの彼女だったのか!、といった具合に……。

脳に刻まれた記憶は消失することはなく、単に埋もれてしまうに過ぎない?

     風 尽きる 萩の野に落つ 西日かな     萬年

では。

風、尽きるところ。

この際、木枯らしでもよい。

風よ、吹いてもらいたいのだ。

できれば、強く。

庭を埋める落ち葉が、どこかへ吹き飛ばされてくれないか、と願う。

でも、落ち葉が飛んでいって、最後に吹きだまる場所がきっとあるはず。

そこって、どこなんだろうか。

では。

 

嘘つきは、ヒトゴロシに至るか?

嘘をつくことが、すぐに殺人に至るはずもなかろうが、
不正直なことで人生を固めていくうちには、他人を殺めるような大事を惹き起こしてしまう、かも知れない、というお話。

ま、風が吹けば桶屋が儲かる、と同じようにかなり恣意的な論法ですけどね。

たとえば、亭主が怪我をしたという通報で、救急隊が駆け付ける。

男性が倒れ込んだところにたまたま包丁があって、それが腰部に突き刺さってしまいました、と通報した妻は申告した。

でも、現場的にかなり不自然であるから、警察と情報共有しておこう、と救急隊。

で、結局、この奥さん、殺人未遂の容疑で御用となった、との新聞報道。

かつて容疑者と一緒に働いていた御方は、

やっちまったね、きっと酒が入ってたんだわ~、と感慨深げ。

とにかく見え透いた嘘を告げては、会社を休む常習犯だった。

朝、通勤途上で車を田んぼに落としてしまったとか、これからO市まで借金しにいかなくちゃあ、とか、微に入り細に入った嘘のオンパレードだったらしい。

有給休暇が発生したその月に、それを全部使い切ってしまうような人格が信用されるはずもないだろう。

お縄になるに及んでも、やはり嘘で押し通したか、と思えば、これはこれで主義に殉ずる生き方とも言えましょう。

ところが、敢えてうそつきの汚名を着て、でことは済まない様子。

捜査担当官をも迷わす嘘の多重奏になってしまったのか、本人に対し精神鑑定をおこなうこととなった、と漏れ伝わってきたのである。

となれば、嘘は身を滅ぼす、と言いかえるべきなのか……。

では。

霧のカシオペア。

EF64形(電気機関車)に牽引されて、寝台特急カシオペアが通過していく。
そんな幻想的な光景に出逢えた、霧の明け方。

その数日前に、お人を介して、旧知の姉妹からお便りをいただいた。

松本に生まれ育ち、すでに30数年前にはこの地を離れ、今は在京の方々だけれど、このたび、いよいよ松本に残してあった土地と建物を処分します、と書いてあった。

戦争で未亡人となった母親が、57年前に手に入れたもの、とのこと。

城山の登り口にあって、夜景の美しい場所にそれは在る。

萬年家族は、しばらくの間ここをお借りしていた恩義があるのだ。

処分の前に整理したのであろう、母上の形見として書物が一冊添えられてあった。

母の墓所は松本に残してあるので、墓参のため帰松することもあるでしょう、とあったけれど、きっと、人生のうちでお会いすることは、最早あるまいなぁ、と何故かひとり決めしている萬年ではある。

あのカシオペアの、人知れず静かに走り去る姿を想いながら……。

では。

プロをなめたら あきまへん (ガンバって 大阪)

居間に居た家人に、
―ガンバ大阪のアデミウソンね、山雅戦でやたら得点した、彼。
と、切り出したら、すかさず、

―えっ、山雅で獲ったの?

山雅ファンの一途さには、ほんとうに涙が出てくる。

でも、2015年アルウィンまでやって来ては、山雅 J2落ちろ! を連呼するようなファンを飼っているクラブからは、高木 彰人を借りれば、それで十分。

朝の8時半過ぎ、近畿道で走行車線を走っていたら、追い越し車線の車がぶつかって来ると、そのまま走り去っちゃいました、と(おそらく)被害者からの通報。

ナンバーを頼りに調べたら、どうもガンバ大阪の選手らしいね。

今日はクラブハウスに居るようだから、そちらに急行します。
この際、高速隊の担当者はもちろん、駐車してあった当事車輌の損傷を事前に確認しておく。

練習が終わるまで待ってくれた、とはなんとも温情的だなぁと思うが、ふつうは、呼気検査まではしません。

事故に至る経緯を聴き取っている過程で、
深夜の飲酒についての告知があったのか、あるいは、事案発生や当人の様子にピンと来た担当官の判断があったかのどちらかで、おそらくは前者。

とにかく事故処理の場数を踏んでるプロフェッショナルをなめてはいけないのです。

相手方からも調書は取りつけてあって、その最後で、どうですか、厳罰を希望します?、と訊ねている。

一歩間違えたら命を落とすところでした、これって。
えっ、酒があったの?!
当然厳しく罰してください。
となれば、送致後の処分にも影響してくる塩梅。

僕たちが勤務する、いわゆるフツーの会社では、こういう非行をおこなった者を(将来性や地位はともかく) 組織に置いておくだろうか? 否か?

この質問への答えの集積が、そのまま社会通念になる、と思われるが、

(理念上)存在価値無しと、チェアマンは、お怒りをメディアにぶちまけたらしく、既に大阪城の外堀は埋まったか。

さて、ガンバさん。

泣いて馬謖を斬れるかどうか?

では。